待ち人来ず
アルベルお嬢様、相変わらずファザコンを拗らせています。
領主代行をしているせいか、ここ最近のキシュタリアは私室の隣にある自分の執務室で難しいお顔をしていることが増えた。
ラティッチェ領は栄えているため、人の出入りが多い。
サンディス王国でも比較的治安のいい場所でもあるが、人が多ければ悪い人も来る可能性が高くなるのだ。人の集まるところにはお金が集まるのだから。
先日街を見たときは活気にあふれ、そんな気配はなかったけれどどこもかしこもそういうわけではないそうだ。
「わたくしに何か力になれることがあればよいのですが……」
「そのお気持ちだけでキシュタリア様はお喜びになりますよ」
でもわたくし実質ニート令嬢。アンナはそうはいってくれるけれど、いいのかしら?
ジュリアスはキシュタリアの補佐をしている為、再び私の側近を外れることが増えた。
「我が領で何があったのかしら?」
「……奴隷の密売があったそうです。サンディス王国では禁止されていますが、ここは近隣の領からの移民も多いので正式な住民籍を得る前に攫って他国へ密売しようしていたそうです」
「酷いことを……被害はどの程度ですの?」
「すでに何度か攫われて売られた人数はまだ定かでないということです。
青血倶楽部などと名乗る富裕層の集団が、仮面舞踏会を隠れ蓑にした競売を行っていたところ一斉摘発したそうですが…
会場で救出された者たちはともかく、既に異国へ売り飛ばされたとなると一人一人の足取りを追うのは難しいかと思われますわ。
我が国は白い肌に鮮やかな色彩の髪や瞳、端正な顔立ちの人間が多いので狙われたのでしょうね…」
サンディス王国は奴隷も人身売買も基本禁止だ。犯罪奴隷は例外的に許可されているが、それは刑罰の一環としてあるもの。死刑囚相当で、二度と一般の生活に戻れないと決められた人間が鉱山や戦線僻地に送られたりする。
ですが、奴隷という制度がないだけでそれに近く金銭で人のやり取りを行うことはやはり裏ではあり、根絶は難しいことです。
奴隷は体の一部に焼き印が押されるほかに手足に鎖、首輪などを付けられることにより『奴隷』と見て分かるようにされていることが多いそうです。…実物は見たことありませんが。
美形が多いというお国柄でありながら奴隷制度に厳しい。サンディスの民はそんなこともあり、奴隷市場には回らない。稀少価値の高い人種であるといえるかもしれない。
ちなみに、セルケー族という左右の眼の違う人間や、長い寿命故に美しい時間も長いエルフなども高級奴隷として取り扱われるそうです。あと月狼族と呼ばれる戦闘特化の部族も兵士として高く取引され、獣人などは敢えて戦奴になって成り上がり、力試し行う奇特な方も稀いるそうです…ですが、逆に若い女や子供の獣人はマニアックな貴族が欲しがることがあるそうで…
しかし、何度取り締まっても奴隷の密輸や競売は大なり小なり毎年検挙されているそうです。
そういえば、わたくしが一人の状態で外にうろついたら、捕まって売り飛ばされるってジュリアスたちが何度もいってきたような…
やっぱりお外は怖いのです。引き籠り万歳。
もともとサンディス王家の魔法や魔道具の類が結界特化も、そういった側面から民を守るためなのかしら?
周りは大国強豪国がひしめいているが、周りが保有するのはほぼ攻撃型と聞きます。
サンディス王国の属国や、友好国としてはサンディス王家の魔法が命綱ですわよね。あれがないと周辺国が大戦争になると聞いたことがあります。
サンディス王国はバランサーの位置づけでもあるのです。
……今のうちの次期国王候補たち、醜聞塗れですが大丈夫なのかしら?
幸いなのが、今のところラウゼス陛下が非常に真っ当な政治をしていることです。
名君、賢君というわけではないのですが堅実で誠実な施政というべきでしょうか。
キシュタリアがラティッチェ公爵家を継ぐ頃には、世代交代が起こってもおかしくない。
ラウゼス陛下はシスティーナおばあ様の弟君。ご壮健とはいえなかなかの御歳なのです。
どうか、キシュタリアの負担を減らすためにもポンコツな王太子を選ばないでいただきたい。
そもそも、あんな問題起こしてルーカス殿下とレオルド殿下は王位を継げるのかしら?
