ショートプログラム(SP)6位の坂本花織(19)=シスメックス=がフリー4位の合計199・24点で第1戦スケートアメリカに続く4位だった。SP首位で16歳のアリョーナ・コストルナヤ(ロシア)がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に2度成功したフリーも1位で、世界歴代3位の自己ベストを更新する合計236・00点でGP初出場優勝。2018年平昌冬季五輪女王のアリーナ・ザギトワ(ロシア)が216・06点で2位に入った。樋口新葉(18)=明大=は174・12点で6位、白岩優奈(17)=関大KFSC=は161・71点で9位だった。
全日本女王が意地を見せた。坂本はほぼ完璧な演技で、SP6位から巻き返して合計199・24点の4位。目標の210点台に乗せられず、2年連続となるGPファイナル進出も絶望的となったが、満足感は漂った。
「初めて全要素を入れて今回通してできた。それがすごく自信にもなった」。思わぬダブルアクセル(2回転半ジャンプ)の転倒で出遅れたSPから「もう失うモノは何もないと思って、自分なりに楽しんでやれた」。観客をフリー曲で映画の「マトリックス」の世界に引き込み、ステップとスピンでは、最高評価のレベル4をそろえた。
ただ、課題は残った。サルコーとループの計3本のジャンプで回転不足を取られ、3回転ルッツには不正なエッジと判定された。「回転不足があんなに取られているとは思っていなくて…。(次戦では)確実に回りきれるようにしないといけない」と反省した。
映画のワンシーンを取り入れた体をそる「マトリックス・ポーズ」も決まって「今日は思い切り銃をよけられたと思います」。その直後、報道陣の一瞬の間を感じて「すいません!スベった(笑)」。関西人ならではの明るさも取り戻していた。