今回はポケモンソード&シールドについて、前作からの変更点をまとめました。
廃止された要素
メガシンカ
第6世代であるポケモンX・Yから登場し、その圧倒的な強さでパーティに1体は必ず採用すべきと言われるほどにポケモン対戦の中心的要素であったメガシンカが廃止されました。今までは使いたいメガシンカポケモンを決めて、そこからパーティを考えていけば自然と強くてバランスの良い構築になっていましたが、それが廃止されてしまったということでパーティを考える難易度が上がってしまうかもしれません。
Zワザ
第7世代であるポケモンサン・ムーンから登場し、1度だけ技を超強化できるため火力が低いポケモンを次々と対戦環境入りさせたZワザもわずか3年で廃止となりました。これまではZワザで技の威力を底上げできるせいでポケモンの数値よりもタイプ相性が大事な環境でしたが、これからはポケモンの実数値の高さや覚える技の威力などがよりパーティの強さに直結する環境になると予想されます。
技
めざめるパワー、おんがえし、やつあたり、おいうちなど前作まで対戦でよく使われていた一部の技が今作では廃止となりました。特にめざめるパワーは、電気タイプの地面タイプ対策技として使われていたので、電気ポケモンは別の対抗策を用意する必要が出てきてしまいました。
変更された要素
強化
特性:「せいしんりょく」「マイペース」
特性「いかく」による攻撃ランク1段階下降の効果を受けなくなりました。今までほとんど発動しない死に特性だったのですが、ようやく発動回数の多そうな効果を得ました。ただし、シングルでは威嚇ポケモンはあまり多くないため、ダブルバトルで優秀な特性となりそうです。
特性:「びびり」
特性「いかく」を受けた時に、自身の素早さが1段階上昇するようになりました。
上記の「せいしんりょく」などと同様に、今までほとんど発動しない死に特性でした。これもまた同様に、特性「いかく」持ちがはびこるダブルバトルで優秀な特性となりそうです。
技:「こうそくスピン」
威力が20から50に上昇し、さらに自身の素早さランクを1段階上昇させる効果が追加されました。ゴーストタイプに無効化されるものの、「ニトロチャージ」の上位互換のような技になりました。また、ドリュウズが「ステルスロック」と合わせて覚えるため、自分だけ一方的にステロ展開を行うステロスピン型という強力な型も生まれそうです。

ドーピングアイテム(栄養ドリンク)
これまでは、すでに努力値が100以上振られている能力には使用できませんでしたが、上限がなくなり最大値である252までこのアイテムで努力値振りを行うことができるようになりました。
今までは努力値を振るのに野生のポケモンを倒し続ける必要がありましたが、ゲーム内のお金で買えるこのアイテムでできるようになったので、育成の手軽さが格段に増しました。
遺伝技(タマゴ技)の仕様変更
「あずかりや」に預けた2匹のポケモンが同じ種族の場合、片方に遺伝技があるならばもう一方もその技を覚えます。この2匹の性別が別である必要はありません。これによって、配布ポケモンなどの遺伝技がないデメリットを気にする必要がなくなりました。
弱体化
特性:「ばけのかわ」
化けの皮が剥がれた時、自身の最大HPの1/8だけミミッキュがダメージを受けるようになりました。これによって、ミミッキュの超強力な型である”気合のタスキ型”が消えてしまうのでミミッキュの大幅な弱体化と言えるでしょう。

特性:「ムラっけ」
上下する能力の候補から回避率と命中率が削除されました。ムラっけポケモンの代表であるオニゴーリに、「まもる」から回避を上げられ大逆転されるという、非常に不愉快な出来事がとうとう無くなり喜ぶプレイヤーも多そうですが、逆に言えば、素早さが上がりやすくなったとも考えられるので弱体化とは言えないという声もあります。