王位継承については元老会が選定すると聞きますが、結構な血族主義や王家神話説を振りかざす系の頭カッチコチ系とお聞きします。
傍系から候補を引っ張り出す?
基本男児に王継承権が行く。国を背負う重圧を伴う政務が過酷ということもある。そんな年頃の子、傍系にいたかしら? 社交界に疎い私には分からない。私も血筋を見れば傍系なのですが、クリスティーナお母様の御実家であるフォルトゥナ公爵家もそうですわよね。あそこには既に打診がいってそう。
そもそも、ラウゼス陛下は二人しかお妃様がいませんが、それより前の王様たちはかなり好色とお聞きしします。最悪、ご落胤の一つや二つあってもおかしくないはず。
その場合、その方はすごいシンデレラボーイとなるのかしら?
わたくし、絶対お断りですが。
何事も噂や憶測で判断するのは良くないのですが、私の言動にここのところキシュタリアやジュリアスが神経を尖らせているのです。あのミカエリスからも、お手紙で悩みでもあるのかと探りを入れてきたのです。
修道院計画や、平民計画のせいかしら? ブーイングをしたい所存です。わたくしは自立を目指しているだけだといいますのに!
役立たずは役立たずらしく早々に引っ込んでいようと思うのですが、なかなかうまくはいかないものです。
その、わたくしはゲームのように悪役令嬢らしいことは全くしていないつもりです。
世間知らず過ぎてキシュタリアやジュリアスに迷惑をかけていることは否定できないですが、いじめなどはしていないつもりなのです。
それどころか、いまだに信じがたいことに好意を寄せられているのです。しかも、親愛などではなく恋愛で。
キシュタリアやミカエリスは思い切り攻略対象なはず。ですがダチェス嬢は攻略失敗して、なぜか私とフラグが立っている。ジュリアスは違うはずですが、二人に負けず劣らずの美形ですわよね。うちの国は美形が多いというのは国際的にも認識されているようですが、それを差し引いても端正だと思います。
そうえば、以前レイヴンがジュリアスに対してもダチェス嬢が絡んでいたといいました。
もしかしてジュリアスやお父様やレイヴンやセバスも攻略対象とか……
ねーわ、ですわ。
ジュリアスは完全に一般ゲームとしてストライクゾーン。年上キャラで教師のフィンドール・トランもいますしね。レイヴンは少し幼いですが、カインのようなショタ(でも後で成長する)も攻略対象なのですからあり得なくはなさそうですがお父様とセバスはないでしょう。
お父様はわたくしの実父ですのよ? 私は移植版や追加復刻や続編は知りませんが、流石に親子ほどの年というは犯罪臭が……ビジュアル的にはありでもお父様がロリコンに走るとかパパっ子の自負があるファザコンとしてはキツイ。セバスは独身ですけれど、御老人の域に達していますわ。マニアック過ぎる。
今更ですが、前世でもっと他のもやりこんでおけばよかった。
私は初版R18付きバージョンのパソコンでやっていました。なんでパソコンかって? デカい画面で落ち着いて堪能しながらやりたい喪女だっただからですわ。美麗絵を堪能したいがために推しに貢ぐという名目で画素数の高いものを購入し、美声を満喫したいという名目でゼロが多めのヘッドフォンまで購入しました。
なんでそんな無駄に細かいことを覚えているのに、前世の名前を憶えていないのでしょうか。そんなに名前が嫌いだったとか? いえ、嫌いであればむしろ何か引っかかりを覚えるので、寧ろ普通に過ぎた? どっちかしら?
…R18ブツのゲームをやっていたし、パソコンを自費で購入していたのだから私ってやっぱりそれなりに自立した大人の女性でしたのよね?
うーん、やっぱり人間個人としての記憶は思い出せませんわ。むしろ昔より劣化しているような?
いえ! でも確かに大人だったはずです!
何故ここではこんなに幼女扱いなのかしら。
身長はあまり高くはないですが、お胸は結構立派な部類だとおもいます。腰もしっかりきゅっと括れていますし、お尻も張りがありつつきちんと綺麗なラインをしているはずです。後ろ姿ははっきり確認していませんが。背中を見るのが嫌いなので、ちょっとちらっと確認する程度。ですが乗馬でポニーと頑張って鍛えていますのよ?
このスタイルをもってして幼女扱いとは如何に?
