登録日:2019/05/19 (日) 15:49:55
更新日:2019/10/21 Mon 00:06:05
所要時間:約 105分で読めます
本作は国内における解説や情報量が少ないので、ご協力いただける余力のある方々は追記、修正をしていただけると幸いです。
我にその身を捧げし者ども、わが第一の戦士たれ。
つちくれから作りたる似せ人形のごとく、我はかの者たちを造りあげ、戦いの炉にて打ち鍛えん。
かくてその心は鉄となり、その肉体は鋼とならん。かの者ら、強き鎧をその身にまとい、天界の雷にて武装せり。
その身に病魔の触れることあたわずして、力の萎えることもなし。知略と武具において、かの者らに比肩する敵はあらず。
かの者らは恐怖に対する不壊の盾。かの者らは人類の守護者。
その名はスペースマリーン。”恐れ”の二文字を知らぬ者たちなり。
画像出典:ウォーハンマー40Kボックスセット「ダーク・インペリウム」(DARK IMPERIUM)ボックスアートより
概要
ようこそ同胞(ブラザー)!! 我らスペースマリーンの記事へ!!
画像出典:ゲーム「Warhammer 40,000: Eternal Crusade」より
スペースマリーンとは
ウォーハンマー40Kに登場する超人兵士のことである。「戦闘者」(アスタルテス)、「死の天使」とも呼ばれ、ウォーハンマー40000を代表するキャラで主人公ポジ。
スペースマリーンは数多くある
帝国の戦闘部隊のうち、もっともポピュラーな部隊で
帝国の主力部隊として配備されている。
遺伝子改造を施され、厳格な修練と演習をへて、スペースマリーンの肉体と精神は究極の戦士の域へと達した彼らの能力は高く、射撃から格闘までそつなくこなす万能の兵士として数多くの伝説を残してきた。
万能の能力を持つ「皇帝陛下」の遺伝子が体に組み込まれており、その身の丈は2mを超え、帝国内でも上級クラスの武器と「パワーアーマー」と呼ばれる機動装甲服を身に纏い、皇帝陛下のために今日も闘う。
通常の人間の兵士よりも圧倒的な力を持って戦うため、一般人兵士や民衆から畏怖の念を持って崇拝されている。
彼らにとっては戦争は日常のものとなっている。基本は要請のあった戦場へと送り込まれ、皇帝陛下の憤怒となって敵と戦う。戦場を渡り歩く部隊もいれば、常に一定の場所を防衛している部隊もいる。
敵が敗北してはじめて、スペースマリーンは武器からその手を離す。だがそれは休息を意味しない。スペースマリーンが勝利を祝うことも、栄光に酔いしれることもない。そんな時間はないのだ。
ひとつ戦いが終われば、またひとつ、新たな戦いが彼を待っている。スペースマリーンは〈帝国〉(インペリウム)の英雄であり、有史以来、〈帝国〉(インペリウム)がここまで英雄を必要としている時代はなかろう。
彼らに安息はない。皇帝陛下の御名(みな) がもとに戦われる永遠なる戦争。それが彼らのすべてなのだ。
ゲーム上の特徴
「高性能で万能だが高コスト」のヒーローキャラ。それゆえ少数精鋭編成になってしまいやすい。
しかし、強力なビークルやウォーギア等の戦術の幅を手広く取り揃えている。
初心者から上級者までお勧めのアーミー。
スペースマリーンには有名なチャプターも多く、それらの持つ特徴を再現するために個別のチャプターを扱ったコデックスも存在する。
スペースマリーンの起源
かの「大征戦」の前の時代、皇帝は地球を平定するための「統一戦争」を行った際に遺伝子改造を受けた兵士「サンダーウォーリア」を率いて地球を皇帝の名の下に統一した。
しかし、「サンダーウォーリア」には数多くの欠陥を持っていた。そこでそれらの欠陥を治すために、古の遺伝子工学を使って作り上げた人造の超人兵士の研究開発を進めた。
第30千年紀に入るころ皇帝と科学者たちは、地球の地下深くにある複数の研究施設で超人兵士の研究、開発が開始される。
人類の最精鋭となる兵士、それも決して誘惑や堕落に屈せぬ忠誠心を持った究極の超人兵士を生み出そうとしていた。
皇帝はそれと同時に、自らの遺伝子(遺伝種子)が組み込んだ皇帝の補佐を行う超人将帥を作り上げることに成功する。それが「総主長」(プライマーク)だった。
何故皇帝が総主長の創造に至ったは未だに理由は不明だが、赤子の総主長が入った育児カプセルが〈渾沌の神々〉によって銀河中に散ってしまう。
不幸中の幸いながら総主長の研究記録や遺伝子バンクだけは無事に残っており、これを基にして作られたのが超人兵士である「スペースマリーン」である。
スペースマリーンはオリジナルである総主長に比べれば遺伝子情報を模倣しただけで能力は低いが、それでも常人の能力をはるかに凌ぐ超人兵士であることには変わりない。
総主長(プライマーク)
【概要】
皇帝が大征戦を行う際に自分の補佐を行うために作られたという人造の超人将帥。その数は全部で20人。
皇帝自らの遺伝子が組み込まれており、それぞれ違った性格と皇帝同様の超人的な身体能力と才能を持っている。
どの総主長にも必ず「皇帝の一側面を持っている」という特徴があり、皇帝の息子とも呼ばれている。
総主長たちは「大征戦」時代及び「ホルスの大逆」時代での主人公でもあり、彼らが中心となって物語が進む。
総主長はいわゆる「デザイナーズヒューマン」(人造人間)であり、地球の地下深くに隠された研究所で極秘に製造された。
しかし、〈渾沌の神々〉達は皇帝の計画を察知し、プライマーク達が入っていた保育カプセルを誘拐してしまう。各カプセルは皇帝の加護によって守られていたため〈渾沌の神々〉は手は出せずに、カプセル銀河中に散ってしまう。
散っていったカプセルは、それぞれ別々の惑星に降り立っていった。彼らの出自はそれぞれ違ったものとなっている。
幼きプライマーク達を惑星の住民が温かく迎えてくれる場合もあれば、過酷な環境で抑圧される場合など、それぞれ違う人生を歩んでいく。
そして彼らはそれぞれ波乱に満ちた人生を歩んでいき、皇帝に出会うまで自らの超人的な身体能力と才能を駆使して成長していった。
後に彼らは父たる皇帝と再会し、20個存在する原初のスペースマリーンのレギオン(兵団)を率いて熾烈で過酷な運命に身を投じることとなる。
画像出典:Wrhero--Anehma氏によるファンアート「Emperor and 18 primarchs!!!!! 40k」より
【総主長(プライマーク)と兵団(レギオン)の一覧】
総主長と兵団は全員で20あり、それぞれ違った特徴を持っている。各兵団は総主長によって率いられ、スペースマリーンの数も約1万人配備されている。
各兵団は総主長の得意な分野や能力、思想が反映されており、それらを体現したスペースマリーンの軍団となっている。
20人中の2人に関しては今でも情報が消されており、兵団に関する情報も全くない。
一体だれが意図的に情報を抹消したのかいまだに明らかにされていない。全ては皇帝を含むごく一部の者しか真実を知らない・・。
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ダークエンジェルの総主長。無口ながらも用意の周到さと胸に秘めた熱い意思でダークエンジェル兵団を率いる。
ジョンソンは計画的で、一度こうと決めたら、他人が何を言おうと自分をけして曲げない強い意志を持つ。
ジョンソンの入った保育カプセルは惑星「キャリバン」の暗い樹海の中に送られて落着し、そこで過酷な幼少期を過ごして野生児として青年まで樹海で生活をしていた。
〈死の惑星〉(デス・ワールド)として恐れられてきた惑星「キャリバン」の獰猛な魔物が跋扈する、危険な樹海でどう生き残ったのかその理由は知られていないし、本人も明かそうとはしなかった。
彼が青年となり、近くの要塞院で”樹海をうろつく危険な野人あり”との知らせを受けた自警組織である<騎士団>(オーダー)は早速”野人”であるジョンソンと遭遇した。
そこで〈騎士団〉の一人である騎士「ルシエル」に命を救われ人間として育っていった。
彼は〈騎士団〉に拾われた後は、現地の言葉で「森の息子たる獅子」という意味の名を持つ「ライオン・エル=ジョンソン」という名が与えられ、人間らしい生活習慣と言葉をすぐに身に着けた。
後に〈騎士団〉の一員となり、親友ルシエルと共に〈騎士団〉内の位階を駆けのぼった。無口なジョンソンに対し、感情豊かで誰からも好かれるルシエルはジョンソンの弱点補うようにして助けていった。
そして逆にルシエルの弱点を補うようにして助けていったジョンソンもまた彼を信頼しており、キャリバン全土で伝説となる武功を立てていった。
それと同時に〈騎士団〉に加わろうと熱望する若者や拠点となる〈要塞院〉は増加の一途をたどり、ここに来て、〈騎士団〉は巨大な組織と化していた。
そして遂に、ジョンソンとルシエルは大攻勢を仕掛ける。キャリバンに住み着いている〈渾沌の魔獣〉達を一掃する征伐戦争を起こし、遂にキャリバンは緑あふれる平和な惑星として繁栄の時代を勝ち取ったのである。
この時ジョンソンは「総大守首座」(シュープリム・グランドマスター)の座を手にし、惑星「キャリバン」の王として迎えられたのである。
しかし、この時友を祝福するルシエルは喜びの感情と共に「何故ジョンソンだけが」と嫉妬の感情も沸き上がっていたのだ。
〈大征戦〉が始まっているさなか、皇帝が惑星「キャリバン」を再発見する。皇帝はすぐにキャリバンに降り立って息子である「ジョンソン」と再会を果たす。
行方知れずになった息子を見出した父の喜び。それは到底表現できないものであっただろう。
皇帝から大征戦への参加を申し込まれ、その申し出をジョンソンは快く引き受けるどころかこれまでにないほど熱烈に受け入れたという。
成長したジョンソンの実力に無限の可能性を見出した皇帝はある「スペースマリーン」兵団の指揮権をゆだねる。
それは、最初に作られたスペースマリーン達の部隊でありその兵団はをと名付けられた。
ダークエンジェル兵団が設立されたと同時に、惑星キャリバンはダークエンジェル兵団の拠点惑星となり、軍事施設が次々と建設された。
ジョンソンは惜しくも惑星を離れなければならず、ルシエルは惑星内の新兵のリクルートと育成、「総大守首座」(シュープリム・グランドマスター)の代行を任せられたのである。
後にスペースマリーンの戦術を確立させるために実験的な兵器や戦術を試しながら大征戦を戦い抜いた。
大征戦における不名誉な逸話としては、<紅き要塞>攻略戦の後半においてジョンソンと「スペースウルフ」兵団の総主長たる「レマン・ラス」が殴り合いに及んだというものがある。
この事件以来両兵団の間には41千年紀の現在まで続く強き確執が生まれた。通常この確執は二人の代理戦士による儀式的決闘という形をとって表れるが、儀式的という名とは裏腹に非常に激烈なものであるということが知られている。
大征戦の中期までダークエンジェル兵団は非常に大規模な戦力を有していた。しかし、しかし第三次ラングダン異種族殲滅戦において第一兵団は帝国北部を護るために五万人もの同胞を失ってしまったのだ。
この途方もなく高い代償はついに完全に回復することはなく、ダークエンジェル兵団はついに「最強のスペースマリーン兵団」という称号を失うこととなった。
代わってこの称号を最終的に名乗るようになったのはかの「ウルトラマリーン」兵団である。
ジョンソンの名声が銀河中へと広がるに従い、大征戦における彼の功業や武勇の知らせが拠点惑星キャリバンにも届くようになった。
拠点惑星の留守を任されたルシエルはその示唆背が届くたびに彼の得るべき栄誉の取り分が簒奪されていると思うようになった。
惑星の平和を取り戻す時には彼と共に戦い、彼の弱点となる部分を補ってきたために自分はジョンソンと並び立つべき存在だと思っており、それに見合うだけの承認と名声をひそかに求めていたのだ。
ホルスの大逆が勃発したとき、ダークエンジェル兵団は地球から遠く離れて<盾なる惑星>の数々からなるゴルディオン連盟との戦役に従事しており、大逆戦争と直接関われる距離になかった。
それでもライオンは小規模な攻撃部隊を率いて工業惑星「ダイアマット」へ向かい、大逆者の軍勢が重要な補給基地を得ることを防いだ。
大逆の内戦後半にはグィリマンが急遽作り上げた予備政府である〈第二帝国〉の形成を手助けし、最終決戦である地球の戦いにも参戦した。
〈ホルスの大逆〉後は、ホルスの手から皇帝を守り切れなかったという事実に打ちのめされながらも、ダークエンジェル兵団は帝国の秩序回復を手助けしていた。
大逆の内戦後ジョンソンとダークエンジェル兵団は拠点惑星キャリバンに帰還しようとしたが、惑星防衛陣地からの対空砲撃を受ける。
拠点惑星への強襲を余儀なくされたダークエンジェル兵団は、かつての同胞が裏切り者となって〈禍つ神々〉に忠誠を誓って襲い掛かる姿を目の当たりにした。
ジョンソン率いるダークエンジェル兵団はルシエル率いる裏切り者である〈堕ちし天使〉らとの戦いを繰り広げる。
遂に〈堕ちし天使〉を追い詰め、皇帝とホルスの写し鏡のようにエル・ジョンソンとルシエルは壮絶的な一騎打ちを繰り広げる。
最終的にルシエルはかつての友に致命的な一撃を与えるも、かつての親友を討ったという事実に気づき、狂気へ陥り、捕らえられた。しかし、そこに何故かジョンソンの姿は見当たらなかったのだ。
キャリバンでの内戦後はジョンソンの行方が分からず遺体も見つかっていないが、それは表に公開された情報でしかない。
現在は〈岩牢〉にてステイシス・フィールドに安置されており、彼は復活の時まで眠っている。
皇帝と〈岩牢〉を守る戦団員「暗闇の監視者」、そして総大守首座たる「アズラエル」のみがその事実を知る。
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「大狼王」とも呼ばれるスペースウルフ兵団の総主長。戦と宴が大好きで、いつも哄笑を絶やさない性格だが、「粗にして野だが卑ではない」を体現した仁義を貫き通す熱い漢で仲間からの人望も篤い。
白兵戦に関しても、総主長の中でもトップクラスの実力を持ち、一太刀で巨大ロボ「ウォーロードタイタン」を破壊したことがある。
通称
赤子のころレマン=ラスの入った保育カプセルは〈死の惑星〉(デスワールド)に分類される惑星「フェンリス」に落着し、極寒の土地に生息するメスの「サンダーウルフ」に拾われ、青年になるまで野生児として育てられる。
彼が立派な狼青年として成長した同時期、惑星フェンリスの部族に母の「サンダーウルフ」を殺されてしまう。母を亡くし、部族に拾われたレマン=ラスは惑星の部族を治める大狼王「テンギール」の子となる。
その後は彼のもとで人間としてと育ち、臣下となったレマン=ラスは数々の戦で経験を積み、千以上の輝かしき勝利をおさめた。
そして、惑星の部族を治める「大狼王」としての地位を継ぎ、惑星を治めし王となったのだ。
そんな折、大征戦を進めていた皇帝と再会。初めて皇帝が息子の一人である彼を見たときには、そのたぐいまれなる武勇を見届けるために時さえも止まり、彼の豪壮な戦いぶりを見届けたという。
皇帝はレマン=ラスに大征戦に参加を申し出たが、一対一の力比べで皇帝が勝利すれば参加することを条件にして勝負を行う。
力比べで勝利したのは皇帝である。敗北したレマン=ラスは人生で初めての敗北を潔く認めるばかりか、その顔に笑みを浮かべて皇帝との間に深き友情と握手を交わしたのだ。
皇帝に忠誠を誓い総主長として仲間に加わった後は「スペースウルフ」兵団を任され、惑星フェンリスは同兵団の拠点惑星となった。
レマン=ラスは激しい戦いを繰り広げるだけでなく、滑稽な作戦を立てて数多くの勝利を重ねてきた。
彼らは圧倒的に不利な状況でもあきらめずに戦い抜いた。特に「ホイールオブファイア」と呼ばれる戦いでは何十億というオルク族に対して、「スペースウルフ」兵団と「帝国軍の新兵」達だけで立ち向かい勝利を勝ち取ったのだ。
大逆の内戦後は皇帝が植物人間と化した事をだれよりも悲しみ、だれよりも憤慨したという。
そして皇帝の敵を取るために、ケイオススペースマリーンの本拠地である〈恐怖の目〉へと精鋭部隊と共に突撃し、今現在でも彼の行方は不明になっている。
後に「アストラ・ミリタルム」で運用されている同名の戦車も彼の活躍の偉業を称えるために取られている。
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ブラッドエンジェル兵団を率いて戦った総主長の一人。近接戦闘の名手でもあり、予知能力を持っているサイカーでもある。
幼い時に<歪み>の影響によって背中に天使のような羽が生えており、自由に空を飛行することが可能。
彼は気高き理想を追い求め、仲間内では天使のような純潔さで優しく接してくれる良識派。他の総主長からは「皇帝の魂が血に流れる」と称されるぐらいのぐう聖キャラである。
サン様マジ天使。
また、サングィヌスは「何事もより善き方向へと変わり得るのだ」という信条を持ち、どんな無様で、未洗練な者からでも、勇気や、気高さや、高貴さは作られ得ると信じている。
普段は天使のような美丈夫のイケメンキャラだが、
キレさすなよ!?絶対にキレさすなよ!?
皇帝陛下の「オナーガード」(名誉の守り手)として戦い、助言役としても活躍したが、ホルスの大逆における最終決戦にて死亡する
渾沌の〈禍つ神々〉に銀河の果てに飛ばされたサングィヌスは渾沌の〈禍つ神々〉の歪みの力によって”背中に羽が生える”変異を受けてしまう。
そして、幼きサングィヌスが入った保育カプセルは、〈死の惑星〉(デスワールド)に分類される砂漠の惑星「バール・セカンダス」に落着した。
幼き総主長を発見し、保護したのは、〈純血の民〉または〈血族〉(ブラッド)と呼ばれる人間の部族であった。
最初部族の多くの者が、翼が生えたサングィヌスを見て「異形」(ミュータント)であると考え、直ちに抹殺すべきと主張した。
しかし、翼の部分を除けば、これまでに見たどんな幼子よりも美しく均整のとれた姿をしていたため、この幼子を受け入れてやるべきだと主張する者もいた。
そして最終的には、部族の者たちに残った”人間的な憐みの心”が天から降臨した幼子の命を救ったのである。
サングィヌスはまさに神童だった。親たちが教えたことは何でもすぐに覚えてしまうのだ。
三週間後には、ほぼ三歳児並みに成長したサングィヌスは、惑星に生息する巨大な「ファイアスコーピオン」を武器を持たずして退治したという。
また、どれほど巨大な猛獣が襲ってきても、サングィヌスが恐れをなすことは決してなかったという。
サングィヌスが成長するにつれ、背中の翼も大きく力強く育ち、彼は砂漠の大空へと舞い上がれるようになった。
このとき若干一歳であったサングィヌスは、活力あふれる姿を持ち、その行動もまた姿に見合うほど成熟したものであったという。
彼は放射能防護服無しで最も汚染の酷い「バール・セカンダス」の砂漠を渡ることができ、素手の一撃で巨岩を粉砕することもできた。
様々な武器の扱い方についても、教えたものを凌ぐほどの技術をたちまち身につけたという。
砂漠を徘徊する「異形」(ミュータント)の一団が〈血族〉(ブラッド)をを襲った時、
血を煮え立たせんばかりの激しい怒りにとらわれたサングィヌスは、遂に総主長としての力に目覚めたのだ。彼は頭上に光輪(ヘイロー)を輝かせながら、百を超える敵を屠った。
その姿は、見る者を畏怖させずにはおかなかったという・・。
この運命の日以来、サングィヌスは数年間かけて、自分が他の人間たちとは決定的に違うことを認識していった。やがて彼は〈血族〉(ブラッド)のリーダーとして戦いを指揮し、「異形」(ミュータント)の進行を退けた。
その後、彼の活躍によって現地の部族たちは、惑星「バール・セカンダス」の一時的開放を実現する。
人々は「サングィヌスならば、恐怖に満ちたこの世界を再び楽園に作り替えることができよう」と信じ、彼を神として崇めた。
間もなくして、再び運命的な出来事が起きる。失われし幼子らを探し求め、人類の皇帝が銀河を横断してきたのだ。皇帝の持つ比類なきサイキックパワーは、彼自身を惑星「バール」へと導いたのである。
皇帝の乗った宇宙船が〈血族〉(ブラッド)の集会場付近に着陸すると、皇帝は自らサングィヌスの住居に向かって真っすぐに歩を進めた。
初めて皇帝と向かい合った時、総主長の中には皇帝に対して戦いを挑む者もいたと伝えられているが、少なくともサングィヌスの場合はこの限りではなかった。サングィヌスは、一目見るなり、皇帝が何者かであるか直ちに理解したのだ。
サングィヌスは、偉大なる人類の支配者の前に深々と膝を折った。皇帝はサングィヌスを立たせ、その顔を見た。
皇帝は〈血族〉(ブラッド)の仲間たちを見渡し、一人ひとりその端正でかつ高貴な面持ちを見てすべてを理解した。
そして、サングィヌスは、第9兵団である「ブラッドエンジェル」兵団の指揮を任され、〈血族〉(ブラッド)の中で最も優秀な戦士たちは、スペースマリーンへと選抜されたのだ。
残された者たちも、バール・セカンダスにおける人類の守護者としての名誉ある勤めを与えられた。
ブラッドエンジェル兵団は、サングィヌスが見つかるまで飢餓に狂い血と殺戮を巻き散らす恐ろしく厄介な兵団として嫌われていた。しかし、サングィヌスが兵団のトップに立つや否や、戦役ごとに兄弟愛、美徳、無血で得る平和や慈悲を兵団に教え込み、兵団に染み付いた汚名を払っていった。
彼は総主長としての伝説的活躍をおさめ始めてから間もなく、皇帝の名誉の護り手(オナーガード)として任命されるようになる。
全総主長の中で最も気高きものにして、また最も有能な皇帝の助言者と呼ばれるようになった。
大征戦で栄えある大元帥(ウォーマスター)に任命された親友の「ホルス」でさえも、魂の純潔さではサングィヌスには及ばず、皇帝とサングィヌスの一体感についても他の総主長からも「とうてい近づけぬほど」だったという。
銀河の全域で〈大征戦〉が続き、兄弟の多くが戦闘の喜びに浸りゆく中でも、サングィヌスは固い決意を崩さなかった。
彼は必ずや人類に黄金期が訪れると信じており、その平和と繁栄を護るのだという崇高なる決意のもとに、粛々と戦い続けたのだ。
だが、悲運なことに、皇帝もといサングィヌスの理想は遂に実現しなかったのである・・。
親友であるホルスによる大逆事件に衝撃を受けたサングィヌス。そんな中、ブラッドエンジェル兵団は動じずに皇帝の傍らにあり続けていった。
サングィヌスは、本来ホルスの担う役目の穴を埋めるべく、皇帝側の軍勢を自ら指揮したが、その中で彼は、自らのブラッドエンジェル兵団を苛烈な最前線へと送り込んでいった。
大逆側であった白兵戦を得意とする「ワールドイーター」兵団との戦いは、〈ホルスの大逆〉の中で最も血みどろで激しい戦闘になった。
ホルスは全総主長の中でも、サングニウスを最も嫉妬によって憎んでおり、かつ恐れていたという。
大征戦時代は親友であるホルスを止めるため、大逆末期の「地球の戦い」ではホルスの旗艦に乗り込む。ホルスを説得しようとしたが捕まってしまい、過酷な拷問を受けて悲惨な最期を迎えてしまう。
そして、彼の死後1万年後もその呪いは今でもブラッドエンジェル戦団を苦しめている。
しかし、彼の遺した「ブラッドエンジェル」戦団は今でもサングィヌスの遺志を継ぎ、帝国にたゆまぬ奉仕を続けているのだ。
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「アイアンハンド」兵団を率いて戦った総主長。名前と苗字をはラテン語で「鉄の手」という意味を持つ。
いつもは機械のごとく冷静沈着だが、感情に支配されやすい性質があり、自責の念と自らの脆弱さを赦さない性格を持っている。
マヌスの手は特殊な金属で覆われており、高い耐久力と硬さを持つ。
複数のツールと武器をマウントできるバックパック「メドゥーサンバックパック」と、親友である総主長「フルグリム」によって作られたサンダーハンマー「鍛冶場砕き」(フォージブレーカー)を手にして戦う。
「エンペラーズチルドレン」兵団の「フルグリム」と交友関係を持っていたが、大逆後は渾沌に堕ちた「フルグリム」に斬首され無念の戦死を遂げる。
彼は〈恐怖の目〉の近くにある〈後進惑星〉(フェラルワールド)に分類される山岳惑星「メデューサ」に飛ばされて落着してしまう。
惑星メデューサはかつて人類が入植しようとして失敗した〈後進惑星〉の一つであり、オービタルリングをはじめとした数多くの施設が建造されていた。
惑星にはかつての入植者たちの子孫が住んでおり、遊牧民を形成している。空は分厚い雲が常にかかっており、暗めの空が広がっている。地質は非常に不安定で、地震や火山の噴火が山岳地帯や海を絶えず生み出し破壊している。
常に砂塵が渦巻く過酷な環境下の中、彼は青年期まで独りで過ごすこととなる。
彼が青年になるまではどのように過ごしてきて成長していったのかは全く謎に包まれており、何故あの過酷な環境下で力強く育っていったのかは今でも明らかになっていない。
彼が青年へと成長した後、惑星の住人たちである遊牧民を集めて自ら部族を作り上げていく。彼は自らの脆弱さを何よりも憎んでおり、自らと部族の弱さを徹底的に排除するための努力を続けていった。
また惑星に残っていた遺跡を調べてきたマヌスは機械工学に通じており、惑星に住む凶暴な現生物と戦える武器や機械を次々と作っていく。
惑星の部族自身もリーダーであるマヌスは現地の人々にとっては、武将であり、半神であり賢者として崇められるようになっていったのだ。
彼はある日、自らの強さを証明するために、銀の龍を討伐するために火山へと向かう。そして、銀の竜を首根っこから掴んで溶けた溶岩に突き落とした。
銀の竜をドロドロになってとどめを刺すまで押さえつけていたマヌスは、遂に銀の竜をしとめることに成功する。
その際に、溶けた銀の竜の金属がマヌスの両手にまとわりついてしまったために、取れなくなってしまう。
息子である総主長たちを探して大征戦を進めていった皇帝は、惑星メデューサを再発見して息子であるマヌスを見つけ出す。