技:「キングシールド」
直接攻撃を防いだ時に下げる相手の攻撃ランクが2段階から1段階に下がりました。「キングシールド」を使用するポケモンであるギルガルドは、第7世代シングル環境で猛威を振るいすぎていたため、これ以外にも種族値の変更(シールドフォルムでは防御と特防の、ブレードフォルムでは攻撃と特攻の種族値がそれぞれ10ずつ下がりました)も受けているので、弱いポケモンとはならないものの、最強格とはいかなさそうです。
体重技:「くさむすび」「けたぐり」「ヒートスタンプ」「ヘビーボンバー」
ダイマックスポケモンに使うとその大きさに怯えて失敗するという仕様が追加されました。相手のどのポケモンもダイマックスしてくる可能性があり、安易に打てなくなってしまったため、採用することすら危険な技となってしまいました。
道具:回復きのみ
食べた時の回復量が最大HPの1/2から1/3に減少しました。持たせる持ち物が特に決まっていなければこれらのきのみを持たせておけば強いという半ば思考停止が可能な持ち物だったのですが、この変更により持たせて強いポケモンはある程度限られてきそうです。



追加された要素
ダイマックス
ポケモンが巨大化する、ソード・シールドの目玉要素です。メガシンカと違って持ち物を必要とせず対戦中どのポケモンにも使用することができ、3ターンの間ステータスや技を強化させることができます。ただし、ダイマックスしてしまうとそのポケモンの補助技はすべて「ダイウォール」というダイマックス技も防げる「まもる」に変化してしまうため、「つるぎのまい」などを使用したい場合は注意が必要です。
また、一部ポケモンに限って特別なダイマックス、キョダイマックスをすることができます。キョダイマックスポケモンは専用ダイマックス技を使用することができるので、試合を大きく動かすパーティの軸として是非とも採用したいポケモンです。
ダイマックス技の名前と効果一覧
タイプ | 名前 | 効果 |
---|---|---|
ほのお | ダイバーン | 天候を晴れ状態にする。 |
みず | ダイストリーム | 天候を雨状態にする。 |
いわ | ダイロック | 天候を砂嵐状態にする。 |
こおり | ダイアイス | 天候を霰状態にする。 |
くさ | ダイソウゲン | 場を「グラスフィールド」状態にする。 |
でんき | ダイサンダー | 場を「エレキフィールド」状態にする。 |
フェアリー | ダイフェアリー | 場を「ミストフィールド」状態にする。 |
エスパー | ダイサイコ | 場を「サイコフィールド」状態にする。 |
かくとう | ダイナックル | 味方全体の攻撃を1段階上げる。 |
はがね | ダイスチル | 味方全体の防御を1段階上げる。 |
どく | ダイアシッド | 味方全体の特攻を1段階上げる。 |
じめん | ダイアース | 味方全体の特防を1段階上げる。 |
ひこう | ダイジェット | 味方全体の素早さを1段階上げる。 |
ドラゴン | ダイドラグーン | 相手全体の攻撃を1段階下げる。 |
ゴースト | ダイホロウ | 相手全体の防御を1段階下げる。 |
むし | ダイワーム | 相手全体の特攻を1段階下げる。 |
あく | ダイアーク | 相手全体の特防を1段階下げる。 |
ノーマル | ダイアタック | 相手全体の素早さを1段階下げる。 |
変化技 | ダイウォール | まもるの効果に加えて、ダイマックスわざを防ぐことができる |
新天候:雷雨

新天候として「雷雨」が追加されました。雷雨下では水タイプの技の威力が1.5倍になったりと従来の雨下と同様の効果があるだけではなく、電気タイプの技の威力が1.5倍になるなどの効果があるエレキフィールド下の効果も追加されます。
これまでも雨下で「かみなり」が必中になることを活かした戦術が存在しましたが、今回追加された雷雨下ではさらに威力が1.5倍になるのでより強力な戦法となりました。サンダースなどの非常に高い素早さを持つ電気タイプのポケモンで、強化された必中「かみなり」を連打するのが単純かつ強力そうです。
ただし、現状では天候を雷雨にする方法が判明していないため、対戦環境で使うことができるかは不明です。
新しい持ち物
あつぞこブーツ
持たせたポケモンは場に設置されたトラップ系統の効果を受けません。リザードンなどの岩4倍弱点のポケモンなどに持たせると、相手の「ステルスロック」で動きづらくなることが無くなります。。
・からぶりほけん
使用した技が当たらなかった時に発動して、自身の素早さを2段階上昇させます。技が無効化されたりして失敗した場合は発動しません。また、発動するとこのアイテムは無くなります。ただし、一撃必殺技では発動しないため少し扱いに困る持ち物かもしれません。

