高学歴な男が離婚する意外と典型的なパターン

人一倍繊細で器が小さく役割がわからない

夫婦関係は受験や就職と違って「相手」がいる(写真:ryanking999/PIXTA)
3組に1組は離婚する時代。しかし、細かい離婚の顛末は案外知らないし、男性側からの言い分を聞く機会は少ないのではないだろうか。『ぼくたちの離婚』を上梓したばかりの稲田豊史さんに男性の離婚事情をご寄稿いただきました。

「離婚の原因」と聞いて、何を思い浮かべるだろうか。平成29年度司法統計によると、男女ともに原因の1位は「性格が合わない」だが、ざっくりしすぎていて、よくわからない。ちなみに、男の2位は「(妻が)精神的に虐待する」、女の2位は「生活費を渡さない」である。

筆者はここ1年半ほど、離婚した男性へのインタビューを行っている。ルポ連載用の取材だが、実際には企画を構想した4年ほど前から離婚話を意識的に収集し始めた。そんな彼らの離婚原因でとくに目についたのが、「男が夫という役割を担えない未熟さ」だ。

なお企画の性質上、離婚男性のサンプルは偏っている。簡潔に言えば「東京圏在住の30代後半〜40代で、知的職業に従事する、比較的高偏差値・高学歴の男性」だ。

「守ってあげたい」がわからない夫

10年前、31歳のときに離婚した田中元基さん(仮名、41歳)は、「相手を“守ってあげたい”という気持ちがまるでわからない」という。「元妻の里美(仮名)は僕に、夫として、未来の父親として、家長としての立ち居振る舞いを求めていましたが、応(こた)えてやれませんでした」

では、なぜ結婚したのかと聞くと、こんな答えが。「里美は僕よりずっと学歴が低くて、職種もごく普通の事務職。キャリアへのこだわりもない。誰かと結婚して子どもを作ってお母さんになって生きていく以外にプランがないように見えました。僕はそんな彼女のことを哀れんでいて、かわいそうな存在だと思ったんです。だから7年も付き合ったあげく放り出したら、この人は生きていけなくなるだろうと不安になり、結婚しました」

田中さんは4年前に5歳年上の女性と再婚しているが、その理由は「金銭的にも精神的にも支える必要がないから」。再婚相手の収入は田中さんより上だそうで、2人の間に子どもはない。

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  • No_Name8c2deda8737c
    男女ともに未熟な人が増えていることに加えて、個人・社会ともに寛容さが失われつつあるのではないか。にも関わらず、祖父母や両親の時代の家族像を無意識に理想の家族の形と思っていたりする。
    前時代的な家族理想像から抜け出せない人を多々見る度に、一種の呪いに似たものなのかもしれないとも思う。
    up83
    down5
    2019/11/14 17:25
  • sskk49dbbd0fc6ca
    高学歴の方がお金がある傾向があり、お金がある人の方が離婚後の金銭面の問題で離婚できる可能性が高く、お金がある人の方が初婚も含めて相手を容姿で選べる状況なので奥様も比較的離婚に応じやすい状況にあるだけでは...。
    離婚せざるを得ない人ももちろんいるけど、離婚したい夫婦はもっと沢山いて、特に経済的に離婚できる人が離婚してるから結果的に高学歴に寄ってるだけな気が...
    up21
    down16
    2019/11/14 20:20
  • 名無し13bf7da736bf4
    補足、多重婚を認めるべき。
    up19
    down19
    2019/11/14 20:27
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