小沢一郎・民主党元代表の資金管理団体「陸山会」の政治資金規正法違反事件で、衆院議員、石川知裕被告(37)ら元秘書の第12回公判が16日、東京地裁(登石郁朗裁判長)であった。中堅ゼネコン「水谷建設」(三重県)の元専務が証人として出廷し「小沢事務所に持って行く5千万円を本社から東京支店に運んだ」と証言した。
この日の証人尋問で、元専務は水谷功元会長(66)から「小沢事務所にお金を持っていかないといけない」と電話で指示され、2004年10月13日朝、本社で経理担当の元幹部に渡された手提げ紙袋を、新幹線で東京支店の金庫に運んだと証言した。紙袋の中身は見ていないが、渡された際に元幹部から「またお金がたくさんかかって大変やな」と言われ、現金だと認識したという。
検察側は冒頭陳述で、水谷建設からの1億円のヤミ献金が虚偽記入の動機の背景事情と主張。公判では、同社前社長が石川議員と元秘書、大久保隆規被告(49)に「5千万円ずつを手渡した」と検察側主張に沿った証言をしている。一方、石川議員と大久保元秘書は受領を強く否認している。