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長野

タカの振り替え挑戦も 松本城公園で「鷹狩り」の実演

タカの振り替えに挑戦する宮崎君(左)=松本市の松本城公園の二の丸御殿跡で

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 松本市の国宝松本城公園の二の丸御殿跡で十七日、江戸時代に武家の礼法として受け継がれてきた「鷹狩り」の実演が行われた。青空が広がる中、タカが鷹匠(たかじょう)の腕から飛び立つと、集まった観光客ら九百人から歓声が上がった。

 江戸時代、松本藩は幕府の将軍にタカを献上しており、タカの調教師である鷹匠もいた。この日はその松本藩のタカ狩りの技術と近く、幕府に仕えた鷹匠の技術を受け継ぐ「諏訪流放鷹術保存会」(東京都青梅市)の鷹師ら六人がオオタカ五羽、ハリスホーク一羽とタカ狩りを実演した。

 諏訪流第十八代宗家の大塚紀子さん(48)らが、鷹匠と鷹匠の間を飛んで行き来させる「振り替え」や、たこ糸につけたハトを捕食させる「振り鳩」などを披露した。振り替えを観客が体験する時間もあり、選ばれた神奈川県平塚市の小学三年生、宮崎麒陸君(8つ)は「歴史の中で残ってきたことを体験できてうれしかった」と笑みを見せた。

 松本にもタカ狩りの文化があったことを知ってもらおうと、市教委の主催で二〇一七年から毎年開き三回目。これまでは城直下の本丸庭園で実施していたが、気軽に観覧しやすいことなどから場所を移した。

 この日は市内でタカ狩りの歴史と文化を学ぶ講演会もあった。

 (松本貴明)

 

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