現地部族をまとめ上げたリーダーとなっていたマヌスは、すぐさま皇帝の仲間に加わることとなり大征戦への参加を決意する。
第10兵団である「アイアンハンド」兵団を任されたマヌスはすぐさま惑星「メデューサ」を自らの拠点惑星として施設を整えた。自ら得意とする機械工学を駆使して兵団には性能の高いウォーギアが供給された。
更に「アイアンハンド」兵団の部下たちには〈戦闘者〉(アスタルテス)として人生を全うする厳しさと、それに順応するための能力をもたらすことによって、心身ともに脆弱さを排除することに成功したのだ。
地球(テラ)へとやって来たマヌスは鍛冶の腕を鍛えるために、ウラル山脈のふもとにあるナロードニヤ山にある、地球で最も大きな鍛冶場へと赴いた。
そこで、現地の鍛冶職人と日々腕を磨いていた中で、「エンペラーズチルドレン」兵団の総主長「フルグリム」と出会う。
彼は〈大征戦〉で振るうべく為のこの世で最も完璧な武器を作るためにやってきたのだ。
その言葉を見逃さなかったマヌスは大笑すると、「そんな華奢な腕では我が武具に匹敵するものなど作れるはずがない」と言い返し、どちらが優れた武器が作れるかフルグリムに挑戦状をたたきつけた。
何週間も休むことなく武器の作成に打ち込んだ二人は、互いに素晴らしき武器を作り上げた。
フルグリムは、一撃で山塊をも砕く美麗なハンマー〈鍛冶場砕き〉(フォージブレーカー)を、マヌスは永遠に燃えさかる黄金の剣〈焔の剣〉(ファイアブレード)を披露した。
どちらも優れた武器として両社とも互いの武器を誉めあい、マヌスとフルグリムの間に硬い友情が結ばれたのだ。
イシュトヴァーンIIIでの〈降下地点の虐殺〉の後、イシュトヴァーンVに立てこもった大逆兵団を討伐すべく、忠誠派兵団が惑星に降下した。
大逆兵団との死闘のさなか、マヌスはアイアンハンド兵団を直接統率して、絶望的な劣勢の中で獅子奮迅のはたらきを見せていた。燃え上がる焔羅を背景に巨大なハンマーを振るう彼の姿は壮観だったという。
そして、「エンペラーズ・チルドレン」兵団を率いる「フルグリム」の姿を見つけたマヌスは、自身の直属部隊とともに、あらんかぎりの憎しみをもってかつての友の陣へと殺到した。
マヌスの戦いぶりを微笑みながら見ていたフルグリムの表情が凍った。これほどの憎悪をたたきつけられるとは想像もしていなかったのだ。もはや友情は永遠に失われた。死のみが互いの敵意を拭うのだ。
遂に親友である「フェルス・マヌス」と「フルグリム」の激しき一騎打ちの死闘が始まった。ルグリムは〈焔の剣〉を、マヌスは〈鍛冶場砕き〉を。互いに友情をもって褒め称えた武器が、互いへの復讐のために振るわれるのだった。
激しい死闘のさなか、フルグリムは邪悪な魔剣をマヌスの胸部装甲を突き刺し、うめき声をあげて跪いてしまう。
そして、魔剣はフェルス・マヌスの首を無慈悲に切りおとしたのだ。アイアンハンドの総主長は、かつて最も親しかった兄弟の手によって、裏切りの中、無念の死を遂げたのだった。
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「ウルトラマリーン」兵団の生みの親であり、同兵団を率いて大征戦や大逆を戦い抜いた総主長の一人。いわゆる本作の主人公枠キャラの一人。
一人の戦士としてだけではなく、指揮官や政治家としてもすぐれた手腕を持つ。リーダとしての人格もすぐれている正にヒーロキャラ。
大逆による内戦後は軍法書「コデックス・アスタルデス」(戦いの聖典)を書き上げるなど、帝国に多大なる功績を残した英雄である。
渾沌の下僕と化した「フルグリム」に敗北し永遠の眠りへとついたが、第41千年紀の現在に奇跡の復活を果たす。
専用のパワーアーマー〈宿命の鎧〉(アーマー・オヴ・フェイト)を着装し、かつて父たる皇帝陛下が使用していた燃えさかる「エンペラーソード」を手に暗黒の遠未来を戦い抜く。
赤子の時に〈渾沌の神々〉によって自分が入ってる育成カプセルを地球から遠い惑星「マクラーグ」へと送られて落着してしまった彼は、筆頭執政官「コノール」に拾われて自らの息子として育てられる。
驚異的な軍事的適正を持つグィリマンは、若いころに惑星北方へのイリリア蛮族討伐軍の指揮権を与えられ、超人的な活躍で惑星北方を平定する。
討伐軍が首都に帰還するやいなや、反コノール派によるクーデターが勃発。そして、父コノールの命も奪われてしまう。
怒りに燃えたグィリマンはすぐさまクーデターを鎮圧。その後は父の意思と思いを受け継ぎ、グィリマンが惑星マクラーグの新たな執政官として市民に歓喜と共に受け入れられた。
その後は執政官として父親譲りの政治手腕で、惑星マクラーグを豊かでかつ平和な都市として発展させ、栄えさせた。
息子たちである総主長を探しながら大征戦を進めていた皇帝は、惑星マクラーグの発展に驚嘆し、グィリマンに面会を申し出る。
自らが総主長である真実を皇帝が息子であるグィリマンに話すと、帝国の大征戦に加わって欲しい申し出を行う。
グィリマンは喜んでその真実と申し出を受け取り、この日を境に
グィリマンは銀河南方の平定を担当し、多くの惑星や星系を併合してきた。平定してきた惑星は例外なしに有能な後見人を立てて、惑星の政治的な安定が保てるように努めた。
後のホルスの大逆の知らせが届いたのは時間がたった後であり、地球から離れていたグィリマンが気づいて参戦したころにはかなり押されていた。
グィリマンは本拠地の地球が陥落して持たない可能性が高いと考え、マクラーグに〈第二帝国〉を創設して帝国の再建を図った。
その後は「地球の戦い」で皇帝が倒れ、「ホルスの大逆」による内戦はウルトラマリーンがほとんど参戦しない形で終戦を迎える。
皇帝亡き後の帝国ではグィリマンを中心にスペースマリーン部隊の再編成「第二期創設」が行われ、1万人単位の兵団(レギオン)が、
1千人単位の戦団(チャプター)へと分割された。分割する理由は、スペースマリーンの強大な力を一人の者にコントロールさせにくくするための大逆からの反省から来ている。
分割した戦団は瞬く間に銀河に広がり、治安が不安定であった帝国の諸惑星の危機を救った。
その後は、かの有名な軍法書〈戦いの聖典〉こと「コデックス・アスタルテス」がグィリマンの手によって著され、一部の兵団を除いたほとんどの兵団で採用され、軍法書の通りに戦団が運営された。
数多くの戦いを勝ち抜き、優れた政治的手腕で帝国を支えてきたグィリマンだが、総魔長(ディーモンプライマーク)と化した「フルグリム」との戦闘にて倒れる。
毒の刃がグィリマンの首元を襲い、致命的な一撃を与えられた。彼はすぐさま「ステイシスフィールド」による保存が行われ、その遺体は故郷の惑星「マクラーグ」へと運ばれた。
そして一万年間彼は、同惑星の霊廟にて長きにわたる眠りについたのだ。
一度は長きにわたる眠りについたが、M41の現在にてアエルダリ族の神の一柱「インナード」神と帝国技術局長「ベリサリウス・カウル」の手によって復活を果たす。
奇跡の復活を果たしたグィリマンは〈不屈なる征戦〉(インドミトゥス・クルセイド)にて、新型マリーン「プライマリススペースマリーン」と共に引き裂かれし<帝国>の版図を解放すべく戦っている。
同時期に全スペースマリーンを統括する「ロードコマンダー」の役職に就いたが、1万年後の現在の帝国における大きな衰退や狂信的な体制を目の当たりにしたグィリマンは、帝国の体制改革に着手する。
改正したコデックスである「コデックス・インペリアリス」を著し、帝国の歴史書の改変を行うなど、帝国が1万年以上もわたって抱え続けてきた不合理な体制や闇を改革しようと動いている。
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「サウザントサン」兵団を率いて大征戦を戦った総主長の一人。強力なサイキック能力を持ち、知識の探求と自己研鑽に磨きをかけているサイカー(超能力者)である。
他の総主長に比べて体は大きく、歪みの影響による変異によって真紅の肌を持っている。また、片目が見えていない。
今現在は、ケイオススペースマリーンの総魔長となり、「スペースウルフ」戦団に復讐を果たすために戦う。
マグヌスは他の総主長と異なり、地球で人口羊水に浮かんでいたころ、すでに父たる皇帝とサイキックで意思疎通を行っていた。
しかし、マグヌスも他の総主長と同じく〈渾沌の神々〉によって遠くの星に飛ばされ、辺境の惑星「プロスペロ」に落着した。
惑星プロスペロは、サイカー達の隠れ住む星で、〈技術の暗黒時代〉以来、迫害を受けた者がこの星で細々と生きてきたのである。
その首都に落下したマグヌスの保育カプセルは、プロスペロの長である「導師アモン」に拾われて育てられる。
やがてマグヌスはわずか数年のうちにプロスペロに蓄えられていったサイキックや〈渾沌の領域〉についての蔵書を次々と学習していきマスターしていった。
そして、惑星上に住む巨大害獣「サイコニューアン」の撲滅を主導して名を挙げたのである。
名実ともにプロスペロの最高指導者となったマグヌスは、首都であるティサを壮麗な都へと改築していった。
更にプロスペロのありとあらゆる知識は〈大図書館〉へと蓄えられた。
マグヌスはプロスペロの発展を指導すると同時に、自らのサイキックの鍛錬も続けていった。時には危険な〈大いなる海〉と呼ばれる〈歪み〉の領域にも幾度となく精神体となって旅を行っていた。
しかし、養父である導師アモンは、マグヌスに〈大いなる海〉への旅に対して注意を促したが、それを聞き入れられることはなかった。
自ら自身も強大な力を持つサイカーだった皇帝は実際に再会を果たす前から謙遜しており、精神体として父と子は何度も会っていた。
そのため、実際に皇帝がプロスペロへと降り立ってマグヌスと再会した時には、まるで知り合いの間柄のように抱擁を交わして出会いを祝したという。
マグヌスは大征戦へと参戦するためにスペースマリーンの第15兵団を任された。
マグヌスの〈遺伝種子〉(ジーンシード)を受け継いで創造されたスペースマリーンは、サイカー達で構成されており、強力なサイキックを使用することができた。
しかし、マグヌスの遺伝種子を移植した臓器が拒絶反応を起こしたり、想像後も肉体が突然変異を起こすなど安定して戦えるものが少なかったのだ。
そして、なんとか千人ほどの戦力を確保したマグヌスは、自らの第15兵団の名前を「サウザントサン」(千の息子)と名付けた。サウザントサンは当初大征戦への参加の許可が下りず、兵団の解散と兵員の安楽死も取りざたされていた。
マグヌスは、皇帝に兵団の存続を懇願し、兵団員の突然変異をなくすために数十年の歳月を研究に費やした。
突然変異の治療は成功したが、研究中に突然変異を治すため、マグヌスは右目を失ってしまう代償を支払うことになってしまった。
サウザンドサン兵団は、帝国内の諸組織から、突然変異を起こした経歴やサイキック能力について厳しい疑いの目を向けられた。そのことがきっかけとなり、マグヌスと兵団員たちは強い連帯感を持つようになる。
そして、大征戦開始から約百年、サウザントサン兵団は参戦の許可が下りて、遠征へと旅立っていった。
大征戦でマグヌスはそのサイキック能力を活かして活躍したが、その指揮ぶりは荒々しく予測がつかないものであった。
〈歪み〉とそのパワーに長じていたマグヌスは、遠征先で遭遇した人類文明から、サイキックに関係する知識や物品を収集していった。
皇帝から〈歪み〉に熱中することを戒められてはいたが、マグヌスは銀河じゅうからサイキックと魔術の知識を集めることに奔走した。
その成果として、魔導書「マグヌスの書」が著され、サイキックパワーに関する研究成果がまとめられている。
大征戦が進むにつれて、サウザントサン兵団への疑念が強まった。マグヌスのサイキックパワーは次第に荒っぽくなっており、兵団員もそれに従って荒っぽくサイキックパワーを使うようになっていった。
更に、敵が使うサイキックパワーとサウザントサン兵団が使用するサイキックパワーが類似していた。
特に、「スペースウルフ」兵団の「レマン=ラス」と「デスガード」兵団の「モータリオン」は、〈歪み〉のパワーを振るうマグヌス達に公然と不信感を持つようになった。
レマン・ラスとマグヌスとの協同作戦にて総主長どうしの意見の違いが原因によってあわや同士討ちになりかけた事件を境に、「サウザンドサン」兵団の存続についての議論が再び沸騰した。
サイキックパワーの是非について〈ニカエア公会議〉が開かれた。会議の結果、帝国では今後、必要最低限のサイキックの使用は禁じられ、マグヌスとサウザンドサン兵団はサイキックの知識も使用も断念しなければならなくなった。
マグヌスはある日、未来に恐るべホルスの大逆の予知を見た。それは、スペースマリーン兵団の半数が皇帝に背き、銀河が焔羅に沈む恐怖の予言も伴っていた。
しかし、マグヌス自身の役目がそこでどのようなものかははっきりと見えてなかったのだ。
マグヌスはこの危機を伝えるために禁止されていた魔力を使って地球に知らせようとしたが、地球にはサイキックパワーの障壁がめぐらされていたのだ。
マグヌスは”謎の人物”の提案によって障壁を破壊するための策を提案され、それに従った。そしてマグヌスは、障壁を破壊してしまった。
帝殿に、ひいては地球に渾沌の魔物を導き入れないように皇帝が張り巡らせた障壁が破壊され、渾沌の領域と地球の中枢が直接つながってしまったのである。
皇帝が極秘に進めていたプロジェクトはこの愚行によって破綻してしまい、皇帝は激怒した。ホルスの反逆を報せようとしたマグヌスを、逆に反逆者と糾弾し、その逮捕をスペースウルフ総主長レマン・ラスと近衛兵団に命じたのである。
そして、この”謎の人物”の正体こそ〈渾沌の神々〉の一柱「ティーンチ」神の手先であったのだ。マグヌスは、”ティーンチ神の手駒”として帝国の敵になるように仕向けられていたのだ。
惑星プロスペロに、遂に獰猛なスペースウルフ兵団をはじめとする〈帝国〉軍が襲いかかってきた。
市内に急降下した討伐軍は、手当たり次第に住民を殺戮し、建物を破壊した。かつてその美しさで銀河に名を馳せた〈光の都〉は無惨な燃えさかる廃墟と化し、〈大図書館〉も戦火にさらされた。
マグヌスは驚愕した。自分が大切に育ててきたものを皇帝の命で破壊されていく。ここまでの報復を父たる皇帝から受けるとは!
マグヌスとサウザントサン兵団は、燃え盛る都に飛び移り、必死の抵抗を行った。しかし、レマン=ラスとの一騎打ちによってとどめが刺されようとしていた。
しかし、このときマグヌスの耳にティーンチ神がささやいた。「永遠の忠誠を誓うならば、おまえが大切に築いてきたものを守ってやろう」と。
絶望の果てに、自分自身、兵団、惑星、そして今まで蓄えてきた知識を守るため、ついにマグヌスは変化の神ティーンチにその魂を捧げたのである。
ティーンチは〈光の都〉ティサは渾沌の領域にテレポートした。都とともにサウザンドサン兵団もまた、〈恐怖の眼〉にある〈妖術師の惑星〉へと転移した。
そして、残されたスペースウルフと〈帝国〉軍は、惑星プロスペロを完全に破壊しつくしたのである。
〈ホルスの大逆〉が大逆軍の敗北に終わると、マグヌス達は再び〈妖術師の惑星〉に逃亡する。
しかしこの頃、「サウザンドサン」兵団をかつて蝕んでいた変異の症状が復活していた。渾沌の領域の中で次々と発狂し、恐ろしき怪物となり果てる者たちもいた。
そこで、兵団最強の魔術師である「アーリマン」は然変異を永久に治療する一大魔術儀式〈朱書き〉(ルブリック)を使ったが、サウザントサン兵団の殆どの兵団員は、一握の灰と化してしまった。
彼らの精神だけはアーマーに憑依したが、もはや自意識を失った自動人形のような存在になってしまい、永遠にそこから抜け出せなくなったのである。
愛する兵団の大半が物言わぬ人形と化したことを知ったマグヌスは激怒し「アーリマン」を処刑しようとしたが、ティーンチ神の介入により止められ、彼は兵団からの追放処分で済んでしまった。
その後、変幻自在なる総魔長マグヌスは、第41千年紀の今も〈妖術師の惑星〉にある、〈光の都〉ティサの似姿にそびえる大塔に座して、〈帝国〉の滅亡と偽りの皇帝の没落を画策している。
そして、宿敵である「スペースウルフ」戦団の本拠地、惑星「フェンリス」に攻撃を仕掛けたのだ。彼の復讐はまだ始まったばかりなのである。
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「サン・オブ・ホルス」兵団を率いて大逆戦争を皇帝に仕掛けた恐ろしき総主長である大逆者。本名は「ホルス・ルペルカル」。
かつては皇帝の寵愛を一身に受け、最も優れた「皇帝の息子」と評されてかつ皇帝の右腕として活躍していた。
赤子の時に〈渾沌の神々〉によって自分が入ってる育成カプセルを、太陽系の近くで火星メカニクスが資源を収奪し荒廃した採掘惑星「クトニア」に送られる。
若きホルスはこの荒れ果てた惑星の都市と原野を席巻する凶暴なギャングたちの間で、戦いと殺戮を学んでいく。
皇帝と再会したのちに「ルナ・ウルフ」兵団の総主長として天賦の名将としての才能を発揮させる。
互いに性質の異なる軍勢をひとつにまとめ、共通の目標に向かって邁進させることにかけて、彼の右に出る者はいないとされた。
人間心理に通じ、相手の強みと弱みを正確に分析することのできるホルスは、交渉と采配に長けた名将として活躍する。
時にはそのカリスマと交渉術によって、戦うことなく相手の惑星を屈服させることすらあったのである。
また、複数のスペースマリーン兵団を適材適所に用い、そこに常人たちの軍勢〈帝国軍〉(インペリアルアーミー)をたくみに組み合わせることもできた。
大戦後期、オルク帝国「ウラノール」に勝利した後皇帝は、地球奥深くの研究所で秘密プロジェクトに着手するべく、〈大征戦〉の遂行と全軍の指揮権を信頼篤いホルスに譲り渡し、〈大元帥〉(ウォーマスター)としての地位を得る。
大征戦末期、ホルスは皇帝の圧政や傲慢に気づき、「皇帝は本当に人類のために戦っているのか」と強い疑念を持つようになる。
皇帝による大征戦のやり方に不満を持ち始め、皇帝との溝が深まり、ホルスは葛藤や苦悩を抱えるようになった。
渾沌に寝返った「ワードベアラー」兵団にそそのかされたホルスは遂に「ホルスの大逆」を起こして皇帝に反旗を翻す。
ホルス側についた8つの大逆兵団の指揮を執り、皇帝派を地球まで追い込んでいく。
「地球の戦い」皇帝側が奮戦している中、少数の兵を引き連れてホルスの旗艦に潜入した皇帝は、遂にホルスとの一騎打ちを行う。
壮絶なる決闘は遂に決着がつく。父たる皇帝に癒すことのできない深い傷を与えたが、ホルスもその魂よも砕かれる一撃を追ってしまい戦死してしまう。
かくして、悲しき父と子の悲劇の大逆内戦は終結し、終戦1万年後の現在でもその忌々しき名と影響は帝国を蝕んでいる。
スペースマリーンの製造過程
“伝説をなす英雄の血肉。そは、戦乱の世がために鍛えなおされしものなり。”
スペースマリーンは誰でもすぐになれる訳ではない。様々な試練を乗り越え、肉体を強化し、数十年にわたる過酷な訓練を乗り越えてきたものだけが「スペースマリーン」としての資格を持つことができるのだ。
採用や製造過程は戦団によって異なるが、今回はもっともポピュラーな
「ウルトラマリーン」戦団を例にとって解説を行う。
画像出典:MikhailSavier氏によるファンアート「PowerArmour」より
リクルート(募集)と〈入団の儀式〉
【概要】
スペースマリーン戦団を存続させるには、新規入団者を募らなくてはならない。新規入団者の募集は伝統的に、戦団の〈拠点惑星〉(ホームワールド)または、近隣の惑星にて行われる。
スペースマリーンの候補者は「熱望者」(アスピラント)と呼ばれており、帝国の諸惑星から、体力的にも精神的にも選び抜かれたエリートの若者たちが対象となっている。
集められたスペースマリーンの熱望者は若くなくてはならず、12歳ぐらいの少年たちが主に候補にふさわしいとされている。
理由としては心身が成長しすぎた人間は、遺伝種子(ジーンシード)を移植した際に、例外なく体に拒否反応が起こるためである。
更に、スペースマリーンの候補者の住まう環境が日々の暮らしが困難だったり、危険に満ちている程、候補者がスペースマリーンになる資質が高くなる。
危険な環境で生まれ、育った者とそうでない者に比べてはるかに戦士としての資質があるからだ。
また、女性はマリーンにはなれない。何故なら遺伝種子による肉体強化は男性の方が向いているためだからだ。
【最初の入団試験】
最初の入団試験は各戦団の拠点惑星(ホームワールド)で行われる。その試験の方法は戦団によって異なる。
例を挙げれば、気高き「ブラッドエンジェル」戦団は30年に一度開かれる協議会で選抜が行われる。また、雄々しき「スペースウルフ」戦団は”勇者の選び手”と呼ばれる牙狼法師(ウルフプリースト)によって拉致という名の選抜が行われる。
暗く秘密を抱えし「ダークエンジェル」戦団は、特有の“試練の儀式”によってふさわしき若者を選び抜くなど戦団や拠点惑星の文化によってその選抜方法は大きく異なる。
【入団の秘儀】
最初の入団試験に合格した熱望者は、
〈入団の儀式〉と呼ばれる「ジーンシード」(遺伝種子)によって肉体強化、人造器官を移植する手術が行われる。
手術は各段階が存在し、その合間に精神調律(サイコ・コンディショニング)を施し、長期瞑想訓練や精神高揚試験などを行う。
古の時代、皇帝に従えた技術者たちが造り出した人造の超人器官は、どれも極めて複雑な器官であり、各器官が適切にその機能を発揮するには、器官同士の連携が必要不可欠になっている。
器官の除去や消失、変異はいずれも他の器官に悪影響を及ぼすこととなる。こうした理由により、移植器官は常にチェックを受け、スペースマリーンは適切な外科的処置と化学療法によって新陳代謝のバランスを保たなければならない。
しかしこの試験に失敗してえば候補者は、
〈奉仕者〉(詳しくはリンク先のさ行「サーヴァイター」を参照)と呼ばれるサイボーグの奴隷にされてしまう。
つまり、
スペースマリーンの候補者はマリーンになるか奴隷になるかの二択しかないのである。
入団の秘儀を通過すれば、晴れて候補者はスペースマリーンとなる。ただし、まだ半人前だが。
【スペースマリーンの移植器官】
スペースマリーンに移植されている主な超人器官は19種類存在する。
右部の胸部に位置する第二の心臓。もっとも単純な自給自足型移植器官で、本来の心臓が機能停止か低下した際に血圧維持などの自然救命措置を行う。
この器官のおかげで、スペースマリーンは低酸素下での活動や、肉体に深刻なダメージを負った際も活動可能なのだ。
複雑な内部構造を持つチューブ状の小型の器官。骨格の形成に影響を与える。特殊な操作を施されたホルモンがセラミックの科学的伝導体の吸収を促進する。
2年が経過すると、骨格の強度はいちじるしく高まり、胸腔内組織の骨化を生じて肋骨の隙間を塞ぎ内臓を保護する。同時にスペースマリーンの骨格全体を大型化する。
特殊な筋肉性性ホルモンを分泌するための器官。胸腔内に移植され、小型の球体のような形をしている。
スペースマリーンの超人的筋肉量を維持し、筋肉の成長を促進させる。
ヘモスタミンと呼ばれる物質が血中で溶け出すことによって、血液生成システムを常人をはるかに超えたエネルギー効率を実現させる。
その他、第2,3段階の移植器官の状態をモニターすることができる。
肝臓によく似た、黒っぽい色の移植器官でラーラマン細胞を製造、貯蓄する働きを持つ。2cmほどの大きさで、胸腔内の複雑な血液製造器官に沿って移植される。
スペースマリーンが傷を受けると、ラーラマン細胞が血流に乗って体内を駆け巡り、損傷を受けた組織(筋肉や骨も)の再生を行う。
傷口に露出したラーラマン細胞は空気に触れると皮膚の代替組織を形成して傷を塞ぎ、出血と傷口の広がりを防ぐ。
後頭部の骨に穴をあけられ、脳に移植される豆粒サイズの器官。スペースマリーンは常人と同じく睡眠をとるが、それが不可能な場合において、この細胞群が真価を発揮する。
覚醒状態での活動と同時に、脳の一部を眠らせて活動に必要な脳の領域を目覚めさせたまま行動することができる。
睡眠の代替とはならないが、警戒状態を保ったままの脳の休息が可能となり、マリーンの生存率を大幅に上げることができる。
胸腔内に移植される大型の器官。この胃はスペースマリーンが毒物含むどんなものでも消化して食料にしてしまう。
口にしたものが本来の胃に到達する前にこの器官が消化の前段階で食物を中和する。プレムノール胃の中の感覚器官が毒を察知することで毒物かどうかを判断する。
場合によっては食物の有害な部分だけプレムノール胃に分けておいて、栄養分だけ吸収することも可能となっている。
複合構造を持つ移植器官。食物(生物)の記憶や経験を学ぶことができる。食べた生物に関する記憶や感覚、一定能力に関するまでを再構成することが可能。
脳の一部として働き、脊髄と頸部、胸椎の間に位置し、「ニューロクリー」と呼ばれる四つの神経の鞘が脊髄とプレムノール胃の間に移植される。
また、この能力は人類が居住する世界とは全く異質な環境で役に立つ。
大型の「第三の肺」として機能する移植器官。低酸素下での呼吸や毒成分の中和を行う。
チューブ状の灰色の臓器で、スペースマリーンの呼吸器系に移植され、その血管を経由して全身に血液が供給される。機関に付随する筋肉によって空気が取り込まれると、連動した括約筋が気官を閉じ、通常の呼吸を制限して肺を守る。
視覚能力を強化する器官。夜でも昼のように明るさで見ることが出来る。この小さな器官は脳の下部に移植され、アスピラントの成長に合わせて網膜を適切な細胞に移植することによって超人的な視覚を実現する。
スペースマリーンの聴覚を高める耳管。聴覚能力が高くなるだけでなく、特定の音域やノイズを遮断したり、自分の確認したい領域の音だけを拾うこともできる。
