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「おにぎり」が好調!コメ離れ進む中なぜ?"逆転現象"の謎

2019年11月15日(金)放送

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日本人の主食「コメ」。1世帯が1年間で「コメ」に費やす金額が2000年と去年2018年を比べると約20年で4割も減少しています。その一方で増えているのが「おにぎり」の支出額。こちらは4割増えているんです。なぜ「コメ」と「おにぎり」で逆転現象が起きているのか取材しました。

「おにぎり」全品100円が好評なコンビニ

大阪のビジネス街、大阪・中央区の本町にあるコンビニの「ミニストップ御堂筋本町店」。大きく書かれているのは、おにぎりの価格。ミニストップでは2019年7月から「おにぎり」を全品100円(税別)とする取り組みを始めました。ミニストップによりますと、7月以降は販売個数は約2倍、売り上げも約1.2倍となるなど好評で、おにぎりを主食にしておかずなどを合わせて購入する利用客も多いといいます。

「おにぎりというのは関連購買が非常に高く、その軸となる商品なので。おかずであったり麺類であったり、サラダであったり、飲み物であったり、そういった商品と一緒に買われることが多いです。」(ミニストップ 篠原淳一さん)

「おにぎり」↑「コメ」↓の逆転現象

どこのコンビニでも販売されている「おにぎり」。一方で、その原料である「コメ」の消費量が減って「コメ」にお金が使われなくなっているというのです。総務省家計調査によりますと、1世帯が1年間で「コメ」に費やす金額は、2000年には約3万2800円だったのに対し、2018年は約1万9000円と4割減少。その一方で、年間で「おにぎり」などに費やす金額は2000年は約3500円だったのに対して、2018年は約4900円と4割増加しています。

「世帯人数の減少や共働き世帯の増加」と「おにぎりの種類の充実」

なぜこうした「逆転現象」が起きているのでしょうか。おにぎり協会の中村祐介代表理事によりますと、「世帯人数の減少や共働き世帯の増加で家庭でコメを炊く時間が減っている」、さらに「コンビニ店などのおにぎりの種類が増えて朝食や昼食用に買う人が増えているのではないか」といいます。大阪の街で聞いてみました。

「(コメを)手軽に食べたい人が増えているのかなと思いますね。僕も炊飯器を捨てちゃったので。」(男性)
「(ご飯は)あまり炊かないです。めんどくさい。外食の機会が増えてきているので、みんな楽したいのかな。」(女性)

ミシュランガイドにも「おにぎり専門店」

そんな中、いま注目を集めるのが「おにぎり専門店」です。東京・浅草にある、おにぎり専門店の「おにぎり浅草宿六」は2018年発売のミシュランガイドに掲載されました。

夜限定の「おにぎり専門店」 3社が共同でプロデュース

一方、大阪の北新地には少し変わったお店もオープンしました。営業時間は午後6時半から深夜3時と、夜しか営業しないおにぎり専門店「おにぎり竜」です。カウンターに並ぶ数十種類の具材から選んでその場で握ってもらうおにぎりは1個200円~400円。コンビニのおにぎりと比べると値が張りますが、人気だといいます。
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MBSの玉巻映美アナウンサー、乱王(らんおう)醤油漬け(300円税別)をいただきました。

「おいしい。お米がおいしいですね、ふわふわ粒だっていて柔らかくて甘みが強いです。」(玉巻アナウンサー)

来店客は?

「お土産とかによく利用しています。あんまり量を食べないで、アテで酒を飲みながら最後におにぎりを食べるとちょうどいい。」(男性)
「すごくおいしいです。3つ4ついけますね。」(女性)

実は「おにぎり竜」では、炊飯器を作っている「家電メーカー」と「コメの卸会社」、「飲食会社」の3社が共同でプロデュースしています。

「おにぎりに一番最適なモードを合わせていただいて炊き上がる。タイガー魔法瓶からも提供いただいています。(Qおにぎり専用のモードがあるんですか?)はい、そうなんです。」(コメ卸会社の幸南食糧 川西孝彦社長)

コメは山形県産の「つや姫」を使うなど、おいしさを追求。コメの新たな需要を開拓して生き残りをかけています。

「おにぎりといえば、朝ごはんや昼ごはんというイメージがありますが、夜専門店でコメやおにぎりの新しい需要を喚起したい。(Q今後の展望はありますか?)コメの業界は年々消費量が減少していると言われています。コメの生産者が持続的な農業をできる環境を作ることも、コメに携わる会社の使命だと思っています。」(コメ卸会社の幸南食糧 川西孝彦社長)

コメ離れが進む中、その将来は「おにぎり」にかかっているのかもしれません。

(11月15日放送 MBSテレビ「Newsミント!」内『ニュースの数字』より)

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