今年も残すところあと1か月半となったが、勢いづいたとはいえ、ドル/円相場は年初からのレンジ(8.30円)を抜け出られてはいない。
ここから年内の大きなイベントは用意されておらず、「2年連続での史上最小値幅を更新」という結末が現実味を帯びている。
こうした動意の無さは「売り買いが拮抗している」ことの結果という説もあれば、AI(人工知能)による高速売買で値幅が狭くなっているという説もあり、本当のところは分からないが、そもそも「人気が無い」ことの結果ではないかという説もある。
これは今年9月に発表された国際決済銀行(BIS)による3年に1度の外為調査『Triennial Central Bank Survey - Foreign exchange turnover』をみれば、恐らく真実に思えてくる。
同調査では日本円(以下単に円)の凋落がはっきりと浮き彫りにされている。
具体的には通貨別の取引高シェアを見ると、円の取引シェアは今回調査で8.4%と過去5回分(15年分)の調査で最低を記録している。
ちなみに上図にあるように、取引シェア上位4通貨は米ドルを除けば15年前の調査(2004年)から比較すればシェアは落としているが、前回調査(2016年)からシェアを落としたのは円だけである。