いえ、その大人扱いを急にされても困ってしまう気もするのですが…
幼馴染たちを好きか嫌いかといえば、好きだと言える。断言できるけれど、誰が一番好きかといわれたら返答に詰まる。
キシュタリアは次期当主として、あの若さにしてあのお父様の当主代理を務めるほど立派になっている。
ジュリアスはたった一代でその身一つで、使用人から子爵位を得たといえばどれだけ優秀かなんて察して余る。
ミカエリスは既に伯爵の地位を得ている。先祖代々から受け継いでいるとはいえ、彼の代で大幅にドミトリアス領は発展した。
見事な貴公子たちのそろい踏み。ポンコツの手に余る有望株です。
ですが、いくら三人が男性で女性よりも婚期に余裕があるとしても、学生時代が終われば大きく変わるはず。本格的に相手を探さねばならない。ジュリアスはいくつも格上から婿養子の打診や、ご令嬢を妻へとの話が来ているそうです…メイド情報網を甘く見てはいけません。
ふと窓の外を見ると、公爵家の紋章の入った馬車が外へと向かっている。また視察だろうか。教えてくれたのなら、見送ったのに。遠ざかっていく馬車はやがて外門へ消えていった。
時間がたち少し日が傾き始めた。ゆるゆると赤みを帯び始めた空と、下がり始めた気温。ストールを肩にかけ、見えもしない馬車を探して目を凝らす。
(……まだ帰ってこない。キシュタリアも、お父様も)
アンナの言っていた人身売買の摘発にキシュタリアは掛かり切りなのだろう。
本来なら当主が当たるべき程の大きな案件だということは、屋敷に広がった騒々しさからも察する。セバスどころかジュリアスすら、今日は顔を合わせていない。それだけ多忙なのだ。
北部のスタンピードは連鎖状態らしく、叩いても叩いても魔物が湧き出ていると聞く。
お父様が易々と負ける方ではないとは分かっていても、すでに『君に恋して』としては物語の終盤に差し掛かり始める時期。今年卒業のミカエリスに至っては王手がかかっていなくてはおかしい。色々な事件が一度に起きる時期でもあるし、ヒロインであるダチェス嬢がフラグを立てるだけ立てまくった4人の事件は起きる可能性が高い。
ですが、王子たちの場合王位継承権を巡る苛烈な争いと陰謀、そして悪役令嬢アルベルティーナの暗躍があるはず。ですが、悪役が現在ヒキニート類ポンコツ科の残念令嬢なので起きる事件も起きないはず。メギル風邪の対策としてはお薬を用意はしましたが…今のところ兆しは出ていないと思います。
というより、ヒロインであるダチェス令嬢が投獄されているので起きるものも起きないのでは?
「お嬢様、そろそろ晩餐の用意が整います。本日、ラティーヌ様は夜会へ、キシュタリア様は視察に赴かれておりますので別となります。
お一人のお食事となりますが、ダイニングホールでお召し上がりになりますか? それともお部屋にお持ちしますか?」
「部屋にお願いします……ホールでは大きすぎて、返って寂しくなってしまうわ」
「お嬢様…明日には必ずラティーヌ様もキシュタリア様も朝餐にはおられますとのことです」
「ふふ、それは嬉しいわ。ダメね、すぐにめげてしまって」
苦笑したつもりが、それすらも失敗したらしい。
アンナの冷静な仮面が俄かに剥がれ落ちる。優しい茶色の瞳に心配そうな光が宿る。
一礼をして下がっていくアンナ。去っていったドアを見つめ、また窓の方を見る。
どうやらラティお母様もキシュタリアも帰りが遅いか、明日になってしまうようだ。
すっかり夜の気配が濃くなり始めていた空は、藍色に染まり真っ暗な夜のとばりがおりきる寸前だった。
なんとなく、バルコニーへと出ていく。そういえば、以前、雨の降りしきる嵐の中でキシュタリアが魔法を使って訪れてきたことがある。あの時は、かなり怒られた。いくら義弟とはいえ、若いレディが深夜に男を部屋に上げてはいけないと。
しばらく景色を眺めたものの、やはり外門が動く気配はない。
月が見当たらないので今夜は新月なのだろう。通りで闇が濃いはずだ。
あまり体を冷やしては、アンナにすぐ気づかれてしまう。心配を掛けさせてしまう。あまり体も強い方でないので、部屋に戻ろうと踵を返した。
真っ暗な闇に溶けるように、屋根の陰からずっと私の様子を見ていた存在に気づくことなく。
読んでいただきありがとうございました(*- -)(*_ _)ペコリ
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楽しい、面白いと思っていただけるとやる気が出ます。
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