更に、三半規管も常人とは異なる構造を持ち、強化されている。その為、スペースマリーンは”船酔い”や”めまい”を起こすことはない。
仮死状態を意図的に引き起こすことができる器官。この円形状の器官は脳の表面に移植され、サスアン膜は脳全体を覆う。
移植後は化学療法と訓練を積まない限りこの器官が本来の機能を発揮することができない。
仮死状態は意識的に持っていけるだけでなく、肉体に深刻なダメージが入った場合、自動的にサスアン膜が引き起こしてくれることも可能。
仮死状態に入ったスペースマリーンを呼び起こすためには化学療法か、本人のかけた自己暗示によって目覚めるのを待つしかない。
この仮死状態から無事によみがえった例もあり、567年間仮死状態だったスペースマリーンが復活したこともある。
半球状の黒い器官。強い紫外線や放射能が出た際に、皮膚を黒くして体組織を守る。
メラノクロームは放射線量と皮膚に受ける刺激をモニタリングしている。
また、この組織の遺伝種子は戦団ごとに多様性が生じており、皮膚の色や髪の色などにそれが表れている。
ハート型をした赤褐色の器官。スペースマリーンの循環器系を活性化させ、活動のバランスを調整し、他の移植器官系を効果的に機能させる。また、血液を効率的かつ速やかにろ過する。
スペースマリーンが意識を失った際に、補助心臓と魚卵賢臓は連動して血流速度を上げ、緊急解毒プログラムを発動する。
この器官のおかげで、毒やガスの影響が強い場所でも生き延びることができる。
味覚から口にしたものが潜在的な食物かどうかを判別する器官。口にしたものが天然由来か化学成分か、果ては何らかの生物のにおいであるかを探り当てることもできる。
スペースマリーンは時にその標的を味、または臭いだけで捕捉することができる。
腸の下部に移植される小型の器官。そこから分泌されるホルモンは、結腸に吸収され、活性化される。
活性化後にこの器官が機能を発動させると、スペースマリーンの汗は油脂じみたものへと変化させ。皮膚の表面を浄化物質で覆うことができる。
この保護膜によってスペースマリーンは急激な気温の変化から肉体を守り、真空状態さえも短時間であれば耐えることができる。
口の中に致死性の毒を生成、充填ができる器官。一対の同一の器官であるベッチェル線は、下唇の唾液腺の脇、あるいは硬口蓋(上顎の内側)の内部に移植される。
スペースマリーンはこの器官を使って、敵に目つぶしとして毒を吐きかけることができるのだ。
この毒は自分自身に受けたとしても何ら影響はない。
遺伝種子(ジーンシード)を蓄える重要な人造器官。必ず首と胸にこの器官を持ち、体内の遺伝子情報を有した胚細胞を作り出す。
移植してから5年ほどで成熟する。成熟したプロゲノイド線の一つをスペースマリーンの体内から摘出し、それを基に胚細胞を使って移植用器官を作り出す。
すなわち、これなくして
ひとたび摘出されたプロゲノイド線は厳重に取り扱われ、一つ一つが変異の兆候がないか精密に検査され、問題のないものだけが保存される。
遺伝種子は、その使用に相応しい機会が訪れるまで、半永久的に保存される場合もある。
「今を生きるスペースマリーン達」が「新たなスペースマリーン達」を作りうるのだ。
スペースマリーンが着装する「パワーアーマー」(強化装甲服)と着装者の脊髄を繋ぐための生体端子。
これは最後の、そして最も決定的な移植器官である。胸部骨格の表面にあり、分厚い神経幕が形成されている。この器官を通してスペースマリーンの全身につながる神経を「パワーアーマー」に伝えることができるのだ。
この人工的な結接点はパワーアーマーの内装機構と完全に繋がり、体内状態のモニター、医術的、調整的なユニットとして機能し始めるのだ。黒の甲殻無しではパワーアーマーはその機能の殆どを発揮できない。
【プライマリス器官】
新型のスペースマリーンである「プライマリススペースマリーン」になるためには、先ほどの19種類の移植器官に加えて、新型の「プライマリス器官」を3つ移植しなければならない。
これらの器官は帝国技術局の主席大賢人「ベリサリウス・カウル」によって作り上げられた。
プライマリス器官は初めて移植手術を行う際には問題なく移植できるが、既存のスペースマリーンがこれらの器官を移植するには大きなリスクが伴う。
手術はスペースマリーンの体に激痛が走り、最悪の場合は死に至る。これら通常のマリーンがプライマリス化を果たした際のスペースマリーンは「ルビコンプライマリス」と呼ばれている。
スペースマリーンの育成
新人の社員が入社した際に研修があるように、スペースマリーンにもそれにふさわしき訓練や育成がある。
新人のスペースマリーンは各戦団の本拠地である要塞院で数十年にも及ぶ長きにわたる過酷な訓練を積むこととなる。
長きにわたる訓練に耐えた者だけが、「死の天使」であるスペースマリーンとして戦う資格を得ることができるのだ。
戦術
【概要】
スペースマリーンはまんべんなく戦闘能力が高いが、育成に数十年も時間がかかるためその分人数が入らない。
射撃戦から白兵戦までこなし、各種ビークル(乗り物)やウォーギア(武器)を幅広く使いこなす。
基本、各戦団は部隊を運用するための軍法書、「コデックス」(戦いの聖典)に基づいて行動している。
しかし、戦団によってはコデックスに従わない場合もある。
主な有名な例として「ダークエンジェル」戦団の一部や、「スペースウルフ」戦団、「ブラッドエンジェル」戦団、「ホワイトスカー」戦団があげられる。
戦団によっては独自の文化や役割を持っている場合があり、独自性を保つためにコデックスを採用しないという例も少なくない。
戦団(チャプター)の組織編制
画像出典:ウォーハンマー40K「コデックス:スペースマリーン第8版」(codex:Space Marines)P9 イラストより
スペースマリーンはチャプター(戦団)と呼ばれる1000人前後の部隊に分割されており、それぞれの戦団は独自の文化を持つ。
戦団は10個の中隊(カンパニー)と戦団司令部(チャプターコマンド)からなりたっている。
基本的にスペースマリーンは各戦団1000人前後所属しており、これらの編成ルールは「コデックス」(戦いの聖典)に基づいたものとなっている。
中隊(カンパニー)
【概要】
スペースマリーンは100人前後のカンパニー(中隊)で編成され、各中隊は中隊長(キャプテン)によって統率。戦団内には10の中隊が編成されている。
中隊はそれぞれ違った特徴や担当を持っており、異なる装飾が施されている。時と場合によっては待機中の中隊も存在する。
10個の中隊の中でも特に第一中隊(ファースト・カンパニー)は戦団で最も長い経験を積んだベテランのマリーンで構成されている。
ありとあらゆる戦場で、ありとあらゆる任務を遂行できる、真なる戦士たちだ。
それゆえ彼らは、後守古参分隊として、あるいは尖撃古参分隊として機能しうるだけの装備と能力を持つ。
第一中隊には至宝である小型恐無装甲服(タクティカル・ドレッドノート・アーマー)をまとった滅殺者分隊(ターミネイター・スカッド)として出撃する名誉すら与えられている。
第一中隊が中隊規模で一つの戦場に投入されることは珍しく、通常は他中隊を支援するため、分隊単位で投入されることが多い。
分隊(スカッド)
更に各中隊は10人の部隊「スカッド」(分隊)によって構成され、その数は10前後。各分隊は「サージェント」(軍曹)によって率いられる。
分隊の定員は10名だが、負傷や戦死による欠員が発生し、定員割れが起きる場合が多い。
指揮官として高い位階にあるスペースマリーンらの分隊は特に、「コマンド・スカッド」と呼ばれている。
スペースマリーン戦団の一般兵であり、中核を成す万能兵でもある。拠点確保や銃撃戦、白兵戦など幅広い分野にそつとなく対応できる。
戦術分隊を志すスペースマリーンは、あらゆる戦争の側面を理解し、あらゆる戦闘経験を積んだ戦士であることを実践の中で証明できなくてはいけない。
このため、通常のスペースマリーンはまず斥候(スカウト)の一員になり、後に強襲分隊(アサルト・スカッド)や撃滅分隊(ディヴァステイター・スカッド)の一員として、いくつもの戦役を戦い抜く。
その後は、ようやく戦団の戦術分隊(タクティカル・スカッド)へと正式配属される。
戦術分隊への正式配属。この栄誉を勝ち取るには、おびただしい血の代価が必要だ。また、戦術分隊に配属されるまでの期間は数年から数十年までと幅広く、完全に同胞の資質次第である。
そしてこれらの戦術分隊を率いるのは、軍曹(サージェント)だ。彼らもまた数十年、数百年にわたる過酷な戦いに身を投じたマリーンであり、戦術分隊を率いる采配能力が優れていなければ軍曹は務まらないのだ。
戦術分隊に支給される武器は幅広い。全マリーン標準装備のボルトピストル、各種グレネードの他に、汎用性の高いボルトガン、ミサイルランチャー、レーザー兵器「ラスキャノン」、熱線銃「メルタガン」等数多くの武器を有効に活用することが可能。
更にそれに加えて、各種兵員輸送車両も扱うことができる。装甲兵員輸送車両「ライノ」や「レイザーバック」を主に操縦する。
アサルト・スカッド(強襲分隊)は、白兵戦に特化した分隊だ。敵に勇猛果敢に立ち向かう彼らは空中跳躍ができる「ジャンプパック」と強襲用の「ボルトピストル」と「チェーンソード」を装備して戦う。
〈戦いの聖典〉には「強襲分隊を攻撃の第一波として投入し、敵陣形の脆弱なる急所を、迅速かつ痛烈に攻めるべし」と記されている。
これを実践すべく、彼らはチェーンソードとボルトピストルを振るって、立ちふさがる敵歩兵部隊を引き裂き、クラック・グレネードとメルタ・ボムで敵戦車を爆砕する。
更に強襲分隊はジャンプパックを装備しているので、あらゆる地形を飛び越え、空挺効果や立体機動戦を可能とする。
場合によっては彼らを「釣り餌」として陽動をかけたり、敵の気をそらして他の味方を退却させる等の戦術を用いることもある。
これらの戦果は絶大的で、敵に致命的なダメージを与えることが可能となっている。
しかし、白兵戦を得意とするが故に、彼らの任務はマリーンの中でも高い危険が伴う。
彼らはしばしば、戦団の主戦力からはるか前方に突出して作戦行動にあたるため、敵から側面攻撃を受けたり、退路を断たれたり、あるいは単純に戦力差で撃破されたりする等危険が常に付きまとう。
加えてたとえ死体の山に膝まで埋もれ、目の前の敵と死闘を繰り広げている最中でも、強襲分隊の軍曹は常に全体の戦局に注意を払うだけでなく、血に飢えた敵の大群の中で戦闘同胞が身動きできなくなるかもしれない危険や、その他の潜在的脅威を見極めなければならないのだ。
だが、仮にそのような事態に直面したとしても、強襲分隊の同胞たちは自らの力と鋼鉄の如き意志力のみで立ちふさがる敵を倒し、勝利を手にするだろう。
ディヴァステイター・スカッド(撃滅分隊)は、スペースマリーンの中でも高い火力を有する分隊であり、超長距離からの射撃によって敵を爆砕する。
「タクティカル・スカッド(戦術分隊)」や「アサルト・スカッド(強襲分隊)」の後方火力支援が基本の任務だが、敵の砲撃部隊や重武装歩兵部隊、装甲車両部隊などを猛烈な火力集中によって撃滅することも不可能ではない。
彼らの使うウォーギア(武器)は、汎用性の高い「ヘヴィーボルター」や「ミサイルランチャー」、特殊火器である「マルチメルタ」、「プラズマキャノン」まで彼らに配備された射撃兵器の幅は実に広い。
他のスペースマリーン分隊に比べて戦場を頻繁に移動することは少なく、一か所にとどまる形で任務を遂行するケースが多い。
彼らが移動する状況は、攻勢のための前進や、退却時、視界の良い射撃ポジション移動を行う場合に限られる。
撃滅分隊は元斥候部隊(スカウト・スカッド)での修練を終えたばかりの同胞によって構成されている。
晴れて半人前のスペースマリーンになりたての者は、初めてパワーアーマー(機動装甲服)に身を包んでに初陣に臨む。
配備されて初期のころはボルトガンとグレネードが支給され、近距離での火力支援や敵が来た時の連絡を訓練しつつ実戦で学んでゆく。
ここで同胞(ブラザー)は実践の中で戦闘経験を積み、戦士としての実力を証明しなくてはいけないのだ。
暗澹たる戦闘の中でも一心不乱に正確な射撃を繰り出せるようになると、ようやく戦団や他の同胞からの信頼を獲得し、重火器の支給を受けることが許されるのだ。
ここで同胞や戦団の信頼を得つつ実力をつけたものがやっと
重装甲のパワーアーマー「ターミネイター・アーマー」(滅殺者装甲服)を着装したスペースマリーンのベテラン部隊。
戦団でも名誉あるベテランに与えられる滅殺十字章(クルス・タルミナトゥス)を授与されし、第一中隊のマリーンによってメンバーが構成されている。
ターミネイターアーマーの希少価値は高く、対物兵器のミサイルの直撃にも耐え、高火力の重いウォーギア(武器)よも扱うことができる高性能を誇る。
彼らの赴く任務は、スペースマリーンにとっては過酷かつ達成困難な作戦に投入される。
課せられる聖務の代表例として、スペースハルク(古艦廃墟)内でのティラニッドの殲滅や、巨人機(タイタン)に対する強襲作戦、火山帯などの極限環境下での戦闘などターミネイター・アーマーとベテランのマリーンでしか達成できないものばかりだ。
隠密活動や、偵察を行うスペースマリーン「斥候」(スカウト)の分隊。新人のマリーンは第十中隊へと配備され、スカウドとして初陣に出る。
彼らの訓練状況を厳しく監査するのはリーダーでもある「軍曹」(サージェント)の仕事だ。
戦術や技術面だけではなく、〈戦闘者〉(アデプトゥス・アスタルテス)すなわち、スペースマリーンとして戦うことはいかなる意味を持つべきかの精神面を教えることもある。
戦場における軍曹は斥候にとっての良きお手本となり、行動する。そして、斥候として活躍した新人のマリーンは後に「スカウト・バイク・スカッド」へと転向し最期の実践訓練へと臨む。
しかし、中には新人のマリーンを育てることに価値を見出す者や、斥候任務が得意な者たちがそのまま斥候部隊にとどまったり、他の分隊から戻って配属ということも決して珍しくはない。
装甲二輪車、すなわちバイクを駆使する斥候部隊が「スカウト・バイク・スカッド」だ。
その機動力を活かし、教皇偵察部隊やかく乱部隊として戦場に投入される。基本彼らは通常の斥候とは行動を共にせず、単独の部隊で任務を遂行、またはスペースマリーンの「タスクフォース」(選抜部隊)の支援役に参加する。
本分隊には高度な自由裁量権が与えられており、各部隊の軍曹以外に対しては、一切の釈明義務を持たない。
自由にできる分、軍曹の采配能力も試されるのだ。
配属されてからはまずは「一撃離脱戦法」を身に着け、それを戦場で繰り返し実践し続ける。
やがて聖務を達成し続ける中で、彼らの戦闘技術のレパートリーは次第に広がってゆき、次第には特別支給の装備によって強化されるだろう。
熟練した斥候たちは、敵がスペースマリーン主力部隊に対して攻撃をしている隙を突き、バイクによる高速移動で敵戦線の後方へと回り込む。
そして衛星軌道砲撃や予備選力投入のための必要な座標情報を正確に分析し、戦団の司令部へとこれらの情報を送信するのである。
実技試験が終了すれば、晴れて半人前のマリーンとなり、他分野の撃滅分隊(ディヴァステイター・スカッド)へと転向する。
バイクを駆り、奇襲、強襲をかける分隊が「バイク・スカッド」だ。その機動力を活かして、強襲作戦をを敢行する。
浸透中の斥候部隊や教皇偵察飛行中の小型半重力車両「ランドスピーダー」と連携をとって、情報収集行動に当たる。
巨躯を誇る「装甲二輪車分隊」用の「スペースマリーン・バイク」はパワーアーマーを着装したマリーンでも扱えるように出来ている。
高速で走る車体を駆りつつもコーナリングは抜群。いきなり慣性ドリフトまで行ってしまうことも可能だ。
「装甲二輪車分隊」で有名なのはやはり「ホワイト・スカー」戦団であり、彼らに匹敵する熱烈なライダー戦団はいないだろう。
兵科
【概要】
スペースマリーン戦団には兵科が存在し、それぞれ違った特徴や役割を持つ。
新人のスペースマリーンは最初は斥候(スカウト)として参加し、そこから専門の兵科、撃滅分隊(ディヴァステイター・スカッド)、軍曹(サージェント)、中隊長(キャプテン)、
そして、選ばれたごくわずかな者が栄誉ある戦団長(チャプターマスター)の任を授かることができるのだ。
各戦団によっては名前こそ違うが、必ず同じ役割の兵科が存在する。
スペースマリーンの戦団を統括するリーダー。数多くのスペースマリーンの中隊(カンパニー)指示を出し、そして自ら戦場に赴いて自ら戦い、指揮を執ることもある。
彼らにとっては戦団長になることは神にもなるに等しきことで、まさに自戦団のスペースマリーンを代表する実力を持っている。
戦団長になるのは簡単ではない。そこには苦難が伴い、数百年以上にもおよぶ年月を戦場で過ごし、斥候(スカウト)として、同胞(ブラザー)として、そして中隊長(キャプテン)として激戦を生きのびてきた。
彼こそ、戦争の全側面を知る者と言える存在である。
戦団長はひとかどの武人を超えた、まさに戦場の英雄であるが、それだけではない。彼らの持つ政治権力や影響力もまた、〈帝国〉きわめて高い位置にある。
戦団長が望むならば、自らの正義にもとづいて行動を起こすことができ、その釈明義務は、他の戦団長たちに対してしか持たない。
戦団長の号令の下に動く一千の同胞ならず、多くの戦団は銀河を駆け抜ける打撃巡洋艦や、それらを導く〈宙航士〉(ナビゲイター)、星間通信を可能にする〈精神感応官〉(アストロパス)、〈武具職工〉(アーマラー)、〈惑星防衛軍〉(プラネタリー・ディフェンス)などを有している。
しかも、ほとんどの戦団長は、皇帝陛下の御名において、己の領地を与えられてすらいるのだ。そして場合によってはその土地の政治主導権を握ることも不可能ではない。
スペースマリーン戦団の信託統治下におかれた領域は、戦乱にまみれたこの銀河において、比較的安定した繁栄を続けている。
彼らこそ、スペースマリーン戦団の代表であり、また戦団の何たるかを表す代表として戦い続けていくのだ。
「名誉の守り手」とも呼ばれる戦団長の近衛兵。オナーガードとなれるのは、数世紀以上にわたって並外れた勇気と忠義を証明し続けた同胞のみである。
オナーガードは寡黙で厳粛な人物ぞろいだが、戦場に立てば激しき憤怒の戦士と化す。オナーガードは「アストラ・ミリタルム」(帝国防衛軍)の一個連隊をもしのぐほどの敵を屠ってきた実力を持つ。
その一生のほとんどを血に塗れた過酷な戦線で過ごすため、オナーガードたちが戦場で見せる洞察力や判断力はずば抜けており、また戦闘経験の面においても、戦団の中隊長のそれに比肩けんするほどだ。
しかし、いかに戦局を見極める能力が高いとはいえ、オナーガードが司令官の要求なしに意見することはめったにない。そのようなはずみな行動は、司令官の尊厳と権威を傷つける危険性があるからだ。
ただし、その重い口を開くべきかどうかは、あくまでも慎み深くあるべきオナーガードに一任されている。
しかしそれゆえに、彼らの助言は重い。数百年以上の時を最前線で過ごし、比類なき戦士としての栄誉を勝ち取ってきたスペースマリーン戦団長にとってさえ、オナーガードたちの助言を軽んじることは愚行であるとされている。
オナーガードの装備するウォーギアや防具はその戦団に継承される旧時代の至宝の中でも、とりわけ貴重でかつ性能の高いものばかりである。
絢爛な装飾が施された特別装甲服(アーティファイサー・アーマー)に身を包み、千の偉大なる英雄たちによって受け継がれてきた強大な武器を携えて戦場へと赴く。
中隊(カンパニー)を率いる隊長。厳しき戦いを勝ち抜いた中隊長は皆、歴戦の古兵であり、熟練の戦略家ぞろいだ。中隊長となれるのは、第一中隊の同胞として戦場で際立った功績をおさめ続けた者か、あるいは前任者が戦死するまで、自らの所属中隊に対して並々ならぬ忠義と奉仕を捧げ続けた者だけに限られる。
中隊長は特定の中隊の指揮権及び相応の役職に関連した名誉称号が一つか複数与えられている場合がある。
本拠地の基地である「要塞院」を護る「要塞院守護長」や「入団の秘儀」を執り行う「入団典儀長」等がその代表例であり、この二つの称号はほぼすべてのスペースマリーン戦団に存在する。
戦団によっては戦団独特の称号が作られており、戦団の歴史や独自の文化などによって様々で、けして普遍的ではない。
スペースマリーンの生と死をつかさどりし兵科。所謂マリーン版メディック。戦場における応急手当のみならず、高度外科手術、機械化技術、そして生体工学知識をきわめて高い水準で習得している。
医療技術だけではなく、スペースマリーンとしての勇敢にして屈強な戦士でなければ、医術官の務めは果たせない。
なぜなら、彼らの“医療現場”とは、つねにもっとも過酷な最前線だからだ。
彼らは医療用のウォーギア「ナーゼシウム」や「リダクター」等を使用して治療を行う。
戦場で同胞が倒れることあらば、医療官はただちに「ナーゼシウム」を用いて傷の治療を試みる。
医療官が誇る応急手術とナーゼシウムの助けにより、致命傷を負った同胞が奇跡的な復活を果たし、ただちに戦線復帰することもけして珍しくはない。
しかし傷の手当は、医療官にとってあくまでも副次的な役割でしかないのだ。
彼らの本来の役割は、戦死したマリーンの〈遺伝種子〉(ジーンシード)、すなわち「プロゲノイド線」を回収することにある。
プロゲノイド線はスペースマリーンに必ず二つ付けられた人造器官であり、ここにジーンシードが蓄えられ、成長していく。
ジーンシードが回収できなかったり、汚染されてしまったりすると戦団員の信用を損ねてしまうだけでなく、新たなスペースマリーンの新造や、新たな移植用器官が作れなくなり、戦団の存亡につながってしまう恐れがある。
そのため、回収作業は非常に重要な聖務の一つとされているのだ。
所属中隊の、そして戦団の、ひいては皇帝陛下の名誉を守る事を重きに置いた副中隊長。中隊長の護衛を行いつつ、補助も行う。
そして、中隊長が中隊全体の指揮を執れるように、中隊長の代理として敵将や筆頭戦士を一騎打ちで戦うのだ。
また、筆頭戦士たちは戦団の儀式や式典の中で重要な役割を果たすことも多い。戦場に立つときと同じように、神秘的な戦団儀式の中でも、筆頭戦士たちは戦団チャプターの同胞たちを代表する存在なのだ。
戦団の歴史記録者にしてスペースマリーン版のサイカー(超能力者)である。所属戦団にかかわらず、パワーアーマーは青い具足で身を鎧い、様々な超能力(サイキック)で部隊を支援する。
〈帝国〉内では特にサイカーというものは警戒すべき脅威であると同時に、大きな恩恵を持つ戦力として考えられている。
そのため、帝国公認のサイカーはその強大な力を制御するために、厳しき監視と精神修養によるトレーニングで自らを律してサイキックを安全に操れるようにするのだ。
戦団のライブラリアンもその一例であり、通常のスペースマリーンに比べるとライブラリアンの数は少ない。
理由はただでさえ合格者数の少ない通常のスペースマリーンよりも増して、過酷でかつ困難な選抜試験と精神修養が必要となるからである。
過酷な試練を乗り越えたときにはじめて彼らは強大な〈歪み〉の力であるサイキックを操れるライブラリアンとなるのだ。
ライブラリアンのサイキックは様々なものがあり、星間通信やエネルギー弾の発射等があげられる。主なものは以下の通り。
ライブラリアンの指先から電撃がほとばしる。某映画で例えると
光り輝くエネルギー障壁を展開して敵の攻撃から仲間たちを守る。
敵兵器に宿る機械精霊に対し強力な呪いをかける。
戦団の伝説的英雄たちの力を古の時代から呼び覚まし、燃え盛る炎に包まれた破壊の化身を作り、攻撃を仕掛ける。
鋭敏なる精神を”時の流れの先へと飛ばす”ことによって、ライブラリアンは圧倒的なスピードで動くことができる。
ライブラリアンの持てる精神力を全て投射し、敵の身体を包む守りの障壁を奪い去る。
〈歪み〉の強大なる力を使って、自らの筋力を増強する。
〈歪み〉に対する感覚を研ぎ澄ましたライブラリアンは、短距離ワープができる安全な小道を作り出す。
ライブラリアンは、物質世界(現実世界)に破滅のが是が吹きすさぶ〈歪み空間〉と結合させる恐るべき裂け目を作り出す。
そこから引き出された猛悪な破壊エネルギーによって、敵を跡形もなく消滅させる。
戦団の至宝たる「カンパニー・スタンダード(中隊旗)」を戦場で掲げる兵科。中隊に受け継がれてきた軍旗である中隊旗は士気高揚、陣地確保、名乗りを上げる等の役割を持っている。
また中隊旗によってはビーコンが仕込まれており、大気圏外にいる戦団の同胞(ブラザー)に位置を知らせるための役割を持たせることも可能。
中隊旗ははるか昔から代々中隊に受け継がれた至宝であり、その旗布には戦団や中隊の栄光の歴史が重く染みついている。
その為この中隊旗を守り、掲げる「カンパニー・スタンダードベアラー」(中隊旗手)は「彼ならば、息がある限り絶対に中隊旗を手放すことはない」と絶大なる信頼が寄せられているのだ。
逆に言えば、中隊旗を手放すということは同胞(ブラザー)の信頼を大きく裏切ることとなり、想像を絶する不名誉と恥辱になることを意味する。
この重い役目を果たす中隊旗手が掲げる中隊旗は、未熟な新兵から熟達の古参兵までありとあらゆるスペースマリーン達が必死に尊厳を守るために戦うのだ。
戦団においての皇帝の教えを説き、味方には鉄の掟を説いて規律と信仰を正す<死の天使>「スペースマリーン」のコーチ的な役割を持つ兵科。
彼らは精神的指導者や士気高揚などの役目を持っており、戦団内の精神を健全に保つのが目的だ。
その他にも、戦団の様々な儀式を執り行い、いにしえより伝わる入団、弁明、救済の三秘儀を守り続けている。
これらの秘儀はどれも、各戦団に遺された〈名誉の巻物〉や戦闘技術の数々と同じくらい、スペースマリーンたちにとって重要な意味を持つのだ。
