ヤフーとLINE、浮上した「経営統合」の衝撃度

経営統合で両社の悩みは一気に解消される

経営統合は実現するか? 写真はヤフーの川邉健太郎社長(左)とLINEの出澤剛社長(右)(撮影:今井康一)

ソフトバンクと韓国NAVER(ネイバー)が、傘下のヤフーとLINEの統合に向けて最終調整に入っていることが明らかになった。

これまでもLINEとソフトバンクの両社に接点がなかったわけではない。ソフトバンクは昨年3月にMVNO(仮想移動体通信事業者)のLINEモバイルを買収している。

ヤフーもLINEも悩みを抱えていた

両社にはそれぞれの悩みがあった。メッセンジャーアプリで国内最強のLINEは、スマホ決済や人工知能(AI)への積極投資など多角化戦略を進めているが、先行投資の負担が大きく営業赤字に沈んでいる。

一方のソフトバンクとヤフーはECなどネット事業が万年3位。1位を目指してZOZO買収などを行っているものの、決定打を持っているとは言いがたい。今回の統合構想は、両社の悩みを一気に解消できる可能性を秘めているものだ。

統合計画が明るみになった翌日の14日。株式市場は両社の統合を「歓迎」した。LINE株は値幅制限いっぱい、年初来高値の5290円まで上げてストップ高(前日終値は4585円)となった。Zホールディングス株も年初来高値449円をつけた(同384円)。

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  • サーモンアボカド丼ca7d69bfe1ca
    ZOZOの買収とLINEとの経営統合は、
    WeWorkの失敗が大きくなる前にすでに計画が動いてたんでしょう。

    WeWorkの失敗→ZOZOの買収→LINEとの経営統合

    この順に情報を出せば大衆がどう踊るかシュミレーションしてると思います。

    重要なのはこのお芝居にはゴールがあるということ。
    そのゴールをうまく利用すれば金脈に当たるということ。
    up11
    down2
    2019/11/15 06:03
  • 今日のご飯はf81b0319ab5a
    ペイ事業(PayPay等)やチャット事業は、うやって利益を出すのかが理解できません。

    なぜなら、銀行口座から引き落とし(デビット機能)やクレジットカードからの引き落としの場合、それぞれ、銀行及びクレジットカード発行会社に手数料を支払う必要があります。と言うことは、ペイ事業は、さらに手数料を取る必要がありますが、可能でしょうか。

    また、データの取得が目的と言っていますが、データってそんなに売れるのでしょうか。高く買ってくれる先は、消費者金融、通販会社、●●詐欺集団、ギャンブル関係など「中毒消費者」ビジネスだけではないでしょうか。

    ターゲット広告は、一部の買物中毒患者にしか役立たないのではないでしょうか。
    しかし、ゲーム業界の「ガチャ」で儲けるビジネスモデルもありますので、「情弱ビジネス」の制覇が目的化もしれませんね。さすが孫さん。
    up1
    down7
    2019/11/15 10:06
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