経営統合の協議を進めているヤフー親会社のZホールディングスとLINE(ライン)が、2020年中の統合完了を目指して調整していることが16日、分かった。週明けにも両社で正式に合意し、発表する見通し。それぞれが手掛けるスマートフォン決済「ペイペイ」と「LINEペイ」は当面併存する方向となっている。
ペイペイは登録者数が1900万人を超え、LINEペイも約3700万人に達している。このため両社が費用を投じて築いたサービスのブランドは生かしつつ、システムの連携で効率化することを検討する。ただ統合に向けては公正取引委員会の審査があり、当局の判断によっては計画を変更する可能性もある。
スマホ決済のシステムを連携させれば、双方で使える店舗を共通化したり、互いに送金を可能にしたりすることなどが可能になる。中長期的に双方のスマホ決済サービスを統合するかどうかは今後詰める。
スマホ決済を巡っては、参入が相次ぎ激しい競争が続いている。ZホールディングスとLINEでも利用者獲得のための還元キャンペーンや広告に費用が膨らんでおり、統合による効率化が重要な課題になる。