登録日:2012/06/16 (土) 19:40:41
更新日:2019/10/14 Mon 10:35:12
所要時間:約 150 分で読めます
本作は国内における解説や情報量が少ないので、ご協力いただける余力のある方々は追記、修正をしていただけると幸いです。
平和はない。
休息もない。
赦しなど、あるはずもない。
戦争だけが残ったのだ。
画像出典:ウォーハンマー40Kボックスセット「ファースト・ストライク」(First Strike)ボックスアートより
概要
Warhammer 40000(ウォーハンマー40K)とは、イギリスのミニチュアゲームの会社「ゲームズワークショップ」から展開されているミニチュアボードゲームおよびSFファンタジー作品である。略称は「40k(フォーティーケー)」。
同社の「
ウォーハンマーシリーズ」の一つであり、遠い未来の宇宙を舞台にした戦争を描く作品である。
英語圏を始めとした海外では絶大な知名度人気を誇り、同シリーズの「
ウォーハンマーファンタジーバトル(以下FB)」(
エイジオブシグマー(以下AoS))と並んで世界でトップシェアを誇るミニチュアゲームである。
本家「ウォーハンマーFB」はトールキン作品(
指輪物語)やマイケル・ムアコック作品等のファンタジー作品に大いに影響を受けた作品だが、本作「ウォーハンマー40000」は「ウォーハンマーFB」の設定を一部引き継ぎつつ西暦40000年代を舞台にした
遠い未来の宇宙戦争を描いている。
ゲームの初版は本家「ウォーハンマーFB」を手掛けた「ブライアン・アンセル」と「リチャード・ハリウェル」、「リック・プリーストリー」の3名により作成された。
元々は本家のウォーハンマーFBの40000年後の世界が舞台という設定だったが、今では独立した世界という設定となっている。
30年以上かけて作りこまれた膨大でかつ緻密な設定や世界観、暗黒の千年紀を舞台にした壮大で重厚なストーリー、戦略性の高いゲーム性など
色々と用語が出てきてとっつきにくい部分はあるが、少しづつ読み進めていくごとにその重厚な世界観を堪能できる。
本作はただ単なるミニチュアゲーム作品ではなく、小説、ドラマCD、デジタルゲーム、コミックなどの多岐にわたったで作品が展開されており、SFファンタジー作品としての大きな魅力も持ち合わせている。
日本でも2004年から第4版の日本語版が発売されている。第5版がリリースされた際は有料のルールブックPDFをなんと無料で配布するなど大盤振る舞いのサービスも行っていた。
しかし、絵柄や設定のとっつきにくさ、ミニチュアのコスト等の問題から中々知名度が上がりや売上を伸ばすのが難しく、
一時日本語版が発売されていなかったり、日本語の公式ストアが閉鎖されたりと厳しい状況が続いた。
しかし厳しい状況の中、少数ながらも日本でのシェアが増えていき、ネットを通してでのコミニュティーが形成されていった。
そしてシリーズ30周年となる2017年度から雑誌「ホビージャパン」で毎号取り上げられ、マックスファクトリーから初級者向けのキット「スペースマリーンヒーローズ」が発売されるようになる。
更に日本語版の公式HPが製作されるなど、日本での知名度やプレイヤー人口も少しづつ上がってきている。
そんな折、2019年の静岡ホビーショーでなんと我らがを発売することが決定した!!
