ユーモアたっぷりに相手を侮辱する方法
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力があることを見せつけるのがいい侮辱で、無力なことを露呈するのが悪い侮辱です。
権力者に刃向かおうが、無能な人をあげつらおうが、これは事実です(権力者に対してやるほうがいいと思いますが)。
自分自身ではなく相手にダメージを与えるために侮辱がしたいのであれば、戦略的に侮辱しなければなりません。
状況や周囲にいる人を選ぶ
相手の気分を害するのが目的ですか?
それとも、相手の面子を潰すのが目的でしょうか?これによって必要な戦略は異なります。
前者の場合、相手の価値やセルフイメージを知らなければなりません。後者の場合、第三者の前で相手の面子を潰すのですから、第三者(周囲にいる人たち)の価値や、相手に対するイメージを知らなければなりません。
どちらもやりたい場合は、両方が重なる部分で侮辱するようにしましょう。もしくは、攻撃の手段を変えるのもありです。
相手の近くで侮辱して、それから公共の場や人前でこれ見よがしに侮辱します。
バスケの試合中に、マークに付いている相手をからかったり、見下したりする言葉をつぶやくのと、コート外から野次るのでは違います。
同じことが、オンライン上の相手なのか、仕事相手なのかでも言えます。
相手が気にしていることを知る
相手の自分自身の好きではないところや、自信のないところを知りましょう。
何年も前、私がGawkerに記事を書いていて、AOLの中間管理職の人とよく揉めていた時に、相手は3日おきに、どう見ても私は仕事をやめると言っていました。
私は1日10時間働いていて、相手にはっきりと言い返さずに、相手の言い分に気分を害していました。皮肉ではなく、“皮肉を込めた”という言葉を使う男に振り回されていたのです。
例えば、お金持ちで強欲なビジネスマンに抗議をするとします。
相手の強欲さや金満ぶりを侮辱したくなると思いますが、相手がお金を稼ぐのが好きだというのを認めたところで、相手が本当に気分を害すると思いますか?
おそらく、相手の経済的な失敗を見つけて侮辱したほうが、相手はもっと頭に血がのぼるはずです。相手の価値観でどれほど損をしたのかを明らかにしましょう。
周りに人がいる状況であれば、さらに選択肢があります。周りの人がすでにあなたの味方であれば、あらゆる手であなたの攻撃に加勢してくれるでしょう。
下の「悪役にならない」の章でも書いているように、このやり方は危険でもありますが、相手が自分自身の好きではないところや、恥ずかしいところを攻撃することができます。
周囲の人もその人のことが嫌いであれば、相手の価値観が間違っていることをからかいましょう。
様々な方法でユーモアを持って侮辱する
2015年、インターネット芸人のJon Hendrenが、ヒョウ柄のラインが入ったVansの赤い靴を見せびらかしていました。
彼の仲間のDavid Thorpeは、趣味の悪い靴だと思っていたので、みんながその靴をイジるように仕向け、「狂った医者が売春婦を裏返しにしたみたいな靴だ」とか「正に下品なポルノだな」などと言っていました。
Thorpeのクリエイティブなイジりは尽きず、「趣味が悪いな、ジョン」という同じ内容を1,000通り言い換えました。
からかいたい相手に関する比喩表現を幅広く集めるのです。
侮辱の構造というのは様々です。ドラマ『Veep/ヴィープ』や『サクセッション』のようなドラマ内の侮辱を参考にするととてもいいです。
それぞれが違う口調や抑揚で侮辱しています。最後まで言わないと侮辱だとわからないような、褒め言葉や提案から始める人も多いです。
拳を振り上げるまでは、後ろ手に隠しておくような感じです。
『サクセッション』では、Tomが「もしお金持ちの未亡人に出会ったら、君の瞳で誘惑できると思うよ」とGregに刷り込んで、その通り行動させています。
その同じエピソードでGerriは、Tomにどこで情報を手に入れたかを聞かれた時に「Tom、こんなことを言わなきゃいけないのは辛いけど、私はあなたのお母さんと性的関係にあるの。お母さん、寝言を言うでしょ」と仕返しをしています。
あえてストレートに言うのもありですが、その時は徹底的に言わなければなりません。相手に、時間や労力を使う価値がないというのを示すには、同じような言葉を何度も繰り返し、実際に言葉数を少なくしましょう。
より具体的に侮辱するために、ひとつのフレーズを繰り返すのもいいです。
Thorpeは、「Jon、その靴は少しやっちゃってるな」「ともかく、素晴らしい靴を履きこなしてくれ」の単純な反復でクリエイティブなイジりを拡散しました。
イジりの内容を一気に読んでいる人たちに、ひと息つける余地を与えたのです。
ただし、誰も思いつかなかった笑えない冗談を言うような、中途半端なことはしないように。
(からかいやイジりのはずが)あなたは機嫌の悪い頭のおかしい人のように見え、相手は嫌われてもしょうがない人だと思われます。
似ているものを探す
