27年前の雪辱はならなかった。星稜にとっては、松井秀喜氏が5打席連続敬遠された1992年夏の甲子園以来となる明徳義塾との公式戦対決。3回に4番・内山主将の左前適時打で先制したものの、4回からの3イニングで8失点を与え終盤の反撃も及ばなかった。
「悔しい。その一言に尽きる」。松井氏の1年後輩で、27年前の対戦は「2番・遊撃」で出場していた林和成監督(44)が、厳しい表情で敗戦を振り返った。
今回も、春夏甲子園通算51勝のベテラン、馬淵史郎監督(63)の老練な策にやられた。馬淵監督の「ロースコア勝負」との発言を戦前に伝え聞いていたが、実際は積極策で大量点を狙ってきた。林監督は「馬淵監督を全く意識しなかったと言ったらうそになる。あまりベンチを見ないようにしていた」と振り返り「27年前がどうこうより、どこで何を仕掛けてくるかを考えながらだった。采配の差が出た」と素直に脱帽。出場確実な来春センバツに向けて、因縁の対決から多くの宿題をもらった。