国内外の多くのファンが驚き、今後の国内展開に大きく期待を寄せた。「楽しい時を作る企業」が果たしてどのような商品展開を行うのか多くのファンが固唾を飲んで注目している。
本作「ウォーハンマー40K」のミニチュアホビーには主に四つの楽しみが一つになったホビーといってもよい。
ミニチュア作り、集めて飾る。集めれば集めるほどプレイヤーの軍勢はより大群となる。中には限定のミニチュアモデルも存在する。
キットは接着剤やカッターなどを駆使して組み立てていく。慣れてくれば、オリジナルの改造モデルも作成可能。
専用のシタデルカラーを使い、まるで絵を描くようにしてミニチュアを塗装する。カラーの塗装ルールも完備されている。
ルールブックとダイス、メジャーそしてミニチュアを使った30年以上の歴史を持つ本格的な「ウォーシミュレーションゲーム」が楽しめる。
そして、一番注目してほしい部分が「プレイ」の要素で他の国内プラモデルと異なり、
という最大の特徴を持っており、まさにプラモデル+ボードゲームを一度に楽しめる異次元のホビーといってもよいだろう。
ミニチュアモデル(プラモデル)としての特徴
ミニチュアモデルのコレクション最大の特徴の1つは、強力な英雄を集めたり、恐ろしい戦闘兵器や、本作におけるにおける不可思議な光景を、自分のモデリングとペインティングで再現することにある。
日本におけるプラモデルは主に「ロボット」、「ミリタリーモデル」、「自動車」、「アニメキャラ」といったジャンルが定番だが、
本作ウォーハンマー40000ではをリリースしている。
例を挙げれば、「」や「」、「」、「」、「」等
あまり日本では見られないジャンルのモデルを組み立てたり集めることができる。
上記にあげた例だけではなく他にも「」や「」等の
日本のモデラーでも楽しめるミニチュアモデルもリリースされているのもウォーハンマー40000の魅力の一つだ。
更に兵士や兵器のミニチュアだけでなく、と呼ばれる情景モデルを組み合わせることによってより臨場感のあるジオラマを作成することもできる。
丁寧に作られたテーブル上の戦場に配備された完全にペイントされたアーミーや、天をつくような情景モデルを作り上げれば、大迫力の「遠未来の戦争」や「英雄たちの戦い」を卓上に再現することができるのである。
ウォーハンマーシリーズのミニチュアモデルは一般的なプラモデルと違って
しかし一回買っておけば飾ることはもちろん、将来にわたって末永く使用することができる。
小さなミニチュアには国産のプラモデルとは異なってディティールが非常に作りこまれている。パーツひとつひとつを見ても、偏執狂的に入れられたモールドが目を引く。
パーツ表面に隙間や空間が空くこと自体を恐れるかのようにみっしりと彫刻が入れられ、しかもそれぞれに意味やデザインを持たされている。
パーツの分割方法も国内のプラモデルと違って、キャラが可動しないことを前提とした大胆な分割がされている。
ベースサイズ20/25mmのレンジモデルやプラモデルを「一般的な人間」のサイズとして決めている。
モデルには
そのために手間は少しかかるが、塗ってくる作業だけでも楽しめる。
基本は専用のシダテルカラーを使用してペイントを行う。慣れてくればガンダムカラーなどの他社製塗料を使ってみるのも良いだろう。
初心者でもガイドに沿って塗っていけば簡単にかつ綺麗にミニチュアを塗装できる。
ウォーハンマー製品はミニチュアゲームの専門店やゲームズワークショップ直営の「」で購入することができる。
一般的な玩具売り場の模型コーナーで
最近では、ヨドバシカメラ全店舗やイエローサブマリンの一部店舗等、取り扱う店も少しづつ増えている。
ネット経由では国内の通販サイトやゲームズワークショップの公式通販でも購入可能。実店舗ではおいてない製品も手に入れやすい。
ただし、特に公式の通販はイギリスからの発送となるので送料が跳ね上がる。
[]
ミニチュアモデルは主に「組み立て」、「ペイント」の工程に分かれている。
ミニチュアゲームとしての特徴
[]
ウォーハンマー40000はミニチュアゲームの中でもに分類されるものである。
一言で有名なデジタルゲームで例えれば、と言ったところ。
ゲームは基本2人用のターン制で行われる。、となる。
ユニットとなるミニチュアをターンごとに行動させ、ルールブックとミニチュアの性能が書かれたデータシートに基づいて行動を行う。命中判定などは一般的な6面ダイスを使用する。
移動する際はスパロボやFEと異なり移動の際はミニチュアに設定された移動距離をメジャーで測って移動させる。(やOEに近い)
ミニチュアゲームには版が存在し、版を重ねていくことによってバージョンアップしたゲームバランスや新ルールの追加、調整などが行われる。
ゲームを行う際は遊ぶ版に合わせてルールやデータを参照する必要がある。
必要なものがそろえば、卓上は戦場と化す。
ミニチュアゲームを楽しむには、、、、、が必要となる。
必須ではないが、これらの物があればよりミニチュアゲームをよりよく楽しむことができるだろう。
[]
