ヤマト「アマゾンの仕事が戻らない」誤算の真因

「荷主の離反」に株価は直近ピーク時の半値へ

ヤマトの宅配便シェアは2018年度でも4割を超えるが、その存在感は揺らぎ始めている(撮影:大澤 誠)

失った信頼の代償は、大きかった。

ヤマトホールディングス(HD)は10月31日、2020年3月期の業績見通しを下方修正した。営業収益は250億円減額して1兆6700億円(前期比2.7%増)に、営業利益は同100億円引き下げ、620億円(同6.3%増)を見込んでいる。

主力のデリバリー事業において、大口法人顧客の取扱数量が想定を下回ったことなどが響いた。中核子会社のヤマト運輸は2017年春から法人向けの運賃値上げを進めているが、それによって顧客である荷主がヤマトから離れてしまった格好だ。

アマゾンのヤマト向け委託比率は3割に低下

「ヤマト離れ」した大口法人顧客の中で、最も大きい存在がアマゾンだ。佐川急便に代わり、2013年から大部分のアマゾンの荷物をヤマトが扱っていたが、2017年に従業員に対する未払い残業代問題が発覚。ヤマトは働き方改革の一環として宅急便の荷受け量抑制と運賃値上げなどの事業構造改革を進め、結果的にアマゾンの荷物の取扱量が減少した。

再配達問題解決アプリ「ウケトル」のデータによると、アマゾンのヤマトへの委託比率は2017年4月時点で7割強あったが、2019年5月時点では3割強まで下がった。

アマゾンが日本で出荷する荷物は年間で推定5億個に及び、単純計算で年間約18億個にのぼるヤマトの取扱荷物の3割弱を占める。比率が縮小したとはいえ、ヤマトにとってアマゾンが最大の顧客であることは間違いないとみられる。

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  • 十里スガリbaed6fe6b934
    「失った信頼」というが、この筆者葉ヤマトのドライバーがどれだけ忙しく走り回っているのか、知っているのだろうか。
    肉体を酷使し、不在票に悩まされ…なまじのキツさではない。

    確かに残業代の未払いなどの問題はあるが、社員を守ろうとすれば、値上げは企業として当然だったろう。
    それを中立どころかAmazon視点で「信頼を失った」というのは、経済を語るにおいて、いかがなものか。
    up731
    down78
    2019/11/12 08:25
  • macfa6ed8c4adc
    アマゾンは残業未払い問題をなにも言えない自営業に押し付けているだけ。実際やってみたら朝8時から23時まで休憩ゼロ、トイレすら行けない、食事なんてそんな!って世界でしたよ?予定の数よりオーバーした数の荷物、エリアの広さからして物理的に不可能な仕事量。燃料費もバカにならない、利益薄い。それに働き方改革で働ける時間数に制限を設けて、早めに勤怠だけ切って配り続ける羽目に。ヤマト、そんなの辞めて正解としか言いようがありません。ドライバー確保が優先。
    up530
    down32
    2019/11/12 08:38
  • ちゃちゃ95ca0b6d562d
    これが正しい経営状態だと思う。
    なんで失敗のように突っ込んでるの?
    目先の株価なんて気にしないで、このまま足元固めて良い会社にした方がいいよ。
    up511
    down34
    2019/11/12 09:21
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