@chablis777
シャブリ

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(深野)仕事覚えてもな物になるまでは何年かかるか分からん。
(池ノ内)僕は 1年とちょっと。(磯貝)僕は 陶工の仕事を続けながら空いてる時間で教わって…。(喜美子)それで3年…。
絵付けという仕事をなんと甘く考えていたことか…。
(百合子)喜美子姉ちゃん お客さんやで?
(ちや子)お帰り。
ちや子さん!
(ちや子)そろそろ帰ってくる時間やいうから待ってたで。
ちや子さんや~! アハハハッ!
そうやあ 来たでえ。ちや子さ~ん! アハハハハッ!
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして 胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も涙に負けるもんか」
待たしてもうてる間になお母さんから近況聞かしてもろてん。
丸熊陶業さん? いうとこで働いてんねんて?
はい。 直子?
うちも もろた。
あ~ お土産? お礼言うた?うん 言うた。
もうな 挨拶もしたもんな?お礼も きちんと言えたなあ?
直子 座って読んで?
(直子)はあ…。
すんません…。
面白そうなん もろうたな? よかったな?うん!
(マツ)お茶も頂いたんよ このお茶。
荒木荘で いっつも飲んでたやつ大久保さんが持たしてくれてん。
ええ!えっ 高いお茶ちゃうのん?
そりゃあ うちのお茶よりは…。え~ 大久保さんが…。
喜美ちゃんが いっつもいれてくれてた。
頂きます。頂きます。
お~! ほほほほ…。懐かしい?
懐かしい! このお茶や いつもいれてた。
♪~
はあ~。(百合子)どうしたん?
お茶が どうしたん?何? お酒入ってんのちゃう!?
はあ? 何 言うてんのん?(笑い声)
直子も ほら。 ここおいで?
そんなに ゆっくりしてられへん仕事で来てん。
仕事?急に決まってな 日帰りで来てん。
このあと大阪戻らんなんねんて。
仕事て… 聞いてもええですか?せや 心配かけたな。
あれから いくつか出版社 訪ね歩いて今は 新しい仕事してる。
新しい仕事…。今は 新聞記者やのうて婦人雑誌や 雑誌記者や。
記者て 何なん?
あ~ いろいろ調べたり? 取材したりなう~ん 記事書いたり 原稿書く人や。
ふ~ん…?つまらんな。
直子!今やってんのはな琵琶湖 分かる?分かる 行ったことないけど。
あるやん 海や。海ちゃうよ 湖や。
ほや 海に よう似てる そっくりや。
行ったことないやん。信楽来る時に寄ったんよ。
「わ~っ!」てやった。やったなあ 走ったな? よう覚えてんな?
 回想 海やぁ~!(直子)海やぁ~!
(常治)海やぁ~!海やぁ~!
琵琶湖の取材ですか?そのうち発表になるけどな今日は… 今日のところはここだけの話にしといてや?
何?
あの琵琶湖に… 橋が架かんねん。
橋!?橋て あの歩いて渡る橋?
そんなん無理や。無理ちゃう。 もう決まってん。
琵琶湖の上に大橋や!(3人)ええ~!?
完成したら こっちからあっちあっちからこっち 泳がんでも行ける。
行ったり来たり いつでも誰でも自由や。自由に好きに行けんねん。
ええ~!日本一の湖に 日本一の大橋や!
え~! うわ~!すごいな! そら すごいわ!
出来たら見てみたい!渡ってみたい。
渡ってみたいなあ?渡ってみたい。
何や どきどきする。わくわくするなあ?
どきどき わくわくすることを伝えんのがうちの仕事や。
きちんとな 今 話したみたいなことをもっと きちんと調べて文章にして 皆さんにお伝えする。
そういう仕事を 今してんねん。いつから そんなことを?
