上野のパンダの名前、繰り返すとはかぎらない? 名前を通してみる歴代パンダの歩み

2019年1月1日

知る!TOKYO
ULM編集部

上野動物園の歴代パンダたちはみな、同じ音を2回繰り返す名前で呼ばれています。ですが、これは絶対的なルールではないといいます。そんな、名前にまつわる話を交えながら、一頭一頭、唯一無二の個性を持つ歴代パンダたちを振り返ります。

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「美しいひざカックン」から独り立ちまで。シャンシャンの2018年

 不思議で愛らしい動物、パンダが上野動物園に初めてやってきてから、46年の歳月が流れました。2019年1月現在、上野では、13歳の「リーリー(父)」と「シンシン(母)」、そして1歳の「シャンシャン(娘)」、3頭のパンダが暮らしています。

 日々すくすくと成長するシャンシャンは大人気。観覧の列は絶えず、「木に登った」「初めて雪に触れた」「りんごを食べ始めた」など、生活に変化が起こるたび、その情報は、テレビや新聞、ネットニュースなどで全国に発信されます。

寝転がりながら笹の葉をかじるシャンシャン(香香)。漢字で書く際の「香」は「花開く明るいイメージ」とのこと(画像提供:公益財団法人東京動物園協会)

 2018年12月には、長らく一緒に過ごしていた母シンシンと離れ、単独で暮らし始めたシャンシャン。体重は約40キロに。すっかり大きくなり、寝転がりながら竹や笹を食べる姿にも、少しずつ成獣の風格が漂い始めています。

 ですがほんの1年前、2017年12月19日(火)の一般公開スタート時には、まだ小さく、柔らかいピンクの毛色をしていました。

 このピンク色は、母パンダが子の世話をする際に付着した唾液によるといわれており、シンシンがシャンシャンの世話を熱心に行なっていた様子がうかがえるものです。

ピンク色だったころのシャンシャン。成長とともに白くなっていった(画像提供:公益財団法人東京動物園協会)

 竹や笹をバリバリと食べるシンシンの横にちょこんと座り、母の真似事をするかのように、竹や笹をほおばるシャンシャン――。

 独り立ち前、上野動物園では、そんな姿が見られました。食欲旺盛なシンシンは、時にシャンシャンが握っている竹や笹をひょいと持ち上げ、むしゃむしゃと食べ始めることもありました。

 シャンシャンも負けていません。シンシンが持つ竹や笹を食べようと挑んだり、あるときには、シンシンの後ろ足に元気よく頭から突進。不意をつかれたシンシンが、一瞬ずるっと地面に沈みかけたことも。その様子は「パンダ史上最も美しいひざカックン」として上野動物園の公式ツイッターで紹介され、大きな話題となりました。

 人間から見ると、仲睦まじい様子に見えた2頭。ですが、ジャイアントパンダはもともと、単独で生活する生き物です。子が1歳半から2歳になるころには、親が子を自分の縄張りの外へ追いやり、子の独り立ちを促します。

 親の子離れは突然訪れるため、その瞬間は誰にも予想ができないといいます。また、その際に親が子へ、危害を加える可能性も否めません。上野動物園では、万が一のことが起きて、シャンシャンが怪我などをせぬようにと、安全を配慮。慎重をきわめた独り立ちの準備を行いました。

シンシンは「サクラ」や「ミライ」になるかもしれなかった?

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