Thorpeのイジりは、ほぼ完全に有名な表現との比較で延々と続きました。靴にほんの少し合っている、恥ずかしい、レトロな、異性愛的なポップカルチャーの、仰々しいあらゆる作品を引き合いに出しました。
誰かをからかったり侮辱するのであれば、同じようなことをしているもっと有名な人のことを考えましょう。
その有名人は、一般的に馬鹿にされてる人として受け入れられている必要があります。
「TV Tropes」には、世論によって判断された「ターゲットにできる人」の一覧があります。お決まりの例ですが、トランプ大統領や、Nickelback(カナダのロックバンド)、「ビッグバン★セオリー」(アメリカのテレビドラマシリーズ)などがあります。
狙いを正確に定めれば、それだけ的確に相手に精神的なダメージを与えられます。
スタンドアップ・コメディアンは、ネタのつかみで、自分自身とセレブを手厳しく比較するような自虐をします。
コメディアンのPete Holmesは、自分のことを年を取ったヴァル・キルマーみたいだとよく言います。
Peteが誰に似ているかを考える必要がないので、この手法は初めてのお客さんの前でとても有効です。
わかりやすくやる
クリエイティブに侮辱したり、からかったりしようとすると、それだけヘマをしやすくなります。何年も前、私がひどいブログを書いた時に、コメント欄でからかわれました。
私は読者が読み違えていると反論しましたが、「読み書き勉強してください」とは書きたくありませんでした。それはふさわしくないと思ったからです。
それで「文法的な解釈を勉強してください」にしました。当然ながら、これは死ぬほど下手な説明です。この動画の中で子どもが「馬鹿な、馬鹿だよ!」と言っているようなものです。
自分で事態をさらに悪化させてしまいました。侮辱の言葉がわかりにくかったり、凝りすぎていたり、雑すぎたりすると、失敗します。
ここではそれ以外の方法も紹介していますので、参考にしてみてください。
自分の弱点を研究する
相手を能動的な敵とみなさず標的のように扱うと、勝負に負けます。
相手に完璧な切り返しをする機会を与えてはいけません。つまり、相手に反撃されそうな侮辱を投げかけてはいけません。
あなたが嫉妬しているように見える言葉も使ってはいけません。相手に反論の材料を思い出させるようなことをしてもいけません。
自分自身への反論を研究してみてください。
相手はあなたにどのように反論できるでしょうか?あなたの失敗やうぬぼれていることは何でしょうか?相手がそれをネタに反論してきたら、あなたは何と言えばいいでしょう?
友だちや味方に援護してもらう
侮辱が周囲の人たちに向けられている場合は、自分の味方が現れそうかを確認しましょう。
誰かの返答やコメントに対して言う場合は、言い負かされないように友だちに加勢してもらいましょう。
相手と面と向かって話していて、知らない人の前で恥をかかせるような場合も、友だちや味方に周りにいてもらった方がいいです。
悪役にならない
2016年の米大統領選挙期間中やその直後、トランプ大統領が太っていることを侮辱するという流行がありました。
大量に浴びせるヘイト発言で、太っていることを選んだのは完全に間違いでした。それから、ゲイに関してもです。
すぐに太っている人やゲイの人たちの気分を害しました。
相手がコントロールできないこと、もしくは気分を害する人が少ない相手に関する事実をからかうことはできます。その男が役立たずであれば、役立たずと呼んでいいです。
しかし、あなたの攻撃の言葉が、この世で最低な人間が吐いている言葉のように聞こえる場合は、やめたほうがいいです。
あなたが異性愛者の場合、相手が同性愛者を毛嫌いしていることで有名だったとしても、ゲイだと言って馬鹿にするのはよくありません。
あなたの侮辱発言は、ゲイの人たちを心よく思っていないと暗に言っていることになるからです。人種、性別、出身国など、歴史的に抑圧されてきた属性に関しても同じです。
現代の文化は、太りすぎている人にとっていまだに不愉快なものなので、体重のことで相手を馬鹿にするのもよくありません。
愚かな人間は、悪人に対して長く使われてきた侮辱の言葉は、善人にも使っていいと思っています。このような行動は、敵に対してだけでなく、自分の仲間や味方にも公正ではありません。
背の低い人をからかうのはいいと思いますが、そうすると周りの味方を何人か失うことになるでしょう。背が低くて地位が高い人もいます。
では、これまでのことを参考に、人を侮辱することに人生の時間を費やしすぎず、自分の魂を損なわないように、賢く力のある人にやり返してください。楽しい範囲でやりましょう!
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Image: Rommel Canlas/Shutterstock.com
Source: YouTube, Wikipedia, Google, TV Tropes, Toast
Nick Douglas - Lifehacker US[原文]
訳:的野裕子