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まずは山頂の祠に登山の無事を感謝する。
そして ファンにプレゼントされた船を手に記念撮影。
(シャッター音)
やったね~。(拍手)
ありがとうしてきた?
皆さんも お気を付けて下山して下さい。(拍手)
屈託のない笑顔に元気をもらい山頂を後にした。
一日2座の長い道のりを気力で乗り越えた田中。
前人未到の挑戦は続く。
♪~(テーマ音楽)
♪~
(希望)母さん…。
(おしん)お前何で ぶたれたか 分かるか!?
希望が 意気地なしだからだ!
お前 友達に 「もらいっ子」だとか「親なしっ子」だとか言われてそれが つらくて学校 行かないって言ったんだな?
それで うちも出たんだな?
希望 そんな事 つらくてめそめそしてたんだったらこれからいろんな事 あるんだぞ!
もっと つらい事だってあるんだ!
お前なんか生きていけねえ!
母さんなお前 見つかんなかったらお墓のお母さんに申し訳なくて死んで お詫びしようと思った。
お前が ここに来たのは きっとお墓のお母さんが呼んで下すったんだ!
お前みたいな意気地なしは死んでしまった方がいいってお墓のお母さんだって思ってらっしゃるに違いない!
希望…。 希望!
母さんと死のう!
嫌だ! 母さん 死んじゃ嫌だ!死んじゃ嫌だ!
僕 もう 学校へ行く!誰に 何て言われたって僕 もう 平気だから!ちゃんと 学校で勉強するよ!
「学校 行かない」なんて二度と言わない!
だから 死なないで!
希望!母さん!希望!
バカだね お前は 本当に!夜中に 何で こんな所に来たの!
だって 行く所ないんだもん。どこにいたの? 今まで。
学校の物置小屋。
何で うち 帰ってこなかったの?
僕 父さんや母さんの子じゃないし帰ったら 「学校へ行け」って言われるだろう?
お前いなくなって 父さんと母さんどんなに心配したか…。
兄ちゃんだって お前の友達のうち一軒一軒 聞いて回ったんだぞ!
仁は お前の事 いじめたやつとケンカしてケガして帰ってきたんだぞ!
みんな お前を うちの子だと思ってるからでしょ!
母さん ここに来たらお前と会えると思った…。
母さん…。
友達に 何 言われてもちゃんと 学校 行けるか?
うん…。
うち 帰ろう。
父さんに叱られるよ…。
父さんと母さんが希望の事 叱るのはお前が かわいいからだ。
お前が小さい時 父さん お前をいっつも おんぶして店 出てたんだぞ。
希望の本当の父さんは死んでしまったけどお前が こんなに大きくなれたのはあの父さんのおかげなんだぞ。
父さん 待ってるよ。
雄だって仁だって 初ちゃんだって希望の帰ってくるの 待ってるよ。
♪~
帰るんだ…。
♪~
さあ…。 ただいま!
(雄)どこにいたの? 希望。
いいじゃない。元気で帰ってきたんだから。
(竜三)あ~腹 減っとるとやなかか?
(初子)すぐ 支度します!(仁)昨夜のおかずな希望の好きなハンペンの煮たやつだったんだぞ!
希望ちゃんの分ちゃんと取ってあるよ!
(雄)さあ 希望。
(セミの鳴き声)
何? 何よ もう!
ねえ 買ってよ! みんな持っているのに 持ってないと仲間に入れてもらえないんだよ!駄目だったら!
鉄砲のおもちゃなんか なくたって遊べるでしょ!
だって 戦争ごっこする時鉄砲のないやつは敵の兵隊に されちまうんだよ。駄目だったら駄目!
父さん 買ってよ!うん? あ~ そうだな。
希望 お前も頼めよ!僕 欲しくないもん。
お前だってそう言ってたじゃないか!
戦争ごっこなんか しない。ほら ご覧なさい。
希望は 偉いじゃないか母さんの言う事 ちゃんと聞いて。
少しは 希望を見習いなさい。
何だよ いつもお前ばっかり いい子になって!
やめなさい 仁! 仁!もう~! 希望に謝んなさい!
何だよ! 母さんは いつだって希望の味方ばっかりして!
いいよ もう!仁!
仁!
また やられたんだな?仁ちゃんに。
仁ちゃんが かかってきたらやり返せ。
それが ケンカってもんだべ。
しかたねえな…。 何されてもおとなしく辛抱してるのが希望ちゃんのええとこだけんどよ。
なっ。 豆 一緒に むくべ。今夜は 豆御飯だぞ!
