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ベトナムコーヒーはなぜ濃いか? その理由を徹底分析!

 
2019.10.30

 


ベトナムコーヒー、一口飲めばその濃厚な味わいに虜になる人もいるほど魅惑的な飲み物。

今までのコーヒーにはない、苦味・香ばしさ・コク・甘い香りなどなど、一味違ったコーヒーの濃い味わいを感じることができるのがベトナムコーヒーの大きな魅力です。

そんなベトナムコーヒーの魅力である「濃さ」の理由が何か、徹底分析します!
 

コーヒー豆と水の割合?



濃い、ということでまず思い浮かぶのは「一杯に使う豆が多い?」ということ。

ということで実際にコーヒー豆とお湯の量を比較してみます。

日本でおなじみのコーヒーメーカーでは以下のようなコーヒー豆とお湯の量が推奨されているようです。
各メーカーの公式ウェブサイトを参照しました。
 

 STARBUCKS COFFEE   = 10g(粉):180ml(お湯)

 UCC                             = 10g(粉):160ml(お湯)

 BLUE BOTTLE COFFEE = 28g(粉):310ml(お湯)

 

一方ベトナムコーヒーはというと…

 HIGHLANDS COFFEE(ハイランズコーヒー)= 20g(粉):110ml(お湯)

 

圧倒的にお湯に対するコーヒーの量が多いことが一目瞭然!

豆が多く、水分が少ないため、濃いコーヒーが抽出されるというわけですね。
 

コーヒー豆の特性?



ベトナムコーヒーを特徴づける、ロブスタ種という豆の品種。

ロブスタ種は、渋みと苦味が強いという特徴があることで世界的に有名です。

そもそも使用している豆が個性的な味なので、癖の強さ=濃さとして感じるのでしょうか。

そんなロブスタ種は近年、アラビカ種などと一緒にブレンドコーヒーに用いることで味にアクセントが生まれるとして、大注目されている品種です。
 

これからのコーヒーブームには、ロブスタ種の濃さが一役買うかも!?
 

コーヒー豆+〇〇?



ベトナムコーヒーに使われる豆には、焙煎の後あるものが足されています。なんだと思いますか?

その正体は、なんとバター

バターによって、元来渋く苦味の強いコーヒーの味に深みやまろやかさを感じる「コク」が足されています。

現地ベトナムでは、日常の中でコーヒーを抽出するときによりコクがあり甘みのあるコーヒーをつくるため、マーガリンやココナッツオイルを足す人もいるとか…。

私たち日本人にとってはなかなか斬新な発想ですね!
 

フィルターの特性?

一般的にコーヒーは、抽出時間を長くするほど濃くなると言われています。
では、ベトナムコーヒーの抽出方法はどうでしょうか?

キーになるのが、ベトナムコーヒーの抽出に使われるステンレス製のフィルター
現地では「カフェフィン」と呼ばれています。 

このフィルターは4つのパーツに分かれていて、

1.カップにのせる平たい「下皿

2.コーヒーの粉を入れてお湯を受ける筒状の「ドリッパー

3.筒の中の粉を抑えるフィルターの「中ぶた

4.抽出時に熱を逃さない「上ぶた
 

このうち1・2・3には細かい穴がたくさん開いています。

この穴が重要なポイント。

まずお湯を注いでみると、驚くほどゆっくりとお湯がコーヒーの粉に染み渡って行くのがわかります。注いだお湯がドリッパーの中でなかなか減っていかないんです!

まさにこのスピードこそが、この細かい穴のはたらき。

そんな特殊なフィルターのおかげで、お湯はゆっくりと、少しずつコーヒーの粉に伝わり、染み入ったお湯はコップに落ちるまでの間、じっくりとコーヒーを抽出していきます。

抽出時間も普通のペーパードリッパーを使うよりも時間がかかると言われています。このフィルターを使うことで、ベトナム産のコーヒー豆の味わいを存分に抽出できるのです。

ベトナムコーヒーの抽出スタイルこそが、ベトナムコーヒーの濃さの原因だったのですね。
 

濃いコーヒーって、飲みにくくないの?



ベトナムコーヒーの濃さの理由についてだんだん理解してきたところ。

そこで思い浮かぶのが、

「濃いコーヒーって、結局苦いし渋くて飲みにくそう…」

というイメージではないでしょうか?

そのイメージ、外れておりません。
抽出したコーヒーをそのままストレートで飲むには、日本人の口にはちょっぴりパンチが強めなベトナムコーヒー。

しかし、そんな濃いベトナムコーヒーの美味しいところを存分に引き出すアレンジがベトナム現地でもたくさん存在しています。ベトナム人のコーヒーの飲み方は私たちにとってみると本当に自由で、ワクワクするほど。

一般的にコーヒーが苦手な方でも「ベトナムコーヒーなら飲める!」という方もいるほどです。
 


まず、一般的なアレンジ方法は、

1.【カフェスアダー】=甘いミルクコーヒーのこと(イメージ左)
  練乳を入れて甘くし、氷の入ったグラスに入れて冷やして飲む

2.【カフェダー】=砂糖入りのブラックコーヒーのこと(イメージ右)
  砂糖を入れて甘くし、氷の入ったグラスに入れて冷やして飲む

※ベトナム語で、カフェ=コーヒー、スア=ミルク、ダー=氷、という意味

 

コーヒーの味が濃いからこそ、ミルクや砂糖のまろやかさに負けず、コーヒーの苦味・風味とミルクと砂糖の甘さがマッチする…これが本当に絶妙なのです。

そして個人的な推しポイントが、氷を入れても薄まって水っぽくならないというところ。

カフェスアダーにしても、カフェダーにしても、氷で冷えて薄まったくらいで丁度いいコーヒーの濃さになっていきます。

じっくりと味わいながら飲んでいっても、最後まで濃厚さを堪能できるのが、ベトナムコーヒーの濃さがもたらす良いところでしょう。
 

まとめ

ベトナムコーヒー、試してみたくなってきませんか?

これからハイランズコーヒー編集部で、様々なベトナムコーヒーのアレンジレシピを公開していく予定です。

ぜひお楽しみに!
 



 

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