スペースマリーンのある意味司祭的な立場の教戒官が考えている信条は、帝国正教会の教えに反している。
何故ならばとして捉えているからだ。
普通なら異端扱いを受けてもおかしくはないが、スペースマリーン戦団の特異な信仰形態に帝国正教会が介入する余地がないので、追及がされていない。
どの戦団の教戒官もパワーアーマーが黒色に塗装され、ドクロを模したヘルメットをかぶっている場合が多い。
手には儀礼杖「クロジウス」と呼ばれる杖型のパワーウェポンを装備し、敵を撲殺する。
分隊(スカッド)を率いるスペースマリーン。戦場を知り尽くした戦士であることはもちろんのこと、同胞(ブラザー)達を適切に采配するリーダーとしての実力を持つ。
各種分隊にもそれぞれ違った特徴を持っており、それらを率いる軍曹は適切に自らの部隊の特徴を活かして任務を遂行することが求められる。
スペースマリーンの地上部隊が敵陣を強襲する際の支援役として設計された2足歩行型兵器。しかし、ただの操り人形ではない。致命傷を負った
一見ロボットの様に見える彼らは、実際には兵士の破壊された英雄の肉体は、装甲化された柩の中に埋めこまれる。
ドレッドノートに搭載された棺桶へスペースマリーンが埋め込まれる際は、
人工生体皮膜と一体化させられ、鈍りつつある彼の感覚神経を補強すべく、電気刺激性の人造器官が次々と移植され、更に神経系を本体の制御システムとリンクさせる。
英雄は脆弱なる定命の肉体から解放され、新たなる体とともに生まれ変わるのだ……恐れを知らぬもの、すなわち「ドレッドノート」へと。
サイボーグ故に強力な耐久力と火力を持つドレッドノートの機体は、総重量数トン、全高は人間の2倍から3倍に達し、歩兵を前にした時の威圧感は絶大である。
射撃のみならず、ドレッドノートはみずからの脚で二足歩行し、白兵戦に突入することも可能だ。
アダマンチウム鋼とセラマイト合金で作られたその装甲は、
ドレッドノートへと接近した愚かな敵は、搭載された数々の武器と、強大なる金属の腕からくり出される死の一斉射撃によって、たちまちのうちに消し炭へと変えられるであろう。
作戦によって両腕の武装を換装することも可能。アサルトキャノン、マルチメルタ、サイズミック・ハンマー、ラスキャノンなどを装着でき、それを手足の如く軽々と操ることができるのだ。
また、ドレッドノートにも複数のモデルや派生が存在し、その特徴も千差万別である。主なドレッドノートの型は次の通り。
第41千年紀における一般的なタイプのドレッドノート。多くの戦団で採用されている。
近距離での白兵戦に特化したドレッドノート。レッドノート用の接近戦ウェポンを装備する。
遠距離支援に特化したドレッドノート。ミサイルランチャーやオートキャノンで火力支援を行う。
プライマリス・スペースマリーンに配備された最新鋭のドレッドノート。従来のドレッドノートの長所を取り入れて設計された。
機体のサイズは大型化しているが、性能や機動性は向上している。
しかし、ドレッドノートに収められたマリーンに対する負荷も増加しており、通常のドレッドノートよりも寿命は短い。
「尊き者」の名を持つドレッドノート。中隊長や戦団の古参兵よも超える長い戦団への奉仕を成し遂げた古参のドレッドノートは「ヴェネラブル・ドレッドノート」と呼ばれるようになり、戦団の兵士から崇拝に近い尊敬を集めるようになる。
ヴェネラブル型は戦団特有の武器を装備できる場合もある。「スペースウルフ」戦団の場合であれば、「フェンリスの大斧」や「殺戮の牙」(マーダーファング)を装備する。
コンテンプター型をベースに重火力支援用に開発され、ホルスの大逆時代に多くの兵団で運用される。
〈大征戦〉前期に開発されたドレッドノート。人型に近く、頭部ユニットが付いている。全長も通常のものに比べて大きい。
旧式で現存する数は少ないが、性能は現行型のものを上回る高性能を誇る。
〈大征戦〉後期に開発されたドレッドノート。コンテンプター型の代替として開発された。火星の機械教団に対して開発の事実は秘匿されている。
〈技術の暗黒時代〉由来の失われし技術や皇帝が開発した技術が融合しており、包囲戦に特化した性能を持つ。
スペースマリーンなら誰でも改造されるわけではなく、
ドレッドノートとなった者は寿命の概念がなくなるため、何百年、何千年と戦闘経験を蓄積しその戦闘力を増していく。
また豊富な知識によって作戦立案にも貢献し戦団の評議会に参加するドレッドノートも多い。
彼らにスペースマリーンとって、機械化した英霊として誇り高く戦い続けるだろう。
アサルト・スカッド(強襲分隊)に所属するスペースマリーン。白兵戦等に特化し、ジャンプパックを背負って強襲、奇襲を仕掛ける。
戦場のいたるところで身の危険を顧みずに勇敢に白兵戦を仕掛けていく。チェーンソードとボルトピストルで目の前の敵を切り刻みながら前進し、敵の戦車をクラックグレネードやメルタ・ボムで破壊する。
敵を完膚なきまでに壊滅させたら、すかさず次の目標へと突きき進んでいくのが主な戦法である。
その他にもジャンプパックを使用した低空降下作戦や、おとり役等の危険な任務などもこなす。その機動力と白兵戦の戦闘力を活かした戦いは、まさにスペースマリーンのみに許される獅子奮迅の戦いといえよう。
タクティカル・スカッド(戦術分隊)に所属するスペースマリーン。万能の兵種であり、どんな戦場や武装にも対応できる柔軟さを持つ。
彼らは戦団の礎石にして、同胞(ブラザー)の良き手本となり、刻々と変化する戦場に即座に対応ができる。
基本的に装備は「ボルトガン」、「ボルトピストル」、「各種グレネード」といった全スペースマリーンの標準武装を装備しているが、場合によっては他の兵器も支給することも可能である。
例を挙げれば、火力が必要なら「ミサイルランチャー」や「ラスキャノン」等の重火器、熱線兵器が必要なら「フレイマー」や「メルタガン」といった特殊火器まで使用できる武器の数は幅広い。
「タクティカルマリーン」になるにはおびただしい血の代価が必要となる。「アサルト・スカッド」や「ディヴァステイター・スカッド」などの経験を積むことによってようやく「タクティカル・スカッド」に配属される。
その期間は数年から数十年までと幅広く、完全に同胞の資質にかかっているのだ。
誰でもタクティカルマリーンになれる訳ではなく、”広範な対応力”と”柔軟な思考”が必要となってくる。
特定の一芸に秀でたスペシャリストや突出した才能を持つ者がタクティカル・マリーンになってしまうと、逆に負担となってしまうケースもある。
ディヴァステイター・スカッド(撃滅分隊)に所属するスペースマリーン。高い火力の射撃と長距離からの支援を行う。
超長距離からの射撃によって敵を爆砕すべく、徹底した訓練を受けている。
元「スカウト・スカッド(斥候分隊)」での修練を終えたばかりの同胞(ブラザー)が次のステップに進むのがこの「ディヴァステイターマリーン」である。
ここで初めて若手のスペースマリーンがパワーアーマー(機動装甲服)に身を包むことができる。
初期は、ボルトガンとグレネードのみしか支給されないが、後に経験を積んでいくともっとも汎用性の高い「ヘヴィボルター」や「ミサイルランチャー」、特殊火器である「マルチメルタ」、「プラズマキャノン」まで様々な火器を支給される。
ほとんどのスペースマリーン戦団は、「様々な脅威に対抗できる武装を心がけよ」という〈戦いの聖典〉の教えに従い、これらの重
火器を数種類取り混ぜて装備していることが多い。
隠密活動や、偵察を行うスペースマリーン。戦団へと晴れて入団できた新人は、初期は斥候として危険な任務を全うする。
危険な最前線で活躍することによって皇帝陛下への忠義や死を恐れぬ勇敢さを示し、一人前のスペースマリーンへの道を歩み始める。隠密任務にも特化しており、カモ・クロークを利用して敵の目をかいくぐる。
半人前のスペースマリーンはここで、軍曹(サージェント)に率いられながら様々なことを学習しながら戦っていく。
武器の扱いはもちろんのこと、自分の埋め込まれた数々の強化器官、人造器官の使い方を理解し、自らの力と精神力を高める戦闘の祈りを学んでゆく。
彼らの装備しているウォーギア(武器)も携帯性の高いものを中心として使用する。主に、ボルトガン、ショットガン、コンバットブレイドが支給される。
更に訓練が進むにつれて、ヘヴィーボルター、スナイパーライフル、ミサイルランチャー、メルタボムなど自分の使える装備も充実してくる。
防具は軽装が多く、通常のスペースマリーンのような「パワーアーマー」と異なり、装甲が全体を覆われていない「スカウトアーマー」を使用する。
防御力は劣るが、しかし静穏性や身軽さは「パワーアーマー」よりも優れており、斥候としての任務を行うのには最適なものとなっている。
スカウトの主な任務は偵察や隠密任務だが、その他にも狙いすました奇襲攻撃を敢行したり、弾薬箱や格納庫を破壊したり、敵ルートを探り出したり、敵司令官の拉致、尋問、果てには破壊工作までと実に幅広い。
音もなく忍び寄って痛烈な一撃を与え、任務を滞りなく達成するや、敵が反撃姿勢を整える前に跡形もなす区型を消す・・。
これこそが斥候部隊の常用手段であり、最高の任務といえよう。
戦団の武器、兵器の整備、保守、管理を行うスペースマリーン。彼らは機械教の信徒であり、体の殆どを機械に改造したサイボーグである。
通常のマリーンがテックマリーンになるには段階を踏まなければならない。戦団の中でもテクノロジーに対する資質を持つ同胞(ブラザー)を火星(マーズ)に送り、機械教へと入信させる。
入信した技術官候補である同胞は、機械化改造を受けた後長い年月にわたって修行を重ねる。
機会を起動させるための聖句「機動の祝詞」や整備時に奏でる「整備の讃美歌」の正しいお作法、兵器に宿る機械精霊(マシーン・スピリット)に助力を願う方法、そして機械精霊の怒りを鎮める方法など、彼らが学ぶべき知識は非常に多い。
そのせいか、戦団に帰ってきたときには同胞はすっかり別人のように変わり果てている。
彼ら技術官が同胞たちから全幅の信頼を寄せられることは少なく、戦団の秘密や儀式などは常に技術官らの手に届かぬところに隠されている。
しかし、技術官に対して疑念の目が向けられているのも事実だが、それと同時に彼らの持つテクノロジーや科学知識に対して深い敬意を寄せてもいる。
何故なら、
数多くの機械や兵器に頼っている戦団も常に万全の状態に整備しなければ戦団本来の実力を発揮できない。彼らが整備、保守作業を行っているからこそ、安心して同胞は各種機械や兵器を使うことができるのだ。
そして、彼らは機械教の信徒になったとしてもそれ以前に一人の戦士であり、その事実は技術官になっても変わらない。
彼らは戦団内の機械をわが子のように大切にしており、特に戦団に伝わるビークルやテクノロジーの至宝が戦場で失われたり、敵に奪われたりするようなことがあれば、技術官は自らの死も顧みずに、奪還、回収のために戦い抜くだろう。
しかし、彼らは同胞(ブラザー)を救う時よりも、ビークルやテクノロジーを救うときの方が、はるかに鬼気迫る勢いで戦うそうだ・・。
戦団に所属するすべての技術官の中でも最高位の者が務める役職。戦団が所属するライノ、ランドレイダー、プレデターなどの戦闘車両群の整備責任を負っている。
太古の科学技術に関する炉の長の知識は、数世紀以上もの奉仕の中で磨がかれ続けており、火星の高等技術司祭「シニア・テックプリースト」らにも匹敵するほどだ。
事実、炉の長の持つ“眼”と“腕”は絶上であり、機械精霊の不調を一目で見抜くのみならず、不気味な機械真言(マントラ・オヴ・ファンクション)を一言唱えるだけで、機械精霊の暴走を諌いさめることすらも不可能ではないという。
この神秘的な……?見ようによっては超自然的で奇怪な……?能力ゆえ、ほとんどの戦団において、
このため、炉の長は評議会の一員ではあるものの、彼の真なる同志は戦団内の部下である他技術官たちに限られるのだ。
炉の長と技術官の一団は、彼らが愛してやまない機械やテクノロジーたちを例外として、戦団内のあらゆる者から敬遠され疎うとまれている、というのが実情である。
しかし、一部の戦団は彼らをに敬意を払うところも存在し、「メンター」戦団、「プラエトル・オヴ・オルフェウス」戦団、「アストラル・ナイト」戦団などは、迷信にとらわれることなく、衰退の一途とをたどる人類のテクノロジーを受け入れている。
中でも自らの身体を機械化改造することで有名な「アイアンハンド」戦団は、嬉々として太古の科学技術を奉じているようだ。
これらの特殊な戦団にて、しばしば炉の長は戦団長その人にも引けを取らぬほどの名誉と発言力を持つ。ただし、そのような戦団はあくまでも少数派だ。
実際、炉の長の抱く理想や使命感を戦団全体が共有するようになると、戦団内の“伝統主義的な”同胞たちから、強い疑念や反発を招く危険性がある。
帝国内で徴用されているサイボーグ奴隷。元犯罪者やスペースマリーン試験に落ちた候補者、元マリーンで違反行為を受けた者等、それらの末路である。
スペースマリーンの兵器
スペースマリーンのウォーギア(武器)と防具
“戦士が持ちうる技量の限界は、扱う兵器の品質に左右される。”
【概要】
スペースマリーン戦団には数多くのウォーギア(武器)が用意されている。
射撃武器から白兵戦用の近接武器、身を鎧うパワーアーマーや大型兵器や乗り物まで幅広く用意されている。
それらは帝国内でも上位の品質と性能を誇り、皇帝陛下のために戦うスペースマリーン達の剣となり、盾となるのだ。
近接武器
“敵を打ち砕き、戦いを勝利へと導く拳の重さは、熟考に値するものなり”
【概要】
射撃兵器が発達した遠未来の第41千年紀においては、それに対する防御用の装備やテクノロジーも発達している。
それら射撃兵器が有効でない場合は、防御用の装備や敵装甲に威力を発揮するのが近接武器だ。
近接武器も多種多様なものが用意され、自分が得意とする武器で白兵戦を仕掛けてゆく。
帝国におけるチェーンソーが内蔵された近接武器の総称。
剣の形から斧などその種類も多数のバリエーションが用意されている。
本作における定番武器の一つで、手に持てるサイズの電ノコの剣。単に「チェーンソード」とも呼ばれている。
剣の柄にはチェーンの回転数を上げるトリガーかスロットルが付いている。
ボルトガンと対をなすスペースマリーンを象徴する白兵戦武器。主にマリーンと帝国の上官が使用する。
チェーンソーの音がうねりを上げ、高速で動くのこぎりの刃が敵に激痛を与えて切り殺す。
余談だが、有名な鍛冶屋Youtuberである「MAN AT ARMS」では本当に動くチェーンソードを作成している。
よい子は危ないので手にチェーンソー持ちながら暴れちゃだめよ。
刃の部分がチェーンソーになっている戦斧。片手で持つことができ、威力も高め。
スペースウルフ戦団で使用される固有のチェーンソード。狼の意匠があしらわれ、刃にはルーンが刻まれている。
パワーフィストにチェーンソードが付いている武器。アダマンチウム製の刃が敵を切り裂く。
40K世界でのエネルギー近接武器のこと。
パワーフィールドジェネレータを武器に内蔵し、青みのかかったパワーフィールドを武器に展開することによって、通常の近接武器よりも高い破壊力を持たせることができる。
帝国内ではスペースマリーンや異端審問官などの高貴な役職の戦闘員が使用することが多く、ケイオススペースマリーンや異種族なども使用する。
アダマンタイト製の刃を持つ剣。柄の上にある制御装置から刃にエネルギーが流れ込み、装甲よも切り裂く威力を持つコロナの刃が生成される。
打撃力を持つ力場を生成するメイス。打撃力を調整できる機能が付いている。
エネルギー場を持つ鋼鉄の拳。武器を抜かなくてもすぐに使用でき、破壊力も高い。
ターミネイターアーマーと共に装備されてることが多い。
片手用のエネルギー場を持つ槍。騎兵隊などの騎乗戦闘が得意な兵に好まれる。
片手用の斧。パワーソード同様コロナの刃で敵を切り裂く。パワーソードと比べて扱いにくいが、威力と軽さは秀でている。
大型の両手武器。両手用の剣や斧、グレイブなどが該当する。扱いにくいが、分厚い装甲よも切り裂く威力を誇る。
現存するレリックブレイドの大部分は、暗き〈ホルスの大逆〉の時代に鍛えられたものだが、その後も大戦役や偉業がなしとげられたびに、それらを記念してごく少数のレリックブレイドが造られてきた。
レリックブレイドを装備する栄誉に浴せるのは、長きに渡ってたゆまぬ奉仕を続けたスペースマリーンのみである。
ガントレットと指に刃が付いている大型の爪。ターミネーターアサルトスカッドでよく使用される。
ライトニングクロウは左右一対で装備した時に最大限の効果を発揮し、装甲服もろとも肉や骨をも両断する。
「チャプレイン」(教戒官)が持つ儀礼杖の打撃武器。エネルギー場を生成して敵を撲殺する。
武器には骸骨や双翼がデザインされていることが多い。
両手持ちの大かなづち。攻撃速度は遅いが青い火花が飛ぶパワーフィールドを放出した一撃は、パワーウェポンの中でもトップクラス。
斥候(スカウト)が持つナイフ。普段の使用回数は少ないが、暗殺任務や非常用に使用する。
射撃武器
“銃弾(ボルト)の疾さこそが、我らが敵に滅びをもたらす”
【概要】
スペースマリーン戦団には豊富なバリエーションの武器が用意されている。強力な「ボルト弾」を発射する「ボルター」やレーザー兵器、熱線兵器まで種類は幅広い。
特殊な弾丸であるボルト弾を打ち出す銃のこと。本作における定番武器の一つ。
スペースマリーンや帝国の諸軍、皇帝もしくは暗黒の神の憤怒を込めた神聖なる死の祭具とも呼ばれ、ピストル型のものやライフル型のものなど多種多彩な種類が存在する。
標準的な性能を持つボルター。取り回しが良く扱いやすい。
片手で持てる軽量のボルト弾を発射できる。すべてのマリーンに標準支給され、スペースマリーンの携帯火器として愛用されている。
指揮官クラスや強襲分隊(アサルト・スカッド)の隊員たちが、チェーンソードなどの白兵戦武器と共に好んで使用する。
通常のボルトピストルよりも重量は増加したが、制度と射程が向上している。
プライマリス・スペースマリーン用の新型ボルトピストル。常人にはライフルサイズの銃だが、プライマリス・スペースマリーンにとっては片手で持てるサイズの大きさの銃だ。
ボルトガンを大型化し、破壊力を向上させたもの。圧倒的な連射速度で、にぎり拳大の大口径ボルト弾を放つことができる汎用性の高い重火器である。
戦団の熟練職工によってカスタマイズされた特殊なボルトガン。「コンビ・ウェポン」の一種でボルトガンの銃身に大幅な改造を加えて、メルタガン、プラズマガン、フレイマーのうちいずれかの銃器を組みこんでいる。
ただし、付属火器の弾倉スペースは限られているため、組み込まれた銃器はたった一発しか発射できない。
高い命中精度を誇る弾を発射する改良型ボルター。高倍率の照準器で、はるか遠くのターゲットでも倒すことができる。
破壊力よりも命中率を重視するスペースマリーンたちに人気があり、強力な狙撃銃としても使用可能。
連射性能を極限まで高めた二連装式ボルトガン。
大型ボックスマガジンと高速オートローダを装備した、片手で持てる軽量ストームボルター。
余談だが、帝国技術局局長「ベリサリウス・カウル」による改良を加えた結果生まれた。
新たに配備された「プライマリス・スペースマリーン」用に開発された新型ボルター。
ボルトガンよりも平均的に性能が向上している。
「プライマリススペースマリーン」に支給された新型ボルター。「レイヴァースカッド」に支給され、標準のボルターを小型化したものである。
「プライマリススペースマリーン」に支給された「ヘヴィボルター」の改良版。
スペースマリーンの実弾兵器はボルターが主に使われるが、少数ながらも通常弾丸を発射する実弾兵器も存在する。
ガトリング式のバレルを高速回転させ、聖なる弾丸を嵐のごとく敵に浴びせかけるガトリング砲。
重量が重いので主に「ターミネイター・アーマー」を着装したマリーンや「ドレッドノート」が使用する。また、各種ビークルにも装備されていることも多い。
射出される弾丸一発ですら、人間一人をズタズタの肉塊へと変えるだけの威力を持ち、猛烈な速度で発射されるアサルトキャノンの弾丸は、いかなる重装甲さえも貫き通す。
その圧倒的な貫通力と連射力を活かし、対歩兵のみならず対戦車用途にも用いられる。
スカウトが主に使用する散弾銃。耐久性があり、構造がシンプルで信頼性が高い。
スカウトが主に使用する狙撃銃。高性能の照準スコープを備え、銃手は遠距離の攻撃目標に対しても、きわめて精度の高い狙撃が可能だ。
スナイパーライフルによって急所を正確に撃ち抜かれれば、いかに屈強な敵といえど致命的なダメージを与えられるだろう。
融解ガス状になった圧縮プラズマ弾が発射され、命中とともに大爆発を起こすエネルギー兵器。特に「ダークエンジェル」戦団に愛用されている。
直後、“小さな太陽”が生み出されたかのような、猛烈な熱エネルギーが着弾地点周囲へとまき散らされる。
プラズマ兵器は圧倒的破壊力を誇る反面、オーバーヒートの危険性が高いため、扱いには細心の注意が必要。
片手で持てる小型プラズマ兵器。射程距離こそ劣るが、威力はプラズマガンに匹敵する。
ライフルサイズのプラズマ兵器。標準的な性能を持ち、プラズマキャノンよりも小型のパルスとなった圧縮プラズマ弾を高速で射出できる。
大型のプラズマ兵器で、両手持ちをしないと運べないほど重い。プラズマガンよりはるかに長距離であり、そしてより広い爆風半径を持つ。
また、対戦車などの対物兵器としても使える設定に切り替えることも可能。
帝国で使われている火炎放射器の総称。小型のものから大型のものまで用意されている。
標準的な性能を持つ火炎放射器。外気に触れた瞬間に自然発火する化学物質を噴射し、猛烈な炎で敵を焼き殺す。
フレイマーの炎は、防御施設などに立てこもった敵や、遮蔽物の背後に隠れた敵を効果的にとらえ、灼熱の火炎地獄へと叩き落とすのだ。
大型化したフレイマー。より高温でかつより強力な炎を放射できる。両手持ちをしないと運べないほど重く、ターミネイター・アーマーでの使用が多い。
防御施設に立てこもった敵勢力の殲滅を試みたり、隊列を組んで無数にうごめく敵どもを至近距離で一斉浄化したい場合などに、まさに最適の武器である。
異端審問官やグレイナイト、スペースマリーンで使用される特殊な「ヘヴィー・フレーマー」の亜種。
聖別された特殊なプロメチウム燃料を発射でき、対ディーモンへの効果が高い。
帝国で使用される熱線兵器の総称。敵要塞や敵ビークルの分厚い装甲を溶解してしまう威力を持つ。
標準的な性能を持つメルタウェポン。対戦車や対重装歩兵用に投入される。
至近距離で放射されたメルタガンの熱線は、岩も金属も有機体もお構いなしに、融解液や消し炭へと変えてしまう。
メルタガンを大型化して射程距離の短さを補い、従来よりさらに破壊力を増した重熱線兵器。
メルタガンを片手で持てるピストルにした武器。主に「ブラッドエンジェル」戦団が使用する。射程は落ちているが、威力は高い。
重力を変える弾丸を発射できる特殊兵器。
目標となる領域の局所的な重力場に影響を与える重力子粒子の流れを発射する。
武器の設定に応じてターゲットオブジェクトをはるかに重くするか、または軽くすることが可能。
アーマーの指先部分、機械義体、ガントレットの手甲部などに内蔵された小型レーザー発射装置。通常は、それとわからないように隠され、仕込まれている。
小型ゆえレーザーの出力は弱く、射撃武器としては実用的でない。
だが、白兵戦では敵がこちらの主武器をなぎはらった隙をつき、敵の弱点に対し致命的なレーザー攻撃を加えるといった使い方が期待できる。
ライフルサイズのラス兵器で、数多くのラス兵器の中でも標準的な性能を持つ。
「ラス」とはレーザーの略であり、レーザーチャンバーが内蔵されレーザー砲が打てる兵器の総称である。
ここから放出される爆発的なエネルギーによって、ほぼあらゆる物質に穴をあけることができる。
投てき、爆発兵器
【概要】
ミサイルランチャーや投てき用のグレネードまで用途に応じた爆発物がそろっている。
スペースマリーンの戦術分隊に配備される、もっとも一般的な重火器。
ミサイルランチャーは、軽装甲の敵歩兵部隊を効果的に排除するフラグミサイル弾と、重装甲の攻撃目標に対して用いるクラックミサイル弾を効率よく撃ち分けられる。
安全装置を解除したグレネードを装填し発射する、筒状の支援火器。
現在、ボルトガンやコンビウェポン、パワーフィストなどの武器に装着されるのが通例だが、はるか遠い過去にはショルダーアーマーあるいは手首部分などに装備されていた事例もあるらしい。
現在のオージリアリー・グレネードランチャーはきわめて希少な武器となり、一部のベテランや司令官のみの特殊装備となっている。
「ターミネイター・アーマー」の背面ラックに搭載される多段式の小型ミサイルポッド。他の武器を使用しながらや移動しながらミサイルを発射できる。
「ターミネイター・アーマー」を装備したスペースマリーンにさらなる支援火力をもたらすべく開発された。
ターミネイターは重装甲の敵精鋭部隊に対しても、大群で迫る敵の軽装歩兵部隊に対しても、きわめて高い戦果をあげるだろう。
素粒子反応エネルギーを応用した、危険きわまりない特殊爆弾。いかに重装甲の攻撃目標でさえ、その装甲を一瞬で溶解させる。
その威力ゆえ、クラック・グレネードよりもはるかに大型で、起爆方法も複雑だ。
スペースマリーンの中でも、特に強襲分隊は、敵戦車やバンカー(掩蔽壕)を爆破すべくメルタボムを装備していることが多い。
戦車の装甲貫通を目的に開発された強力なグレネード。メルタボムなどの特殊爆弾に比べれば爆発力こそ劣る。
しかし、クラック・グレネードは小型化かつ軽量化がなされた対車両手榴弾であり、さまざまな局面で活躍する汎用性の高い兵器として幅広い兵種のマリーンから愛用されている。
