なぬっ!?あの“佐々木俊尚「戦後史の正体」書評”が訂正された!!
朝日新聞10月21日の13面の中ほどに、小さくひっそりと『訂正』記事。
これじゃ気がつかないでしょうが。
しかし、やることが酷すぎる、せこい。
『訂正』の内容は、以下。たったのこれだけ。
「9月30日付「売れてる本『戦後史の正体』」の記事で、1段落目の
記述に事実誤認がありました。この段落10行分を削除します」
・・・ってか?!ふざけるでない。なにが『事実誤認』じゃ。
佐々木!朝日!読者をなめんなよ。
最初の10行を削除して済むものではないでしょう。
私は佐々木が「はじめに」と「序章」しか読まないであの書評を書いたのでは?
と勘ぐってましたが、どうやらほんとみたいだ。
20万部も売れてしまい、これ以上売れてしまうと(読まれてしまうと)まずい。
だから故意であの「書評」を掲載したのだとしか考えられない。
事実誤認だなんて、うそだろ~。
もしほんとに事実誤認だとしたら、佐々木の読解力は最低だにゃ。
書評委員失格!(決まり)
以下は、その書評全文。
‘売れてる本’■戦後史の正体 1945-2012 孫崎亨著
【 自立への一助にできるか 】
ロッキード事件から郵政民営化、TPPまで、すべては米国の陰謀だったという本。
米国が気に入らなかった指導者はすべて検察によって摘発され、失脚してきたの
だという。著者の元外務省国際情報局長という立派な肩書きも後押ししているのか、
たいへん売れている。しかし本書は典型的な謀略史観でしかない。
日本の戦後史が、米国との関係の中で培われてきたのは事実だろう。しかしそれ
は陰謀ではなく、米国の一挙手一投足に日本の政官界が縛られ、その顔色をつね
にうかがいながら政策遂行してきたからに他ならない。
そもそもどの国であれ、自国の国益を第一として動くのが当たり前だ。だから本書
のまえがきにもあるように「米国は日本を大切にしてくれている」「いや、日本を
使い捨てにしようとしている」という議論自体が意味がない。米は日本にとって守
護者でもなく、国益のために日本を利用しようとする「他者」にすぎない。そうい
うリアリズムが戦後の日本人には欠けていた。
米国の傘の下で、米国との関係を尊重しながら工業成長にだけ邁進できた時代は終
わり、国際社会のパワーはいまや分散し、日本は自立を迫られている。
終戦直後に出た『旋風二十年』という本がある。戦中は多くを報道できなかった新
聞記者が「実は軍部が悪かったのだ」と暴いた本だ。当時の国民はこの本に「そう
だ、悪いのは私たちじゃなかったのだ」と胸をなで下ろし、結果として戦争責任の
問題は他人事へと押しやられた。
本書も「今の日本がうまくいっていないのは米国の陰謀があったからだ」と自己憐
憫と思考停止を招くのか。それとも「これからは自立していかなければ」と前に踏
み出す一助となるのか。後者であることを切に祈るばかりだ。
(創元社、1575円=8刷20万部)佐々木俊尚(ジャーナリスト)
★以下は、著者本人(孫崎亨氏)のツイッターから・・・
10月21日朝日新聞13面は「訂正」として、「9月30日付「売れてる本」
『戦後史の正体』の記事で、1段落の記述に事実誤認がありました。この段落10
行分を削除致します」と掲載いたしました。
削除部分はこの訂正の中に示されていませんので、紹介します。
「ロッキード事件から郵政民営化、TPPまで、すべては米国の陰謀だったという本。
米が気にいらなかった指導者はすべて検察によって摘発され、失脚してきたのだと
いう。著者の元外務省国際情報局長という立派な肩書きも後押ししているのか、
たいへん売れている。 しかし本書は典型的な謀略史観でしかない」。
朝日新聞のこの削除がなされた背景には、本twitterの読者が朝日新聞社ないし関係
者に問題点を指摘されたことによる所極めて多大です。
ご支援を心より感謝いたします。
残念ながら、大手新聞は『戦後史の正体』が 発刊2月にして二〇万部の増刷し、
書店によっては著者コーナー作成という社会的現象を出している状況ながら、
完全に無視を続け、ようやく出た社説は「段落10行分を削除」の訂正記事をだした
ものしかありません。このことは、大手新聞の偏向を示すものとして極めて残念です。
なお、この間、多くの地方紙においては、共同通信配信の岡留氏書評を掲載して戴き、
感謝いたします。朝日新聞社は本来、佐々木俊尚氏の「自立への一助にできるか」と
いう書評は掲載すべきでなかった。
しかし訂正に踏み切った勇気に感謝します。 了。
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