の特徴づけ

連続体濃度がアレフ2より大きくなって欲しくない理由 - くるるの数学ノート

id:w2allenさんにコメント欄で質問を受けたのをこちらに持ってきます。

今の話を身近な数の世界で考えると、アレフ0は自然数の濃度、アレフ2は実数の濃度となります。そして、アレフ1という濃度は、まさしくその間の濃度ということはわかりました。でも、この場合、具体例としてアレフ1の濃度を持つ集合というのは、どのようなものになるのでしょうか?つまり、実数の部分集合として、どのように定義すればいいのでしょうか?ご教示いただけると幸いです。

Woodinが提唱するような集合論の標準モデルで1がどのような位置づけになるかは私にはわかりません。ですが、一般的には以下のことが言えます。
かがみさんがこちらで書かれていますが、Xの基数がαのときにX上の整列順序全体の集合を考えるとその基数はα+1となります。整列順序というのは、ある集合X上の2項関係

  • xx
  • xyかつyxならばx=y
  • xyかつyzならばxz
  • 全てのXの元xとyに対して、xyまたはyxが成り立つ
  • YがXの空でない部分集合のときに、Yには最小元が存在する

という条件を満たすものです。上三つだけなら順序、四つ目まで満たすと全順序です。

というわけなので、1可算無限集合上の整列順序全体の集合の濃度ということになります。
(9/26 訂正: ここでも順序同型は同一視しなければいけませんでした。すみません。)

これよりほんのちょっと直感的な表現をしてみます。有理数全体の集合Qを考えてみましょう。ここで、同型を同一視した上Qの部分集合で部分順序として整列集合となっているもの全体の基数を考えてみます。するとこれが1になります。同型を同一視しなければ連続体濃度になってしまいますが。なぜかというと、可算無限集合上の全ての全順序は有理数体の部分順序と同型になっているからです。

…うーん、あんまり直感的じゃないかなぁ。なにか他に良い表現はあるでしょうか?

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  • id:w2allen

    くるるさん、解説ありがとうございます。
    整列順序の定義はわかるのですが、
    1,2,3,・・・,n, ・・・

    2,4,6,・・・、2n、・・・
    が順序同型だということ以上のことはわかりませんでした。
    有理数の部分集合で、上の整列順序以外のものがどういったものになるか、もう少し勉強して考えてみます。

  • id:kururu_goedel

    えーと、例えば{1-1/n : nは正整数}を考えてみるとこれが自然数全体と順序同型になりますね。さらに、{1-1/n : nは正整数}∪{2-2/n : nは正整数}を考えると、これは自然数の順序型を二つ並べたもので、整列順序となります。。さらに、{m-1/n : mとnは正整数}を考えると自然数の順序型を自然数の順序型にあわせて並べたものになります。
    こういうのを積み重ねていくと、上記の表現となります。集合論の初歩的なテキストならアレフ1の構造に関しては書いてあると思うので、よろしかったらお読みになってみてはいかがでしょうか?

  • id:w2allen

    くるるさん、解説ありがとうございます。
    やはり、集合論の教科書を読むべきですね。でも、自分の力だと集中しても1月はかかると思います。勉強する時間ができたら、挑戦してみたいと思います。

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