韓国の国家報勲処が米大使公邸に乱入した学生を「義烈団」に例えた咸世雄(ハム・セウン)神父らの10日の発言の余波に苦しんでいる。報勲処は発言が飛び出した「義烈団100周年記念式」に約900万ウォン(約84万円)を後援し、朴三得(パク・サムドゥク)報勲処長が祝辞まで読んだ。金元雄(キム・ウォンウン)光復会長、咸神父が問題発言を行うために、報勲処がお膳立てをしたと批判を浴びているのはそのためだ。式典の趣旨が台無しになったとの指摘も聞かれる。
政府関係者は12日、政府支援団体ではない一般の独立運動団体が主催する行事に朴処長が出席したのは異例だが、そこでかなり過激な発言が飛び出したとし、「結果的に報勲処が発言に正当性を与えた格好になり、報勲処だけでなく、政府レベルでも対応に苦慮している」と語った。報勲処長は政府が予算支援を行う大規模団体である光復会や報勲処自体が管轄する行事に主に出席するが、今回のように「朝鮮義烈団100周年記念事業推進委員会」のような民間独立運動団体が主催する行事にはソウル地方報勲庁長などが出席してきた。報勲処は「処長も一般独立運動団体などの重量感がある行事には元々出席してきた」と弁明したが、報勲処周辺からは「『惨事』が予想された行事に無理に出席した」との指摘が出ている。
金会長と咸神父は最近、さまざまな偏向的発言で物議を醸してきた。このため、報勲処内部からも今回の行事への後援と朴処長の出席に対する反対意見があったとされる。独立有功者叙勲論争で社会を二分した金元鳳(キム・ウォンボン)などに焦点を合わせた行事だったことも出席不可の理由だった。政府関係者は「報勲処が乗り出して、国家分裂を後援した格好だ。判断を誤ったようだ」と話した。
咸神父は行事当日の祝辞で、「最近青年、学生らが米大使公邸に侵入した。学生らは義烈団精神を持っている人たちだ」などと述べた上で、「安益泰(アン・イクテ)は親日派なのに、そんな人物が作曲した愛国歌(韓国国歌)を歌っていることが恥ずかしい」とも発言した。金会長は「保守を装った反民族勢力を一掃することが我々の時代の義烈団精神だ」と発言した。