マンガのコマ投稿機能を作っている理由

先日

「アル」というマンガサービスをやっているけんすうと申します。アル、いいサイトになりつつあるので、ぜひともググってみてください。

んで、アルでは、先日、こんな機能を発表しました。

kensuu.hatenablog.jp

なんで、「コマ投稿」をがんばっているのか、というのを説明したいと思います。

マンガの競合たち

マンガはまだまだコンテンツ力があり、電子書籍などの売上も伸びています。しかし、インターネットコンテンツは爆発的に量が増えており、

など、様々な競合が生まれています。

以前、ブログでも書いたのですが、マンガは相対的に「高級で、重いエンタメ」になってしまっている面もあります(キングダムが流行っているから全部読もう、としても、購入したら3万円以上してしまいます)。

そして、一番の競合は何かというと・・・

です。

友達とのおしゃべりは、人類最大のコンテンツといわれるくらい強烈です。ここに可処分時間も、可処分精神も取られるわけです。

僕が学生の頃は、家でも学校でも、マンガが娯楽のメインだったりしたのですが、競合がめちゃくちゃ増えてしまっている・・・というわけですね。

その中で「埋もれない」ためには

僕は、マンガが死ぬほど好きなので、マンガをもっと売りまくって、業界を盛り上げて、もっとおもしろいマンガが読めるようになりたい!そして世界に広めたい!という気持ちがあるのですが、じゃあこの、競合がめっちゃ増えている中でどうマンガを売るのか・・・を考えていました。

そして僕は、20年くらい前から、インターネットのコミュニティサイト、メディアサイトばっかり作っていたので、そのあたりで何かできないかなーと。

そこで作ったのがコマ投稿でした。

要は、「友人とかとのコミュニケーションの中に、マンガをもっと出現させて、マンガの影響力を高め続ける」というのをやりたかったのです。まあ、今でも、LINEとかブログとかでもマンガのコマって結構見ますよね。なので、それをもっと加速させるために作った、というほうが正しいかもしれません。

ただ、やっぱりちょっとイケないことという認識がある人も多いのではないでしょうか。

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なので、それを

  • ちゃんと権利を整理した上で
  • 規制に乗っ取り、またルールメイキングもした上で
  • 海賊版やネタバレなど、作品の売上を下げるものを排除することも念頭にいれて

やろうと思ったのが、このコマ投稿です。

インターネットを長くやっている人からみると、インターネットとは自由であり、そういったものが文化を形成している、という感覚が強いかもしれません。信じられないかもしれませんが、ゼロ年代では、WinMXWinnyなどのP2Pファイル共有ソフトが流行しており、動画や音楽、ソフトウェアはそういったサービスを使って無料でダウンロードしてもいいものだ、というのがネットユーザーの中では珍しい感覚ではありませんでした。

しかし今では、違法に音楽をダウンロードしていることをTwitterで書いたら炎上するでしょう(YouTubeなどを使った無料の音楽アプリはあるものの・・・)。というので、無法地帯的な自由さは、インターネットが広まるにつれ、ちゃんとしてきており、なんだかんだいってユーザーの倫理観も高まってきているのではないかと思います。

アルのマンガのコマも、無秩序な「自由」ではなくて、ちゃんとやることで、マンガを書いている作者と、出版社の利になるようにして、さらに読者の楽しみ方も広げるようなものにしたいと思ったのです。

ちなみに

マンガ業界は基本的に懐は広めです。二次創作などを、放置、もしくは黙認していたり、読者が楽しんでいる分には、あまりうるさく言わない、というのは風土としてあると思います。

しかし、当然、著作権者の権利を大きく侵害するものはダメです。

  • マンガを違法アップロードして全部読み放題のサイト(漫画村など)
  • YouTubeで新話をアップする

こんなのは論外としても

  • 発売前後に、新話をネタバレブログとして、テキストで紹介する

なども、要は雑誌や本を買わずとも中身が読めてしまっているようなものなので、こういうのにも困っています。

というので、コマを埋め込めるようにする・・・などの機能をアルが提供することで

  • 無許可でマンガのコマを使うシーンをへらす(ユーザー側が注意して使わなくなる)
  • ネタバレブログでアルが使われたら感知して、停止する & プラットフォーマーと協力して対応する
  • 出版社にどのような使われ方をしているかレポートする

というのができるようになります。さらに、今実験中なのですが、コマの画像を我々が保有していることで、その画像と似た画像を使っているサイトをインターネット上から探すことによって、違法サイトを発見しやすくする、という利点もあります。

YouTubeが整備されて、ルールも規制もちゃんと動いた状態になると、違法の動画サービスが弱くなっていくのと似ているかもしれません。

ということで、

  1. インターネットユーザーが時間を多く使っているコミュニケーションやメディアの場所で、マンガの露出を増やす
  2. 違法だったり、マンガの売上に悪影響があるコンテンツをへらす

という2つの軸が実現できればいいなーと思っていたりします。

というわけで

がんばってやっていますが、まあまあ大変な作業ではあります笑。

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大変ではありますが、読者も著作権者もうれしい形で成立させて、かつマンガの売上をぐっとあげられないか・・・というチャレンジです。成果がでるのはまだ先な気がしますが長期に渡ってできるようにがんばりたいです。

とにかく楽しんで、マンガを紹介したりしてもらえると嬉しいですー!

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