ECモールと出店者の取引ルールを定めた「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法案」(仮)、政府が次期通常国会に提出へ
政府主導で国や地方の成長戦略を議論する「未来投資会議」は11月12日、大手ECモールなどデジタル・プラットフォーマーを規制する新たな法案「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法案 」(仮称)について議論した。
新法案には、ECモールと出店者が取り引きする際のルールを盛り込むことも検討している。政府は2020年通常国会への提出をめざす。
「未来投資会議」はデジタル・プラットフォーマーと利用事業者(出店者・出品者)の取り引きにおける課題として、「契約条件やルールの一方的な押しつけ」「サービスの押しつけや過剰なコスト負担」「データへのアクセスの過度な制限」などが生じる可能性があると指摘。
こうした取り引きの実態を透明化するため、新たな法案を2020年の通常国会に提出する方針だ。
「デジタル・プラットフォーマー取引透明化法案 」(仮称)による規制対象は、大規模なオンラインモールやアプリストア。個別の取引事業者に対する取引条件の開示を求めるとしている。
開示を求める取引条件の例
- 取り引きを拒絶した理由
- 検索の表示順位を決定する主な要素
- 自社優遇の内容や条件
- データへのアクセスの可否
違反事業者に対する行政措置として 勧告や改善命令などを検討。独占禁止法違反の可能性が高い事例は、公正取引委員会に対応を要請するとしている。また、 オンラインモールとアプリストア以外のデジタル・プラットフォーマーに対しても、実態調査する権限を設ける。
会議に出席した安倍総理は「未来投資会議」の議論を踏まえ、新法について次のように言及した。
インターネット上で取引する大規模なオンラインモールや、アプリストアについては、出店手数料などの一方的変更や自社の商品の優先的な表示などの問題が指摘されています。新たな法律においては、取引を拒絶した理由の開示など、取引の透明化を求めていきます。この際、イノベーションを阻害しない形で、可能な限り自主性を尊重したルールとします。
同日の「未来投資会議」ではこのほか、個人情報保護法の見直しや、デジタル広告市場の競争状況について評価を行うことなどを議論した。







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