『「宇崎ちゃんは遊びたい」の献血PRポスターはセクハラ』との批判と、それに関する議論 - Togetter
これについて、まず一番最初に確認しておきたいことがあります。
みなさん、宇崎ちゃんがどのくらい人気のコンテンツか正しく認識できてますか?
批判してる人はもちろん、擁護してる人もこの「宇崎ちゃん」という作品が1冊あたり20万部くらい売れてるということを知らないんじゃないかと思う。(7月25日時点で60万部突破のツイートがありました)
オタクであり、1巻時点で感想書いてた私ですら、3巻の時に宇崎ちゃんが50万部も売れてるのを知ってビビったくらいなので、普通の人ならなおさらわからないんじゃないだろうか。
- 作者: 丈
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2019/07/09
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る
追記:やっぱりみんな宇崎ちゃんがマイナーマンガだと思ってるね。
今回の件で「宇崎ちゃん」を初めて知った
上の記事でも書いたとおり、作者さんに失礼なことを承知で言うとぶっちゃけ宇崎ちゃんがなぜこんなに人気があるかは私にはようわからんです(老害)
何がいいたいかというと。
上で述べた要素を合わせて考慮すると、この作品は「エロいから」ではなく「オタクにすごく人気の作品だから」使われてるのだってことです。性的意図に基づいてこの絵が選ばれた、という環境型セクハラの条件をこの絵は満たしません。
「オタク=エロ」が直結してるオタク絶対シスベシフォーウな人でなければこの違いは判るはずです。
宇崎ちゃんを環境型セクハラと呼ぶのは、巨乳の女性を性的な存在とみなす偏見の
少なくとも、宇崎ちゃんは特にそれに特化した作品ではないです。
この作品は「天野めぐみはスキだらけ!」という作品あたりから注目されだした「性別的な垣根に対して無自覚な幼馴染や後輩」という系統の作品ではあるのですが、その中でも最もエロとかフェチ要素を武器としてない作品です。
「長瀞さん」とか「着せ替え人形」とか「やんちゃギャル」とか「恋愛感情のないなんちゃら」はエロ推しに該当すると思いますが、宇崎ちゃんは巨乳であること以外にはその要素がほとんどない。
天野めぐみはスキだらけ! (17) (少年サンデーコミックス)
- 作者: ねこぐち
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2019/10/18
- メディア: コミック
- この商品を含むブログを見る
イジらないで、長瀞さん(1) (マガジンポケットコミックス)
- 作者: ナナシ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/03/09
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る
その着せ替え人形は恋をする 1巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)
- 作者: 福田晋一
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2018/11/24
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 加藤雄一
- 出版社/メーカー: 少年画報社
- 発売日: 2018/03/12
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
- 作者: 渡井亘
- 出版社/メーカー: 竹書房
- 発売日: 2018/09/07
- メディア: コミック
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 作者: 太陽まりい
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 2017/06/29
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
むしろ「巨乳=エロ」を真っ向から否定してるといってもよい。宇崎ちゃんの胸が大きいことは作品特に重要な意味はなく、別に「宇崎ちゃん」が巨乳でなくても作品として全然成り立ちます。どっちかというと一目で見てわかるように「後輩がうざい」要素のほうが大事です。
「先輩がうざい後輩の話」とか「今どきの若いもんは……」みたいなノリを楽しむ作品です。
- 作者: しろまんた
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2018/03/28
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- 作者: 吉谷光平
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2018/08/30
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
ついでに言うと、こういう目線もある。「お互い様」なんですよね。
※ここまで読んでなお、「じゃあなんで胸大きくするんだよ」とか「必要ないなら胸を大きくするな」「とにかく大きな胸というだけで公共の場にはふさわしくない」っていう意見を言う人がいたらそれはただ「巨乳に対して自分がどういう偏見を持ってるか」の開陳になるだけだから黙ってたほうがいいと思うよ。 別に作品に必要なく胸が大きい女の子がいても全然問題ないやろって思えないならその人は相当やばいよ。
