孤立したキャンパス内では、食料確保に困難が生じている。大量の催涙弾によって大学の水が汚染されたという噂もあり、水の確保も問題となっている。さらに、警察が再度大学に侵入した場合は、これまでよりさらに激しい抗争も予測される。
11月13日、香港中文大学は今学期の授業再開の断念を決定した。他の大学でも残りの授業を全てオンラインに置き換えるなど同様の動きがある。こうした状況の中、大学や香港を脱出しようとする学生は多い。大学側は大学から数km先の場所に空港などへのシャトルバスを用意しているが、その乗り場まで行くのも簡単ではない。自由時報電子報の報道によれば、台湾の大陸委員会が香港出先機関を通して台湾人学生を帰国させようとしたが、10人ほどが「交通事情などの突発的事情」により予定していた航空機に搭乗できなかったようだ。
日本人留学生も次の衝突が起きる前にと、大学や領事館が用意した車両に時に獣道を歩いてたどり着き、大学からの脱出を図っている。50人ほどの日本人学生のほとんどは、日本もしくは隣接する深圳への避難を決めた。筆者も脱出のための経路探しなどを支援した。そのうちの一人のインタビューはNHKで報じられており、そのほかのメディアも帰国しようとする留学生を取材していた。50人のうち香港を出なかったのは、私を含めて3人のみである。中国本土から来ている学生に対しては、共産党青年団をはじめ複数の機関が宿泊施設を無償提供している。
「組織化」された抗議活動
抗議者は警察との再びの抗争に向けた準備に余念がないようだ。抗議者の仲間が集結しており、筆者が確認した中には中高生もいた。抗議者は入り口を徹底的に管理しており、学生証の確認や手荷物検査を行っている。さらにバリケードを築き、その代わりに狭くて人一人がやっと通れるような迂回路を作り出し、「安全」な通行を確保している。歩道として利用されていたレンガを掘り起こしてバリケードとして利用されたものもあった。車両通行を禁止し身分証を確認し、抗議者が自治を進めている様子を、地元紙は「『国境検査』が行われている」と報じている。
コメント16件
u_dragon
中国が要求を飲むことはないと、香港トップの林鄭長官を通して再度明言してしまいました。
予測しえたものの非常に残念な瞬間でした。
他国はそれを助ける事は出来ないのか。
米国の下院の香港人権法案くらいですかね。それとトランプ大統領にしか出来な
いのか、中国との(貿易)対立の明確化。
...続きを読む人権のない中国を放置して、よしんば中国が覇者となっては、他国にも他人事ではなくなる未来が待つ。
今でも南沙諸島基地建設や港の差し押え、インド国境付近のじわじわ侵略など。実例が増えていく。
(南沙諸島の付近の漁師は魚を無料でぶんどられるんだとか)
香港の市民の思惑を達成するなら独立しか無いのかもしれないが台湾へのしつこい嫌がらせを考えたら先行きは明るくない。
せめて香港警察や市民デモに紛れ込んだ中国共産党の手下へ国際社会が一丸となって非難をぶつけるべき。
(数日遅れて中国本土で報道された最初のほうの香港デモ。逃亡犯防止条例の賛成多数という見出しと。CIAとかFBIとかの文字が紙面に多数踊っており、外国の工作だと宣伝していたのかもしれない。)
護民官ペトロニウス
猫
>他国はそれを助ける事は出来ないのか。
運動の指導者層の亡命を受け入れる事ですかねー、その昔孫文の亡命を受け入れたように。
ちなみに、戦前の日本は中国に限らず政治亡命者を受け入れていました。インドで独立運動をしていたボースとかね。
日本
を英国起源のジャパニーズカレーの他に、インド直伝のカレーも存在しているのは彼の貢献によるもの。
...続きを読むhttps://www.nakamuraya.co.jp/pavilion/products/pro_001.html
M
香港の学生たちによる指導者のいない運動は、香港政府と話し合いをして落としどころをつけることもできないまま長期化し、双方過激化しているように見えます。残念ですが、犯罪人引渡条例への反対だけでなく普通選挙の実施要求など、西側諸国から見たら当然
の要求であっても、香港政府を指導しているだろう北京が認めるとは思えないものです。同じように学生が行ったひまわり運動は、普通選挙が実施され言論の自由も保証されている台湾であったからこその成功だと言えると思います。...続きを読むこの件で国連や米国などが調停者となれれば学生たちは話し合いに応じるのでしょうか。ただ、北京は介入を拒否しそうで、どうも話し合いの実現が想像できないです。
けるん
ゴルゴ13に「偽りの五星紅旗」っていうエピソードがある。掲載は1985年、舞台は返還前の香港。香港の巨大財閥の総帥が、返還前の香港経済を敢えて破綻させ、香港を無価値なものにして中国、台湾から手を引かせ独立することをもくろむが、それを察知した
CIAと中国共産党がこの総帥を暗殺するっていう話。...続きを読む今や、香港の民衆はみんなそんな気分なのかもしれない。「昔は良かった。今は働けど働けど中国、そして中国と手を組んだ大財閥に搾り取られるだけ。」というのが香港の現実。ある意味、上海や北京と変わらないのだが、中国人には耐えられても、香港人には耐えられないのでは?
foo-bow
先日のキャノンの方の記事に比べると、臨場感というか緊張感というか、伝わってくるものがありますね。先に投稿した他サイトの福島香織さんの記事からみても、既に中国共産党は搦め手で裏からあの手この手を香港につぎ込んでいると思われます。天安門で正面か
ら弾圧して非難を浴びた経験から学んだかのように。...続きを読む中国は香港返還時の約束事を誠実に守るべきだし、これ以上の悲劇の回避には強者の側が度量を見せるしかないという(これも福島さんの)意見に賛同します。イギリスはどう思っているのか、それどころではないのかもしれないが・・・。
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