相続発生後に準確定申告が不要なケースとは?不要でも申告した方が良いケースもある!

投稿日
2019年10月07日
更新日
2019年10月29日
return

準確定申告の要否

「身内が亡くなったけど、準確定申告って必ずしないといけないの?」

家族が亡くなると、死亡届の提出に始まり様々な手続きをしなければならないのですが、相続開始後4ヶ月以内にしなければならない重要な手続きとして、「準確定申告」があります。

所得税は、毎年1月1日から12月31日までの所得について、翌年の2月16日から3月15日までに確定申告をしなければなりません。

しかし、死亡すると翌年の確定申告を自分ですることが出来ないですよね。

そこで、1月1日から亡くなる日までの所得については、相続人が代わりに確定申告をする事になるのです(期限は相続発生日後4ヶ月以内)。これが準確定申告ですね。

参考:被相続人が1月1日から3月15日までに亡くなり、前年の確定申告をまだしていなかった場合、前年の確定申告と今年の準確定申告の両方を相続開始後4ヶ月以内にしなければなりません。

死亡した人の所得を確定させる「準確定申告」とは?手続き期限や方法を分かりやすく解説。【記事未了】

ところが、この準確定申告は必ずしなければならないのか?というとそういう訳ではなく、不要なケースもあります

そこで、ここでは準確定申告が不要なケースについて一緒に見ていきましょう。

記事の概要は以下の通りです。

  • 生前に毎年確定申告をしていた人は、基本的に準確定申告が必要!
  • 収入が給与のみ(年収2,000万円以下、勤務は1箇所)の場合は、準確定申告不要!
  • 収入が年金(年間400万円以下、その他の所得が20万円以下)の場合、準確定申告は不要!
  • 準確定申告が不要でも、源泉徴収されている場合は還付があるかも!

相続発生時に準確定申告が”必要”なケース

準確定申告

準確定申告が不要なケースを見る前に、まずは準確定申告が必要なケースから見ておきましょう。

準確定申告が必要な人の要件は、所得税の確定申告が必要な人の要件と同じです。
従って、亡くなった方の生前の収入内容や金額等で判断する事になります(参照元:確定申告が必要な方|国税庁

生前、毎年確定申告をしていた方は、基本的に準確定申告も必要だと思っておくと良いでしょうね。

具体的には、主に以下のケースで準確定申告が必要となります(申告書の提出先は、亡くなった方の住所地を管轄する税務署)

  • 会社からの給料が2,000万円超
  • 自営業による事業所得や、不動産賃貸による不動産所得がある
  • 2箇所以上から給料を貰っている
  • 年金受給者で年金額が400万円以上
  • 不動産の売却など、給与所得・退職所得以外の所得が20万円を超えている
  • 同族会社の役員等で、会社から貸付金の利子や賃料等をもらっている(
  • 医療費控除や各種税額控除を受けたい(還付を受けたい場合)

:同族会社の場合、利子や賃料等が20万円以下だったとしても申告が必要です。

上記に該当する場合は、相続が開始してから4ヶ月以内に準確定申告を終わらせなければなりません。期限内に申告・納付が終わらないと、延滞税や加算税が課されますよ。

医療費控除等により還付になる場合、準確定申告は義務ではありませんが、せっかくなのでちゃんと申告した方がいいでしょう。

相続発生時に準確定申告が”不要”なケース

納得する女性

相続が発生した際に準確定申告が不要となるケースというのは、上で紹介した準確定申告が必要なケースに該当しない場合です。

簡単にまとめると、以下のような方は準確定申告が不要となります。

  • ①被相続人が給与所得者(年収2,000万円以下、勤務先1ヶ所のみ、他の所得20万円以下)
  • ②被相続人が年金受給者(年金400万円以下、他の所得20万円以下)
  • ③相続放棄をした相続人

それぞれ、少し補足しますね。

注:上記以外でも税金が発生しないようなケースでは準確定申告をする必要はないですよ!

①給与所得者で準確定申告が不要なケースの補足

給与所得者が死亡により勤務先を退職する場合、会社は最後の1月から死亡時までの給料で年末調整をする事になります(参照元:No.2665 年末調整の対象となる人|国税庁

従って、収入が会社からの給料のみだった場合、基本的に準確定申告は必要ありません。

注:先述したように、収入が2,000万円を超えていたり、複数の会社から給与を受け取っていた場合は申告が必要ですよ。

②年金受給者で準確定申告が不要なケースの補足

年金手帳

また、年金受給者の場合、1年間に受け取る年金が400万円以下で他の所得が20万円以下であれば、準確定申告は必要ないです。

これは、税制改正によって平成23年分以降の確定申告については、要件を満たす年金受給者は確定申告をしなくても良いという事になったからですね(「確定申告不要制度」といいます)

ただし、年金受給者については準確定申告が不要だったとしても、以下のように申告した方が良いケースがあります。

年金が400万円以下の方は準確定申告不要だが、申告すれば還付があるかも!