スポンサーリンク
批判してる人の感覚
一方で、批判してる人にはそんなん知ったこっちゃないからこのキャンペーンのために「わざと胸を大きくした」「エロ推し」のキャラが無理やり使われてるくらいの認識だったんじゃないだろうかと思います。
んで、それはめっちゃ分かる。
オタク絵に慣れてるけどこの作品の宇崎ちゃんは絵として明らかに記号的だし
この制服なんてまだかわいい方で、浴衣でも乳袋できてるのとかオタク的な感性からしても違和感あるよ。
だから、ぱっと見の印象として「私は気持ち悪く感じるな!」などの感想は全然ありだと思います。
(いつも思うんですけど、なんでこの手の人たち「自分は相手のことを全く勉強しないのに自分のことは最大限配慮されるべき」って思ってんのかほんとにわからんのだけどまあいいや)
でも、さっき言った通り、作品のことを知らないからとはいえ、ただ巨乳キャラを出してるというだけでそういう批判をするのは、自分の「巨乳=エロ」という偏見を暴露してるだけで自爆じゃないかなと思います。(まぁそうは言いつつ、作中でも主人公以外は宇崎ちゃんが巨乳であることは当然気にするんだが)
エロはともかくとしてオタクっぽさはすごく感じる
あと、別の意味で今回の件に抵抗を感じる気持ちも、正直わかる。
私オタクだし宇崎ちゃんのマンガ好きだけど献血の車にこんなんがでかでかと出てたらその車では献血しないと思う。さすがにこのポップだと「それ」目的だと思われたくないから避ける。
エロいかどうかというよりもこのオタク感バリバリの内輪感がきついねん。「オタク以外お断り」といわれているように感じてしまう。
私はオタクだけど100%オタクじゃなくて、普段はオタクじゃない自分が表で行動してる。なので、100%オタクっぽい空気が出てる場はネットならともかく公では近寄りがたい。それ以外の部分も考慮してほしい。
ましてオタクじゃない人からしたら「こんなポップ置かれたら、私たち献血したいと思ってもできない」「献血という大事な行為がオタクに私物化されてる」みたいな発想になるのはまぁそうだろうな、と。
だから正直「性的搾取」とか「環境セクハラ」って話じゃなくて「いくら何でもオタクの内輪感きついわー」とかだったらすごいわかる。
(※ただ、それならそれで赤十字社は以前からずっと今回のようなオタクコラボしてきている。今回の宇崎ちゃんだけ取り上げて今更言うのは違和感がある。)
スポンサーリンク
正直、これに限らず、オタクのTPOのわきまえなさ自体は問題ある時もあると思う
一時期のラブライバーはオタクの私から見てもちょっとドン引きするような人たちが結構いた。
私は陰キャのオタクなので、ああいう陽キャのオタクがミューズのキャラのバッジをめっちゃたくさんつけて内輪以外の眼を全く気にせずにウェイウェイしてるのは普通に「なんだこいつら」って気持ちになった。
はい、もちろん嫉妬です。けどそれ抜きにしてもこいつら周り見えてなさすぎじゃね?ってなった。
最近のネットでは、一部の痛々しいFGOファンの振る舞いも、すげえ幼稚だなと思ってた。(たぶんこっちは本当に子どもが多い)
そういうのに対しては「ちょっと自重しろよ」くらいは思う。
でも、もう特にFGOなんかは規模が大きくなりすぎて「自分たちの感覚があくまで内輪にしか通じない」ってのがわからなくなってるひとたちが結構いるんじゃないかなあと思ったり思わなかったり。
まとめ
結局何が言いたかったかというとこういう話です。
吉本興業という関西ローカルの、しかも関西人としてあまり共感できない本来「狭い」「劇場型」の笑いが全国メジャーになった結果としていろんな弊害が出てるように、オタクの内輪受けも、あまりにオタクがメジャーになりすぎたことによる弊害が全くないとは言えないかもしれないという、もう10年くらい言われ続けてる話です。
でも、いよいよ吉本興業の弊害が顕在化して批判されてる最中だからこそ、オタクも「驕れるオタク久しからず」という警戒心くらいは持っておきたいな、と。
別にみんなが表現の自由みたいな単語が飛び交う「最終防衛ライン」で戦わんでもいいやん。余裕があるうちからギリギリのラインとか不寛容の精神でいるんじゃなくて、むしろ「批判してる人の気持ちはわかるし気を付けるべきところは気を付けるけど、規制とか無茶苦茶いうのは堪忍してね」っていう感じでいいと思う。
余談:とはいえ、今回の件で性的搾取とか環境セクハラ云々言って騒いでる人は完全にお気持ち過ぎるしどうでもいいです
というか、今のところこういうバズワードを叫んでる人たちが数名いるだけであって「はあちゅうと見れば何でも否定する」やつらとか「大村市長を叩き立過ぎて自分の無知をさらけ出しちゃうキッズ」と同じだから別に相手にしなくてもいいんじゃないかと思いますが。
結局個別の事例に対して丁寧に「なぜそれがいけないのか」を説明する人がいなくなってただバズワードを叫んでるだけの思考停止した人たちとかほんとどうでもいいよ。
相手にしてほしかったらどんなに面倒くさくてもその都度ちゃんとその個別の事例で説明できる人が必要。
太田弁護士は、キズナアイの時も言い出しっぺで火をつけるだけつけて、炎上の後始末は千田教授に丸投げしてフェイドアウトしてたし自分自身が「内輪受け」の世界でしか生きてない人なので、そういう人に「オタクの内輪受けだけは許せない」と主張する資格はないよね。
全く相手にする価値を感じない。
こういうのまでトーンポリシングとか言い出すなら民主主義なめすぎだと思います。