NHK大河ドラマ「麒麟がくる」制作スタッフ、がんばれ!
沢尻エリカさんに、困ってます。
明智光秀好きの私、このドラマに期待しているんです。
そして、主演の長谷川博巳さんも大好きな俳優の方で、二重の意味で楽しみにしているのに。
織田信長の正室『帰蝶』って女性は、そのようなタイプの女性じゃないです。
どちらかといえば理性的で表に出ない人だったと思う。実際、ほとんどの歴史的第一次資料に彼女の記録が残ってない。
織田信長というスーパースターを若い頃から影で支えた女性であるにも関わらずにです。
軍事面からも軍資金からも信長を支えたのであって、帰蝶の実家、斎藤道三の力なくしては、家臣すべてが弟についた若い頃の信長が織田家を掌握することは不可能だったと思うくらいで、帰蝶とは、そういう重責をになった女性なんです。
それが、逮捕って・・・
思い起こせば、はるか昔? 映画「クローズド・ノート」で不機嫌な顔をして「別に」と不貞腐れたときは衝撃でした。実は、はじめて沢尻さんの名前を知ったの、あの時です。アイドル的存在で、あそこまでツッパちゃう子はなかなかいない。苛立ちを隠す我慢が不足しているというか。
その時、なんて可哀想な子なんだろうって思った。
今回の騒動も、やはり、その延長で感じてしまう。
なぜでしょう・・・、不幸が背景にあるような、そんな可愛そうな感じがします。
子役というのは実に難しいものですね。
成長して、普通の社会生活に馴染めないことも多いと聞きます。
沢尻さんも、確か小学生の頃からこうした世界にいた。
まだ、精神の柔らかい時期に、周囲の大人にちやほやされながら、そして、彼らの思惑で動くしかなかった不幸。子どもが受けるべき基本的な躾をする人がいなかったのでしょうか。
中学生で父親を亡くし、シングルマザーの母は外国人であっては、生活面も含めて困難だったとは容易に想像できますが、それにしても残念です。
しかし、更に残念なのは帰蝶です。彼女は斎藤道三の娘であって、明智光秀が若いころ道三の家来であったと、考えられていることです。
つまり、若い光秀と帰蝶は幼馴染である可能性が高い。
そして、帰蝶は非常に美しい女性であったこと。
二人が恋愛関係にあったとする小説すらあるほどです。
次回の大河ドラマでこの辺りを描いていたとしら、沢尻帰蝶、最初から出まくりです。
すでに取り終わっているだろう第1話からの見直し。
現場は大混乱でしょう。
明智光秀の若いころを主体として描くNHK大河ドラマ製作現場の方々。
ご苦労、お察しします。
『麒麟がくる』に期待するファンとして、
自分が仕事をしていたときに思ったこと・・・
「ピンチはチャンスです」という名言を書いておきます。
帰蝶の代役を探し、更に、すばらしい大河ドラマを制作でき、このピンチを活かすことができれば、視聴率というバケモノはあなた方の味方になることでしょう。陰ながら応援しています。
そう、期待しているんです。どうか、がっかりさせないでください。
そして、この文章が不快に感じた方、本当にごめんなさい。最初に平伏して謝っておきます。
さて、ブログを脱線しました。
本来の内容に戻ります。
【異世界転生3:明智光秀と織田信長】戦国時代に病気をしても抗生物質はない。
登場人物:オババとは私の姑。ディズニー狂で元気一杯の76歳。【結婚と毒親】シリーズでは、多くのオババファンができました。そして、今回は戦国時代に意識だけが飛び、他人の身体で生きるオババ&アメリッシュのお話です。
(前回までのお話:戦国時代の母娘と意識を交換された私と姑オババ。50才前と20才位に若返っていた。昨日は夜這いに来た少年を追い返して、戦国時代2日目の朝がきました)
戦国時代の病気とは
ドンドンドン!
ものすごい音で目覚めた私は、オババが木の粗末な扉を開けようとしているのをぼんやり眺めた。
何時だろうか? 朝日が差しはじめたばかり、午前6時過ぎか、せめて時間だけでもググりたい。スマホが欲しいと切実に思う。なんでも答えてくれる google先生は、500年ほど過ぎないと現れない。
だからこそ、目を開けたくないって思う。だって、匂いからして2019年とは違う。おまけに清々しい目覚めで、起きがけ特有の気怠さもないんだから、この体は私のものじゃないってことなんだ。
そんなことを考えた瞬間に、扉を叩く、
ドンドンドン!
という激しいノック音がしたのだ。
手をのばすとゴザのざらざらする表面に触れた。昨夜はゴザをひいて眠ったことを思い出したとき、扉から朝陽が溢れてきた。
オババがつっかえ棒を外して、扉を開けた。
「ちょっと、おカネさん、昨夜はどういうことよ」
小柄な女で40代過ぎだろうか、朝日を背に立っていた。
声には怒りがこもっている。ドア前でオババは困惑して、こちらを見て、それからまた、怒り狂った様子の女に顔をもどした。
「あの」
「うちのマサに恥をかかしよって」
そうか、あの夜這いに来た少年マサの母親だ。
やはり粗末な着物を身につけている。
起き上がろうとすると、オババが背後から手を振って、そのままでいろと合図してきた。
「実は」と言って、オババは体を引いた。
「あのように、うちの子、病気になっておって、オタクの大事な息子さんに病気をうつしてはいけないと」
オババ、ナイスフォロー!