対歩兵用の高性能小型爆弾が詰まった特殊地雷。ワイヤートラップや重圧センサーなどによって起爆する。クラスター・マインがしかけられた防御陣地に敢えて接近しようとするのは、よほど勇敢か、あるいは単に愚かな敵のどちらかだ。
防具
【概要】
遠未来の第41千年紀においては、防御用の装備やテクノロジーも発達しており、敵からの射撃や近接攻撃から身を守ることができる。盾形のエネルギー障壁発生装置などが用意されている。
エネルギーフィールド・ジェネレーターが内蔵された大型の盾。十字にドクロがあしらわれたデザインが多い。
その防御効果は絶大で、ラスキャノンやパワーウェポンによる攻撃さえ無効化する防御力を誇る。
ただし、強力な近接攻撃を防ぐことはできない。
ストームシールドの小型軽量版。着用者の前腕部に固定でき、シールドを装備しながら両手が自由に使用できる。
ただし、威力はストームシールドに比べれば劣化している。
個人用のバリアー発生装置。パワーアーマーの頭部の後ろに装備され、戦団の中でも武功を挙げた者にしか支給されない。
鋼鉄の光輪から展開されるエネルギーフィールドは、いかに強力な攻撃であろうと弾き返すであろう。
教戒官(チャプレイン)が肌身離さず身につける聖十字の印章。ゴルゲット(のど当て)やアミュレットの形状をとることが多い。
防御フィールド発生装置も有しており、教戒官の肉体と精神をあらゆる害悪から守り抜くであろう。
その他
【概要】
スペースマリーンにはその他にも戦闘を補助する様々なウォーギアが用意されており、より柔軟な対応ができる。
アポシカリーの用いる応急医療キット。
斥候(スカウト)が着用する特殊な迷彩装備。光吸収性の特殊繊維で作られており、全身を覆うように着用すれば周囲の地形に同化することが可能。
このため、カモ・クロークを装備したスカウトを長距離で視認することはほぼ不可能といってもよい。
どんなに粗末な遮蔽物に隠れていても、「カモ・クローク」を装備した兵はその隠密効果を大いに高められるだろう。
スペースマリーン用の短期間飛翔ユニット。ジャンプパックを装備した兵は、驚くほどの長距離を跳躍できるのみならず、短距離ならば飛行すらも可能である。
パワーアーマー(機動装甲服)
“我らの鎧を見た敵は、無慈悲なる滅びを知り恐怖する。”
【概要】
スペースマリーンが着装する強化パワードスーツ。人類の守護者たるスペースマリーンのシンボルでもある。
高温極寒、宇宙空間等のあらゆる過酷な環境での行動に対応している。装甲は「セラマイト」、「アダマンチウム」、「プラスティール」と呼ばれる3つの合金で出来ており、耐久力も高く、通常の弾丸を弾き飛ばす。
パワーアーマーは戦団内の職人たちによって作られる。機能美的なメカニックデザインと宗教的な意味合いを持たせた甲冑デザインの融合は、まさに一つの芸術作品といっても過言ではない。
パワーアーマーは主にスペースマリーン向けの物が一般的だが、「インクイジター」(異端審問官)や「アデプタ・ソロリタス」等の常人でも着装できるタイプも用意されている。
それらの常人向けの物はスペースマリーン向けの物に比べると性能は低い。
スペースマリーンのパワーアーマーは約300kgあり、着るだけではただの重い鎧で動かない。
「黒の甲殻」と呼ばれる人造器官を通じて神経接続を行い、アーマー内のアクチュエーターを動作させてパワーアーマーを動かす。
アクチュエーター内の動きは
スペースマリーンのパワーアーマーは実質となのである。
パワーアーマーは戦場で死んだ同胞からアーマーを回収し、3、4つのパターンのアーマーを組み合わせてスーツを修復することは多くの戦団において一般的。
とくにマークVIIはこのような使用方法を想定して開発されており、互換性が高い。
士官が行うノンヘルメット行為は、勇気を示すためや、敵を挑発する効果がある。
ヘルメットに備え付けられた自動検知機能が使えなくなるため、代替としてイヤホンや眼球強化モジュールなどの強化装置やインプラントを身に付けていることが多い。
また、当然真空状態での行動や、有毒な空間での生命維持システムの利用もできなくなる。
「スペースウルフ」戦団にはそのような傾向が多くみられるが、匂いや気配を敏感に感じ取るためにヘルメットを着用しないケースも存在する。
【パワーアーマーのバリエーション】
パワーアーマーははるか昔から昨今に至るまでマークIからマークXまで改良を重ねており、多種多彩な種類やバリエーションが存在する。
【ナンバリングされているシリーズ】
〈不和の時代〉末期、テラ(地球)を支配していた技術蛮族(テクノバーバリアン)が用いた鎧を参考に開発された最初のパワーアーマー。
装甲の下にあるコイル状のエネルギーケーブルは、背中のパワーパックから腕にエネルギーを伝達し、着装者の身体能力を大幅に高めた。
皇帝が率いる地球統一のために作り上げた遺伝子改造兵士「サンダーウォーリア」で採用される。「サンダー型」というのは後に命名されたものであり、当時はただ単に「パワーアーマー」と呼ばれていた。
大征戦で皇帝が紋章として双頭鷲(アクィラ)を採用する前は、テラ統一時に使用していた雷鳴のシンボルがあしらわれている。
名前の由来もそこから取られているという。
各基地で独自に生産されていたため、標準的なデザインは決まっていない。そのため、部隊によって好みで改造されている。
パワーアーマーのバックパックには小型の原子炉が内蔵されており、全ての通気口から排熱を行っている。
陸上での運用を前提に開発されているため、真空、水中では活動不可。当時の戦闘は近接戦闘が主なため、エネルギーは上半身と武器に集中し、脚部には供給がされていない。
そのため、足音が非常に大きく、隠密行動には向いていなかった。
〈不和の時代〉末期に開発され、〈大征戦〉初期に使用されたアーマー。〈大征戦〉用にデザインされたもので、「クルセイド」(征戦)型と呼ばれている。
火星の工場寺院で製造され、気密性を備えた最初のアーマーであり、宇宙空間や水中での活動も可能となった。
更に、「オート・センス」と呼ばれる機能を使えば、パワーアーマーのから得た情報(映像、音声など)を脳に直接送ることができる。
この機能はスペースマリーンの視力と聴力を強化し、かつ極度な光や音から保護することもできる。以後オート・センス機能は今後のスペースマリーンの標準機能として装備されるようになった。
アーマーはセラマイト製の円形リングが組み合わさっている構造のため、修理や保全性は低下。エネルギーケーブルの殆どはアーマーの内側に収納されて切断、負傷からの保護率が上がった。
バックパックは、エアスクラブ、液体リサイクル装置、緊急医療救急システムなどの高度な生命維持装置とアーマー用の電源が含まれている。
ヘルメットは固定されているが、中で自由に首の向きを変えることが可能で駆動音もマークIよりも静音化されている。
しかし、まだ隠密行動には向いていない。
今でも現存するものが残っているが、非常に貴重で主に儀礼用に使用される。まれに戦団の筆頭騎士(チャンピオン)以上の位階の者への戦闘用で贈呈されることがある。
亜人種である宇宙ドワーフ種族「スカット」族との遭遇で生まれたアーマー。
マークIIIアーマーはマークIIに取って代わることを意図して開発されたものではなく、遮蔽物が少なく狭い戦場に合わせて開発された。
横や背後からの攻撃の心配がなく、正面戦闘ができる場面での使用を想定し、重装甲を施されている。
そのため、正面の装甲に比べると背面装甲はやや薄い。
重いので隠密任務には不向き。現在、このアーマーを着用できることは栄誉であり、同胞の士気向上にも役立つ。
マークIIの性能を低下させずに、生産性とメンテナンス性を向上させたアーマー。性能の向上や軽量化などが図られている、現在でも一般的に使用されている。
現存する数が多いが古い型なのでこのアーマーを着られることは栄誉でもある。
〈技術の暗黒時代〉の技術を一部得たことで技術水準が向上し、ケーブルを安全にアーマーの外に配置することが可能になった。
また、バックパックの小型化に成功し、各兵団はそれぞれの兵団に合わせたカスタマイズパターンも開発された。
当時、あらゆる状況下で最高の防御力を実現できる、パワーアーマーの最終形態としてホルスの大逆時にも大量に生産されていた。
そのため、〈大逆兵団〉(トレイターレギオン)にもこの型を着用していたものも多い。
〈大逆兵団〉は当然ながら新型のアーマーを支給されないため、戦場で命を落としたスペースマリーンから必要な装甲を奪って使っているので、新旧のアーマーがツギハギで補修されている。
「レッドスコーピオン」戦団や「アイアンハンド」戦団など、いくつかの戦団は41千年期においても新品のマークIVアーマーを生産できるらしい。
大逆の内戦の戦火拡大により、〈忠誠派〉(ロイヤリスト)側のパワーアーマーの供給が急務となって開発されたパワーアーマー。
当時は〈忠誠派〉は旧式のマークIIのアーマーしかほとんど供給されず、高性能なマークIVは一部にしか供給されなかった。
それらの供給不足を補うために、マークIIよりも高性能でマークIVよりも生産性が向上したマークVアーマーが登場した。
生産性や保守性を第一に開発されたため、性能面ではマークIVに劣る。急速に加熱するという欠点があったため、電力出力を下げている。
生産性上げるためパワーアーマーの生産素材もマークIVより入手しやすい素材で製造でき、修復時にはマークIVの素材でも修復可能なように設計されており、保守性も高い。
大逆時代を連想されるこのナンバーのアーマーは、ほとんどが大逆戦後に解体されて、現在では他のナンバーのリペア用に流用されている。〈大逆兵団〉ではまだ一般的なアーマーとして使用される。
現在、大逆時の勝利と皇帝陛下の栄光を思い出す証として着用して敬意を受ける場合もあるが、反面〈大逆兵団〉への関与を疑われるケースもある。
マークIVの代替品として開発。円錐形のフェイスプレートデザインが特徴的で、全パワーアーマーの中でも最も軽い。
マークVと類似する設計が施されており、大逆時代を戦い抜いた兵士たちにとって、メンテナンス作業が容易に行える。
また、後のマークVIIとの完全な互換性を有しており、最も軽量なアーマーなのでアサルト・スカッド(強襲分隊)のマリーンに好んで使用されている。
今現在でも「レイヴンガード」戦団はじめとした一部の戦団によって使用されている。
アーマーの名前は、「レイヴンガード」兵団が独自にカスタマイズしたマークIVアーマーに似ているため、彼らの総主長「コルヴス・コラックス」に敬意を表して名付けられた。
「インペリアル・アーマー」としても知られる、現在一般的なパワーアーマー。マークIVの正統後継シリーズ。マークVIとの完全な互換性を有している。
三角形のマスクのような呼吸器がフェイスプレートに装着され、帝国の国章を示す“アクィラ(双頭鷲)”や、スペースマリーンの栄誉の証である“ウィングドスカル(翼持つ髑髏)”などの意匠が施されているのが特徴。
新しく設計された胸部プラストロン(胸部甲冑)には、胸部と腕のケーブルを覆い隠されている。
なお、もともとアクィラは「エンペラーズ・チルドレン」兵団にのみ許された意匠だったが、彼らの堕落により、すべての〈忠誠派〉(ロイヤリスト)で用いられるようになった。
ホルスの大逆以降初めて生産されたマークⅦの上位版にあたるパワーアーマー。このアーマーは〈大征戦〉時代や〈ホルスの大逆〉時代よりも人類の科学技術の衰退を示している。
ゴーグルのアップデートや、脆弱だった頸部周りの強化として首周りのガードが追加されているが、それによりボディとヘルメットにおいて後方互換性はなくなっている。
第41千年紀後半の現在では限られた数しか生産されておらず、マークⅧのフル装備はほぼみられることはない。位階が高いマリーンが数点持つ程度。まだ普及においては数世紀時間がかかると予想されている。
詳細、欠番理由不明。
新たに創造された「プライマリス・スペースマリーン」に合わせて火星で開発された最新鋭のパワーアーマー。
第41千年期に復活を遂げたウルトラマリーンの総主長「ロブート・グィリマン」の命を受けた帝国技術局局長「ベリサリウス・カウル」によって作られた。
数種類のマークXタクティクス型をベースにした派生アーマーも開発され、用途に応じたアーマーが存在する。
「マーズ型」とも呼ばれている一般的なマークXアーマー。これまでに作られたパワーアーマーのうち、優れたタイプであるマークIVとマークVIIIを中心に組み合わせて設計されている。
主に「プライマリス・スペースマリーン」の「インターセッサー」を中心に配備されている。
タクティクス型よりも頑丈な装甲を持つ派生型アーマー。その耐久力はターミネイターアーマーに匹敵する。
「中隊長」(キャプテン)や「プライマリス・アグレッサー」、「プライマリス・インセプター」に配備されている。
「レイヴァー型」とも呼ばれているマークXアーマーの派生型。
各種パーツはモジュール式で、共通のアンダーアーマーの上に装着する多種多様なアタッチメントによって性能のカスタマイズが可能。
通常のマークXよりも軽量化と静音化が施され、隠密行動、偵察任務にも最適で、現在「マークXフォボス型アーマー」は「ヴァンガードスペースマリーン」に配備されている。
「ヴァンガードスペースマリーン」の「プライマリス・サプレッサー」に配備された派生型アーマー。
グラヴィス型よりも軽量で、小型のジャンプパックを搭載しているので空中に短時間留まることができる。
足には小型スラスターとショックアブソーバー、重力シューズも装備しているので高所からの着地も可能。
【その他のパワーアーマーシリーズ】
スカウトアーマーは分厚い装甲板を備えた甲殻式装甲服(カラパスアーマー)の一種で、その防弾性能と軽さは折り紙つきだ。一方、装甲のない軍服部分は防弾繊維(バリスティックナイロン)で作られ、着用者の身体動作をさえぎることなく、効果的な防御をもたらす。
パワーアーマーよりも軽量で、動作時の発生音が少ないため、浸透戦術を用いた作戦行動をとることが多いスカウトにはまさに最適の装備といえよう。
パワーアーマーの一種で、通常のものよりも重い兵器を持つことができる重装甲アーマー。スペース・ハルクを代表とした、過酷な密閉区域で白兵戦をくり広げる兵たちのために開発された。
正式名称は「タクティカル・ドレッドノート・アーマー」で、激しい攻撃にも耐えうる堅牢性から野外戦闘では重火器のプラットフォームとしての役割を果たす。
屈折フィールドを装備しているためにその耐久性はあまりにも凄まじく、対物兵器である戦車の主砲の直撃も耐えてしまう。
「ターミネイター・アーマー」は、移動補助システム付きの強化外骨格と、内蔵式の姿勢制御デバイスを備えている。しかし一方で着用者は動作が鈍くなり、白兵戦で敵を追撃できなくなってしまうという不利な点もある。
第41千年紀において「ターミネイター・アーマー」は「インドミナス」型が一般的で、貴重なアーマーとして各戦団の至宝として扱われることが多い。
そのため、〈大征戦〉や〈ホルスの大逆〉時代のターミネイター・アーマーは更に貴重なものとなっており、聖遺物として扱われることもある。
この貴重なアーマーは、を付けたベテランのスペースマリーンのみしか装着が許されていない。
余談だが、公式での名称は「アーマー」だが、ファンの間では「アーマー」でも通用する場合がある。
ターミネイターアーマーは複数の種類が作られている。
ターミネーターアーマーのとして最も普及しているパターンで、各戦団にほとんど普及している。
ホルスの大逆時に製造されたターミネイターアーマー。インドミナス型よりも防御力は高い。しかし、着装者の移動速度が遅く、スーツの外骨格に負担がかかってしまう。
アイアンハンド兵団の総主長「ファーラス・マヌス」と戦団内幹部の「アイアンファーザー」によって考案されたパターン。
後のインドミナス型につながるプロトタイプ型で、ホルスの大逆が勃発した初期に投入された。
装甲に埋め込まれた装置によって被弾したエネルギーを変換し、無効化するシステムを搭載している。
しかし、アーマーが高熱を発して荷電が発生してしまうために、着装者は機械化手術を施さなければ使用できない。
ホルスの大逆時の終盤に製造されたパターン。製造数が少ないため希少性が高い。
マークIVパワーアーマーとパーツの互換性を有しており、インドミナス型に比べて可動域が幅広いために動きやすい。
カストーディアンに配備されたパターン。黄金に輝く装甲が特徴。
レオナス級のアクチュエーターで連接され、「アダマンティウム」製と「オーラマイト」製の装甲で固められたボディーは通常のターミネイターアーマーを凌駕する耐久性を誇る。
グレイナイトに配備された特殊なパターン。通常のインドミナス型に比べて、対サイキックや対ケイオスへの防御力が高い。
市街地戦での決戦兵器で白兵戦特化の超重甲パワーアーマー。もはや着込むというより操縦するロボットっといったところ。
戦車や中型機動兵器も侵入が困難な密集地帯の都市で使用される。
両腕に兵器を装備でき、フレイマーやアサルトドリル、ツインリンクメルタガンやラスキャノンといった重火器を装備可能。
胸部には厚く硬いセラマイトの装甲が覆われ、アイアンクラッドアサルトランチャーや、ハリケーンボルターを内蔵することもできる。
威圧的な巨体が重火器を発射しながら進む姿はまさに「歩く戦車」。その耐久力も「ターミネイター・アーマー」よも超えてしまうほどだ。
しかし、「ターミネイター・アーマー」よりもさらに重量は重く、動きも鈍い欠点を持つ。
戦団長(チャプターマスター)や中隊筆頭戦士(カンパニーキャプテン)、オナーガード(名誉の守り手)など、名誉に値すると評価された者に与えられる特注のパワーアーマー。
特別装甲服(アーティファイサー・アーマー)はきわめて高い価値を持ち、戦団の英雄のみが所有できる栄えある遺物(レリック)とみなされる。
アーティフィサー・アーマーの多くは、着用者に応じて紋章などが書き換えられるものの、修理や交換を施しながら長年に渡って使用され続ける。
通常のパワーアーマーより高い防御力を誇り、その防御力はターミネイター・アーマーに匹敵する。
ただし、ターミネイター・アーマーのように高火力、重量級の武器は持てない。
テックマリーンが着用しているアーティフィサーアーマーの一種。通常のアーティフィサー・アーマーよりも希少性や儀式的な意味合いは低く、テックマリーン向けのカスタマイズを施した特別仕様のパワーアーマーの位置づけとなっている。
こちらも歴代のテックマリーンの手によって修理や改良を繰り返されている。大抵はテックマリーンの活動を助けるため、大量のインターフェースやサーボスカルを組み込んでいる。
かつての大征戦、大逆時代にスペースウルフ兵団が着装していた貴重なアーティフィサー・アーマー。「ルーンアーマー」とも呼ばれ、今もなお整備を行って実践投入可能な状態で保有している。
緻密なカスタマイズが施されており、その製造方法や素材は現在でも謎に包まれている。
アーマーには「ルーンプリースト」(異能法師)らの手によって「祝福と護りのルーン」が刻まれており、着装者に対する精神攻撃から保護する効果を持つ。
異端審問庁に仕える「グレイナイト」の精鋭が着用する高性能パワーアーマー。マークVIやVII、VIIIのパーツを元に作られ、祈祷や聖句によって聖別されている。
通常のパワーアーマーと異なり、ヘルメットはマークIIIを彷彿させる騎士のヘルムのようなデザインに変更されている。
アーマーには、通常のスペースマリーンが使うようなボルタ―が腕にが組み込まれており、手首に取り付けられていることが多い。これは、強力な「ネメシスフォースウェポン」を両手で扱えるようにするためである。
敵のサイキックに対して強い抵抗力を持っており、イージスアーマーはグレイナイトのサイキック特性と相まって〈歪み〉より来るディーモンにとっては近づくことすら苦痛を感じる程の結界を生成する。
ケイオススペースマリーンが身に着けているパワーアーマー。元々スペースマリーンが着ていたパワーアーマーを強奪して着装している。
そのため、着装しているアーマーは年代も形式も異なる部位が混在したものとなっており、中には〈ホルスの大逆〉で運用されていたマークIIIやマークIVのアーマーを未だに着装する者も存在する。
デザインやヘルメットもトゲトゲしく、角や頭蓋骨、鎖をはじめとしたおぞましいデザインが施されている。
また、〈渾沌の軍勢〉はまともなアーマーの修理施設を持っていないことが多く、各装甲のサブシステムがまともに動作しないので、敵から略奪し続けないと部品交換ができないようになっている。
また、〈渾沌の神々〉から認められた「ケイオスチャンピオン」や「オブリタレイター」は肉体とパワーアーマーが融合する肉体装甲の恩寵を得るという。
スペースマリーンの大型兵器とビークル
“熱狂、責務、純潔。三梃の大いなる銃で汝の魂を武装せよ”
【概要】
スペースマリーンに支給された数々の大型ビークルや大型兵器はどれも強力で、帝国内でも上位クラスを誇る性能だ。
地上を駆ける戦車やバイク、空を切り裂く戦闘機、そして、星を渡る巨大な戦艦までどれも〈戦闘者〉(アスタルテス)が扱うにふさわしき物がそろっている。
輸送機
【概要】
スペースマリーンを迅速にかつ安全に輸送するためのビークルが用意されている。
空を切り裂いて落下してくる降下艇や地上でマリーンを安全に運ぶ装甲兵員輸送車両(APC)等がある。
ほぼ全てのスペースマリーン戦団に配備されている装甲兵員輸送車両(APC)。
「装甲」、「兵員の輸送スペース」、「機動性」の三要素がバランスよく実現したライノは、スペースマリーン達を速やかに再展開、作戦目標地点への輸送、更には敵戦線局部への迅速なピンポイント攻撃すらよも可能となっている。
初期デザインの完成度は高く、その後数千年紀を経ても、ライノはその車体設計にごくわずかの変更が加えられるにとどまっている。
ライノの車体設計がもたらした画期的な功績は、その製造がきわめて単純なこと、そして改造型車両の作成や燃料供給スペース部の改変も容易であったことだ。
ライノの派生モデルも多数リリースされており、戦団によっては細かなカスタマイズが加えられている。
ライノの派生モデル。レイザーバックの車体設計はライノを原型とし、兵員輸送能力を一部削減しつつ、ライノにはない高火力を実現している。
こうして節約された兵員輸送スペースは、「ツインリンク・ヘヴィボルター」や「ツインリンク・ラスキャノン」用の弾薬格納庫や射撃制御システムなどに充てられているのだ。
本来との使用用途とは異なるが、この車両を野戦指令本部として用いたり、強行偵察の前哨部隊として用いたりと戦団によって創意工夫を凝らした活用法が考案されている。
ライノだけでは火力に欠けるので、護衛用の車両として同行させることも多い。
〈帝国〉が誕生する前から存在する輸送車両。セラマイト合金とアダマンチウム鋼の複合装甲板によって守られたランドレイダーは、いかに痛烈な攻撃すらも弾き返す防御力を持つ。
特筆すべきは、ランドレイダーの輸送スペースである。その内部にはスペースマリーンの一個分隊、彼らが戦場で用いる軍需物資、通信装置、予備弾薬、さらには簡易医療設備までもが収容可能。
そのため、ランドレイダーは敵前線に投入するのみならず、司令拠点としても活躍できる。
ランドレイダーの派生モデル。両側面のラスキャノンを排したことで兵員輸送の人数が強化されている。
ブラックテンペラー戦団によって作り出され、後に華々しい活躍によって普及した。
ランドレイダーの派生モデル。ランドレイダー・クルセイダーをベースとした、攻城戦に特化したモデル。
巨大火炎放射器「フレイムストーム・キャノン」を側面砲塔に搭載し、燃えさかるプロメチウムの大波を敵歩兵部隊に浴びせかける。
スペースマリーンの異名、〈死の天使〉。ドロップポッドによる強襲降下作戦を敢行するとき、彼らは文字どおり〈死の天使〉となって地表に降臨を果たす。
そんな彼らの様を表すような輸送機が「ドロップポッド」(降下艇)だ。ドロップポッドの形状や機能は、宇宙船に装備される救命ポッドに良く似ているが、その用途はまったく違う。
これは衛星軌道から大気圏を突破して地表に強襲着陸を果たす、降下プロープなのだ。ドロップポッドは衛星軌道上に浮かぶ艦艇から低軌道下で地表へと射出された後、ポッド底部に円状に配置された大出力レトロバーナーの推進力で目標降下座標へと向かい、きわめて迅速に大気圏突入を達成する。
各ドロップポッドの内部には、スペースマリーンの一個分隊、またはドレッドノート一機を収容可能だ。
彼らはドロップポッドの外装甲板たった一枚だけを頼りに、きわめて過酷なコンディションで大気圏突入を果たし、目標降下地点へと送りこまれるのである。
「プライマリススペースマリーン」向けに新たに配備された半重力戦車。「リパルサータンク」とも呼ばれている。
プライマリススペースマリーンにふさわしき戦車を考案中にテックプリーストである「ドミナス」から半重力車両を作りたいという要望から誕生した。
「反重力プレート」によって地面から浮いているので従来の戦車よりも走破性が高く、溶岩流や沸騰した酸の湖といったあらゆる地形を乗り越えられることが可能。ランドレイダーよりも速度は少し早い。
武装も、「フラグストーム・グレネードランチャー」、「ヘヴィ・オンスロート・ガトリングキャノン」等を装備し、主砲の「ラス・タロン」と「ツイン・ラスキャノン」は高い威力を誇る。
10体の「プライマリススペースマリーン」を輸送することもでき、輸送車両としての使用も問題なくできる。
スペースマリーンを安全に空輸するための強襲揚陸艇。大気圏内外で行動可能な万能機で、揚陸艇だけでなく攻撃機としての火力も持つ。
