ラリーコース場にあるパン屋さんが警察呼んでSSキャンセル?
先週末に開催されたセントラルラリーは来年やってくるWRCジャパンの予行演習的な位置づけだった。したがってトラブルなく運営すること以上に「課題を確認する」ことが重要だったと思う。実際、いろいろありました。例えばSS5のキャンセル、理由はコース中にあるパン屋さんが警察呼んだためらしい。同じコースをSS1でも使ったのだけれど、私はこの時点で「キャンセルになるかも」と思いました。
SSのゴール地点にパトカー来ていて、誰かが怒りまくっていたからだ。パン屋さんは自分の店まで行けると思っていたのに「通れない」と言われたそうな。おそらくオフィシャルとやりあってお互い感情的になったんだろう。何のことはない。1日分のパンを全て買い上げればよかった。サービスパークに屋台作り「SSにある美味しいパン屋さん」として売ったら、このお店の新記録なること確実だ。
また、1日目の午後に東名高速で事故が起き大渋滞発生! スケジュール遅延となった。こういった状況、起きたことで入念な対応策を作れる。2日目の最後のSSもスケジュール遅延で使う林道が真っ暗になってしまいキャンセルとなったけれど(ライトポッド無いと危険だという判断)、事前にライトポッドを用意させておくことによりクリア出来る。夜のラリーなんて当たり前ですから。
課題の確認を含め素晴らしいラリーだったと思う。今まで日本のラリーのSSって”山の中の普通の人が見えない場所”で行われてきた。一番上の写真を見て頂きたい! 集落の中を走っちゃってる! 沿道に住んでいる方も、どんなことをしているのかよ~く解ることだろう。私のチーム員が集落の中に住んでいる何人かの人に聞いたら「これが毎年行われるなら楽しみだし、人も来てくれそうです」。
考えて欲しい。見通しの悪い山の中だとラリー車だって一瞬で通り過ぎるため見にくい。平坦地のある集落の中の道なら長い時間見られる上、キャンプ場だって作れるし、屋台も出せる。土地を持っている人なら臨時駐車場をやってもいい。WRCが来なければ、昨今の日本のどこにでも見られる「これといった産業無く高齢化している地域」です。素晴らしい町&村起こしになることだろう。
何より嬉しかったのはリエゾンと呼ばれる移動区間で手を振ってくれる人がたくさん居たこと。小さい子供連れや、車椅子の老夫婦、農作業の合間に手を振ってくれる人、お孫さんを連れたお爺さんとお婆さんも多かった。「頑張って~!」と可愛い声で応援してくれる小学生や、若い女性とかも。ここで紹介した写真は1万分の1くらいです。来年やってくるWRCドライバーも驚くと思う。
リエゾンの賑わいが世界に発信されたらステキだ。WRCジャパンは「富士山が見えるワケでもなく、これといった特徴が無いんじゃないか」と言われているが、リエゾンの観客の盛り上がりや美しい日本の風景で大きな話題になると思う。WRCジャパンは3年契約。回を追う毎にお祭りになっていくことだろう。10年続いたら、世界で最も観客の多いイベントになりそうな気がします。
地域住民の中には午前と午後のSSでそれぞれ3時間程度道路を閉鎖するご不便をお掛けすると思う。その間、住んでいる方が急病など発生したなら医師を派遣することも出来るし、緊急搬送必要なら救急車を通すことだって可能。むしろ課題などあれば遠慮無く意見を言ってくれたらいい。また、ラリーファンは温厚な人が多いので、地元の人も歓迎してくれると思います。
<おすすめ記事>