2年前のダルビッシュも、餌食だったのだろうか。アスレチックスのエース右腕マイク・ファイアーズ(34)は、アストロズに在籍した2017年当時にサイン盗みが行われていたと爆弾発言した。12日、米スポーツサイトのジ・アスレチックが報じた。
「正しいゲームのやり方じゃない。球界が少しきれいになってほしいだけだ。なぜならば、事情も分からず打たれて仕事を失う投手たちがいる。若い連中があっという間に打たれ、マイナー降格させられる。そんなのはクソだ。だから、いまのチームの連中には『こういうこと(サイン盗み)は必ず続くものだ。準備しておけ』と注意を促してきた」
ファイアーズによれば、当時のアストロズは、相手捕手が出すサインを捉える専用ビデオカメラを本拠地球場の中堅に設置。ベンチ横の通路にあるテレビモニターにリレーされた映像から選手たちがサインを解読し、変化球の際は金属製のごみ箱をたたいて大きな音を出すなどし、打者に伝達していたという。
当時はホワイトソックス所属だったファーカー元投手(現1Aウィンストンセーラムの投手コーチ)も「17年9月のアストロズ戦で、チェンジアップのときの大きな音に気付いた。それで捕手と相談し、複雑なサインに変えた。死ぬほど腹が立った」と語った。実際、米放送局CBSスポーツ(電子版)が添付した同年9月22日の同カードの動画では8回、ファーカー投手にチェンジアップのサインが出た直後、大きな音が2度しているのが確認できる。
同年のワールドシリーズで、ドジャース所属だったダルビッシュ(現カブス)は第3、7戦でKOされ、アストロズが球団史上初の世界一を達成。当時はアストロズのコーラ・ベンチコーチ(現レッドソックス監督)が投球の癖を見破り、攻略したと伝えられた。だが今回、匿名のアストロズ関係者2人によれば、17年はポストシーズンもサイン盗みをしていたという。事実ならば、ダルビッシュにとっては憤まんやる方ない戦いだったことになる。