・だっしゅつパック
自身の能力ランクが下がった時に発動して、持っているポケモンを交代させます。交代するポケモンは自分で選べ、発動するとこのアイテムは無くなります。「りゅうせいぐん」などの自分の能力が下がってしまう技を打つポケモンに持たせればその隙をカバーできます。
・のどスプレー
音技を使ったあとに発動して、自身の特攻ランクを1段階上昇させます。技が失敗したり無効化された場合は発動せず、発動すると無くなります。音技を主力に戦うストリンダーに持たせるのがメインとなりそうですが、技を使った後なのでその技は強化されないため、あまり強い持ち物ではなさそうです。
・ルームサービス
トリックルームが発動した時に発動して、持っているポケモンの素早さランクを1段階下降させます。トリックルーム下では本来先制されてしまう素早さの高いポケモンに持たせることで相手の意表を突くことができます。


新しい特性
対戦で強力な特性だけを挙げていきます。
アイスフェイス
氷タイプのポケモンであるコオリッポの専用特性です。相手からの物理攻撃のダメージを1度だけ0にしますが、顔の氷が壊れフォルムが変化します。天候があられ状態に変化したとき復活します。復活する条件は厳しいものの破格の性能なので、専用のパーティを組んで使えばかなり強力かもしれません。

パンクロック
毒・電気タイプのポケモンであるストリンダーの専用特性です。自身の音技の威力が1.5倍になり、相手から受ける音技のダメージを半減します。ストリンダーの専用技は音技で、さらに「ばくおんぱ」まで覚えるので、非常に強力な特性になると予想されます。
新しい技
対戦でよく使われそうな技だけを挙げていきます。
・オーバードライブ
タイプ電気・威力80・命中100・分類特殊の音技です。毒・電気タイプであるストリンダーの専用技なので、特性「パンクロック」の補正を受けて威力を120まで上昇させることができます。

・かえんボール
タイプ炎・威力120・命中90・分類物理でたまに相手を火傷にする技です。炎御三家ヒバニーの最終進化であるエースバーンの専用技で、このポケモンのメインウエポンになります。似ている技に「フレアドライブ」がありますが、反動を受けないためエースバーンに耐久調整を施すならば「かえんボール」の方が強力です。

・ドラゴンアロー
タイプドラゴン・威力50・命中100・分類物理で2回攻撃の技です。ドラゴン・ゴーストタイプであるドラパルトの専用技で、「きあいのタスキ」や特性「がんじょう」などを貫通して倒すことも可能です。ドラパルトは新ポケモン唯一の600族なので、この技を見る回数はかなり多そうです。

・ドラムアタック
タイプ草・威力80・命中100・分類物理で相手の素早さランクを1段階下げる技です。草御三家のサルノリの最終進化であるゴリランダーの専用技で、このポケモンは「とんぼがえり」で苦手な相手から逃げられるため、相手の素早さを下げるこの技はかなり相性が良く強力です。

補正ミント
使うとポケモンが、「ようきミント」であれば素早さに上昇・特攻に下降補正がそれぞれ入るように、それぞれのアイテム名にある性格に対応する上昇・下降補正になります。ただし、表示される性格は変わりません。これにより、ストーリーで使用したポケモンや厳選せずに捕まえた過去作のポケモンも対戦で使用できるようになったため、思い出のポケモン達でランクマッチを勝ち進むことも可能になりました。

まとめ
いかがだったでしょうか。今回は第7世代で強すぎた要素の弱体化など、とくに対戦環境を意識した調整が多かったように思います。また、ダイマックスは第7世代環境で猛威を振るったZワザと違って、先に決めれば勝ちという一方的な戦略ではなさそうであるため、いつダイマックスを使うかの駆け引きが行われる、奥深い対戦ができそうで期待が高まります。
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