「本日、○○がタダ」
そのお店は、私のいつもの通り道にありました。
ある日、こんな看板を見かけたのです。
は?
また、別の日には……。
え?
ま、まじすか?
連日、信じられないような(「いくら以上注文しないとダメ」的なオチがありそうな)文言がいつも並んでました。
いったいこのお店はなんなのか。本当にこの値段で勝負できるのか。
その真相を確かめるべく、ついに取材に行って参りました。
「ハイボール50円」て……
山口店長:いらっしゃいませ!!
──おお! さわやか店長登場!
店長の山口さんは、めっちゃ爽やかな好青年でした。
なんと23歳だそうです。眩しいです。
ちなみに店内はこんな感じ。
まあ、普通に居酒屋ですね。
貼り紙がちょいちょいおかしいことを除けば……。
▲タダでさえ「99円」という値段なのに、謎のゲーム性が付与されている
▲「浴びるほど飲みたい夜」って……
で、半信半疑だった問題のメニューがこちら。
いやいやいや、なんですか「ハイボール50円」て。
通常メニューからして格安設定ですが、それよりも外の看板の「芋焼酎無料」とか、「ワイン飲み放題299円」とか「ジンショット飲み放題」とか、いろいろおかしいんですけど……。
──本当にこの値段でやっているんですか? 追加で注文しなきゃいけないとか、テーブルチャージがすごい高いとか……なにかウラがあるんじゃないですか?
山口店長:あ、まず看板のキャンペーンは毎日ではないですが、出している時は本当にやってます。この値段も、なにもウラはないですよ(笑)。ただ、このキャンペーンの条件としては「シェアして飲むのがNG」なので、ひとつのテーブルで皆さんで同じものを人数分ご注文頂くだけです。
──「だけ」って、それでも赤字なのでは……。
山口店長:いえいえ、皆さん言うほどずっと同じものを全員が召し上がられないので、結局いろいろ頼んでいただいてますよ。もちろん1人でひたすらワインを飲まれる方もいらっしゃいますが。あ、「焼酎タダ」はちょっと在庫があって、インパクトあるかな、と思ってネタ的にやらせていただいてます(笑)。
──しかもハイボールのウイスキーは、角ハイ、ブラックニッカ、デュワーズなんですね。これも最初の一杯限定とかじゃないんですよね。こればっかり飲まれたら経営的にヤバいんじゃないかと心配になります。
山口店長:たくさんハイボールを飲みたい方には、もっとオススメのものがありますよ。
▲さかずきハイボール 3500cc(499円)
──こ、これはいったい……。
山口店長:インスタ映えってやつですかね。けっこう人気なんです。これだけで10杯分はあります。皆さんストローで飲まれてますよ、コンパとかで盛り上がるみたいで。やはりオーダーも8割近くがハイボールで、あとはビールとか玉露ハイが人気ですね。
※実際、後ろのテーブルでこれを注文したお客さま達がめちゃくちゃ盛り上がっていました。
この価格帯でお店は大丈夫なのか
▲玉露ハイ(99円)ハイボール、ビールに次ぐ評判メニュー
──では、いきなり核心をつきますが、なぜこんなに安いんですか? そしてなぜこの価格帯が成り立つのですか?
