萩生田文科相下で進む認可手続き。審議会へ諮問された「幸福の科学大学」とは?
萩生田光一文科相が11月13日、設置認可申請中の「幸福の科学大学」を含め大学・短大15校について、認可の可否の審査を大学設置・学校法人審議会に諮問した。幸福の科学大学が2014年の申請時に不正行為があったため5年間認可しないペナルティが課されていたことも含めて、時事通信や朝日新聞などが報じた。
諮問を受けて、今後は大学設置・学校法人審議会が審議。来年8月末に答申を行い、文科省が可否を判断するというスケジュールだ。
幸福の科学大学の前回の不認可やペナルティの理由、そこに萩生田文科相が関与していた事実については、先日本誌でもリポートした通り(「身の丈」発言だけじゃない。萩生田文科相と認可再申請中の「幸福の科学大学」の危うい関係)。今回は、幸福の科学が目指す教育の実態と、大学を認可することの問題性についてさらに掘り下げたい。これを踏まえることで、萩生田文科相の問題も再認識できるはずだ。
前回申請時、幸福の科学大学は2015年開学を目指していたが2014年に不認可に。ところが幸福の科学は、大学にする予定だった千葉県長生村の施設を「ハッピー・サイエンス・ユニバーシティ」(HSU)として、予定通り2015年4月に「開学」させてしまった。現在まで5年間、「大学ではないユニーバーシティ」として運営されている。
大学はおろか各種学校((予備校、自動車学校、日本語学校、神学校などが含まれる)などの認可も得ていないHSUは、「教育」内容に文科省ほか行政の干渉はない。おかげで、今年10月の再申請の具体的内容は明らかになっていないもののHSUの実態を見ることで、幸福の科学が目指す「大学」の本当の姿が垣間見える。
前回の記事で紹介した通り、2013年に教祖・大川隆法総裁は教団内での講義でこう語った。
「認可が下りるまでは一応、文科省の指導方針に合わせた方向で作っていくが、逸脱していくことは当然ありうる」(「『教育の使命』講義」より)
仮に認可を得たとしたらその後、幸福の科学や大川総裁はどのように「逸脱」させていこうと目論んでいるのだろうか。
前回2014年の申請に先立って建設された「大学」用施設は、ピラミッド型礼拝堂を備えた4階建ての校舎、学生寮、食堂など。もちろん体育館もある。敷地面積16万9000平方メートル。「大学関連施設だけでも百数十億円を投資」(ザ・リバティ記事より)したという。
敷地は、もともと宗教法人幸福の科学が2008年に57億円で購入した31万平方メートルの一部。購入後、教団が空き地として放置していたため、地元長生村議会が固定資産税の課税(年間約2500万円)を主張した。宗教法人が所有する土地のうち、非課税扱いになるのは「宗教法人が専ら本来の用に供する土地であること」などの条件を満たす場合とする判例に基づいたものだ。
しかし当初は教団が課税に反発して議会と対立。教団との癒着が指摘された当時の村長をめぐって議会で「百条委員会」が設置されたり、その村長が選挙で落選し幸福の科学への課税を公約に掲げた現村長の小高陽一氏が当選したり。大学の認可申請以前に土地をめぐって揉めに揉めた。
教団側は空き地に「読経処」などと書いた看板を立て、宗教行為に使用している土地であるかのようなアリバイ作りで対抗した。
2013年、新村長・小高氏が課税問題に決着を着けた。教団が、2009~2012年分の固定資産税額に相当する1億円を村に寄付し大学予定地の2013~2015年分までの課税を受け入れることを条件に、過去の固定資産税を課税しないことを提案し、小高村長が受け入れた。当時、小高村長は私の取材に対して、こう語った。
「教団側からこの条件を示され、“今日中に決断しなければこの条件はなしだ”と言われた。教団との話し合いが難航することはわかっていたし、裁判になった場合のコストを考えれば、悪い条件ではない」(小高村長)
高圧的な姿勢で好条件を出してくるという、教団側のワケのわからない歩み寄りだった。
こうして、翌14年に大学用施設が完成し、3月、文科省に認可を申請。同年10月に不認可に。5年間認可されないという絶望的ペナルティを課せられたものの、大学用施設を放置せず無認可のHSUとしてスタートさせたというわけだ。
大学ではない「ユニバーシティ」を開設
可申請前に課税問題で物議を醸した
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