サンダーホークはあらゆる局面で活躍する汎用機だが、本来はスペースマリーンたちを戦闘区域へと運び、また地上に展開した部隊に支援射撃を提供すべく設計された。
現在では多くの戦団が、惑星の成層圏を進む強行偵察機、長距離攻撃機、宇宙空間における重戦闘機として、サンダーホークを様々な用途に用いている。
最大30人のパワーアーマーのスペースマリーン、またはターミネイター・アーマー着装のスペースマリーン15人を輸送することが可能。
サンダーホーク一機に対し、搭載されている兵器はおびただしい数を装備している。
武装は、ツインリングヘヴィーボルター4門、ラスキャノン2門と背面に「バトルホークキャノン」1門が標準搭載されている。背面には他にもスカウト・タイタンを一撃で葬れる威力を持つ「ターボレーザー・デストラクター」に換装も可能。
サンダーホークの派生モデル。スペースマリーンを多く輸送できないが、その代わりにライノやランドレイダーといった戦闘車両を輸送することができる。
「サンダーホーク」よりも巨大な強襲揚陸艇。飛行中の機敏性も低いが、マリーンの収容人数もサンダーホークを上回る。
〈大征戦〉の初期で使用されていたが、時間が経つにつれ「サンダーホーク」へ次第に置き換わっていき、〈ホルスの大逆〉時代にはほとんど使用されなくなった。
現在では見かけるだけでも難しいぐらいに現存数は少ない。
地上兵器
【概要】
戦場で轟音を挙げながら進軍する数かすのスペースマリーン用の地上兵器はどれも帝国内でも高性能なものが用意されている。
スペースマリーンたちの馬となり、盾となり、剣となる数々の攻撃車両や戦車はどれも雄々しくかつ激しい火力を持つ。
大地を半重力で浮遊しながら地上を滑走する攻撃車両。ランドスピーダーは、〈ホルスの大逆〉勃発後しばらくして発見された標準テンプレート生産(STC)データをもとに、劇的な進化をとげてきた。
古代人類のテクノロジーである反重力プレートを応用したランドスピーダーは、惑星の重力場に反発して地上を滑るように高速で移送する。軽量アダマンチウム装甲で覆われ、機動性は高いが装甲は薄め。
豊富な武装搭載オプションを持つランドスピーダーは、戦場でもさまざまな役割に対応できる。
軽装備時は強行偵察や斥候任務、重装備時は敵戦車撃破や残存勢力掃討作戦などなど、ランドスピーダーの運用法は実に幅広い。
スペースマリーン戦団が保有する主力戦車。ライノをベースとしつつ兵員輸送スペースを完全に無くして正面装甲と火力を大幅に強化。
更に旋回可能な砲塔を追加されたのが、機動力と高火力を併せ持つ強襲戦車プレデターである。
ライノだけではどうしても地上における火力不足に陥っていたために開発され、今では帝国を代表するが最も誇りとする制式兵器の一つとして現在まで脈々と受けつがれている。
ライノをベースとしたスペースマリーンのミサイル車両。軽装甲の車体上に多連装ミサイルポッドを搭載し、火力と機動力を両立させている。
ホワールウィンドに搭載された多連装ミサイルシステムは、目標地点に対し、恐るべき精度で集中砲火を加えられる。
さらに、高度なターゲット捕捉システムが搭載されているため、ホワールウィンドは車体を遮蔽物に隠しながらでも、防御施設や塹壕内に隠れた敵に対し、圧倒的精度でミサイルを撃ちこめる。
旋風を巻き起こすかのごとくの機動性と激しきミサイル爆撃で堅牢な建物にこもる敵ごと爆散させることができるのだ。
前面に大口径の臼砲とドーザーブレードを搭載した突撃戦車。複雑な街路を持つ市街戦で威力を発揮する。
ライノをベースとし、スペースマリーンの所持する火砲の中で最も破壊的な「デモリッシャーキャノン」が前面に組み込まれて搭載し、圧倒的な火力を持つ。
更に「シージ・シールド」と呼ばれる超大型のドーザーブレードを車体全面に装備しており、進軍を妨害するガレキを押し出せれる。
他の車両ではガレキの山に足をとられ、身軽な敵に機動力負けする地形を、ヴィンディケイターならば行く手に存在するすべての障害物を押しのけて走破することができるのだ。
プライマリス・スペースマリーン用に配備された大型の半重力浮遊戦車。帝国技術局局長「ベリサリウス・カウル」の研究と新たに回収されたSTCテンプレートを基に開発された。
主砲には「マクロアクセラレーターキャノン」を搭載し、側面には「ラス・リッパー」、「プラズマエラディケーター」、「ヘビィスタバー」、前面には「ヘビーボルター」と「ラスキャノン」が搭載されている。
「プライマリス・リパルサー」よりも兵員輸送能力がない代わりに高い破壊力を持ち、特に対空砲火に優れた威力を発揮する。
「装甲二輪車」とも呼ばれるスペースマリーン用のバイク。重量が重いパワーアーマーを装備したスペースマリーンを乗せて、超高速で戦場を駆け抜けるための馬力を出力できるエンジンが搭載され、圧倒的な機動力を持つ。
様々な派生モデルも存在し、「ツインリンク・ボルトガン」が搭載された「アタックバイク」やスカウト用のスペースマリーン・バイクなどのモデルが存在する。
拠点防御用に開発された移動式連装型砲。技術官(テックマリーン)によって操作され、一般的な火力支援車両では作戦行動が困難な、山岳地帯や廃墟内などに配備される。
重厚かつ武骨なキャタピラによって駆動する四本の巨大な連装型砲身を持ち、圧倒的連射性能で敵を制圧する、恐るべき攻撃力を秘めし兵器だ。
スペースマリーンが扱う戦車の中でも最大級の大きさを誇る戦闘車両。ホルスの大逆の時代に使用されており、後の「ベインブレイド」戦車につながる機体でもある。
優れた耐久性と防御力に加えて、主砲に高威力の「アクセラレーターキャノン」を装備している。
現在ではほとんど見かけることがない。
航空兵器
【概要】
惑星内の重力圏及び大気圏内でも高速で移動できる航空機も数多く用意されている。
特に、制空権や制宙権を確保する際に大きな活躍を見せる。
双胴の輸送スペースを持つ航空機。サンダーホーク・ガンシップよりも小柄だが、大気圏外の宇宙での使用も可能でターミネイター・アーマーのマリーン10人を輸送可能。
工作活動用の「マグナ・メルタ」や迎撃用の「ツインリンク・ファイアフューリー・ミサイルランチャー」を装備している。
迎撃機と対地攻撃機という二つの役割を果たす攻撃艇。小型で小回りが利くだけではなく、素早い加速力も持っている。
「ヘヴィボルター」や「ラスキャノン」、「スカイハンマー・ミサイルランチャー」等の高火力な火器を装備する。
「リパルサー・システム」を搭載し、速度重視から敏捷性重視の飛行モードに切り変えることが可能。
超音速で戦場を飛び回る対空攻撃艇。迎撃と対空攻撃に長け、航行速度も非常に速い。
しかし、ホバー飛行による空中待機ができない。
超音速で飛ぶ重装備の装甲戦闘機。セラマイト装甲覆われ、ツインリンクラスキャノンを搭載。
〈大征戦〉の時代に開発され、今では現存する数か少ない。ウルトラマリーン戦団やグレイナイト戦団などのごく一部で使用されている。
ドロップシップ、装甲輸送、攻撃艇の3役をこなす多目的航空機。ホバー飛行による空中待機が可能。
機体上部に設置されているガンナータレットは「ヘビーボルター」、「プラズマキャノン」などの各種火器をツインリンクで装備することができる。
兵員輸送スペースも設けられ、最大12人のパワーアーマー着装のスペースマリーンを輸送可能。
サンダーホークよりも小柄な強襲揚陸艇。他の航空機によりも大型のサイズゆえ極度に武装されており、一方で他のガンシップと比較すると兵員輸送能力が劣っていたため、輸送要員としてよりは戦術的攻撃ユニットとして使用されている。
機体の起源はかの〈大征戦〉にまで遡り、スペースマリーン兵団の航空戦力においてストームイーグルはサンダーホーク・ガンシップやストームバード・ガンシップとならぶ主力戦闘機の一つとして運用されていた。
大征戦時代に開発された攻撃戦闘機。機体には多数の武器システムを装備し、弾薬を最大にまで積載できるように設計されている。
機体先端には2門の「アベンジャー・ボルトキャノン」を装備し、機体側面には「ウエストマウント・ボールタレット」、翼の部分には「ヘルズストライクミサイル」が装備されている。
第41千年紀の現在においては機体を保有する戦団が数多く存在し、少数の戦団や工業惑星で製造が可能となっている。
スペースウルフ戦団に配備された攻撃艇。戦団にとっては航空力の決め手となり、主砲である「ヘルフロスト・デストラクター」がもたらす絶対零度の光線は圧倒的な威力を誇る。
スペースウルフ戦団に配備された小柄な強襲揚陸艦。飛行中のや加速力、機敏性も高く、ホバー機能も付いている。
最大でパワーアーマーのマリーン16人を輸送可能。
ダークエンジェル戦団専用の戦闘機。爆撃機としての機能を持っているだけでなく、前面に主砲である「リフトキャノン」を装備しており攻撃機としても運用できる。
宇宙艦隊
【概要】
惑星間を移動して戦場に赴くスペースマリーンの足となる戦闘用の宇宙戦艦。
宇宙での敵艦との戦いにも対応しており、艦内にはマリーン以外にも多くの乗組員が戦艦の運用に携わっている。
荘厳なゴシック様式のデザインが施された戦艦は正に"戦う大聖堂"といっても過言ではない。
スペースマリーン戦団が誇る最大級のサイズを持つ旗艦。武装と装甲も数ある館の中でもトップクラスの性能を誇る。
スペースマリーンが保有する戦闘艦は本来、惑星降下時の支援をになうべく開発された。
強固な装甲によって包まれたその広大な艦内には、星系内航行用の宇宙船、対宇宙艦艇用強行突入魚雷、そしてドロップポッド射出装置が積載されている。
戦闘艦の大部分は、帝国宇宙軍の大重巡洋艦にも匹敵する圧倒的火力を搭載可能である。
更に、ドロップポット及び戦闘艇を最大3中隊分同時に展開することが可能。ただし、機動力は劣悪なので足の速い艦に翻弄されることもある。
スペースマリーンに3種ある小型巡洋艦の一つ。高機動力、重武装、低耐久度の小型艦。
スペースマリーンに3種ある小型巡洋艦の一つ。雷装の小型艦。様々な魚雷と駆使して敵を撃滅する。
スペースマリーンに3種ある小型巡洋艦の一つ。ランスビーム搭載の小型艦で機動力が高い。
近距離砲撃、及び切り込み戦闘用の様々な武装が用意されている巡洋艦。機動性はやや遅め。
巡洋艦なみの防御力と速力を持ち、戦艦並みの火力を搭載する巡洋艦。
コデックス(戦いの聖典)
【概要】
ウルトラマリーンの総主長「ロブート・グィリマン」ががホルスの大逆後に書いたスペースマリーン戦団の効率の良い運用や戦団の反逆防止のために作成された軍法書。
正式名称は「コデックス・アスタルテス」。ほとんどの戦団で採用され、今現在でもスペースマリーン戦団の運用の基礎となっている。
数多くの戦団の中でもコデックスを採用している戦団は聖典戦団(コデックス・チャプター)と呼ばれている。
中にはコデックスの一部のみ採用している「ダークエンジェル」のような戦団や、コデックスを全く採用しない「スペースウルフ」や「ブラックテンプラー」のような独自色の強い戦団までコデックスの採用は各戦団に一任されている。
ただ単なる軍法書だけでなく、「道徳的行動」、「戦闘の順序」、および「スペースマリーン戦団の戦術的教義に対するグィリマンの理想」が解説されている。
コデックスは次の内容に関して解説が行われている。
スペースマリーン戦団内の定員数や中隊(カンパニー)の数、役職、兵器の所持数などが指定されている。
様々なケースを想定した有効な戦術が書かれている。例を一部挙げれば「包囲戦術」、「ステルス戦術」、「降下急襲」など。
パワーアーマーのカラーリングやマークを兵科及び分隊(スカッド)、中隊(カンパニー)ごとに決めるためのルール。
「あくまでマニュアル」なので、これに従っていれば必ず勝てるわけではないが、コデックスを妄信、過信する戦団も存在する。
過信や妄信が酷い場合には、コデックス外の事柄や戦況に対して柔軟に対応できない弊害も出てくる。
後に著者であるグィリマン本人が永き眠りから覚め、本来の使い方との乖離が見られたために現在では改訂版コデックスである、の作成に乗り出している。
コデックス・アスタルテスの改版に加えて、新たに帝国の行政にまで触れられている。
創設時期
スペースマリーンには複数の創設時期が存在する。スペースマリーンは創設された時期にナンバリングがつけられる。
以下に主な創設時期を挙げる。
- ファーストファウンディングチャプターズ(創始戦団)
最初の時期に生まれた戦団。〈大征戦〉を進めるうえで総主長によって創設された兵団が、大逆戦争後に戦団として解体されて今でも残っている。
- セカンドファウンディングチャプターズ(第二期創設戦団)
〈ホルスの大逆〉の内戦後に創設された戦団。その多くは、忠誠派(ロイヤリスト)の兵団が解体されて創設された戦団となっている。
主な戦団(チャプター)一覧
“彼らの武勇によってのみ、人類の〈帝国〉(インペリウム)は護られん。”
画像出典:ゲーム「Warhammer 40,000: Eternal Crusade」より
スペースマリーンのチャプターは数多く存在し、ここで取り上げるのはその中でも有名なものである。
元居た戦団から独立して新たな戦団が創設されたり、戦団の文化を引き継いで創設された「後継戦団」など、帝国内には1000を超える戦団が存在している。
各戦団の遺伝種子には必ずルーツとなるプライマーク(総主長)が存在し、プライマークの遺伝子情報を基にしてスペースマリーンが製造される。
ルーツとなるプライマークは大半は忠誠派だが、中にはルーツとなるプライマークが不明だったり、大逆派のプライマークがルーツだったりと必ずルーツが安定して定まっているとは限らないのである。
【主な有名戦団(チャプター)】
数多くの伝説と功績を打ち立てた有名な戦団が以下の4戦団である。
各戦団は大征戦時代に総主長によって創設されたファーストファウンディングチャプターズ(創始戦団)で、第41千年紀まで1万年もの古い歴史を持つ。
「ウルトラマリーン」
「我らが立つる時、我らはつねに戦う。我らが戦う時、我らはつねに勝利する。何者であろうと、我らの憤怒を逃れることはできぬ」
ウルトラマリーン戦団長 マルネウス・カルガー
プライマーク(総主長):ロブート・グィリマン
現チャプターマスター(戦団長):マルネウス・カルガー
ホームワールド(拠点惑星):マクラーグ
コデックスの採用:あり
基本カラー:ブルー
【概要】
惑星マクラーグを拠点とするコデックスマリーンとも呼ばれるもっとも一般的な戦団。
数あるスペースマリーン戦団の中でも代表される戦団でありで主役枠。
スペースマリーンのなんたるかを体現した存在で、典型的な戦士でかつ巧みな戦略家であり、高潔な戦士でもある。
彼らは均等さやバランスを保つことに美を見出す「均整美」を美徳とし、戦団員一人一人が様々な戦技をそつとなくこなす。
全体的に高い能力とバランスを持ち、手広い戦術を駆使した順応力の高い戦闘を得意とする。
全マリーンの3/5はウルトラマリーンから分化している。
【聖典の代理戦士】
〈戦いの聖典〉こと「コデックス」は〈渾沌〉の軍勢による蹂躙を止めることができなかったものの、反逆せしスペースマリーンの堕落や被害を緩和することには確実に成功している。
また、〈戦いの聖典〉はウルトラマリーン戦団やその後継戦団にとっての万事の中核をなすものとなっており、様々な判別を行う際の基準として扱われていた。
「ロブート・グィリマン」が残した遺産は遺伝種子や戦いの聖典だけではなくその精神性にも宿っている。ウルトラマリーン戦団の戦団員は〈戦いの聖典〉に記されし厳格なる規範に従い、彼らが率いる戦士達のみならず他の戦団の戦士たちに感銘を与える模範となり続けた。
〈第二期創設〉から以後同世紀にも渡り、ウルトラマリーン戦団は彼らの総主長を崇拝し、〈戦いの聖典〉に従える司祭としてそこに記された教えや規範、戦術教条を守り続けてきた。
さらなる暗黒が沸き上がる中、「ロブート・グィリマン」が帝国軍を率いるために復活したことは、自らの戦団の誇りを更なるものとし、新たな英雄的復活を共に益々誇り高きものとなっていった。
画像出典:ウォーハンマー40Kスタートセット「ブラックリーチ強襲」(Assault on Black Reach)ボックスアートより
ウルトラマリーン戦団は総主長「ロブート・グィリマン」によって創設され、率いられた兵団である。一糸乱れぬ統率、無私なる名誉、そして作戦行動の比類なき精確さは彼らの特徴である。
皇帝陛下が大征戦に乗り出し銀河を再統一した際、第十三兵団であったウルトラマリーン兵団は銀河の南部惑星を次々と再征服していった。グィリマンの手によって帝国領となった惑星は、どれも安定した体制が作り上げられた。
父親譲りの政治力を活かしたグィリマンは、彼の超人的な組織運営能力と、より効果的な統治体制への情熱を注ぐことによって惑星に対してその恩恵を受けることができたのである。
グィリマンが惑星を暴君の手から解放し、臣民らを無知から救うとき、彼が常に第一に着手したのは自衛システムの設立だ。惑星が危機に迫った時に自衛できる安全を確保できた後、産業発展の基礎が作られ、帝国との交易航路が整備された。
更に、惑星を治める惑星総督府に”有能な後見人”を残してグィリマンは次の惑星へと出撃を行うのである。
ホルスの大逆が勃発した後、ウルトラマリーン兵団は本拠地の地球(テラ)から遥か離れた場所まで戦線を広げていたために、ホルスの大逆軍からは遠く離れていたために、皇帝陛下を守る手立てはなかったのだ。
更に悪いことに、大逆兵団の一つである「ワードベアラー」兵団による妨害があったために、地球まで軍を引き上げることができなかったのである。
ウルトラマリーン兵団は大逆の内戦においては無事だったが、皮肉にも内戦に参戦できなかったための結果である。
ホルスの大逆平定後も帝国を狙う無数の敵たちは、満身創痍の帝国を滅ぼそうと虎視眈々とそのチャンスを狙っていた。
他の皇帝忠誠派の兵団が戦死者を出している中で、ウルトラマリーン兵団はその肩代わりに帝国を護るための戦いに赴いていた。
帝国全体ではスペースマリーン全体の数が少ない中で、ウルトラマリーン兵団に課せられた使命は極めて重かったといえよう。
拠点惑星であるマグラークではこの頃、潤沢な新規入団員を受け入れる体制が整っていたために、ウルトラマリーン兵団の兵数はかなり補充されていった。
それから間もなくして、帝国内のスペースマリーンの約半数はウルトラマリーン兵団が占めるようになるまで膨れ上がった。
帝国の秩序が整った後に、グィリマンは〈戦いの聖典〉(コデックス)を執筆し、1万人単位の兵団を千人単位の戦団へと分割した。
そしてこの頃、兵団を戦団単位に分割し数多くの戦団が設立した〈第二期創設〉が行われた。
この〈第二期創設〉に当たってウルトラマリーン戦団の遺伝種子(ジーンシード)は非常に需要な役割を果たした。他の兵団には、複数の戦団を創設するための人数も、遺伝種子の蓄えもなかったためである。
それに加えて、ウルトラマリーン戦団の遺伝種子は安定性が高く、戦団創設時には帝国の〈中央執務院〉に大きく好まれていた。
その為、第二期創設時にはウルトラマリーン戦団の遺伝種子が多く使われるようになった。
一説によれば、第41千年紀現在において、全体の三分の二に当たるスペースマリーン戦団が、ウルトラマリーン戦団の血筋と言われている。
【主要キャラクター】
三百年以上の長きに渡りウルトラマリーンを率いた戦団長。本名は「マルネウス・アウグストゥス・カルガー」。
特注のマークXグラヴィス型パワーアーマー「ヘラクルスの鎧」と戦団の至宝であるパワーフィスト「ウルトラマールの籠手」を装備し、接近戦で数多くの異種族や大逆者を鉄拳制裁で屠ってきた。
コーンのグレーターディーモン(上級悪魔)の「ブラッドサースター」やアエルダリの神の化身「アヴァター・オヴ・カイン」との常命の者では到底太刀打ちできない強敵との一騎打ちにも勝利する武勇を誇る。
ここまで聞けば戦士としての才能のみ優れているイメージだが、
ウルトラマリーンの特徴である「順応性の高い戦闘」や「優れた戦術」よも持ち合わせており、指揮官や戦術化としてでも優れた能力を持っている。
元々彼は普通のスペースマリーンとして活躍していたが、「プライマリススペースマリーン」が各戦団に導入されるのを機に、プライマリスへの移行手術を受ける。
通常のスペースマリーンからプライマリススペースマリーンへの移行手術の最初の被験者として手術を受けたが、全身を覆う苦痛と死を乗り越えた彼は現在、「プライマリススペースマリーン」として生まれ変わり、新たな〈戦闘者〉(アデプタス)としての道を示すこととなったのだ。
「ブラッドエンジェル」
「我ら、報復もたらす血の天使の化身なり。恐れよ、我らが憤怒を!」
プライマーク(総主長):サングィヌス
現チャプターマスター(戦団長):ダンテ
ホームワールド(拠点惑星):バール
コデックスの採用:一部あり
基本カラー:レッド
【概要】
血のように赤いアーマーを纏い、接近戦と空からの強襲を得意とする戦団。ムキムキながらも顔はハンサムな美丈夫。
彼らは「血の飢えた」と評されるほどの戦意白兵戦への執着、好んでジャンプパックを使用する戦闘姿勢で名高い。
また、一分の隙もない戦闘計画や、武器や装備に施された装飾の美しさなど、「飽くなき完全性への追及」という特徴も持ち合わせている。
しかし、彼らは改造遺伝子である「遺伝種子」に障害があり、突如として〈傷〉と呼ばれる恐るべき狂気に突き動かされ、狂化することがある。
狂化による症状は二つあり、吸血鬼のように血を求めてしまう〈紅き飢え〉と、敵味方問わずに殺戮を行う〈黒き怒り〉の呪いに苦しんでいる。
上記二つの呪いは、サングィヌスの死の直後に起こったショックによって当時の「ブラッドエンジェル」兵団員全員の遺伝子に刻まれた。
このことは他の部隊や組織からは秘匿されており、帝国内でも<傷>や呪いによる犠牲者が出ているため命を落としやすい最前線に常に送り込まれる。
ヒロイックかつ悲劇を運命付けられた強い厨二病的人気のある戦団。
【ゲーム上の特徴】
ジャンプパックによる高機動な移動力と、白兵戦と強襲を得意とする。
画像出典:ウォーハンマー40K「コデックス:ブラッドエンジェル第8版」(codex:Blood Angels)P41 イラストより
彼らが背負わされている恐るべき呪いが〈傷〉(フロー)である。と、による2つの呪いを抱えており、戦団はその呪いを取り除こうと1万年間たゆまぬ努力を続けた。
しかし、これらの呪いは未だに取り除く方法が確立されていない。
彼らがこの恐るべき呪いを背負ってるが故に”死にゆく戦団”であることを知っているのはごくわずかな者に限られるだろう。
戦団が持つ〈傷〉の呪いの一つが〈紅き飢え〉(レッド・サースト)だ。戦団員は心の奥底に破壊的な欲求を潜ませている。故に、戦団員は眠りから覚めている間は常に、憤怒や血に対する渇望をこらえて抑制する必要がある。
この呪いに取りつかれた者は、生き血を求めて獣のごとく暴れだし、敵味方問わずに捕食者の生き血をすするという・・。
呪いにかかった者の末路は誰一人として語ろうとはしない・・。
ブラッドエンジェル戦団が持つ最も暗き秘密であり、最も過酷な呪いだが、同時に最大の救いをもたらす。
彼らはこの呪いを抱えているが故に、決して傲慢にならないような謙虚さを身に着けている。自らの弱点を客観的に見つめることによって全スペースマリーンの中でも随一の気高さを生み出しているのだ。
戦団が持つもう一つの〈傷〉の呪いが〈黒き怒り〉(ブラック・レイジ)だ。彼らはある時何の前触れもなく、いきなり激しい怒りの衝動に駆られることがある。
戦団員の遺伝種子によって一定条件がそろえば、総主長「サングィヌス」の”遺伝的記憶”が突如、戦団員の意識によみがえってくる。
その記憶は、かの〈ホルスの大逆〉の最終決戦である〈地球の戦い〉をサングィヌスの視点を描いたものとなる。
〈黒き怒り〉に取りつかれた彼らは、まるで自分が「サングィヌス」になったかのように激しい怒りに駆られてしまい、正気を失ってしまう。
もはや”過去”と”現在”、”敵”と”味方”の区別もできなくなり、周りの敵だと思い込んでいる者たちを排除するまで戦い続けるのだ。
この呪いを制御できない同胞(ブラザー)は中隊の一つである「死神の団」(デスカンパニー)へと送られ、サングィヌスの名の下で最終決戦へと赴くこととなる・・。
【主要キャラクター】
ブラッドエンジェルの現戦団長。金色の装甲服「アーティフィサーアーマー」(特別装甲服)と天使の如き跳躍装置を身に纏う。
マリーンの中でも長寿(ドレッドノート改造を除く)で、1100年にわたって戦団長を務めているベテラン中のベテラン。
彼には側近の近衛部隊「サングィナリーガード」が付いており、500年間戦い続けたベテランマリーンと共に戦う。
彼と近衛部隊のパワーアーマーに付けれれている金のマスクは在りし日の「サングィヌス」の顔を模しているという。
「スペースウルフ」
「ラスとオールファーザーの御名のもとに!」
プライマーク(総主長):レマン=ラス
現チャプターマスター(戦団長):ローガン・グリムナー
ホームワールド(拠点惑星):フェンリス
コデックスの採用:コデックス?ねぇよンなもん。
基本カラー:ブルーグレー
【概要】
「コデックス」や帝国の各種組織にはに全く従わないが、皇帝や仲間に対する忠義は厚い蛮族のような戦団。
彼らが従うのは母星「フェンリス」の伝統と皇帝の指示のみ。
仲間の為なら、無慈悲なる上位組織の「インクイジター」(異端審問官)にも喧嘩を売るアツい奴ら。
【ゲーム上の特徴】
通常のマリーンに比べて接近戦と強襲、奇襲が得意で白兵寄りの調整が行われている。
即死効果がある冷気を発射するウォーギアを装備可能。更にはフェンリスに生息する「サンダーウルフ」を同行することもできる。
可愛いわんこが大好きな愛犬家には是非お勧めしたいアーミである。(U^ω^)わんわんお!
