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» 2019年11月12日 19時45分 公開

NTT、印刷物が動いているように見せる技術「ダンシングペーパー」開発 点滅する画面上でカニが踊る

電子ペーパーと組み合わせた「動く広告」といった応用が考えられています。

[沓澤真二ねとらぼ]

 NTTが、印刷物を動いているかのように見せる手法「ダンシングペーパー」を発表しました。デモ動画を見ると、明滅する画面上に置かれたカニが、確かに踊ってるみたい……不思議!


デモ

デモ 輪郭線が白黒入り交じっているため、背景が明るいときと暗いときとで、図形の輪郭が若干変化して見える。このため、背景が高速で明滅すると図形が動いているように見えるものと思われる

 輪郭に明暗がついた図形の背景を明滅させると、動きの錯覚が生まれる現象は、1983年の先行研究で見出されていました。これに着目した研究者は、輪郭線の形や幅を調整調整することで、回転や変形、拡大、縮小といった、より複雑な動きを実現しています。

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 実験に際しては、動きの印象をつけたい画像を「明るくして反時計回りに回転させたもの」と「暗くして時計回りに回転させたもの」を用意。これらを元画像と合成し、輪郭線に明暗のついた印刷物を作成しました。これを明滅するディスプレイ上に置くだけで、動きの錯覚がもたらされる仕組み。作成の際、元画像を回転する度合いによって、動きの見え方も変わってくるのだそうです。


原理

 この技術は電子ペーパーとの組み合わせで、「動いて見える紙媒体の広告」といった応用ができるとのこと。また、研究成果は11月14~15日開催の「NTT R&Dフォーラム2019」に出展されます。

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