中日から育成ドラフト1位で指名された松田亘哲投手(22)=名古屋大=が11日、名古屋市内の中華料理店『ピカイチ』で入団交渉を行い、支度金200万円、年俸300万円で仮契約した。
地元のファンに愛される選手に―。球団の思いが込められた門出の場所で松田は明確な理想像を口にした。
「けがをしない選手です。数字のことは分かりませんが、故障は自分で防ぐことができる。長い年数プレーできる選手を目指していきます。けがをしない選手でイメージするのは山本昌さん。体の強さや高い意識があって32年も現役を続けられた。そこは参考にしたいと思います」。50歳までマウンドに立ち続けた竜のレジェンドを目標に掲げた。
仮契約の場として選ばれた中華料理店『ピカイチ』。店内の至る所に飾られた名選手の色紙に「びっくりしました」と目を丸くした。当日は報道カメラ8台、報道陣30人以上が取材に訪れる異例の事態に。「僕なんかがすみません」と頭をかき交渉の場に臨んだ。
名古屋大初めてのプロ野球選手。旧帝大に幅を広げても、東大野球部監督に就任した元中日・井手峻さんを含め8人しかいない。最も白星を挙げたのは旧帝大出身で初めてプロの門をこじあけた新治伸治(元大洋)の計9勝。「旧帝大出身選手の中でゆくゆくは一番になりたいという思いは持っています」とちょっぴり色気を見せたものの、地に足は付いたままだ。