仁と希望と 何でも同じようにしてるつもりなんだけどもうまくいかないわね。
ついつい 仁ばっかり怒るような事になってしまって…。
しかたんなかよ。 仁は 甘えてだんだん わがままになるが希望にはそれが できんとやけんね。
希望に分別がつくようになったらますます 仁と希望は人間が違ってくるじゃろう。
まあ 他人の子と自分の子を同じように育てようたってそいつは 無理だ。
難しいもんね!
暑い!
いい匂いだね ゴマって。
助かるな~ 希望ちゃんが手伝ってくれるから。
(雄)希望また そんな事してるのか。
よっぽど初ちゃんと 気が合うんだな。
宿題は もう済んだのか?夕飯の支度してから するっす。
分かんないとこ あったら教えてやるぞ。
僕は もう済んだから。1人で 大丈夫だっす。
算術は いいのか?
ほら 見ろ。習ったところは 毎日 ちゃんと覚えていかないと ちょっとでも分かんないままにしといたらすぐ ついていけなくなってしまうんだぞ。でも…。
僕に遠慮する事なんかないだろ。初ちゃんは 僕の妹なんだからな。
初ちゃんは 僕の入学試験の時冷たい水 かぶって合格 祈ってくれた。
あの時から 本当の妹だと思ってるんだから。せっかく 学校 行けるって喜んでるのに勉強できなかったら何にもならないぞ。 さあ やろう。
希望は 仁と遊ばないのか?
仁ちゃんと ケンカしたんだ。
しょうがないな!
希望は おとなしすぎるんだよ。前は 仁と ケンカしたって負けちゃいなかっただろう。しっかりしろ!
希望ちゃんも一緒に勉強しような!
はい!毎度 ありがとうございました!
雄 初子 仁 希望の 4人の子どもたちが成長していく中でそれぞれ 少しずついろんな変化が生まれていた。
おしんは それを知らない訳ではなかったが店や暮らしの忙しさでつい 見過ごす事も多かった。
しかも そのころ4人目の子どもをみごもっている事に気が付いたのである。
(竜三)ホントか?ホントに できたとか?
うちには 4人もいるのにね。4人だって大変なのに…。
なにを 罰当たりな事ば言いよっとか!
もう できんて 諦めとった子がまた できたとやなかか!
子どもなんて 何人いたって多すぎるって事はなかよ!
1人 増えたらその分 オイたちが働けばよか!
何とでも なったい!
この不景気は ちっともよくなりそうもないしこんな小さな魚屋で5人も 子ども 抱えてたら教育だって ちゃんとやってやれるかどうか…。
そがん先の事まで気に病んどったら 何にもできん。
そのうち よか時も来る。
金よりも何よりも子どもは 宝たい。
体 大事にして丈夫な子 産まんば!
そうね。もう 4か月なんだもんね。
クヨクヨしたって 始まらないし!ああ。
お前は 初子を一人前になるまで育てるっちゅうとるが一応 年季は3年っちゅう事になっとう。
まあ 年季が明けたら 初子を故郷に帰したってよかとやし…。
初子 手放すって言うの?ああ。
3年たてば初子だって 小学校を卒業する。
そうすれば 初子を預かった俺たちの責任だって果たした事になる。
初子だって 帰りたいって言うかもしれん。
そのころになれば 親元だって帰してほしいって言ってくるかもしれんし…。
初子は 初子よ!生まれてくる子とは 別よ。
初ちゃんが どうするかは初ちゃんが決めればいい事だもの。
だって 生まれてくる子のために初ちゃん 追い出すような事だけはしたくない。
大丈夫!もし 私 食べなくたって5人の子どもぐらい育ててみせるわよ!
男の子は みんな大学 出してやる!
おしん…。
私 今まであくせく 生きてきたけど何にも 大した事できなかった~。
子どもだけでもちゃんと育てる事できたら私も 生きてきたかい あったって言えるもん…。
また 大きくなりますね。ハハハハ! あ~ ほうか ほうか。
♪~
(照子)絵付け教わるの どうしたん!?やめるんけ?
(戸が開く音)
(池ノ内・小声で)フカ先生の邪魔ならんような僕ら席外すわ。
(磯貝・小声で)外すわ。はあ? 何で!?(3人)シ~ッ!
