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【NQNニューヨーク=戸部実華】(米東部時間13時37分、コード@EXPE/U、@TRIP/U)7日の米株式市場で旅行予約サイト大手のエクスペディア・グループとトリップアドバイザーが急落している。ともに前日比30%近く下げる場面があった。6日夕に発表した2019年7~9月期決算で売上高と利益が市場予想を下回り、通期の利益予想も引き下げた。グーグルで検索した際に上位に表示されなくなり、売上高と利益を圧迫する要因になっているようだ。
エクスペディアの7~9月期の売上高は前年同期比9%増の35億5800万ドル、純利益は22%減の4億900万ドルだった。トリップアドバイザーは売上高が7%減の4億2800万ドル、純利益は28%減の5000万ドルだった。両社とも売上原価と技術・コンテンツ費が増えた。エクスペディアはマーケティング費も膨らんだ。
背景にあるのはグーグル検索での扱いの変化だ。旅行予約サイトをグーグルで検索すると広告料を払っているサイトが上位に表示されるようになった。グーグルも旅行予約や旅程管理などの自社サービスを強化しており、既存の予約サイトの脅威になっている。そのせいで、集客のための広告費などが増えているとみられる。
トリップアドバイザーのスティーブン・カウファー最高経営責任者(CEO)は7日の決算説明会で「グーグルが何をやっているのか正確に知らないが、我々が検索ページのずっと下の方に置かれているなあと思う」と不満を口にした。
米証券DAダビッドソンのアナリストは「予約サイトは集客をグーグルに頼ってきた。依存度を下げる方法を探し続けているが、すぐには見つからないだろう」と指摘した。予約サイト大手で7日夕に決算発表を控えるブッキング・ホールディングスも大幅安となっている。