東京都心部を一周するJR山手線の3分の1に当たる区間(大崎―東京―上野)が16日、始発から午後4時ごろまでの予定で運休した。週末の首都圏の交通に大きく影響した。来春、品川―田町間に開業する高輪ゲートウェイ駅に線路を通すための切り替え工事を15日終電後から17日始発まで続けている。
1987年にJR東日本が発足してから、山手線が工事を理由に運休するのは初めて。56万人に影響する見込み。各新幹線が発着する上野、東京、品川のターミナル駅が運休区間に入る。山手線全線の運転本数が通常に戻るのは午後6時ごろ。JR東は振り替え輸送の利用や、ツイッターなどで発信する運行状況の確認を呼び掛けた。駅でも案内放送を繰り返して注意を求めた。運休区間の反対側の大崎―新宿―上野間は午後6時ごろまで、通常の約7割の本数で折り返し運転となる。
今回の工事では、田町―品川間の山手線内・外回りと京浜東北線大宮方面行きの計3本を現在の場所から東側に移す。品川駅でも京浜東北線大宮方面行きの線路が、3番線から4番線に変わる。
16日未明、品川駅周辺の3カ所では計約2千人が作業。重機で古い枕木やレールを撤去したり、新たに設置するレールを「山越機」と呼ばれる特殊な機具で運んだりして作業を進めた。レールを固定する手順では、40~50人の作業員が一斉に「よっこら」「せーの」と声を上げながら、長さ1メートル超のバールを動かし、位置をミリ単位で調整していた。
JR東の工事担当者は「狭いスペースでさまざまな作業をする必要があり、山手線を止めざるを得ない。影響が出るのは申し訳ない」と話した。
16日は山手線の運休区間と並行する京浜東北線品川―田町間も終日運休。上野東京ライン、埼京線、りんかい線が増発された。