香港デモ、警察が実弾3発発砲 1人重体1人負傷

中国・台湾
2019/11/11 10:32 (2019/11/11 13:53更新)

警察とデモ隊の対立が激しくなっている(10日、香港)=ロイター

警察とデモ隊の対立が激しくなっている(10日、香港)=ロイター

【香港=木原雄士】政府への抗議活動が続く香港で11日朝、デモ隊と警察が衝突した。地元メディアによると、香港島東部の西湾河(サイワンホー)で警察が若者に向けて実弾を3発発砲し、2人が負傷して、うち1人が重体となった。デモに絡んで男子大学生が死亡したのを機に、警察との対立が一段と激しくなっている。

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11日朝はSNS(交流サイト)上で、抗議活動が呼びかけられ、通勤時間帯に混乱が広がった。西湾河では若者らが道路をふさぎ、強制排除に乗り出した警察ともみ合いになった。インターネット上に投稿された映像によると、警察は至近距離から実弾を発砲し、腹部に当たったとみられる1人が道路に倒れ込んだ。現場は外国人の駐在員も多く暮らす住宅街で、一時騒然となった。

10日夜にはデモ隊の一部が複数の地下鉄駅や商業施設を壊したり、道路を封鎖したりして88人が逮捕された。香港政府は11日未明「多数の暴力的な抗議者が10日に組織的な破壊行為を行い、警察官を襲撃し、交通を遮断した」と非難する声明を出した。警察はデモの取り締まりを強化しており、反発する若者らが過激な抗議活動を繰り返している。

8日に亡くなった大学生を巡っては、警察が救助を妨害したとの見方が根強くある。予告なしの催涙弾使用や実弾発砲など警察の手荒な取り締まりも目立ち、デモ隊の反発が一段と強まる可能性がある。

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