オフィス移転に取り掛かろうとすると様々な壁に当たります。
「どのくらいの広さに引っ越しすればいいの?」
「賃料はどのくらいに決めれば良いの?」
などなど疑問を挙げだすとキリがありませんよね。
今のオフィスが手狭になってしまい、拡張移転をする時には基本的により広いオフィスを検討します。そのためまとまった初期費用がかかってしまうことはもちろん、毎月のコストもアップしてしまいます。
当然ながら慎重に検討したいと思う方が多く、情報収集にも時間がかかってしまい、業務を圧迫してしまうという事も…
そこで今回は、オフィス探しや内見して申込するためのポイント、契約書のどんなところをチェックすべきなのかなど、新オフィスまでの道のりを項目毎に分けてお届け致します。
1 移転理由を明確にしてみよう
オフィスを移転させる理由は色々とあります。
「中途採用が成功していてもう今のオフィスが狭い」
「新卒採用をこれから強化するので広いところに事前に引っ越しておきたい」
「2つのビルにオフィスを借りているため、1つのオフィスにして業務効率をあげたい」
などなど企業によって理由は様々。
オフィスを探す時には、なぜ移転するのかを明確にしておくことが大事。
明確にする事で優先順位を決めやすく、様々な項目を判断しやすくなります。
2 オフィスの条件を考えるに当たって意識したいポイント
2-1 現在の契約書を参考に考える
オフィス探しをする時の賃料を決める場合、現在の契約書を参考にするのがおすすめ。
現在のオフィスの契約書を参考にして、2倍や3倍の広さや予算にするのも方法の一つ。
多くの会社様は現オフィスの約2倍程の条件で探す方が多くいらっしゃいます。
2-2 エリアを考える
当然エリアも重要なポイント。
通勤が変わらない同じエリアで探したいと思われる方が多く、そこから条件を広げていくのもアリ。
ただし最寄駅が一つの路線の場合、近くのターミナル駅も含めると社員の方も通勤しやすくなる可能性があり、立地改善も込みで探すという方法も。
駅からの距離は現在のオフィスと最寄駅を参考に、遠いと感じているか、もう少し歩いても良いかなど考えてから決めていきましょう。
2-3 引越し時期を考える
引っ越し時期も重要です。
現オフィスと新オフィスの時期を重複させる必要があることは意識しておきましょう。
理由としては、まず現オフィスを退去する際、契約期間内に原状回復工事を完了させるケースが多いためです。
新オフィスも同様に、契約開始してから内装などの工事を完了してから引っ越しする方が多数派。
その為、新オフィスをいつオープンさせたいかを考えて内装工事や引越しのスケジュールを考えるようにしましょう。
ちなみに、現在の契約書にペナルティになりそうな項目がないか確認しておきましょう。特に解約予告期間や原状回復、特約(フリーレント違約)などは必須確認項目です。
3 オフィス探しはどうやってやるの?
オフィス仲介を専門で行なっている不動産業者は店舗を構えているケースが少ない為、ネットで専門の会社に問合せを行います。
移転に際する様々な要望を伝えて、来社してもらい提案を受けましょう。
ネット検索はもちろん、仲のいい取引先に聞いて紹介してもらうケースも多くあります。
街の不動産屋のようにお店に行って探せるケースもありますが、少数派だということを覚えておきましょう。
4 物件を内見する
基本的には平日の10:00-18:00で仲介業者と日程調整しましょう。
理由は、管理会社の担当者の立会いになるため。そのため仲介業者とお客様の3社で入居中のお客様区画や空室を内見します。
まれに管理会社さんがいないケースも。物件毎に違いますが、住居よりは断然立会いで内見する事が多いです。
もう一つの理由は、各物件の管理会社さんへ内見のアポイントを日中に取得する為。即日入居であれば、仲介業者経由で土日や夜間に見れるケースもあります。
また、ビルをいくつも見学する場合、近くは徒歩で移動します。
内見のアポイント都合や移動時間に感想を聞きたいという企業も多く、タクシーを使うケースもあります。
タクシー移動も考えて、物件を探す企業側は1〜3名で行動するのがスムーズ。
ちなみに、原状回復済みの物件は、靴を脱ぐケースも多いため、歩きやすく脱ぎやすい靴がおすすめです。
5 希望の物件に申し込む場合はどんな書類を用意するの?
