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2019年11月9日(土)

野犬の増加で被害相次ぐ 背景は

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最近はすっかり見かけなくなった「野犬」、いわゆる野良犬ですが、その数がここ数年で増えているのが、山口県周南(しゅうなん)市です。
周南市では、今週も住民が野犬にかまれるなど、被害が相次いでいます。

相次ぐ住民の被害 増えた原因は…

野犬が増えているのは、周南市の中心部にある「周南緑地」。
住民の憩いの場となっているこの緑地で、10年ほど前から野犬が増え始めたといいます。

野犬は、緑地周辺の住宅街にも出没します。
この70代の女性は今年1月、野犬に足をかまれました。

野犬に足をかまれた70代の女性
「突然犬が3匹来て、ガバって後ろに来て、かんだ。
病気が怖い、犬は。」

住民からの被害の訴えに応えるため、山口県では野犬の捕獲に取り組んでいます。
しかし、捕獲しても追いつかないといいます。
子犬は次々と生まれます。

野犬が増えた原因はどこにあるのか。
もともとは、ルールを守らずに犬を捨てる、身勝手な人たちがいたと見られています。

さらに、野犬が繁殖した理由がありました。
餌やりです。

1人の男性が、餌と思われる物を野犬に与えていました。
周南市は野犬の繁殖を防ぐため、こうした行為を条例で禁止しています。

しかし、取材を進めると、餌やりは、定期的かつ大がかりに行われていることが分かりました。

その背景には、SNS上での呼びかけがありました。

“周南の野犬には必ず食べ物をあげて下さい!”

“ボランティアのところに餌を送ろう。”

全国の動物愛護の活動家などが投稿し、賛同した人たちが餌やりをしているのです。

餌やりを行うグループの一つを取材することができました。
グループは、野犬が繁殖しないよう、オスとメスを分けて飼育するシェルターの設置を行政に訴えています。

餌やりグループ代表
「水もやるな、餌もやるな。
じゃあ、どうするんですか。
人間として、ここで餓死寸前の子がいる。
水も飲めない。
こんな子を目の前にした時、人としてやりますよ。
何度も言うんですけど、保護です。
私たちは、保護するためにやっているんです。」

餌やりは条例違反だと認識しつつも、野犬を保護するためには必要なことだと主張しています。
餌やりによって増えてしまった野犬は、どうなるのか。

捕獲された野犬は、周南市にある保健所に収容されます。
期限は1週間です。
この保健所は、昨年度962匹の犬を捕獲。
そのうちの8割以上が、新たな飼い主やNPOにより引き取られました。
それ以外の犬は、山口県動物愛護センターに移され、引き取り手が現れるのを待ちますが、重い病気など、引き取りの適正がないと判断されると殺処分されます。

ここ数年、殺処分の件数は減っていますが、野犬が増えると、引き取り手が見つからず、その件数は増える恐れがあります。
犬の保護の活動を行っている団体も、危機感を募らせています。
この団体では、保健所などから犬を譲り受け、次の飼い主が見つかるまで世話をしています。
しかし、保護できる数は限界に達しようとしています。

NPO法人ケダマの会 橋本あき子代表
「ワンちゃんを保護してあげる施設が本当に不足しているから、餌やりさんの気持ちはすごくよく分かる。
熱くなる気持ちは分かるけど、数が多いので飽和状態になる、本当に。」

周南市で増え続けている野犬。
解決の道筋はなかなか見えてきませんが、市では何よりも「犬を捨てない」こと、そして「むやみに餌を与えない」という呼びかけを続けていくということです。         

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