鈴木愛(25)=セールスフォース=がボギーなしの7バーディー奪取で65とし、通算12アンダーでトップを堅持。完全優勝だった前週に続き、5ラウンド(R)連続で首位となった。今季6勝目、米ツアー初制覇へ、後続に3打差をつけた。
ショットもパットも切れまくって圧巻の7バーディー。その鈴木から絶好調宣言が出るかと思いきや、プレー後の感想は「自分に期待していないからいいのかなぁ」と、どこかのんびりした一言だった。
1番から4~5メートルを次々と決め3連続バーディーで発進。その後もほとんどフェアウエーを外さず、長めのパットもズバリと決める。18番パー5のグリーンに上がったとき、第3打が60センチに寄っていたことを知ると、つい笑みがこぼれた。
左手親指付近を痛めて4週休んだが、復帰2戦目の前週初日からトップを快走中。この5Rでボギーはわずかに三つという驚異的な内容だ。ところが本人は「練習ができていない。うまくできなくてしょうがないと割り切っているから、できている」と話す。痛みの再発や今後の試合への体力温存のため、現在の練習は一日30分で通常の3分の1程度だという。それなら日ごろから練習しないようにすればいいのでは―との声には、「それはいや。シーズン中はたくさん練習してうまくなりたい」とか。
この大会には米ツアーの強者がこぞって出場し、最後の逆転を狙っている。「米ツアーでは最終日に3アンダー以上出さないと勝てないが、欲を出しても今はできない。あまり優勝は考えていない。明日はゼロからスタートするつもりで」。世界最高峰のツアーを無欲で勝つ。日本のエースに、こんな痛快な勝利が近づいている。