あれか 産みの苦しみいうやつか。
(喜美子)やかん そっと交換してくるわ。
あっ 気ぃ付けや?先生 いらだってんのやろ?
怒られへんよう 気ぃ付けや?はいはい。
♪~
♪「涙が降れば きっと消えてしまう」
♪「揺らぐ残り火 どうかここにいて」
♪「私を創る 出会いもサヨナラも」
♪~
♪「日々 恋をして 胸を焦がしたい」
♪「いたずらな空にも悔やんでいられない」
♪「ほら 笑うのよ赤い太陽のように」
♪「いつの日も雨に負けるもんか」
♪「今日の日も 涙に負けるもんか」
♪~
♪「やさしい風に吹かれて」
♪「炎は再び舞い上がる」
回想 見ん方がええ?
集中したはる時のフカ先生…あれやしな…。
(深野のくしゃみ)
(深野のうなり声)
♪~
(陽子)毎度 おおきに。ほな また来るわな。
また仕入れとくさけな。頼むわな。は~い。
ここらでな 絵付けやってるとこ書き出しといたさけ。
(マツ)丸熊さん以外にも 結構あるんやね。
そりゃ 今 絵付け火鉢は売れてるさけ。
ちょっと遠いけどな永山陶業さんなんか ええんちゃう?
(マツ)永山陶業…。
(陽子)最近 代替わりしてな息子が社長になってから絵付けに力入れてるいうわ。
職人さんも ぎょうさんいてはるし中には 絵付けを教えてくれるいう職人さんも いやはるんちゃう?
いてはったら ええなあ。ええなあ。
あっ けど…女の子は厳しいかもしらんけど…。
うん… 行って聞いてみる。 ありがとう。
あっ 電話して聞いたらええやん。
いっぺん 電話して聞いてから行き?ほら。
いや…。使て 使て 使て…。いやいやいや…。
いやいや…。使てって~。
もう分かった。 かけたげるわ。(マツ)ありがとう。
お帰り。 無事 済んだん?(信作)ああ。
お帰り。 ご卒業おめでとう。
(今日子)こんにちは。 お邪魔します。
は~い。(信作)おばさん来てたんや?
あ~ あんたの卒業のお祝いになおはぎ作って持ってきてくれたんやで。
ああ。 何やねん…。フフ…。
わざわざ すんません。 後で頂きます。
♪~
(信作)何してん?
何か いてたで?
3日前にも連れてきよった。
ギター覚えてな2人で仲よう弾いてるわ。
同級生?
つきあってるんちゃう?ええ!? えっ…。
詳しいことは聞いても言わん。
あっ 信楽町279の永山陶業さんお願いします。
男の子は つまらんでえ話してくれへん。
伊賀のおばあちゃん亡くなってからペラペラしゃべるようになった言うてたやん。外ではや!
うち帰ったら 親の前では「あっ」「うっ」「やっ」しか言えへん。
へえ~。
あっ 永山陶業さんですか?大野雑貨店の大野ですぅ。
へえ そうですぅ。
永山陶業?
せや。 電話で聞いたら絵付け教えてくれる言わはったんよ。
どういうこと?せやから 教えてくれはるんよ 絵付け。
永山陶業は もう絵付けの職人さんが何人もいてはってな週1回くらいやったら交代で教えてくれるて。交代で?
うん。 ほんで 女の子でもまあ ええんちゃう言うてくれて。
週1回で半年ほど通たらちょっとした簡単な作業やったらやらしてくれるみたいやで?
絵付け火鉢は売れてるさかい人の手ぇは なんぼでも欲しいんやろな。
(百合子)ええやん!(直子)行くん?行ったらええわ。
ええ話やろ?ほやけど…。半年通ったら お金になるん?
お金になるかどうかは本人の頑張り次第ちゃう?
喜美子姉ちゃんなら大丈夫や!そんなん分からへんやん。お父ちゃんかてあかん言うに決まってるし。
そんなん分からへんやん。百合子は黙っとき。
週1回でも お金にならんことやらせてくれるわけないやん!
お父ちゃんには お母ちゃんが言うたる。お母ちゃんが!?
