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【国際】

香港 学生と警察、大規模衝突 理工大周辺 火炎瓶や装甲車

17日、香港理工大前で火炎瓶を手に警察側と向き合うデモ参加者=中沢穣撮影

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 【香港=中沢穣】香港・九竜半島にある香港理工大周辺で十七日、大学を占拠する学生らと警察側の大規模な衝突があった。学生らは付近の幹線道路や香港島に向かう海底トンネルも封鎖しており、警察側は装甲車や放水車も動員。学生らは火炎瓶などで対抗し、激しい衝突が同日朝から深夜まで続いた。

 理工大周辺では学生らが交通妨害のために幹線道路にバリケードを築いており、警察側は多数の催涙弾や、刺激性のある水を発射する放水車を使って強制排除を試みた。学生側は大学や道路の占拠を死守する構えを続け、火炎瓶や投石で応じた。警察側の装甲車が火に包まれて後退し、大学近くの陸橋が激しく炎上する場面もあった。

 また、警察は十七日昼すぎに学生側の放った矢が警官のふくらはぎに刺さったと発表。「暴徒の暴力行為を厳しく非難する」との声明を出した。矢が刺さった警官は病院に運ばれたが、命に別条はない。

 理工大周辺での衝突は十六日夜から断続的に続き、十七日も午前中から警察が周辺を取り囲んだ。十七日昼ごろの理工大構内では、疲れ果てた様子で座り込んだり、横になる学生が目立つ一方、火炎瓶や弓矢を準備する学生の姿もあった。頭に包帯を巻いて横になっていた男性(23)は「頭に催涙弾が直撃して出血した。疲れているが、まだ占拠を続ける」と話した。

 十七日は香港各地で衝突が発生し、警察側は繁華街でも多数の催涙弾を放ったため、観光客や市民も巻き添えとなった。香港島の公園では平和的に集会も開催され、参加者は警察の対応を批判した。

 香港政府は同日、幼稚園を含むすべての学校の休校を十八日も続けると発表した。早ければ十九日から授業を再開するという。また、香港大学は十一月下旬から十二月にかけて予定していた卒業式を中止すると発表した。

 

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