仲介業者さんに質問して用意する書類を確認しましょう。
申込をする場合、各ビルオーナーにて審査基準が違う為、必要書類が変わってくるためです。下記に必要になると想定される大よその書類を記載します。
5-1 申込書
申込の意思表示をする書面で、どの物件にどの条件でいつから入りたいかなどの旨を記載します。
会社名やどんな事業をしているか、売上、取引先、社員数などなど。代表取締役が連帯保証人になるケースが多いです。(物件によって異なります)
連帯保証人の代表者にも身分証明書コピーや収入証明書、経歴書など用意頂く必要があります。
また、設立間もなかったり、スタートアップの方は保証会社へ加入して欲しいと希望が出るケースが最近は多く見られます。
基本的に仲介業者にて作成する申込書は、キャンセルしても違約金などは発生しませんので安心してください。
仲介業者を挟まず直接オーナーとやりとりをするケースの場合、違約金が発生する申込もあります。もし直接やりとりを行う場合、その点を注意しながら進める必要があります。
5-2 会社謄本(現在事項全部証明書か履歴事項全部証明書)
申込の際には、現在事項全部証明書で問題ないケースが多く、物件によっては履歴事項全部証明書が欲しいと言われるケースもあります。データ取得したものでも申込時は問題ありません。
5-3 決算書(直近3期分のBS/PL/販管費)
業績の経過を見たいと言われる為、3期分の提出を求められるケースがあります。
設立2期目であれば、1期分の決算書と今期試算表や事業計画書を用意する場合も。
また、資金調達してると、着金済みの通帳コピーが必要になる事も。
各物件に合わせて審査通過できるように動いていきますので、その際には当然ながら入居希望会社の協力が不可欠です。
5-4 会社概要
審査をする上で、入居する方がどういう事業をしているのかをオーナーに理解してもらう必要があります。その為、事業内容がわかりやすい資料を提出する必要があるんですね。
高度で最先端の事業だと仲介業者にて詳細のヒアリングをしてオーナー側へ説明する為、双方協力のもと進めましょう。
6 契約書の内容ってどう確認するの?
事前に契約する前に契約書の雛形をもらい、確認して合意する必要があります。
仲介業者でも内容を確認してお客様と一緒に確認するので、もし不明点があれば仲介業者に聞いてみましょう。
お客様によっては顧問弁護士さんにリーガルチェック依頼をされる方もいらっしゃいますね。
7 重要事項説明及び契約書調印
1時間〜1時間半ほど時間がかかるので、余裕を持った日程調整が必要。
移転希望会社のオフィスに担当者が訪問し、重要事項説明をして契約書調印も行う場合が多いです。
重要事項説明の読み上げよりも入居企業側に記入してもらう書類が多くあります。ゴム印があれば短縮できるケースが多いため、用意しておくと時短になるかもしれません。
契約時の必要書類として、最低限下記書類などは用意しておきましょう。
保証会社を利用する場合は2部準備が必要な書類もあるので事前に確認を!
- 現在事項全部証明書
- 会社の印鑑証明書
- 連帯保証人住民票
- 連帯保証人印鑑証明書
- 会社実印
- 連帯保証人実印
また、契約金入金のタイミングは、仲介業者より案内があるので確認しておきましょう。
8 引越しするときのの手続きは?
いざ引越しを行うとなると様々な手続きが必要に。
下記に大まかな流れをまとめましたので、参考にしてみてください。
ネット回線申込〜開通 | 光回線:引っ越しする2〜4週間前には手配
NURO:引っ越しする4〜8週間前には手配 |
引越し業者 | 引っ越しする2〜5週間前には手配 |
火災保険 | 新オフィスの契約開始日前までに加入必要。
※オーナー側へ契約前に仲介業者が確認を行います。確認内容は、保険はオーナー指定の保険会社か任意に保険会社を選べるかどうかです。任意の場合、おつきあいのあるところで加入をしましょう。仲介業者からも業者を紹介してもらうことは可能です。保険加入後、保険証書のコピーをオーナー側へ提出してください。 |
電気・水道・ガス | オフィスビルの場合、開通不要が多くあります。物件によって違う為、重要事項説明時に仲介業者からご説明があります。※ガスがない物件も多いので気をつけましょう。 |
内装業者 | 物件の申込に合わせ、内装業者と打合せを始めましょう。内装業者が提案にパースを作成するのに時間がかかります。また複数業者にコンペを依頼する時には、余裕を持って動く必要があります。
レイアウト作成〜部材発注:6週間以上の想定 |
まとめ
移転の流れ、気をつけるべきポイントなどを大まかにご説明してきました。
改めてまとめると下記のようになります。
- 移転理由を確認…(優先順位)
- 条件を決める…(現オフィス契約書を参考)
- 物件探し…(業者に依頼する)
- 内見…(平日で調整する)
- 申込…(必要書類の用意)
- 契約書内容確認…(わからない事は仲介業者)
- 重説契約…(記入に時間がかかる)
- 引っ越し…(項目多数あり、前もって動く)
急な引っ越しは可能ですが、とても大変で業務に影響が出てしまいます。
余裕をもったスケジューリングをし、計画的に引越しを行いましょう。