言えるわけないやん。言えるわけないけど飲まして 酔わしてええ気持ちで酔うてるとこでうまいこと… うまいこと「うん」て言わしたる。
なんとかやってみるお母ちゃんに任しとき。
(戸が開く音)(常治)おう 帰ったで。
(マツ)お帰り。 早かったな。お帰りなさい。お帰りなさい。
お帰りなさい。(常治)連れてきたで 連れてきた。
入って下さい! 入って! ああ どうぞ…。
(宝田)どうも…。
喜美子! 挨拶しなさい。
初めまして。初めまして。
米屋のお宝さんの三郎さんやなっ この前言うたやろ?
この前て?
何かな 時間かかってもうてなかなか話まとまらんで…。
よいしょ…あっ どうぞどうぞ 上がって下さい。
座布団 座布団! きれいなん。(宝田)いや あの 僕は ここで…。
ええ ええ。
上がって下さい。 ええから ええから。ほな 上がらせて頂いて そこで話を…。
あっ 話をね。 喜美子! お前も上がれ。
何で うちが?結婚すんのは お前やろ!
結婚!?(マツ)そんな いきなり…。
いやいや そういう話になるかも分からんちゅう話やがな。
もうええから上がれ ほら。黙って上がれ!
座布団! ほら まだか。
ぼろっちいな…まあ ええわ 気取ってもしゃあない。
そこ置け そこ。三郎さん そこ座って下さい。
喜美子 お前 そこ座れ。お前 向こう行っとけ お前 邪魔や。
あ… 酒 酒! 酒持ってこんか もう!
あの 僕は その…。ああ…。
あの… こっちやなくて そっち そっち。
喜美子さん。僕は はよ結婚したい思てます。
(常治)いきなりやん もう!待って! ちょっと待って下さい。
喜美子さん以外の人とです。
えっ?(宝田)心に決めた人がいるんです。喜美子さんには 申し訳ない。
今日 来たんははっきりお断りさせて頂くためです。
喜美子さんのお気持ちにはお応えできません。
許して下さい。堪忍して下さい すんません!
いやいや あの…。すんません。 すんません!
あの… あの… ちょっと…。すんません!三郎さん!あの!失礼します すんません。 すんません!
すんません…。 失礼します。
お父ちゃん。
何や おかしいな もう…。お父ちゃん?
何か おかしいやっちゃなあ?ほんまに もう…。お父ちゃん!
うち 結婚する気なんてないで?
まあ… まあ まあ まだでもええけどな。
まだどころか まだまだする気ないで!?
まだまだ言うても お前1年 2年のうちには お前…。
1~2年なんか 早いわ!うちかてやりたいことあんねん。
何や? やりたいことって何や?
とにかく 今は考えられへん。
ほな いつや? いつ結婚すんねん?
結婚はいつするか決めるもんちゃうやろ!?
アホ抜かせ お前いつするか決めとけへんかったらいつまでたってもできるかい! もう!ほな できへんでええわ。
できへんでええわ!?お前… お前言うたな?
絶対すんなよ?ええよ せえへんわ。絶対すんなよ!
一生すんなよ!?一生せんわ!死んでもすんなよ!死んでもせんわ!
ちょっと よろしいですか?
何や?
喜美子にやらしてやりたいことがあるんです。
お母ちゃん。はあ?
その前に さあ どうぞ 飲んで下さい。さあ。
何や…。
何や お前 気色悪いな もう…。
ぐぐいと飲んで気持ちを和らげて聞いてほしいんです。
回想 これ 水やで?そうやで。(笑い声)
(常治)ええ? 喜美子が何や?
絵付けです。絵付け!?
絵付け火鉢の 絵付けです。
週1回 永山陶業いう所で喜美子に習わしてやりたいんです。
喜美子もやりたい言うてるんです!
絵付け…。
何を言うてんねん。 何や これ!
何すんねん!何すんねんは こっちじゃ!
水やないか! お前 もう!
水!?何が絵付けじゃ!
結婚もせん言うてるやつが…。
ぬ~! この~!
ぬ~! ぬ~!
ごめんな?
うん?絵付けのこと。
うまいこと言うたげよ思て…火に油注ぐようなことになってしもた…。
ううん。 今 考えててんな。
お母ちゃんのおかげで分かったわ自分が何したいんか…。
どういうこと?うん…。 あんな?
姉ちゃんな 決めたで。あっ 待って。 おはぎ食べながら聞こか?
えっ?喜美子姉ちゃん作ったおはぎ あんのん!?
食べるぅ!
は~い。
ありがとう。はい。
頂きます!(3人)頂きます。
う~ん! おいしいねえ。
(マツ)おいしいねえ。
決めたて 何を決めたん?うん…。
♪~