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日本のスタートアップ業界は第4次ブームと呼ばれる盛り上がりを迎え、かつてない活況を呈している。スタートアップ黎明期から彼らに寄り添ってきたアメリカン・エキスプレスは、その成長をどう見ているのか。


起業家の夢と挑戦を支えたいという共通の思いをもつ、アメリカン・エキスプレスとフォーブス ジャパン。創業169年の老舗クレジットカード会社であるアメリカン・エキスプレスが、なぜスタートアップを熱心に支援するのか。同社の法人事業部門ジェネラル・マネージャー兼副社長の須藤靖洋に、フォーブス ジャパン副編集長の谷本有香が聞いた。

「スタートアップを応援するいちばんの原動力って何でしょう?」

谷本:スタートアップをはじめとする「スモールビジネス」をバッキング(支援)するようになったきっかけを教えてください。

須藤:アメリカン・エキスプレスの法人事業部門は、スタートアップ、個人事業主やスモールビジネスオーナー様から、中堅・大企業まで、法人すべてに対してサービスを提供しています。全米上位500社リスト「Fortune 500」に載る企業の63%が当社のお客様である一方で、スモールビジネス向けカードを米国で最も多く発行するなど、中小企業経営者のニーズに応えてきた実績があります。

日本では2004年に、個人事業主や中小企業の経営者様をサポートする「ビジネス・カード」の発行を開始しました。以来、スモールビジネスの応援をしています。

谷本:スタートアップはいまでこそ、次の経済成長の担い手として注目を集めていますが、ビジネスとしての成功確率は非常に低いといわれています。それでもこの15年、一貫して彼らを支援してこられました。スタートアップを応援するいちばんの原動力って何でしょう?

須藤:いま世界を席巻しているグーグルやアマゾンといった巨大企業も、最初はスタートアップでした。企業の創業当初から寄り添い、やがて成長して大企業になるまでずっと支えていくというのが、アメックスの企業としての姿勢であり、フィロソフィーなのです。

かつてソニーが世界を驚かせたように、日本にはそうした企業が生まれるポテンシャルは十分にあると思います。アメックスは、いつそうした企業が生まれてもいいように、すべての企業規模に応じたサービスを提供しています。

また、日本で起業したスタートアップが海外に進出する場合にもサポートできることは、グローバルに展開しているアメックスの強みのひとつです。日本で生まれたスタートアップが、世界を変えていくような企業に成長していく中で、ずっとそばにいて支える存在でありたい─それが私たちの願いです。

「日本にいるスタートアップが世界で才能を発揮できるように後押しをしたいのです」


須藤靖洋◎1990年、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル,Inc.入社。2001年よりマーケティング部配属、11年より商品開発、ブランド、顧客エンゲージメントを統括するマーケティング担当副社長に就任。15年に個人事業主、中小企業経営者、大規模法人向けサービスを統括する法人事業部門副社長に就任し、16年よりジェネラル・マネージャー兼法人事業部門副社長。

谷本:世界を目指すスタートアップにとって、それは心強いですね。

須藤:アメックスはカードの発行体と加盟店ネットワークを、グローバルで一元管理しています。スタートアップが海外進出する際には現地の担当者を紹介するなど、世界中どこでもシームレスなサービスを提供しています。ですからグローバル展開する企業には、アメックスの利点を最も実感していただけると思いますよ。

谷本:政府も「J-Startup」などの政策を打ち出し、国を挙げての支援に乗り出しました。日本のスタートアップ業界はますます盛り上がってきそうですね。

須藤:日本にいるスタートアップが才能を発揮できるように後押しをしたいのです。学生の方々は就職活動を始める時点で、すでにスタートアップに目を向けていると聞きます。私が学生のころはそんなこと考えもしなかった(笑)。いまやスタートアップは才能ある人材をも惹きつけていると思うと、ワクワクしますね。

谷本:とはいえ、日本の起業率は5%と欧米の半分ほどで、日本人はリスクを取りたがらないといわれます。

須藤:そうした環境で、スタートアップが本当に必要としているサポートを提供するのが我々の役目だと思っています。

アメックスは日本のスタートアップ黎明期から、スタートアップの皆さんの声を聞いてきました。例えば、法人カードは通常、創業して数年経ってからでないと作れないことが多いのですが、アメックスのビジネス・カードは起業直後にお申し込みいただけます。また、起業の際には、オフィスのレンタル代やサーバー代、税金など、さまざまな経費がかかります。そんなときにビジネス・カードを使ったことでキャッシュフローの面で助かった、とのお声をいただくと本当にうれしいですね。

谷本:昨年フォーブス ジャパンが開催した「Forbes JAPAN CEO Conference」で「パワフル・バッキング・アワード」を受賞した、ecbo(荷物一時預かりシェアリングサービス)創業者の工藤慎一さんも、アメックスのカードに助けられたと語っています。


谷本有香◎証券会社、Bloomberg TVで金融経済アンカーを務め、2004年に米国でMBAを取得。その後、日経CNBCキャスターに就任、同社初の女性コメンテーターとして活躍。これまでに、トニー・ブレア元英首相、著名投資家のジム・ロジャーズなど3,000人を超える世界的VIPにインタビューした実績をもつ。16年よりフォーブス ジャパン副編集長。