だから、私も背後から援護した。
ごほ、ごほごほ、ごほっ!
咳をすると、マサの母親はすぐに身を引いた。昨日のマサにも感じたことだが、この時代の人は、現代人に比べれば単純で感情がすぐ顔に現れる。
当然だろう。
500年前の農家の女性が、現代人が悩む『存在とは何か』なんてな哲学的概念など考えるヒマはないだろう。というか、生きることに精一杯で自分の『個性を発揮して』とか、『働き方改革をしよう』とか、『生きる方向性』などという、いわば貴族的贅沢な思考など、まずもたない。
今日の食べ物をどうするか、それが難問の時代なのだ。長い戦役で土地は疲弊し、ほとんどの作物は年貢でとられ、それこそカツカツの生活なのであって、
明日は食えるかが大問題。トレンドは飢餓。
そこで生き延びるということは、いっそ尊い。
「実は昨日も血を吐いて」と、オババが言った。
え? それはまずい、オババ。血を吐いてはやり過ぎだ。
抗生物質がない時代に血を吐いたら不治の疫病であって、ハヤリ病は忌み嫌われる。隔離されての村八分になる。貧しさのなかでは、村の仲間同士の互助会がなければ生存不可能な時代。現代の地域交流とは、そもそも土台が違っている。
意識を交換した戦国時代の母娘が無事に戻ったとき、村八分になっていては申し訳ない。私たちのスマホが向こうで壊されるよりも被害が大きい。とりあえず、スマホデータがすべて消えてたら泣くけど。
私は咳をするのをやめて、立ち上がった。
案の定、マサの母親は後ずさっている。
「いえ、血って、母ちゃん、大げさな。咳をしすぎて、歯で舌を切っちゃたんです」
オババがこちらを見た。私は目配せした。
「そ、そう、そう。歯でね。だぁから、ちょっとした病で」
「そうなの、じゃあ、仕方ないわね」
「そうなんです、ほんとごめんなさい」
おっと、オババが謝っている。
「じゃ、ま、あんたんちが、そういう考えなら、もうマサは関係あらへんからね」
「ええ、ええ。ほんと、ごめんなさい」
マサの母親が去ると同時に、オババと一緒にその場にしゃがみこんだ。
「病気はいいアイディアだったが」
「よかったです」
「そうか」
「でもオババさま、病気も程度があって、ハヤリ病と思われたら、村八分だから。風邪ひいて死ぬこともある時代だから」
「そ、そうか、そうなのか」
「村人から隔離されちゃったら、水も飲めなくなって困ることに」
「水も」
「共同井戸を使わしてもらえなくなると思う」
「なんと、まあ、地雷が多い場所だ。生きていけるかな」
「それでも生きていかないと。2019年で恐慌を起こしているだろう、おカメとおマチに比べれば」
「おカネとおマチにな」
「そ、そうです、おカネ」
同時に顔を見合わせた。
「私は、おカネという名前か、・・・お金か」
「そして、私はおマチという名前で、お待ち」
貧しい掘っ立て小屋で、お金お待ち!
思わず吹き出していた。吹き出すと、もう笑いが止まらず、オババが目を大きく見開いていた。
「だって、オババさま、はははは・・・、この貧し・・家で、お金お待ちって」
笑いというものは確かに伝染性があると思う。オババも泣きそうな顔で笑い出した。二人で顔をくしゃくしゃにして笑い続けた。
「たしかに、どんなジョークだ。お金お待ちって、ネ、ネーミングのセンスが、けっこう・・・あははは、すごい。誰が娘におマチってつけたのやら」
散々、ここに住んでいた二人の貧しい女たちを笑い飛ばし、私は申し訳なくなった。その上悪いことに、少し恥ずかしくなった。
私は、漫才師と悲劇のヒロインの間をいったりきたりしながら、泣き笑いした。これから、兵隊に志願しなきゃと考えながら、笑っていた。
これ・・・、笑ってる場合か?
・・・つづく
*内容は歴史的史実を元にしたフィクションです。
*歴史上の登場人物の年齢については不詳なことが多く、一般的に流通している年齢などで書いています。
*歴史的内容については、一応、持っている資料などで確認していますが、間違っていましたらごめんなさい。
参考資料:#『信長公記』太田牛一著#『日本史』ルイス・フロイス著#『惟任退治記』大村由己著#『軍事の日本史』本郷和人著#『黄金の日本史』加藤廣著#『日本史のツボ』本郷和人著#『歴史の見かた』和歌森太郎著#『村上海賊の娘』和田竜著#『信長』坂口安吾著#『日本の歴史』杉山博著#『雑兵足軽たちの戦い』東郷隆著#『骨が語る日本史』鈴木尚著(馬場悠男解説)#『夜這いの民俗学』赤松啓介著ほか多数
NHK大河ドラマ『麒麟がくる』
2020年1月〜