この時、オリンピックの出場枠のかかった試合で日本チームの出だしが不調。このままでは出場枠が狭くなってしまう状況でした。アリーナからの帰りのシャトルバスの中で、悪成績に落ち込んでいる後輩は先輩選手から声をかけられました。「俺は、怪我もあるから、悪いけどこれで精一杯」「この試合は、お前が頑張って日本の出場枠増やしてくれ!」と、まるで先輩からのバトンを渡してくれるような言葉をかけてくれました。正直に申し上げて、私たちのチームは後輩チームをサポートすることが役目だったので、恥ずかしながらこの先輩選手をある意味敵視し、自分たちのチームの成績だけを考えていたので、驚くべき行動でした。しかし、強烈にライバル視する一方、いままで目標としてきた憧れの選手であることに変わりはありません。この言葉は、私にはもちろんのこと、後輩スケーターの心に届いた様子でした。
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