体操の全日本団体選手権最終日は10日、群馬県の高崎アリーナで男子が行われ、10月の世界選手権代表の谷川航(わたる、23)、萱和磨(22)を擁するセントラルスポーツが6種目合計255・797点で初優勝を果たした。4連覇を狙った順大が255・560点で2位だった。セントラルスポーツは萱があん馬、谷川航が平行棒で高得点を出し、チームをけん引。谷川航の弟で、個人総合の全日本選手権2連覇の谷川翔(かける、20)がいる順大との接戦を制した。
最終種目の鉄棒までもつれた熱戦を制し、セントラルスポーツが順大を振り切り、初優勝を果たした。10月の世界選手権では日本代表で共に戦った谷川兄弟も、今回は敵同士。順大を卒業、今春から社会人になった谷川航は「(一緒に練習をする)セントラルと順大は兄弟みたいな関係。社会人が大学生に負けることはプライドが許さないし、(弟の)翔と戦って負けたくなかった」と、兄の面目も保つ初Vに、胸を張って喜んだ。
一方の順大は終始、セントラルスポーツを追い掛ける展開だった。最初の床運動で14・766点を出すなど役目を果たし、前半3種目に出場した弟は「床運動はいいスタートダッシュができたが、あん馬は難度の高い技を回避した。最終的に面白い展開になったが、最後の鉄棒に出た選手はプレッシャーがかかったと思う」と、仲間の演技を見ながら祈ったという。
萱ら日本代表クラスが顔をそろえる新王者。谷川航は「今年タイトルを取れたのは大きい。これからはセントラルが日本を引っ張っていく」と宣言した。