全て脚本(町山さん)が悪い!!(追記)
- dachi さん
- 2015年8月3日 7時51分
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町山さんの大ファンで、著作もほとんど持っているし、ラジオもほとんど聞いてる上でいうと『進撃の巨人』は酷かった。
理由は原作レイプとか立体機動がしょぼかったとかではない。映画と漫画では表現方法が違うから変えて当たり前だし、映像は思っていたより違和感がなかった。問題は脚本だ。
これは町山さん自身おっしゃっていたことだけど原作サイドの要望だったのか、エレンの生い立ちが完全に変わっている。
彼が巨人を憎んでいるのは幼いころ母親を食い殺されたせいだ。だからこそ、死に急ぎ野郎と呼ばれるほど巨人を憎んでいる。
しかし、今回、その設定は完全に消えた。
観客には、なぜ彼がそれほど巨人を駆逐しようとするのか、憎んでいるのかがさっぱりわからない。
映画では「ミカサが巨人に殺された」ことが冒頭で描かれる。しかし、中盤で実は生きていたことがわかる。
ミカサの敵を打つという彼の目的は早々に消える。つまり、彼が巨人を憎む理由はなくなる。
この脚本の欠点は主人公の目的の欠如だろう。だから、エレンが何をしたいのか何に怒っているかが全く伝わってこないのだ。
やっていることは女のケツを追いかけてヘマ(時に仲間を死に追いやる程)をかまし、図星をつかれるとキレて仲間を半殺しにするという本当に最悪の人間がすることだ。
なぜ、こんなことが起こったのだろうか。
町山さんは設定が15、16から20前後に上がったことで青春の悩みが変わったからだという。
しかし、こんな最悪の生きるか死ぬかの状況で命をかけて人類を救うため軍に入るような連中が異性のことばかり考えているというのはまったくリアリティがない。
リアリティがないのは、そればかりではない。
立体機動でしか巨人を倒せないといった説明の後にど新人のデブが巨人を背負い投げしたり火薬がダメになってしまったのを隊長が嘆き斧や弓での攻撃をする奴がいて、案外きいていたりする。
ギャグがやりたいのかシリアスなのかさっぱりわからない。
台詞もいちいち最悪だ。
別にいわなくてもいいようなことをいちいち役者が口にする。
役者が悪いわけではない。
脚本が最悪なのだ。
リンゴのシーンはレビューでもあげている人も多いけど、あんなシーンどんな気持ちで演じれというのか。
ラストのニーチェの引用もむしろ知性の底が知れてしまう。
この映画を観ると本当に原作のストーリーはよくできていると思う。
原作者の諫山さんは20前後、町山さんは50過ぎ。
本当に酷いことをいえば、若いモーツァルトの作品を年老いたサリエリが脚色したらクソダサくなったというかんじたろうか。
しかし、以上のようなことは、いつも町山さん自身がクソミソにけなしていたクソ映画そのものじゃなかったのだろうか?
まぁ、そういう意味でこの映画にもいいところはある。町山さんとその周辺は決してこの映画をボロカスに言わないだろう。
やはり、餅は餅屋である。
いくら言い訳をしても戦犯は町山さんなのだ。
(追記)
気がついたら、300人以上も役に立たったといってくれているみたいで驚きました。ありがとうございます。
ただ、読み返してあまりにも町山さん批判が全面に出てしまって反省するところもあります。
ちなみに、町山さんというのは映画評論家の町山智浩さんという方で今、日本で一番の映画評論家だと個人的には思っています。
アメリカ在住で政治にも詳しく文学の造詣も深い方で本当に尊敬しています。
なぜ、今回このような形でレビューを書いたかというと、それはやはりファンだからです。
今までの町山さんの評論が好きだからこそ、今回の映画は「酷い」と言わざるをえなかった。
エレンの目的の欠如を指摘しましたが、町山さんは「そんなこともわかんねえのか?ミカサを救えなかったことへの贖罪と外の世界を見たいっていうテーマが?」というかもしれない。(憶測)
しかし、もしかしたらあるのかもしれない深いテーマはディテールがあまりにも酷いので見えてこない。
この映画のエレンは町山さんも大嫌いなはずの女のことしか考えてないクソ野郎でしかない。
巨人も世界も、どうでもいい。
好きな女の子といちゃいちゃしたいだけのクソ野郎にしか見えないのです。
設定年齢は上がったが、原作の「人類のために命をかける」という使命を背負った少年より、はるかに精神年齢は低いでしょう。
そんな奴にはだれも感情移入できないのではないでしょうか。
これ以上は書きませんが、やはりこの映画はクソだと僕は思います。
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