PixelwunderByRebecca / Pixabay

ペットと話せるってホント?アニマルコミュニケーションのABC

2019.09.17
ペット関連動画
もしもペットと話せたら。こんなふうに思ったことはないだろうか?
病気で苦しむペットの心の中を覗いて、少しでも痛みを和らげてあげられたら。または、いつもおびえて吠えているペットの胸の内を知って、少しでも安心させてあげられたら。一番好きな食べ物はなに?新しい巣材の居心地はどう?…きっと話したいことはたくさんあるはずだ。
最近ではテレビや雑誌、書籍などで「アニマルコミュニケーター」として活動している人を見かける機会も多くなってきた。アメリカを発端に2000年頃から主に女性を中心に広まってきた「アニマルコミュニケーション」。いまや世界各地に広まっており、日本でも養成講座を受けられるところが増えている。いったいどんな手法なのか?どんな人がアニマルコミュニケーションに向いているのか?…情報をまとめてみた。
テレパシーで動物たちと交信
2002年からアニマルプラネットで放送された『Animal Psychic(アニマル・サイキック)』では、元祖アニマルコミュニケーターとして知られるソニア・フィッツパトリックさんがテレパシーを使って飼い猫や犬、馬、牛、羊や鳥たちと自由に意思疎通を図る内容が反響を呼んだ。
ソニアさんは幼少の頃から動物たちの言葉と心を理解することができたという。イギリスの農家で育った彼女は、あるとき3羽のガチョウの赤ちゃんととても仲良くなった。しかし、その年のクリスマスに父がガチョウたちをごちそうにしつらえてしまったショックが大きかったため、しばらくはその特殊な能力を封印していたそうだ。
アニマルコミュニケーターの本を読んでみると、一部の人はソニアさんと同じようにテレパシーを使ってペットたち、あるいはもう虹の橋を渡ってしまったペットたちの魂と心を通わせることができるようだ。
会話の対象は犬、猫、うさぎ、ねずみ、フェレット、デグー、ムササビ、ハムスター、鳥類、魚類、ヘビ、トカゲ、カメ、アカハライモリ、サンショウウオ…等々、人間と一緒に暮らしている動物たちで、アメリカでは「コンパニオンアニマル」と呼ばれることもあるようだ。あくまで飼いならされた動物たちとしか会話できないのは、むしろ野生の動物たちが人間と話したがらないので、双方向のコミュニケーションが成り立たないからだろう。
ペットと話したい!
日本では空前の猫ブームが到来したり、ペット関連のグッズやサービスが向上したおかげで、ペットを飼う人が増えている。ひと昔前、動物と人間はたとえ同じ屋根の下に暮らしていようとも対等な存在ではなかったが、いまやペットは家族の一員として迎えられることが多くなり、当然「ペットと話してみたい!」と思う人も増えてきている。
そうした一部の熱心な飼い主が自分のペットと交流を図ろうと試行錯誤した結果、見事心が通じ合うようになり、「アニマルコミュニケーター養成講座」を個人や会社で開講して成功の秘訣を伝授するようになってきた。
動物に接する仕事柄、アニマルコミュニケーションを学ぶ人も多い。特に動物の痛みに向き合わなければいけない臨床獣医師や獣医看護師は、患者である動物たちと意思疎通ができれば仕事もスムーズに運ぶと期待できる。
また、最近ではペットのしつけを目的としてアニマルコミュニケーターにセラピーを依頼するケースもあるようだ。例えば、吠えグセがあるワンちゃん、噛みグセが悪化しているジャンガリアンハムスターちゃん…。それらのペットたちの「お悩み」を聞き出すことで、アニマルコミュニケーターがペットたちのわだかまりを解消し、問題解決に導いていくそうだ。
癒されるのはペットだけではない。ペットが虹の橋を渡ってしまった時、飼い主のグリーフケアにアニマルコミュニケーションが使われることもあるようだ。
誰でも話せる?
また、ソニアさんのように特殊能力がなくても動物と話せるようになれる方法もあるそうだ。
テレパシーで気持ちを読み取るのはひとつの手段であり、動物のしぐさや声色から気分や感情を判断するのもまた広い意味での「アニマルコミュニケーション」。動物の気持ちを理解したい、わかり合いたいと願うことが出発点となり、イメージ法や呼吸法、瞑想などを取り入れて精神をチューニングしていくことで動物と波長を合わせることもできるらしい。またそれらの方法を独自に身につけるためのインターネット講座や書籍なども多い。
おそらく、より広い意味でのアニマルコミュニケーションは、人間が動物をペットとして飼い始めたころから始まっていたのだろう。人間の最古のペットは犬だったと考えられており、およそ15,000年前に飼われ始めたと考えられている。最初のオオカミが人間と心を通わせるきっかけを持ち、やがてイヌとして飼われ始めた時、人間とペットとのコミュニケーションはすでに始まっていた。そういう意味では、話したいという意志さえあれば、人間は誰でも動物と話せるのかもしれない。
山田ちとら *Discovery認定コントリビューター
日英バイリンガルライター。主に自然科学系の記事を執筆するかたわら、幅広いテーマの取材とインタビューにも挑戦している。人生の折り返し地点を過ぎてから剣道の魅力にハマり、子どもと一緒に道場へ通う日々。https://chitrayamada.com/
Text by 山田ちとら
いつでも、どこでも、ディスカバれる時代に...Dplayへようこそ。
世界最大級のネットワークを持つディスカバリーのクルマ・バイク、宇宙、サバイバル、ペット、ライフスタイルなど幅広いカテゴリーの中からあなたを魅了する番組が必ず見つかる新しい動画配信サービスがスタート!
今すぐ、Dplayをチェック! https://www.dplay.jp