研究最前線!噂の水素水
研究最前線!噂の水素水
最近話題なのが、水素水。
水素水とは、水素が溶け込んだ水。
一体どんな効果が期待されるのでしょうか?
水素は、活性酸素の抑制に効果があるといわれています。
活性酸素とは、私たちが酸素を吸って、体内でエネルギーを燃やす時に副産物としてできるもの。
カラダを老化させる性質があります。
その悪玉の活性酸素を除去してくれる働きが期待されるのが水素なのです。
その水素の力について、2016年に発表したのは、慶應義塾大学病院。
心肺停止患者に水素ガスを吸入させる臨床試験を行い、その結果をまとめました。
5人の患者のうち4人が、後遺症をほとんど残さずに退院できたというものでした。
「いったん脳に酸素が行かない状態があって、心臓が動き出すコトで再び酸素が脳に運ばれる。そうすると活性酸素がそこで生じる。その活性酸素が脳にダメージを与えているというふうに言われております。水素ガスは、悪玉の活性酸素を選択的に除去する力がありますので、そういったところが効果を示しているのではないかというふうに考えています。」(慶應義塾大学病院診療科副部長 本間康一郎さん)
「水素って基本的には生体の中に入っても無害なんですね。これまでの臨床試験の結果とか、動物実験のデータももちろんそうですけども、全く害というものが出てこないですね。」(慶應義塾大学教授 佐々木淳一さん)
その水素を、水に溶け込ませたのが水素水です。
2016年に、国民生活センターが水素水の商品テストを実施しました。
「水素水は、本当に水素が入っているのか?」
「水素は、抜けてしまわないのか?」
など、多くの疑問が寄せられたからです。
商品の水素濃度や残留時間など調べた結果、
一部の商品は、水素の量が少なかったり、誇大な効果を表記している、と指摘されました。
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では、水素水には、どんな効果があるのか? ないのか?
水素の効果を科学的に確かめようという研究は、現在も続けられています。
こちらは、日本医科大学です。
日本医科大学 名誉教授 太田成男さんは、水素水研究のパイオニア。
太田教授の最新の研究は、疲労に関する水素水の効果を調べるものです。
研究の参加者は、健康な人100人で、まず普通の水を500ミリリットル飲んでもらいます。
そして、自転車漕ぎ運動をおよそ10分してもらいます。
運動後に疲労の測定。
本人の自覚症状を聞き取る方法です。
次に2週間後、参加者には何が入っているのか中身を知らせずに、半数の50人には水素水を、残りの半数の50人には普通の水を500ミリリットル飲んでもらいました。
2回目の自転車漕ぎをしてもらい、1回目の疲労感と比較してもらいます。
1回目より疲れた人は、右側にチェックします。
疲れなかった人は、左側にチェック。
1回目と2回目の幅の差が、その人の疲労度です。
それぞれ50人ずつの平均を図にすると下のようなグラフになり、普通の水を飲んだ人は、1回目よりも2回目のほうが疲れたと答えました。
一方、水素水を飲んだ人は、2回目のほうが疲れなかったと答えました。
「このような規模の研究によって、水素水を一度飲むだけで、軽い運動後の疲労が改善されることがわかりました。なぜ、1回水素水を飲んだだけで、疲れがあまり出ないのかという理由が、まだわからないのです。1つ1つのことをきちんと研究していくことがすごく大切だと思います。」(太田教授)
経口補水液の作り方
経口補水液の作り方
かくれ脱水になってしまった人にオススメ!
塩分も一緒にとる水、経口補水液の作り方を谷口さんに教わります。
用意するのは、以下の材料です。
水……1リットル
食塩……3g
砂糖……20g
まず、水1リットル(1,000ミリリットル)を準備します。
そこに食塩3gを入れます。
食塩の量は、0.3%ぐらいですので、スポーツドリンクよりも、多少しょっぱく感じるという程度です。
次に、砂糖20gを入れて、できあがりです。
水1リットルに食塩3g、砂糖20g。
これが、体内に水分を吸収しやすくする絶妙な割合なのです。
この経口補水液を飲んでおいしいと感じる人は、“かくれ脱水”の可能性大。
自分が水分足りているかどうかのバロメーターにもなります。
「スポーツドリンクには、この倍以上の砂糖が入っていますから、それよりはかなり少ないです。こればかり飲んでいると、塩と砂糖のとり過ぎになりますけれど、脱水になった時は必要な成分です。」(谷口さん)
塩と砂糖を混ぜるのにはどういう意味があるのでしょうか?
「例えばお漬物をつける時は水分をギュッて吸ってくれますよね。あの理論で体の中に水分を吸い込んでくれるんですね。そしてそれを早く吸い込むには、砂糖のエネルギーが必要なのです。そのため塩と砂糖を一緒に入れる。それがちょうどいい水分補給の方法です。」(谷口さん)