画像出典:ウォーハンマー40K「コデックス:スペースウルフ第8版」(codex:Space Wolves)P22,P23 イラストより
極寒の惑星「フェンリス」を拠点とし、をもたらすとされる恐るべき「牙狼(がろう)遺伝子」(カニス・ヘリックス)を体に埋め込んだ狂戦士。
戦団員は惑星内の各部族より選び抜かれた豪傑等によって構成される。
北欧神話の戦士がそのままマリーンになったようなもので、巨大なオオカミに乗りつつ
しかし時折、名誉を必要以上に重んじる態度はしばしば厄介事を引き起こすこともある。
〈ラスの仔ら〉である彼ら「スペースウルフ」戦団は独自性を保ちつつも今日も勝利の爪痕を残しているのだ。
【主要キャラクター】
スペースウルフの現戦団長にして、不退転の戦士王。700年以上にわたって戦団長を務めた〈ラスの仔ら〉を導きし大英雄。
彼は人間的魅力にあふれ、決して気取らず、他者から好かれやすい性格を持つ。フェンリス王である彼は、共に戦い、彼と共に酒を飲みかわし、彼と共に宴の肉を喰らう者を何より大切にする。
コーン神によって鍛えられた魔斧「モルカイの斧」を片手に持ち、サウザンドサンの総魔長「赤のマグヌス」に致命的な一撃を与えた実力を持つ。
また彼は奇襲時に戦団の至宝たる「嵐に乗るもの」(ストームライダー)と呼ばれる半重力のソリを駆り、豪快でかつ勇壮な奇襲を行うこともある。
1人の戦士としてだけではなく、荒々しい戦団員をまとめ上げるリーダーシップを持ち持ち合わせており、数多くの勝利を挙げている。
その〈大狼〉の名は銀河中を轟かせており、一部からは総主長「レマン=ラス」の再来ではないかとも言われている。
スペースウルフを目の敵にしてる「インクイジション」(異端審問局)は彼を含む戦団を何度も異端扱いしたり、
服従させようとしてきたが、彼らの反抗的な気質によって幾度も無く苦渋と辛酸を舐めさせられてきた。
余談だが海外の一部ファンからは、「ストームライダー」に乗っているはサンタクロースにしか見えないとにされている。
「ダークエンジェル」
「悔悟せよ!貴様が死す明日のために!」
プライマーク(総主長):ライオン・エル=ジョンソン
現チャプターマスター(戦団長):総大守首座(シュープリム・グランドマスター)アズラエル
ホームワールド(拠点惑星):キャリバン(消滅)、〈岩牢〉(ザ・ロック)
コデックスの採用:一部のみ
基本カラー:ダークグリーン、骨色(死翼)、ブラック(鴉翼)
【概要】
戦団番号Ⅰ。すなわち最初に設立された戦団。修道士のようなフードを被り、強力なプラズマ兵器を愛用する。
ダークエンジェルは本質的に修道院的であり、祈祷や礼拝に多くの時間が割かれている。
元々は緑豊かな惑星「キャリバン」を拠点にしていたがとある理由で惑星は消滅し、現在では超巨大母艦〈岩牢〉(ザ・ロック)を拠点として活動している。
彼らは自らの戦団に関しての情報を外部の者に流出させないようにしており、戦団独自の判断による不可解な行動を行っている。
しかしその正体は、自らを〈許されざる者〉(アンフォギヴン)と自称し反逆者である〈堕ちし天使〉を捕まえることを目的としている贖罪の戦団なのである。
【ゲーム上の特徴】
強襲が得意なデスウイング隊と機動力の高いレイウンウイング隊とその他の部隊を組み合わせてアーミーを編成する変わった特徴を持つ。
他のマリーンには見られない特殊なルールや能力を持ったユニットも居る。
画像出典:ウォーハンマー40K「コデックス:ダークエンジェル第8版」(codex:Dark Angels) 表紙イラストより
かつての兵団(戦団の前身)時代大逆の内戦後に拠点惑星である惑星「キャリバン」で、同兵団内での内戦が勃発。
最後は裏切り者であるは銀河中に散ってしまい、兵団はこの事実を隠すために拠点惑星ごと衛星軌道砲撃で消滅させた。
内戦後、彼らは拠点惑星の代わりに、惑星「キャリバン」の残骸となった小惑星を宇宙ステーション〈岩牢〉(ロック)を建造し、新たな拠点を作り上げた。
そして、〈岩牢〉内には戦団に関する暗き秘密を隠し、銀河中に広まった〈堕ちし天使〉達を狩るための体制を整えていく。
こうして彼らは
裏切り者たる〈堕ちし天使〉(フォールン・エンジェル)はまだ生きており、下手をすれば反乱の事実が帝国上層部にばれてしまう。
そうならないために彼らは銀河中に散らばった堕ちし天使を全て捕まえて反乱の汚名を無かったことにしようとしている。
〈堕ちし天使〉達は元々は〈大征戦〉を戦い抜いた実力者が多く、帝国国内に紛れ込んで高い地位まで上り詰めたものも少なくない。
実際に〈堕ちし天使〉による被害も多く、時には数兆の人命を失わせるほどのおぞましい破壊と悲劇をもたらしたこともある。
それらを防ぐために、彼らは独自で〈堕ちし天使〉達を探し出し、見つけ次第捕らえるのだ。捕まった〈堕ちし天使〉達は〈岩牢〉の中にある拷問室にて〈尋問教戒官〉による恐怖の拷問と悔悟を迫られるのだ。
罪を認める、認めないにも関わらず〈堕ちし天使〉は遅かれ早かれ必ず殺される。
戦団から反逆者が出た事実が知られると、戦団自体が潰され、裏切り者(トレイター)に認定される恐れがあるので、
また戦団員は過去の汚点を隠すために部外者を信用せず、当戦団に関する情報の提供は断固として拒否する。
そのために帝国の他の組織や部隊からは不可解な行動をとっている疑いがもたれている。
特に一部の異端審問官は母艦である〈岩牢〉の奥に秘密が隠されていることに気づいており、どうにかしてその秘密を暴こうとしている。
キャリバンの滅亡後、ダークエンジェル兵団の幹部たちは〈執行会〉(インナーサークル)と呼ばれる秘密会議を設立する。
そこでは〈堕ちし天使〉を狩るための会議や秘密を隠し通すための会議などが開かれ、
ダークエンジェル系の各戦団(後継戦団含む)の内部に存在し、ごく一部の幹部からなる秘密の会議として語られざるべき秘密を守り続けている。
戦団は二つの部隊がメインとなっており、骨色の第一中隊とブラックカラーの第二中隊がある。
デスウイング(死翼)はテレポートによる強襲と重装甲のターミネーターアーマーを着装しての戦闘が得意。
レイウンウイング(鴉翼)は機動力が高く、バイクなどのビークルを駆使する。
それ以外の部隊の基本カラーはダークグリーンとなっている。
【主要キャラクター】
ダークエンジェルの現戦団長。未開惑星「キンメリア」出身で、「総大守首座」(シュープリム・グランドマスター)と呼ばれる戦団長に当たる称号を持つ。
アズラエルは、そうそうたる〈執行会〉(インナーサークル)の顔ぶれの中にあってなお強烈なカリスマ性を放つ、戦団の原動力にして心臓たる偉大な指導者である。
〈堕ちし天使〉を狩るためならどのような手段も辞さない情け容赦なさを持っている。
〈獅子の兜〉(ライオンヘルム)と〈守護の鎧〉(プロテクター)を装備し、手には「秘密の剣」(ソード・オヴ・シークレット)とコンビ・プラズマガン「獅子の憤怒」(ライオンズ・ラス)を構えて戦う。
そして彼は、戦団の中でも重要な秘密の一つである「ルシエルが生存し独房に入れられている」という真実を知る数少ないうちの一人である。
彼はステイシスフィールドの中で1万年生きている裏切り者の「ルシエル」と唯一コンタクトを取ることができる。
歴代の総大守首座がルシエルから懺悔の言葉を引き出して彼を悔い改めさせようとしているが、アズラエルの力を持ってしても未だに彼の狂気を破ることができていない。
ダークエンジェル内の教戒官でも一番地位の高い「尋問教戒官」の称号を持つ教戒官。マジレスしか返せず、「ジョーク」という文字は彼の辞書には無いほど情け容赦ない。
「堕ちた天使」を狩るダークエンジェルの中でも、特にその過激さで知られ、現戦団長の「アズラエル」ですらドン引きするぐらいのレベルである。
スペースマリーンでも恐れる痛い拷問用の剣の持ち手でもあり、敵味方問わずにその恐ろしさは銀河中にとどろきわたるという。
【準有名戦団(チャプター)】
上記の4戦団同様、大征戦時代に総主長によって生み出された戦団。
第41千年紀まで1万年もの古い歴史を持っているファーストファウンディングチャプターズ(創始戦団)の一つである。
彼らもまた数多くの伝説と功績を残しつつ今でも戦い続けている。
「インペリアルフィスト」
「皇帝陛下の勅命に従う我らを、ドルン公の導きに従う我らを、誉れという名の盾が守る。我らを恐れよ。我らの名は、復讐を意味するのだ」
プライマーク(総主長):ローガル・ドルン
現チャプターマスター(戦団長):ヴォーン・ハーゲン
ホームワールド(拠点惑星):テラ(現在),インウィット(初期),機動宇宙要塞ファランクス
コデックスの採用:あり
基本カラー:イエロー
【概要】
戦線を維持することを信念とする戦団。防御や築城、包囲戦に長けており、戦線を維持するためなら玉砕することもいとわない。
インペリアルフィスト戦団のスペースマリーン達全員は、ゆるぎない自制心と、ドルンの下す命令への献身という、二つの特徴を備えている。
防衛や耐久に長けた装備や、「ボルター」を好んで使用する。特にボルターの扱いに関してその正確無比な射撃において勝る者がいないといわれている。
数ある戦団の中でも厳格な気風で忠義に厚い戦団だが、その反面融通が利かない部分もある。
総主長ドルンは高い築城の才と防衛、包囲戦の才を示し、帝国の本拠地である地球(テラ)の防衛網と皇帝の帝殿を作り上げている。防衛の技術やノウハウは戦団内でも引き継がれており、現在でも戦団を支える屋台骨となっているのだ。
彼らの戦団の下となった兵団を生み、育て、率いた総主長「ローガル・ドルン」の生き様は、まさに壮絶なる自己犠牲を体現した英雄で、彼の生き様と死に様が今日生きる戦団の模範となっている。
厳格でありつつも、誠実で頑固なドルンの性格や生き様がそのまま戦団の教条に反映されている。
彼らは基本的にコデックスを基にして戦団を運営しているが、それに加えてインペリアルフィスト独自の「五輪書」(ごりんのしょ)を用いている。
この書物には独自の武術に関する知識や、スペースマリーン戦団の武器に関する包括的な評価が書かれている。
更に戦団は正確性や精密性に重きを置いており、高い射撃の腕前を持つことで名高い。その結果、戦団員の殆どは撃滅分隊として過ごす時間が長く、長距離戦闘のスキルを大いに高めた後に、ようやく強襲分隊への配属を向かいる。
インペリアルフィスト戦団は
その為、他の戦団なら敗北を認めるか、あるいは撤退を選ぶかという局面であっても、頑に戦い続けることであろう。
この揺るぎない信念を持つ〈戦闘者〉たちは、敗北の灰燼の中から常に立ち上がり、無数の勝利を獲得してきたのである。
しかし、その代償は高く、彼らは少なからずとも同胞たちの命を多く失ってきているのだ。
インペリアルフィスト戦団は、チャプターの中隊長(キャプテン)で構成される「戦団協議会」を持っている。
協議会の完全な目的は明確では無いが、戦団内のメンバー間のトラブルや衝突を解決し、支部長が争議者の事件を審問し、トラブルに対する処罰を含む判断を下すことができる「裁判所」のような役割を果たしている。
彼らの持つ武器庫には包囲戦のための武器や装備が充実しており、他の戦団とは比較にならない所有武器、兵器の数か多い。
無限軌道を重々しく軋ませる「サンダーファイアーキャノン」があたかも軍団の如き規模で配備されるという。また、インペリアルフィスト戦団は「センチュリオン・ウォースーツ」の訓練を積んでいる同胞を多数抱えている。
地球に駐留するすべての軍勢は皇帝と〈黄金の玉座〉の防衛に専念しているが、インペリアルフィスト戦団は宇宙艦隊と宇宙要塞「ファランクス」を拠点として活動を行っている。
戦団自体は常に銀河を移動し続けており、帝国内で助けを求める声があったら、彼らはいかなる場所にも向かうであろう。
このようにしてインペリアルフィスト戦団は、銀河系の隅々まで皇帝陛下の正義と威光をもたらし、闇深き人類に生存をもたらすものとして戦い続けているのだ。
画像出典:雑誌「ホワイトドワーフ 312号」(White Dwarf No.312) イラストより
【主要キャラクター】
インペリアルフィスト第一中隊の中隊長。誉れ高き戦団の至宝であるサンダーハンマー「ドルンの拳」(フィスト・オヴ・ドルン)を片手に戦う接近戦の名手でもある。
彼ほど長く過酷で誇り高き忠義を貫いたスペースマリーンは他に居ないと言われている。
彼はインペリアルフィスト戦団の軍曹として、彼はコロニアル・ブリッジ防衛戦で大きな武勲をおさめ、"インドゥーノの異端を討伐せし者"の栄誉を勝ち取った。
続いて、第二中隊の中隊長となったライサンダーは、エルダー巡洋艦"カインの血"に対する強襲作戦を指揮し、ハドドレイク・トルゥへの惑星降下作戦を援護している。
それから二世紀を経て、ライサンダーは第一中隊を率いる中隊長となり、インペリアルフィスト戦団から最大級の栄誉を得ることになった。
順調に階位のステップを登っていった彼だが、ある日を境に過酷な試練に立ち向かわなければならなくなる。
M40の終わりに、インペリアルフィスト戦団の「打撃巡洋艦」(ストライク・クルーザー)の「勇猛の盾」が、ワープ航行中の〈歪み〉内で消息を絶つという悲劇的な事件が発生する。
そして不運にも、この艦にはライサンダーをはじめとして第一中隊の大部分が乗り合わせていた。
その事件から千年経っても彼らが帰ることはなく、遂に戦団も追悼の儀式を執り行おうとしたその時、彼はなんと生きていたのだ!!
かの痛ましき事件から約千年後、ライサンダーが乗艦していた「勇猛の盾」は〈歪み〉の中から抜け出したが、不運にも〈渾沌の軍勢〉の本拠地である〈恐怖の目〉(アイ・オヴ・テラー)へと出現してしまったのだ。
更に不運なことに、インペリアルフィスト戦団を目の敵にしている「アイアンウォーリアー」兵団の拠点惑星「マドラックス」の前に出現し、「勇猛の盾」は集中砲火を受けて航行不能になる。
「アイアンウォーリアー」兵団に捕まったライサンダーは投獄されて卑劣な拷問を受け、その強靭な精神力で一か月間生き延び続けた。
しかし、一瞬の隙をついて脱走。装甲服を身にまとわず、己の素手と正義の怒りのみを武器にライサンダーと捕まっていた仲間たちは惑星「マドラックス」を小型シャトルで脱出し、生還を遂げたのだ。
その後は帝国に帰還するも、千年前に行方不明になったあのライサンダーと同一人物なのか疑いがかかる中、戦団による記録の照らし合わせが半年間続いた。
身の潔白が証明されたライサンダーは、インペリアルフィスト戦団の同胞たちによる生還の祝福を熱列に受けたのだ。
そして彼は元の第一中隊長としての位に再び戻り、「この銀河からアイアンウォリアー兵団を完全抹殺してみせる」との誓いを立てて今でも戦い続けている。
「ホワイト・スカー」
「太祖ハーンと皇帝陛下の御為に!」
プライマーク(総主長):ジャガタイ・ハーン
現チャプターマスター(戦団長):ジュバル・ハーン
ホームワールド(拠点惑星):チョゴリス(別名ムンドゥス・プラヌス)
コデックスの採用:あり(独自のルールと併存)
基本カラー:ホワイト
【概要】
バイクなどの高機動力を用いた一撃離脱戦法に通じるSF騎馬民族戦団。電光石火の如き高い機動力を誇る。
母星である惑星「チョゴリス」の部族的文化が色濃くでており、独自の戦団文化を持つ。
それ故に無骨にして野蛮な彼らは〈戦いの聖典〉(コデックス)を採用しつつも、総主長である「ジャガタイ・ハーン」の教えを基にその戦技を磨き続けている。
また、戦団の掟により死者を「ドレッドノート」への改造は行わないのでドレッドノートを少数しか所有していない。
彼らにとって戦士の魂を鋼鉄の棺の中へ閉じ込めることは忌むべきことであるからである。
その為、やむにやまれぬ事情がない限りはドレッドノートとなって奉仕する戦団員は極めて少ないのだ。
ちなみに元ネタはモンゴル帝国を築いた「チンギス・ハーン」一族である。
画像出典:小説「The Hunt for Voldorius」表紙イラストより
ホワイトスカーの戦団員たちは皆、惑星「チョゴリス」で生まれ育った荒々しい気性を持つ戦士たちであり、自らの体に刻まれた戦傷を誇らしげに披露する強者達でもある。
彼らの持つ厳かな獰猛さは、彼らの総主長である「ジャガタイ・ハーン」と惑星チョゴリスの民はが本来持つ厳しい気質に由来する。
惑星チョゴリスは、その住民以外の帝国臣民からは「ムンドゥス・プラヌス」と呼ばれており、荒涼たる風が吹き荒ぶ辺境の惑星である。ここに住む互いに反目しあう諸部族の中から最も強く、かつ有望な若き戦士たちがどの部族からでも新兵として選ばれる。
彼らは、強靭にして容赦なき者だけが生き残るこの惑星で、戦いに明け暮れた生活を送っているのだ。
ひとたび彼らがホワイト・スカーとなると、かつての部族への忠誠心は戦団と皇帝への忠誠心へと置き換えられてしまう。
異なる部族から集められた新兵たちは1つの分隊へと集められる。それぞれの分隊は「同胞団」、すなわち一般的に言う中隊の一部となる。
ホワイト・スカー戦団はスペースマリーンの基準から見ても非常に機動力が高く、電光石火の如き戦闘に特化している。
主に戦闘二輪車や反重力車輌「ランドスピーダー」、「ストームタロン」等といった高速車両を好んで使う。
装甲二輪車に騎乗するスペースマリーンはパワーランスと呼ばれる特殊なパワーウェポンをしばしば用い、他のパワーウェポン同様の破壊力をより長射程で実現している。
重装甲の軍勢はしばしばホワイトスカーの影を追うだけで精一杯となり、その一方でホワイト・スカーは易々と敵の弱点へと回りこんで攻撃を加えるのだ。
更にホワイト・スカーの艦隊戦力は戦団の技術官によって大幅な改造が施されており、艦の大きさからは考えられないような速度と加速を可能にしている。しかし同時にこの改造によって武装、防御、そして兵員輸送能力が犠牲となっている。
ホワイト・スカーの軍勢はある程度の距離をおいて敵を攻撃することを好み、速度と火力によって敵を撃滅する。しかし強襲分隊を猛烈な白兵戦へと送り込むことも十二分に可能だ。
このような一撃離脱戦法は、チョゴリス遊牧民族の騎馬戦士が好んで使用していたが、総主長「ジャガタイ・ハーン」によって戦術の域まで完成度を上げ実用しているのである。
また、兵団から戦団に分割された〈第二期創設〉の際には〈戦いの聖典〉(コデックス)を採用しつつも、兵団文化を併存させる形で戦団が運用されている。
「アイアンハンド」
「肉体は脆弱なり!!」
プライマーク(総主長):フェルス・マヌス
現チャプターマスター(戦団長):不在
ホームワールド(拠点惑星):メデューサ
コデックスの採用:あり
基本カラー:ブラック
【概要】
機械のごとく判断を下し、無慈悲にしてあらゆる脆弱性を排した戦いを繰り広げる機械化戦団。
冷徹なる論理と計算された憤怒をもって戦う。その姿は正に機械の如く。
生身の体を軽視し、全てのものに対して脆弱であることを憎悪しておりその肉体すら機械化してしまう。
〈帝国技術局〉とも親密な関係にあることも堂々と公言するぐらいの機械大好き戦団で、その態度は他戦団の同胞(ブラザー)に苦言を呈されるほどである。
かつて兵団だった頃の時代は、彼らは理性的な兵団として知られていた。しかし、総主長である「フェルス・マヌス」の戦死を境に、感情に従って行動するようになってしまった。それ故に彼らは総主長の精神面の弱さを引き継いでしまっているので、煽り耐性が低くてキレやすい。
「精神は脆弱なり!!」
戦団員は自らの脆弱性を否定するために、自らの体を機械化する者が多い。その為に機械技術の発達に対する高い敬意を公然として表明しているので、〈帝国技術局〉との強い結びつきを持っている。
実際に多くの戦団員を〈帝国技術局〉や〈機械教〉の総本山である「火星」に派遣し、〈機械教団〉が蔵する神秘的な技術の数々を学んできている。
それ故に、戦団内は多くの技術者を擁しているのだ。火星から惑星メデューサに戻ってきた戦団員は、「別格の魂の持ち主」として敬意の対象とする。それから何百年の戦果を重ねることによって、その技術官は〈鋼鉄の評議会〉の一員となっており、戦団内でも大きな影響を与えることとなるだろう。
ホルスの大逆の時代、総主長「フェルス・マヌス」の死後、兵団の組織運営の方針を変えざるを得なかったアイアンハンド兵団は、新たに〈鋼鉄の評議会〉(アイアン・カウンシル)を設立した。
一人のリーダーがアイアンハンド兵団の動向を決定することを防ぐために作られ、中隊長及び兵団内で尊敬を集めた戦士からなるメンバーで構成されている。
〈鋼鉄の評議会〉のメンバーには〈鋼鉄の父〉(アイアン・ファーザー)の称号が与えられ、以後アイアンハンド兵団の指令系統として機能するようになったのだ。
ホルスの大逆後、〈戦いの聖典〉がグィリマンによって著された際には戦団の運営に採用された。〈戦いの聖典〉を受け入れたのはただ単に、論理的見地からであった。
兵団から戦団への分割の際には反対の声も上がったが、アイアンハンド戦団はそうした分割への反対そのものが”脆弱性の現れ”としてみなされることを拒み、兵団の消耗が激しかったにもかかわらず、どうにか2つの後継戦団を創設したのである。
アイアンハンド戦団は進軍する際に大量の戦闘兵器と戦闘車両を投入する。また、この戦団は装甲兵員輸送車(APC)とドレッドノートの保有数を誇ることで知られている。
アイアンハンド戦団は各氏族中隊が独自の武器庫を保有しており、そこに氏族中心の固有の兵器や、戦闘車両、センチュリオン・ウォースーツなどが揃えられている。
兵団内でこれらの崇高な戦闘兵器の操縦者になることはこの上ない名誉としており、義体のインプラントと車両のセンサーを直接接続し、己が体と兵器を一体化して戦闘を行うのだ。
画像出典:ウォーハンマー40K「コデックス:スペースマリーン第7版」(codex:Space Marines)P48 イラストより
「サラマンダー」
「いざ、戦いの業火の中へ!いざ、戦争の金床の上へ!!」
プライマーク(総主長):ヴァルカン
現チャプターマスター(戦団長):トゥシャン
ホームワールド(拠点惑星):ノクターン
コデックスの採用:あり
基本カラー:グリーン
【概要】
竜のマークと緑のアーマーが特徴のスペースマリーン。
戦団員は戦闘を自らの技量と意志と忍苦を試すための試練ととらえ、強大なる戦士を鍛え上げるための坩堝と考えている。
サラマンダー(火蜥蜴)の名前通り、フレイマー(火炎放射器)やメルタガン(高温レーザー)等の高熱兵器を好んで使用する。汚物は消毒だ~!!