年金受給者で、年間に受け取る年金が400万円以下かつ他の所得が20万円以下の場合、準確定申告は不要だと書きました。

これは、「準確定申告をしなくても良い」というだけで、「準確定申告をしてはいけない」という意味ではありません。準確定申告をした方が得なのであれば、申告した方がいいですよ。

豚の貯金箱と税金

どういうことかというと、年金は年間の受け取り額が400万円以下だったとしても、毎回の受給金額によっては源泉徴収をされていることがあります(参照元:年金にかかる源泉徴収税額 | 日本年金機構)。

そこで、扶養控除や医療費控除等の状況にもよりますが、準確定申告をする事によって所得税の還付を受けられる場合があるのです。

準確定申告が不要な場合は、税務署からは特に連絡がありません。
従って、還付を受けるために準確定申告をするかどうかは、相続人が自分で判断する必要があります。

公的年金の源泉徴収票を見て源泉徴収されているのであれば、「敢えて準確定申告をする」という方法も考えた方が良いでしょう。

参考:年金に限らず給料や報酬等で源泉徴収されている方の場合も同様です。

所得税の確定申告書

なお、相続税がかかる方の場合は相続税申告とセットで税理士さんに依頼するケースが多いです。

しかし、相続税がかからないのであれば、出来る限り自分で申告をした方がいいでしょう。申告自体はそれほど難しくはないので、自分でも十分に可能です。

【税理士が解説】準確定申告書と付表の作成方法・書き方・必要書類【記事未了】

特に年金受給者の準確定申告で還付になる場合は、還付金額よりも報酬の方が高くなってしまうかもしれないですよ。

還付金よりも税理士の準確定申告報酬の方が多くなりそうな場合、自分で申告した方が安くなりますよー、と税理士から促されると思います。
ちなみに弊社の準確定申告報酬は3万円~からです。詳細は「相続税申告サービス」ページをご覧ください。
【補足】準確定申告による還付金の受け取り方には以下の二つがあります。

・各相続人が金額を決めて受け取る
・相続人の代表者が一括で受け取る

準確定申告の付表には各相続人の情報を書く欄があるので、そこに還付を受ける相続人の口座を記載します。

必要な情報を記載すれば、相続人毎に還付金を受け取ることも可能ですし、相続人の一人が代表で全額受け取ることも可能です。

準確定申告によって所得税の還付を受けた場合、還付された所得税は相続財産としてカウントされます。相続税の申告が必要な方は、申告書に含めるのを忘れずに!(参考記事:被相続人の準確定申告による還付金は相続財産!

【注意】年金受給者の準確定申告の際に、源泉徴収票が間に合わないことがある!?

亡くなった方が年金受給者で準確定申告が必要な場合、相続開始後4ヶ月以内に税務署に申告書を提出しなければなりません。

そして、年金受給者が準確定申告をする際、年金の源泉徴収票が必要になるのですが、この源泉徴収票が準確定申告の期限である4ヶ月以内に入手できないケースがよく起きています。

公的年金の源泉徴収票(画像出典:「平成30年分公的年金等の源泉徴収票」の発送を行います|日本年金機構)

というのも、日本年金機構が発行する公的年金の源泉徴収票は、死亡届を提出した人宛に自動で送付されるようになっているのですが(参照元:さ行 準確定申告|日本年金機構2〜3ヶ月近くかかることもザラなのです。

場合によっては死亡から4ヶ月かかることもあるでしょう。

従って、準確定申告をするのであれば、自動的に送られてくるのをただ待つのではなく、ねんきんダイヤルか年金事務所に電話して「早く送ってください!」とお願いした方がいいでしょう。

電話での年金相談窓口|日本年金機構
全国の相談・手続き窓口|日本年金機構

オレンジ色の年金手帳

なお、どうしても源泉徴収票が間に合わない場合は、年金支給時に送られてきている「年金支払い通知書」等を元に申告書を作成し、税務署に源泉徴収票がまだ届いていない旨の説明をした上で、年金支払い通知書等を添付して提出しましょう。

通常は、きちんと説明をすれば「後日、源泉徴収票が届き次第、追加で提出してください」と言われるはずです。

参考:万が一、源泉徴収票記載の金額と申告した金額が違っていた場合は、追加で提出する際に修正申告か更正の請求をしましょう。

何の説明もせずに、後になってから「源泉徴収票が届かなかったから期限内に申告できなかった」といってもダメですよ。延滞税や加算税を無駄に払わなくて済むように、きちんと期限内に申告するようにしましょうね。

準確定申告によって所得税が還付となる場合は、4ヶ月という期限を守る必要はありません。還付請求は5年間できるので、源泉徴収票が届くまで待ってからで構わないですよ(相続税の申告が必要な方は、それまでにしましょう)。

③相続放棄をした相続人は準確定申告が不要とは

最後に、相続放棄をした相続人ですね。これは、亡くなった人の準確定申告がそもそも不要になるという事ではなく、「相続人として準確定申告をする必要がない」という意味です。

相続放棄をすると、その方はもともと相続人ではなかったという扱いになるので民法第939条、相続人として準確定申告書を提出する義務はありません。従って、他に相続人がいる場合は、他の相続人が準確定申告をする事になります。

相続放棄等により相続人が誰もいなくなった(相続人不存在)場合は、相続財産管理人が準確定申告をします。

最後に

亡くなった方の準確定申告が不要なケースについて見てきました。

基本的に、生前中も確定申告が不要だった方は準確定申告も不要ですね。ただし、源泉徴収されている方は還付を受けられる可能性があるので、申告をした方がいいでしょう。

相続が発生して、様々な手続きに追われて大変かと思いますが、予め期限が定められているものについてはきちんと守るようにしたいですね。

ロゴ:フリーダイアル0120-888-226

営業時間 平日9:00-21:00/土曜9:00-18:00

メールでの
お問い合わせはこちら
トップへ戻る