天皇、皇后両陛下は10日午後、即位を国民に披露する「祝賀御列の儀」に臨まれた。皇居から赤坂御所までの約4・6キロをオープンカーでパレードし、沿道には祝福のため多くの人が詰め掛けた。当初は10月22日の「即位礼正殿の儀」に続いて行われる予定だったが、台風19号の被害に配慮し、政府が延期を決めた。両陛下のパレードは1993年6月の結婚以来。
天皇陛下はえんび服に勲章を着け、皇后さまはロングドレスにティアラ姿。オープンカーで皇居・宮殿を出発し、皇嗣秋篠宮ご夫妻や安倍晋三首相らがそれぞれ乗った車も加わった。
車列は、皇居・正門を出て、警視庁や国会議事堂正門、自民党本部などの前を通り、住まいの赤坂御所へ。コースや周辺は交通が規制され、警視庁は厳戒態勢を敷いた。
台風19号により広範囲で甚大な被害が出たことを受け、政府は10月18日の閣議で延期を決定した。両陛下も台風の被害に心を痛め、犠牲者を悼み、早期の生活再建を願う気持ちを発表している。
5月の陛下の即位から続いた、国事行為としての「即位の礼」の一連の儀式は今回で終わる。今後は14~15日に皇位継承の重要祭祀「大嘗祭」などの行事が控えている。