彼らの使用する兵器やパワーアーマーには竜の意匠や炎の装飾が施され、拠点惑星の文化が反映されたデザインで装飾されている。
画像出典:ウォーハンマー40K「コデックス:スペースマリーン第7版」(codex:Space Marines)P44 イラストより
遺伝種子と拠点惑星「ノクターン」における圧倒的な紫外線量の影響でメンバーは皆漆黒の肌と赤い瞳を持つ。
その見た目はあまりにも怖く、一度姿を現しただけで、一発の銃声も響くことなく無抵抗で鎮圧された反乱も数多い。
見た目は黒い肌を持った悪魔的な怖い見た目だが、その血には正義と人間性を尊ぶ精神が脈々と流れているのだ。
彼らはスペースマリーン戦団の中でも珍しく家族を持つことが許され、惑星内の住人や戦団内のコミュニティを何よりも大切にしている。
しかし、彼らの遺伝種子の欠陥率が高く、そのために戦団内でまともに戦えるマリーンは他に比べて少数となっている問題を持つ。
彼らには戦団独自の任務が存在する。総主長「ヴァルカン」は九つの至宝を自らの子らに遺しており、それは計り知れない価値を秘めた古代人類のテクノロジーによって作られた遺産を探し出すことである。
これらの遺産を探すために旅立つ戦団員のことを「工炉の父」(フォージファーザー)という。その称号と重い責務を与えられたのが中隊長の「ヴァルカン・へスタン(総主長のヴァルカンとは別人)」である。
へスタンは一世紀にわたって中隊長として活躍した後に〈高炉の父〉の称号と任務を任され、戦団の掟として今までの地位と名前を捨てて「ヴァルカン」の名を授かる。
歴代の〈工炉の父〉によって既に五つの至宝が見つかっており、ヴァルカンは〈焔の秘本〉の手がかりをもとに四つの至宝を見つけ出すための旅に出ている。
全ての至宝がそろった時に彼らの前に再び総主長「ヴァルカン」が姿を現すという。彼らはヴァルカンの再臨を果たすために、厳しき探求の旅路を進むだろう・・。
「レイヴンガード」
「奢ることなかれ。暗闇において兵に優劣などない。それを知る者だけが生き残るのだ。」
レイヴンガード戦団長 ケイヴァーン・シュライク
プライマーク(総主長):コラックス
現チャプターマスター(戦団長):ケイヴァーン・シュライク
ホームワールド(拠点惑星):デリヴェランス
コデックスの採用:あり
基本カラー:ブラック
【概要】
奇襲・隠密作戦を得意とする。普段は目に見えないように行動しており、他の選択肢が存在しないときにのみ正面攻撃を仕掛ける。
「狩猟」的な戦術思想を反映してか、レイヴンガード戦団は、単独で長時間の作戦行動が可能なスカウトを多用し、同時に、敵の急所に楔を打ちこむ強襲戦力である「ジャンプパック」装備の「アサルトマリーン」を多数投入することで有名だ。
画像出典:ウォーハンマー40K「キルチーム コア・マニュアル」(KILL TEAM:Core Manual) 表紙イラストより
「サンダーホーク」強襲揚陸艇および大気圏突入用ドロップポッドの保有数がきわめて多いことも、彼らの特徴といえる。
戦団の拠点惑星であるデリヴァランスは、小規模な工業惑星とでも呼ぶべき高い生産力をそなえているため、長期にわたる戦役においてさえ、充分な兵器製造能力を維持できることも強みだ。
レイヴンガード戦団の特徴は、各中隊が完全な別行動をとり続ける。各中隊長は独立心が強く、それぞれの中隊が別々の任務に就いている。
また、中隊長は自らの権限において帝国司令官らの救援要請に応えるか否かの権限がゆだねられている。
ホルスの大逆後、総主長コラックスは失った兵力を補うためにレイヴンガード戦団の団員を大量生産しようとするが失敗し、
その結果世代を経るごとに遺伝種子に劣化が表れてきている。中にはおぞましき怪物に変異する者もいるという・・。
【主な有名な後継戦団(サクセッサー・チャプター)】
銀河には数多くの後継戦団が存在する。その中でも有名なものが以下の戦団となっている。
「クリムゾンフィスト」
「オルクどもよ。何千何万という数で来るがよい。貴様らに対する備えは既に済んでおる。この惑星は皇帝陛下の領土にして、貴様ら如きの餌場にあらず。我ら、かの獣らの血をもってこの惑星を洗い清めん。」
戦団長ペドロ・カンドール
プライマーク(総主長):ローガル・ドルン
現チャプターマスター(戦団長):ペドロ・カンドール
ホームワールド(拠点惑星):リィンワールド
コデックスの採用:あり
基本カラー:ブルー、レッド(拳)
【概要】
インペリアルフィストの後継戦団。名の通り拳が紅く塗られている。
断固たる決断力と敗北を認めぬ頑強さを原初戦団から受け継いだ。
異端審問局とも密接な関係を持っており、「純血の団」所属の部隊「デスウォッチ」の、
キルチーム(1小隊の部隊)として選ばれることが多い。
画像出典:雑誌「ホワイトドワーフ 2017年9月号」(White Dwarf) 表紙イラストより
「ブラックテンペラー」
「この銀河はあまねく皇帝陛下の支配する領域なり。これに異議を為さんとするものは必ずや討ち滅ぼさなねばならぬ。」
当代大将帥ヘルブレヒト
プライマーク(総主長):ローガル・ドルン
現チャプターマスター(戦団長):当代大将帥(ハイマーシャル) ヘルブレヒト
ホームワールド(拠点惑星):ブラックテンペラー艦隊
コデックスの採用:なし
基本カラー:ブラック、ホワイト、レッド
【概要】
インペリアルフィストの後継戦団。拠点惑星を持たず、常に戦場となる惑星を渡り歩く。
その様は正に黒い十字軍として恐れられている。コデックスには従わずに、戦団独自の戦術やルールを持っている。
当時のインペリアルフィスト兵団の名誉の護り手「テンペラーブレザレン」中隊長「ジギスムント」によって戦団が創設され、片時も休むことなく皇帝陛下の敵を滅ぼす義務を全うする制約を立てる。
この誓約はその後の歴代の大将帥(ブラックテンペラーでの戦団長)によって受け継がれ、創設一万年を得た今日に至るまで、この誓いは破られていない。
総主長グィリマンが著したコデックスを否定した彼らは、他の〈戦闘者〉と異なり人類の皇帝を神とみなし、この上ない崇拝を捧げ続けている。
そのひたむきな信仰心によって帝国聖教会との強いつながりを有している。
画像出典:ウォーハンマー40K キャンペーンブック「ギャザリングストーム フォール オブ ケイディア」(Gathering Storm_- Fall of Cadia) P7より
「フレッシュティアラー」
プライマーク(総主長):サングィヌス
現チャプターマスター(戦団長):ガブリエル・セス
ホームワールド(拠点惑星):クレタシア
コデックスの採用:なし
基本カラー:レッド
【概要】
ブラッドエンジェルの後継戦団。元戦団で問題になった遺伝種子の欠陥である〈紅き飢え〉、〈黒き怒り〉による影響が際立っており、その狂気と残虐性で悪名高い汚名を背負っていた。
しかし、今では見放された惑星を救い、敵地へ容赦なく斬り込む彼等は次第に守護者として再認識されつつある。
戦団内では〈黒き怒り〉の特徴を元戦団の総主長「サングィヌス」からの贈り物として肯定的にとらえており、それらを活かした白兵戦を得意とする。
具体的には味方への被害を最小限にしつつ戦団員の獰猛性を生かす為に、四方八方敵に囲まれた戦場で大群に切り込みをかけていく。
この戦術によって〈黒き怒り〉の特性を最大限に生かすことができるのだ。
かつては、飽くなき殺戮衝動に突き動かされる彼等の巻き添えにより、帝国防衛軍はおろかスペースマリーン戦団でさえ犠牲となっていた。
その獰猛さと遺伝種子異常が災いし定員補充が不可能な状況に陥り、救援を求める帝国諸軍の指揮官にさえ拒絶される事態に陥る。
それ故に「異端審問庁」と「帝国聖教会」は、彼らが渾沌の魔の手に堕したのではないかと厳しい視線を向けていた。
しかし、戦団長が「ガブリエル・セス」に変わり、彼の外交的努力と戦術によって、悪名高き汚名を返上することに成功する。
今では異端宣告と反逆罪を免れ、白兵戦のエキスパートとして戦い続けているのだ。
画像出典:小説「A Son's Burden」表紙イラストより
【主要キャラクター】
フレッシュティアラー戦団の戦団長。戦団の壊滅の危機を救い、本来恥ずべきである〈黒き怒り〉を父たるサングィヌスからの贈り物として誇りを持って戦う。
巨大なチェーンソードの大剣「血を奪う刃」(ブラッドリーヴァー)を両手に構え、豪快に振るう。
彼が戦団長に就任した時には戦団は壊滅の危機に立たされる。異端審問庁から戦団の残虐性から〈叛逆戦団〉としての疑いをかけられていた。
彼は戦団を存続させるため、獰猛性を活かすことを決意する。戦争の第一波となり、八方を敵に囲まれた状態で戦闘すれば、巻き添えの懸念は取り払われる。すなわち戦場における「切り込み隊長」の役目に徹することを選んだのだ。
再建への道は苦難であったが、彼の戦術と外交的努力によって、次第に実績を積み重ねてゆくと同時に彼らを再び救世主として称賛する声が出てきた。
彼のやり方は絶望的な希望ともいえる無謀な方法ではあるが、わずかな希望を頼りに今日も敵陣へ切り込みをかけていく。
【その他の戦団(チャプター)】
特殊な文化と特徴を持つ戦団も数多くあり、下記の戦団はその有名な戦団の一つといえよう。
「グレイナイト」
プライマーク(総主長):なし
現騎士団長:ヴォルドゥス
ホームワールド(拠点惑星):衛星タイタン
コデックスの採用:なし
基本カラー:グレー
【概要】
対ケイオス(渾沌)専門に創設されたインクイジターの一部門「鉄槌の団」(オルド・マレウス)直属のスペースマリーン戦団。通称ディーモンハンター。
創設には重大な秘密があり、それゆえに人類に対しても存在を知られてはならない第666番目の戦団番号を持つ鈍色の騎士。ディーモン狩りに特化しており、帝国内でも秘密裏にケイオスディーモンを狩り続けている。
【ゲーム上の特徴】
一言で言えばコストの高いスペースマリーン。対ディーモン用のボーナスやルールを持つ。
サイキック能力に優れた資質を持ち、なおかつ敵兵の装甲を無効化する攻撃に優れる
画像出典:Erasmus Brosdau氏によるファンアートムービ「The Lord Inquisitor - Prologue」公式Facebookより
全員が皇帝陛下の遺伝種子が組み込まれており、かつ超人的な身体能力を持つ。
グレイナイトは敵のサイキックを妨害し、ケイオスディーモンに苦痛を与える「イージスアーマー」と「ネメシス・フォースウェポン」と呼ばれる特殊武装を装備している。
また、人類世界の上層部たる異端審問官の支援を受けることも可能。
グレイナイトの存在を知られたら最後、スペースマリーンや実績のある失うには惜しいと判断される被疑者はテレパシーでその件に関する記憶が消され、
一般の帝国防衛軍兵士や帝国臣民の場合なら
【主要キャラクター】
至高騎士団長の名誉を持つディーモン殺しの英雄。渾沌の領域で悪魔を屠り続けている高性能おじいちゃん。
彼が騎士団長(スペースマリーンでいう戦団長)の段位を授かったばかりのころ、一度倒したスラーネッシュの皇子「ム=カール」によって、定命の領域(現実世界)からケイオスディーモンが住まう渾沌の領域へ引き込まれてしまう。
普通の人間やマリーンなら、渾沌の領域では長く生き残ることは出来ずに、死んでもおかしくなかった。
しかし、彼は死なずに生き残っていた。
ドライゴは渾沌の領域でも、己の剣一つを頼りにケイオスディーモンの悪魔たちと戦い続け、多くの死体を築き上げた。
そして渾沌の領域と定命の領域が悪魔の門でつながり、渾沌の悪魔たちが進軍してきたその時に彼もまた定命の領域に戻ってくる。
悪魔たちが大進撃される人類のピンチに彼が颯爽と現れ、渾沌の軍勢を次々と倒してしまうのだ。
しかし、彼が定命の領域に戻ってくるのは束の間。悪魔の門が閉じたと同時に呪いの影響で彼は渾沌の領域へ帰ってしまう。
グレイナイトの騎士たちは信じている。いつか英雄であるトライゴが完全に戻ってくるのだと。
グレイナイトの現騎士団長。サイキックの才能に溢れ、ネメシスフォースハンマーを携えて戦う。
ある日ディーモンとの戦いを繰り広げていたとき、前騎士団長が倒れディーモンの侵攻を阻めず死に直面する。
その時、強力なサイキックを発動してしまい、至高騎士団長の「ドライゴ」が〈歪み〉の中から姿を現す。
事情を知ったドライゴはその場でヴォルドゥスを騎士団長に任命し現在に至る。
「レギオン・オヴ・ダムド」
「我ら、業火を以って敵を清めん」
プライマーク(総主長):不明
現チャプターマスター(戦団長):不在
ホームワールド(拠点惑星):ゾロス(破壊)
コデックスの採用:不明
基本カラー:ブラック
【概要】
骨と炎の装飾が描かれた漆黒のパワーアーマーを身にまとった静寂の戦士。その出自を知るものは殆ど居ない謎の戦団。
人類が窮地の時に〈歪み〉の中から何の前触れもなく現れ、寒気を覚えるほど冷酷無比な精密さをもって戦い続け、絶望的戦況を勝利へと変えるロム兄さん的立場。
そして戦闘が終了すると、雲散霧消してしまうのだ。それ故に彼らのことを詳しく知るものがほとんどいないのである。
画像出典:ウォーハンマー40K「コデックス:スペースマリーン第7版」(codex:Space Marines)P120 イラストより
「ブラッドレイヴン」
「知識は力なり、よく守らしめよ」
プライマーク(総主長):不明
現チャプターマスター(戦団長):ガブリエル・アンジェロス
ホームワールド(拠点惑星):アウレリア(消滅)、戦団のフリートベース
コデックスの採用:あり
基本カラー:レッド、ホワイト(肩部分)
【概要】
知識の番人にして戦士であり、秘密主義的で謎が多い戦団。知識は力である信じており、儀式、歴史、そして知識の習得に注力している。
他の諸戦団と異なり、高い割合でサイキック能力をもたらす遺伝種子を持っている。その為、他戦団に比べて強力なサイカーたるライブラリアン(司書官)が多く在籍する。
一度、戦団員の大半が渾沌に堕ちて寝返る事件が起こっている。どこぞのダークなエンジェルかな?
戦団員は戦団自体の出自を誰も知らず、失われた出自を知るために銀河中から戦団のルーツに関する情報を独自で収集している。
戦団の出自には大きな秘密が隠されていると言われている。
余談だが、「ブラッドエンジェル」戦団とは名前が似ていても何も関係はないので注意。初心者や始めたての趣味人によく間違えられる。
ゲーム「Dawn of War」シリーズで初登場し、シリーズを通してキャンペーンモード内の主役として活躍する。
画像出典:ゲーム 「Warhammer 40,000: Dawn of War3」 Space Marines Key Artより
「レッドスコーピオン」
「皇帝の意思を裏切るよりも重い罪はない」
プライマーク(総主長):不明
現チャプターマスター(戦団長):至高指揮官カラブ・カルン
ホームワールド(拠点惑星):ザエバス・ミノリス(正確な場所は不明)
コデックスの採用:あり
基本カラー:チャコールグレー、ブラック、イエロー
【概要】
帝国の教義への完全かつ完璧なる傾倒で有名な帝国純粋主義者からなることで知られている戦団。つまりスーパー潔癖戦団である。
その潔癖っぷりは極端な劣化や堕落がないことで有名であり、帝国内でも信頼に値する伝統主義者として確固たる信頼と実績を持っている。
彼らはあらゆる種類の変異によって汚染されたと考えているゼノ(異種族)やアブヒューマン(亜人間)、サイカー(超能力者)と共同戦線を行う事を拒否し、あくまでも純粋な人類のみしか受け入れない。
コデックスの教えに忠実で、コデックスを神聖なる聖書として妄信しており、その傾倒ぶりはコデックスの教えに忠実で知られる「ウルトラマリーン」戦団すら超える。
更には、スペースマリーン戦団の中でも珍しく、皇帝陛下を神として捉える熱狂的な忠誠っぷりを持っている。
しかし、彼らの長年の献身的な奉仕の記録にもかかわらず、戦闘者内には依然として、彼らが所属する創設者のアイデンティティーと同様に、彼らの遺伝子種子を採取した原初戦団や戦団としての起源が完全に謎に包まれている。
画像出典:ウォーハンマー40K「エキスパンション:インペリアル アーマー ボリューム9 バダブ戦役 パート1」(Imperial Armour 9 - The Badab War - Part 1)P48 イラストより
プライマリス・スペースマリーン
画像出典:ウォーハンマー40K「コデックス:スペースマリーン第8版」(codex:Space Marines)P4,P5 イラストより
【概要】
復活した総主長の「グィリマン」の指示で作られた新しいタイプのスペースマリーン。帝国技術局局長「ベリサリウス・カウル」の一万年間にも渡る研究にて実現した。
主な特徴としては通常のスペースマリーンよりも背も高く、身体能力も強化されており、通常のマリーンも手術によってプライマリス化が可能。
恐るべき怪力を持ち、人間の頭蓋骨なら素手で砕き、一般兵士の「フラックアーマー」を粉砕してしまう。
「プライマリス」の名前の通りかつての総主長の遺伝種子を基にして作られているので、総主長に近い能力や特性を持てるようになっている。
更にケイオススペースマリーン化の対策としてケイオスの堕落への耐性が強化されており、ケイオススペースマリーンへ堕落することを防ぐ効果が追加されている。
ウルトラマリーンはじめとした戦団では大いに歓迎され採用例が増えたが、一部の伝統を重んずる戦団では独自性が危ぶまれる可能性が高く、採用を見送っている戦団もある。
また、元のスペースマリーンがプライマリス化するには激痛が伴う手術が必要となり、下手をすれば死亡する可能性も秘めている。
そのためほとんどの戦団は新たにプライマリスマリーンを生み出す手立てを持っているが、既存の戦団戦術や装備品との親和性が高く、並びに製造が容易な通常のマリーンを選択することが未だに多い。
【ゲーム上の特徴】
第8版で登場。一言で言えば少しコストが上がって少し強くなったスペースマリーンといったところ。全体的に能力が上がっている。
今までのスペースマリーンに混ぜて編成することも可能。
ただし、プライマリススペースマリーンは従来のビークルではユニットを輸送出来ず、代わりに専用のビークルを使って輸送を行う。
【プライマリス・スペースマリーンにおけるスカッド(分隊)の種別】
新たに創造された「プライマリス・スペースマリーン」には独自のスカッド種別が存在する。名前こそ違うが、今までのスペースマリーンのスカッドに似た役割を持っている。
マリーンの中核をなすスカッド。「タクティカル・スカッド」に似た役割を持つ。
射撃戦と白兵戦をバランス良くこなす。
火力支援を行うスカッド。「ディヴァステイター・スカッド」に似た役割を持つ。
新型の重火器「アサルト・プラズマインシネレイター」、「ヘヴィ・プラズマインシネレイター」、「プラズマインシネレイター」等を装備し、高火力の射撃を行う。
空中戦を得意とするスカッド。「マークX グラヴィス型パワーアーマー」に「ジャンプパック」を装備する。
衛星軌道の高みから、地上まで一気に降下して敵陣に強襲を駆けることができる。
インターセプターの脚部の重装甲は対空砲火から身を守るだけではなく、着地時の衝撃吸収機能も備えている。
静音性の高いパワーアーマーを着装した、ゲリラ戦術を得意とするステルス部隊のスカッド。「スカウト・スカッド」に似た役割を持つ。
「マークX フォボス型アーマー」を装備し、新型の「グラップネルランチャー」によるロープでのワイヤー移動を可能とする。
彼らは施設内、占有領域内に潜入し、恐怖、錯乱、破壊工作によって敵を蹂躙する。
重厚なパワーアーマーを身にまとって戦う重装備スカッド。
火力支援ユニットである「デヴァステイタースカッド」とは異なり、アグレッサーは遠距離から銃火器による支援砲撃は行わない。
幾重にも重ねられたセラマイト合金から作られた「マークX グラヴィス型パワーアーマー」と重火器を両手に装備する彼らは、至近距離で敵を無力化する。
「タクティカル・マリーン」や「インターセッサー」が交戦中の最前線で、アグレッサーはボルト弾の雨とプロメチウムの大波によって敵を一掃するのだ。
ケイオススペースマリーン(ヘレティック・アスタルテス)
【概要】
銀河の西側にあるアイ・オヴ・テラー(恐怖の目)に拠点を構え、帝国にブラッククルセイド(黒き征戦)と呼ばれる渾沌勢力による大攻勢を幾度となく仕掛ける。
帝国の過剰に厳格な体制に耐えられなくなったものが裏切るものが多く、今でもケイオスに墜ちるスペースマリーンが後を絶たない。
皇帝を「偽りの皇帝」と呼び、暗黒の4大神の代理戦士として今日も人類の帝国を覆す恐るべき戦いに身を投じる。
他にも変異生命体や狂信者たちを配下に迎え入れている。
画像出典:小説「Horus Heresy: Slaves To Darkness」表紙イラストより
「我らの体がアダマンチウムに鎧われる時、
我らの魂は忠誠によって護られる。
我らのボルターが皇帝陛下の怨敵にもたらす死を装填する時、
我らの思考には知恵が満たされる。
我らの隊列が前進し、聖務を果たす時、
我らこそがスペースマリーンなり。
皇帝陛下に選ばれたる者にして
死する時まで忠実なる従僕であり続ける。」
追記・修正を行いたい同胞(ブラザー)は戦団の各ライブラリアン(司書官)に申し出よ!
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