須藤:ecboさんとのインタビューでは、創業後3カ月ほどカードが作れずに困ったということをお聞きしました。法人登記後すぐにお申込みいただけるということが、スタートアップにとってサポートになることを実感しました。

アメックスは1850年の創業以来、「サービス」「安全性」「信頼」の3つを、時代やお客様のニーズに合わせて提供してきました。スタートアップの皆さんのようにもっと自分を高めたいという意欲がある方、目的をもって人生を生きていきたいという方々を、アメックスはバッキングしていきたいと考えています。

谷本:それぞれの夢をかなえるためのバッキングなのですね。スタートアップに向き合うようになった前と後では、ご自身の社会に対する見方に変化はありましたか?

須藤:次代を担う若い世代のエネルギーをものすごく感じるようになりました。新たなことに挑戦しようという気概をもった人が、以前より増えた気がします。

私自身はアメックス入社以来、個人部門を長く担当してきましたが、そのときにはわからなかったことが見えてきて楽しいですね。スタートアップの成長著しいこの時代に、彼らの夢をバックアップできるというのは、幸せなことだと思っています。

谷本:スタートアップに共感し、応援するという姿勢は、アメックスの企業カルチャーとも関連しているのでしょうか。

須藤:アメックスには、やれることはやってみよう、という「リスクテイク」のカルチャーがあるんです。そのマインドは、スタートアップに通じるかもしれませんね。

成長していくために重要なのは、失敗しても次にまたチャレンジできる環境の醸成です。そうした環境づくりこそが、スタートアップにとって必要なのだと思います。

谷本:私たちもメディアとしてスタートアップを応援しています。これから起業し、日本経済を牽引していこうという若きリーダーたちにメッセージをお願いします。

須藤:世界を変えていく企業がこの日本から生まれていく、そのシーンにアメックスが常にいたいという思いがあります。今後、世界を目指す人たちは、勇気をもって進出していただきたい。私たちもそのお手伝いをしていきたいと考えています。


そう、ビジネスには、これがいる。
アメリカン・エキスプレス

Promoted by アメリカン・エキスプレス / interview by Yuka Tanimoto / photographs by Shunichi Oda

最先端の経済誌「Forbes JAPAN」の記事紹介

左からクレメント・クワンとスコット・キャンベル

ビバリーヒルズにあるバーニーズ・ニューヨークの5階に行き、バーバリーやクリスチャン・ルブタンなどの高価なアパレル製品が並ぶ棚を通り過ぎると、「ハイ・エンド」と呼ばれる小ぢんまりした独立店舗、ショップインショップがある。ここに、恐らく世界で最も高級感あふれる「ヘッドショップ」、つまり麻薬用品販売店がある。

この店を訪れる客を迎えるのは、大理石粉と水晶で作られた厚い板に陳列された大麻製品である。どれも、2年前に立ち上げられた高級大麻ブランド、ビーボー(Beboe)の商品だ。

1箱7本入りで60ドルの紙巻大麻、1缶25ドルの大麻タブレットキャンディ、120服以上に相当するTHC(大麻の主要な精神活性物質)入りのバーニーズ限定モデルの黒とシルバーのベイプペン(ペン型電子吸入器)などがある。ベイプペンは60ドルとお高い。ハイにはなりたくない? そんな人には、CBD(精神作用のない成分)入りの美容液やフェイスパックもある。

「私たちの製品はすべて、ディナーパーティやカクテルパーティで楽しむためのものであり、さらにはそのパーティから心身を回復させる方法でもあります」と、ドルチェ&ガッバーナの幹部だったクレメント・クワンは語る。

クワンは、ロサンゼルスのタトゥーアーティストであるスコット・キャンベルとともにビーボーを創業。同社の製品にはキャンベルの複雑な線画が施されている。

「自分たちの創造性を形にして世界に送り出しました。なぜなら、ビーボーは結局のところ、トロイの木馬のようなものですから。バーニーズでショッピングをする人たちは、『マリファナなんてもうずっと吸っていないけれど、ビーボーのことは興味がある』と言います」

大麻の合法化が全米各地で進むなか──11の州が娯楽目的の使用を認める法律を採択しており、それとは別に22の州が医療用大麻のみを許可している──大麻ビジネスはようやく、推進派が長く構想してきた大きく広がるビジネスになりつつある。

昨年、合法大麻産業は100億ドル以上の売り上げを生み出しており──約25万の雇用もである──今後6年間で年間売り上げが260億ドルに達する可能性を示唆する調査研究もある。

そして、そんな状況において、ビーボーはまさに理想的な立ち位置にいる。例えばハイ・エンドでは、コンシェルジュが注文を受け、宅配サービスがロサンゼルス郡内のどこへでも品物を配達する(顧客が購入した大麻製品を持ち帰ることは、まだ法律で禁じられている)。さらに、ビーボーは人気の大麻販売チェーン、メッドメンの販売所から高級デパートのニーマン・マーカスに至る幅広い店舗でも製品を販売している。

文=ザック・オマリー・グリーンバーグ 写真=ロバート・ギャラハー 翻訳=木村理恵

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