過労死ラインを超える「共働き育児」のリアル

職場でも家庭でも働きつづける親たちの疲弊

とある共働き家庭の「慌ただしい1日」をお届けします(写真:monzenmachi/iStock)
働く女性、働きながら家事育児を担う女性が増え、共働き世帯は全体の6割を超える日本。ただ、女性が家事をする時間量は平日・土日ともに4時間を超えるのに対し、成人男性の家事時間量は平日が54分、土日が約1時間半。今なお家事育児における女性の負荷は高い。
『働く人のための感情資本論ーパワハラ・メンタルヘルス・ライフハックの社会学ー』から抜粋・再構成し、共働き家庭の日常を切り取ってみた。めまぐるしい子育ての情景が浮かび上がってくる。

とある共働き家庭のワーキングマザーであるAさん。総合職で責任もやりがいもある仕事についており、小学生と保育園児の2人の子どもがいる。上場企業に勤める夫は、家事も育児もわが事として引き受ける男性。出産にも立ち会い、1人目のときも2人目のときも育児休業を取得した。妻の2人目の育児休業が明ける際には、時短勤務まで取得している。

保育園の「お迎え当番」の日を再現してみた

お迎えの時間は動かせないデッドラインゆえ、その日も1日集中して仕事をして終業時間を迎えたが、やり残した仕事が気になりつつ、下の子を保育園でピックアップ。

帰宅すると、そろそろ上の子も習い事から帰ってくる時間。上の子は学童には通っていないから、下校時刻から習い事までの時間は近くに住む母にみてもらっている。

Aさんが適当に子どもたちの相手をしながら夕食を作っていると、恒例の兄弟げんかのゴングが鳴る。「あぁ、またか」と嘆息しつつ、火加減も気になりながら双方の言い分を聞いてなだめていると、案の定鍋が吹きこぼれ、慌ててキッチンに戻って後始末。

さて、食事となったはいいけれど、「そういえば、ノートがなくなった。明日までの宿題ができない」と言い出す小学生。事前に言ってくれたなら、帰りにいくらでも立ち寄れるお店はあったのに。

この時間からだと開いている店が限られるうえ、その店に指定のノートがあるか定かでない。でも、行くしかないのだ、下の子を連れて。下の子はまだ小さくて留守番はさせられない。とはいえ、連れて行くと、「おやつを買ってほしい」などと言い出すことが予想される。

1日の仕事と夕食づくりを終えた身には、保育園児が駄々をこねるのをやり過ごすための体力と気力が残っていない。それに、今から出かけると入浴時間も就寝時間も後ろ倒しになる。やはり、夫に帰り道に買ってきてもらうことにしよう。

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  • めもe75057de16b6
    そりゃ理想としては男女平等なのかもしれないが、実際同じように働いた上で育児家事は難しいのではないか。
    やはりパートくらいじゃないと。
    男尊女卑とかではなくて、適材適所という意味で。
    だから男性が家事が得意な家庭なら男性がパートでも良いとも思うし。
    しかし、フルタイムで働かざるを得ない経済的な背景があったりする。
    こういった話を聞いて、「じゃあ自分の好きな事できて、稼いだ金も一人で使えた方がいいや」「老後だって、その分貯金して施設に入ろう」という人が増えれば、ますます子どもは減る一方。

    up228
    down41
    2019/11/12 08:06
  • もつ子5fcc0442492b
    この記事を読んでいて、まさしく我が家も同じく。との気持ち。
    子供が2人おり1人は中学生。
    下の子は3歳。
    中学生の子供は学校が終わっても部活や塾などと忙しく、送迎もあるため夜の10時に迎えに行くなどその間下の子は眠れない。
    夫は残業ばかりで帰宅時間も夜中。
    自分はパートで働くが、夕方下の子を保育園に迎えに行くとスーパーへ買い出しに行き、仕事着のまま夕飯の準備に取り掛かる。
    毎日毎日1日の終わりには「疲れた」「もう眠りたい」と口に出してしまうほど疲弊している。
    やっと眠りにつく頃には泥のように眠り朝が来る。
    毎日毎日朝が来るのが怖い。
    妻であり母親である私は家族の中で誰よりも遅く眠り、早く起きる。
    私の体調が悪くなると大変。
    家庭が止まる。
    そんな重圧を抱えながら日々過ごすのだが、ご飯は残り物、お風呂は最後、服はセール品。
    これが当たり前だと思い生活する我慢比べはなんだろうとよく思う。
    up206
    down22
    2019/11/12 08:18
  • じんc6b3040165bb
    私はベビーシッターをしていますが、小さい子どもがいる共働きのご夫婦は本当に大変だと思います。

    恐らく学生時代まではハードな部活をこなし、勉強もでき、委員会活動や生徒会もこなし先生からの信頼も厚く、そして就活も本気で乗り越えて今のお仕事をされている、というお母さまが多いのではと想像します。

    自分が頑張り努力さえすれば、その分の実りがあった。
    でも子育てはそういかない。相手は小さい子ども。
    それにストレスを感じるお母さまは多いのではないかなと思います。

    頑張って乗り越えるのが当たり前という方は気づきにくい。
    時間もないかとは思いますが、時々、自分は頑張り過ぎてないか?ずーっと辛いと思ってないか?と自問自答して欲しいなと思います。

    麦茶は水につけたら飲めるのにすればいいし、子どもの宿題の参考書までお母さんがよまなくていいのでは…
    やらなくてもいいことはいくつかあるような気がしました。
    up184
    down7
    2019/11/12 09:27
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