琵琶湖の大橋の話 聞きつけた時にな雑誌の編集長にすぐに 「やらして下さい!」言うてん。
建設から完成まで いつになるか分からん何年かかるか分からんせやけど 夢のある話や 夢の大橋やそんなん取材したいわうちにやらして下さい言うて。
せやけど 女やからなこっちの食べる方の箸にしとけえ言われて からかわれて相手にしてくれへん。
そこを グッとこらえて頭下げて 「どうしてもやりたいやってみたい やらして下さい!」言うて必死に思いを伝えて一生懸命 掛け合うて…。
ほんで ようやっと任してもらえることになったんよ。
そんなんで 楽しいん?
楽しいよ。 前おった新聞社は毎日が締め切りやったけど今は 自分で時間も決めてじっくり丁寧に取り組めるしな。
何より やりたいことやらしてもろてんねんもん楽しいてしゃあない。
うちも… やりたかった…。
やりたかった~!(マツ)何!?
(ちや子)どないしてん!?
うちもやりたいこと見つけてん。見つけてんな?
これや思うた! 思うてん!
新しい仕事や 新しい道やこれや! 見つけた思うてん!何?
絵付けや! 絵付け やりたかった~!
絵付け?絵付け?
やりたかった~ 言いたかった。
ほやけど あかんねん。物になるのに 何年もかかる言われてん。
そんなんあかんやろ!?そんなんあかんわあ…。
うちには 余裕ないねん!時間も お金もないねん。 あかんあかん。
(泣き声)喜美子…。
終わった話や。 済んだ話や!
ほやけど… ほやけど~。
(泣き声)
このお茶…。
(泣き声)
すみませんでした…。ううん… 大丈夫?
すっきりしました。ほんま?
思うてたこと吐き出せて…。ちや子さんのおかげです。
よう泣いたもんな。泣きました~。 アハハ…。
また 次 会うた時も泣かしたるわ。喜美ちゃん泣かすぐらい うち 頑張るで。
ほな うちは… 次 会うた時は泣かんで済むよう頑張ります!
せや 頑張りぃ。はい!
ほな。さいなら。
♪~
そんなことがあったとは何も知らない人が約1名…。
(常治)せやから 宝田三郎!米屋のお宝さん!
お宝さんの三男坊や お前。どない? 喜美子。
宝田三郎 顔 見たい? なあ?あっ そう? そうか そうか そうか…。
何のこっちゃ。(小声で)お米屋さんや 米 米 米…三男坊 婿に来てくれるって…。何の話?
えっ? いや 何でもない 何でもない。
喜美子! 酒 酒!もうないよ。
ほな 買うてこい! あっ もろてこい。
オゥちゃんに分けてもらえあの… ほら それに入れて。
今から!?ほんなら 先に風呂 風呂!
風呂沸かしてへんのか? 喜美子!
うちが沸かす。
(小声で)何や?
この間の これか? なっ?
♪~
(戸が開く音)
♪~
早く沸かすやり方あんねん 教えたる。
見とき?
絵付けて 何?
どんな仕事?
忘れた。
宿題見たるしあとでな。
ほんでそこのほつれてるところも直したる。
ほんで その酒の瓶な 水入れるわ。
底の方に3滴ほど残ってる水入れて薄めたろ。
酔うてたら分からへん 酒も水も一緒や。
いや ばれるで!?
ばれへん ばれへん。いや…。
入れ過ぎやん!?アハハッ 大丈夫や。
心配すな。
いや これで分からんかったらアホやで?
分からへんで?アハハッ じゃあ アホやな。
そうや。(笑い声)
(照子)喜美子? ああ 喜美子いた!ああ 照子卒業式終わったん? おめでとう。
絵付け教わるの どうしたん!?やめるんけ?
もうええの?(戸が開く音)
(池ノ内・小声で)フカ先生の邪魔ならんような 僕ら席外すわ。
(磯貝・小声で)外すわ。はあ? 何で!?(3人)シ~ッ!
あれか 産みの苦しみいうやつか。
やかん そっと交換してくるわ。
あっ うち 4月から京都の短大や。うん 知ってる。
女子寮入るねん。知ってる。
京都行く前に もっかい ゆっくり会おか。
喜美子が どうしても言うならしゃあないなあ。
ほな また。ほな。
喜美子は 絵付けへの未練を捨て去ろうとしていました。


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