山口店長:最近、「若者の酒離れ」がよく言われていますよね。まずうちの会社として、そういう状況を憂いていて、そこに一石を投じたい! というテーマがあるんです。皆さんがもっと気軽に飲みに来れるようなお店を作りたい、というところがはじまりでした。
──たしかに給料日前でも安心して飲みに来やすい価格帯です。
山口店長:はい、その企業努力のひとつとして、食事メニューは原価の安い鳥料理を中心にしました。もともとの前身の会社は、「それゆけ!鮭ヤロー!」という鮭をメインにしたお店でした(現在はグループが別れて別会社に)。その当時からのノウハウもあったんですね。
▲お通しえびせん(380円・食べ放題)
▲お通し枝豆(380円)※えびせんか枝豆のいずれかひとつを選ぶシステム(枝豆は食べ放題なし)
──いろいろとコストを下げるためのノウハウをお持ちだったんですね。
山口店長:はい、うちはお客さまに直接かかわること以外、すべて節約しています。例えば内装やポップなどは、すべて本部の社員やお店のスタッフの手作りでまかなっているんです。
──なるほど、そう言われてみるとチェーン系なのにちょっと昔からの居酒屋のような手作り感というか、アットホームな雰囲気がしっかりありますね。
山口店長:そうですね、お客さまが、安いとこはやはりダメだな、なんて感じないようにお客さまにはしっかり楽しんでいただけるようにしてあります。
▲生ビール(280円)
▲ノンアルカシスオレンジ(99円)
──もはや280円のビールが高いような気がしてしまいますが、4杯飲んでやっと1,000円を超える感じですね。それでも安いです。ワインやノンアルカクテルが充実してるのも女性には嬉しいのでは。
山口店長:お料理も評判ですよ。もちろんうちは、お酒を飲みに行こう! という目的の方が圧倒的に多いですが、料理も手を抜いていません。女性が大好きなサラダも豊富に種類を用意しています。
なるほど。お店を見渡すと、たしかにそんな印象です。
実際に入るまではお酒好きな男性が夜な夜な泥酔しているようなお店かな、と思い込んでいましたが、時間がたってお客さまがどんどん入ってくるにつれて、そのイメージからかけ離れてきます。
女性もいっぱいいるし、とにかく店内が明るい。店員さんもハキハキとしているし、みんな爽やかです。
▲蒸し鶏と大根の梅ドレサラダ(580円)
▲塩昆布キャベツ(299円)
▲鳥もも野郎焼き たれor塩だれ(380円)
──わかってますね! 男は黙って唐揚げ、というのもあるでしょうが、こういうメニューがあると女性でも入ってきやすいと思います。
山口店長:でもやっぱり「唐揚げは外せない」と皆さんおっしゃるので、こちらをご用意させていただいてます。
▲メガからあげ50個(1,980円)
──いやいやいやいや、これは食べきれないでしょ、うれしいけど。かなりお得ですし。
山口店長:学生さんとかだと、4、5人いればペロリみたいですよ。しかもこの唐揚げ、ひとつひとつが大きいんです。ちなみに6個380円、15個680円のバージョンもあります。
──ふう! サックサクでいくらでも食べられる味ですね! 食べきるのは絶対無理だと思ったけど、そんなに重くないからみんなで食べると足りなくなるかも(笑)。
▲アボカド刺し(399円)
──これも、みんな大好きなやつ!
▲一緒に取材に同行してくれた知人
──横綱昇進かよ!!
▲テキーラショット(299円)。テーブルの上のベルを押すとテキーラが強制的に(?)届くシステム。ベルの横には「お前ら絶対押すなよ」と書いてある
──このテキーラ注文ベル、面白いですね。まんまとあちこちのテーブルからこのベルの「チン!」「チン!」と聞こえてきますね。「おまえ、ふざけんなよー!(笑)」なんて言って、みんな押しまくってるじゃないですか。
山口店長:お客さま達も盛り上がってくるにつれて、ベルの連打が始まりますね(笑)。
▲鳥白湯ラーメン(480円)
──〆のラーメンも本当においしいです。鳥ベースですね。これだけ飲んでも、お客さまのお会計の平均が1人あたり2,000円を切るなんて。毎日来る方もいそうですね。
山口店長:はい、まさにうちは客単価2,000円をコンセプトにしてます。ちなみにドリンクは平均すると1人あたり約7杯飲まれてますね。
「それいけ鶏ヤロー」のジューシーなメガ唐揚げが食べたくなったら
それゆけ鶏ヤローの名物と言えば、やっぱり自慢のから揚げ。
ボリューム満点・サクサク・アツアツ・ジューシーな逸品が、メガクラスの大盛りで味わえます。
とりあえず今週中にまた来ることにします!
店舗情報
居酒屋それゆけ!鶏ヤロー高円寺店
住所:東京都杉並区高円寺北3-2-15八字ビル1階
電話:050-5346-0937
営業時間:月曜日~日曜日、祝日、祝前日17:00~翌1:00(料理L.O.翌0:00ドリンクL.O.1:30)
定休日:無休
書いた人:大盛頼子
(おおもり・らいす)ライター。お仕事で訪れた世界各地の店で、生姜焼きを注文して食べます。白いごはんも大好で大盛りサービスのあるランチ店では必ず大盛り(あれば特盛)を注文。最近は健康を考えて普通盛りにしていますが、若い男子が「ご飯少なめで」といっているのを見ると説教したくなります。最近近所のお米マイスターのいるお米屋さんが長い歴史に幕を降ろして閉店してしまいました。寂しいです。
- Twitter:@oomoriraisu1