10月25日、菅原一秀経済産業大臣が辞任した。10月半ばの週刊文春による「有権者買収疑惑」報道以降、噴出する数々の疑惑や不正をものともせずに地位にしがみついた挙句のことだったが、それ以上に由々しきは、なぜこれほど疑惑の多い人物が閣僚に任命されたのかである。
政府関係者は、ずばりこう明かした。
「菅(義偉)官房長官のおかげだ。菅原は2003年の衆院選で初当選し、2005年に再選されたが、この時期から菅にべったりだった」
一説に、菅原氏の父親が秋田出身で、菅長官と同郷であったことがきっかけだったと言われているが、実はそうではないという。
「父親と関係の深かった政界情報誌の編集人を介して知り合った。で、菅原は知遇を得るや、さっそく菅長官を『囲む会』を開くようになった。当初は、松任谷由美の曲に出てくる横浜の有名なカフェ『ドルフィン』を会場にしていたため、『ドルフィン会』と呼ばれていた」
かくして菅原氏は、2006年に発足した第1次安倍内閣で厚生労働大臣政務官に任命された。安倍晋三首相を擁立する原動力になった議員連盟の主要メンバーのひとりが菅長官であり、その後ろ押しを受けてのことだったという。
当時を知る永田町筋が語る。
「菅さんに付いていくだけです――いつもそう言ってました」