ウォーハンマー40,000のゲームは複数のバトルラウンドを繰り返すことで行われる。
各バトルラウンドは双方のプレイヤーのターンによって構成される。バトルラウンド内でターンを行うプレイヤーの順番はゲーム中常に一定あり、
プレイするミッションの説明文に先攻の決め方が記載されている。各ターンは複数のフェイズによって構成され、フェイズの順番も常に一定である。
各フェイズの順番は以下の通り。(ルールは簡略して説明している)
[]
[]
ミニチュアゲームを始めたいならまずこれを買おう。ゲームを遊ぶためのアイテムが一通りそろっている。
宇宙海兵隊である「スペースマリーン」とそのライバルである「ケイオススペースマリーン」のミニチュアキット数体と、
「アドバンスドルール」が掲載している書籍版のルールブック、ダイス6個等のミニチュアゲームに必須なツールも入ってる。
SF、ファンタジー作品としての特徴
[]
のはるか遠い未来、人類は強大な力を持つ「」により統一され、銀河全域へと支配を広げた。
しかし〈大逆〉により人類は分断され、皇帝は黄金の玉座にて、一万年の時を腐屍の身で過ごすのみ。
銀河にはが有り、帝国内には異端が蔓延っている。
そしての侵攻はかつてないほどに増加している。
ただの生存でさえ勝利となる世界で、今日もまた何処かで戦争が起こっているのだ。
天の川銀河を舞台に、人類最大の勢力を誇る帝国とそれに敵対する様々な勢力との戦いが描かれている。
救いようのない狂気と悲壮感、テクノロジーが発達してるのにもかかわらず中世ヨーロッパの暗黒時代顔負けの異端者狩りなど遠未来の文明の暗く退廃的な世界が描かれている。
しかし、暗いシナリオの中にも尊き犠牲を払う英雄達の物語、SF要素(超能力、宇宙戦艦、ロボ、ミリタリー要素等)とファンタジー(魔術、悪魔、刀剣、甲冑、宗教等)が見事に融合する世界観は、どのSF、ファンタジー作品でも見られない多くのロマンや魅力を持ち合わせている。
ハードSFとダークファンタジーが融合した独特の世界観は今もなお多くのファンを魅了し続けている。
多くの独特な単語や設定が作られており、それらが矛盾しないようにシナリオや各設定が作り込まれている。
それ故に、初めて世界観を見る人は、その独特の雰囲気についてきにくい。
わからない単語や設定などは、コデックスを初めとした書籍やインターネットの紹介記事を調べたり、本項目を参考にすれば、その世界観を楽しむことが出来るだろう。
[]
西暦1000年をM1とし、1千年紀を1000年単位として時代が表される。
M0(西暦1年)~M30末(西暦29000年末)
[]
M30(西暦29000年末)~M31(西暦30000年頃)
[]
M31(西暦30000年頃)~M41(西暦40000年)
[]
M41(西暦40000年代)
[]
[]
シナリオは大きく分けて本編の「キャンペーン」と本篇の前日談に当たる「ホルスヘレシー」(The Horus Heresy)、
外伝の「スピンオフ」に分けられる。
本筋となるシナリオ。第41千年紀(西暦40000年代)が舞台になっている。
書籍として発売されているかセットで付属されているキャンペーン本。本は単体で発売されるか、ボックスセットの中に同梱される。
シナリオや設定が楽しめるだけでなく、ナラティブプレイ用のルールも収録されておりゲーム上でシナリオを再現することも可能。
下記のグローバルキャンペーンの間にキャンペーンブックやキャンペーンサプリメント、ボックスセットが数種類発売される。
全世界で一斉に行われるゲームイベントで作られるキャンペーンシナリオ。イベントは約4年に1回行われる。
ユーザーもイベントに参加できる。ある程度のシナリオ流れをゲームズワークショップ側と各加盟ショップが作り、
期間内にワールドワイドでのキャンペーンイベントを開催し、イベントを開催する各加盟ショップでのゲーム結果を基にしてシナリオの結果を書き加えてグローバルキャンペーンシナリオを完成させる。
つまり、グローバルキャンペーンのシナリオは
1995年以来今まで数回にわたってグローバルキャンペーンシナリオが共同で作成され、ユーザーもシナリオの参加者の一人として携わることができるのだ。
前日談に当たるシナリオ。キャンペーンから役1万年前の第30千年紀頃に起こった〈大征戦〉及び〈ホルスの大逆〉が舞台となっている。ファンからは通称「ウォーハンマー30K」(略称30K)とも呼ばれている。
皇帝とその息子である「プライマーク」(総主長)を主役とした物語で、大征戦やホルスの大逆を戦い抜いた総主長達の活躍や葛藤などが描かれている。
そして、希望と誇りに満ちた〈大征戦〉が少しづつ絶望と悲観に包まれ、大いなる失望に変わる〈ホルスの大逆〉に至るまでの悲劇や伝説の全貌が明らかにされていく。
海外では英語版の小説やオーディオブック(ドラマCD)、ミニチュアが数多く出てきており、一つの大きなシリーズとなりつつある。
本筋以外の外伝シナリオのこと。基本的には41千年紀を舞台にしているが、時期が過去だったり、主役がゼノ(異種族)やケイオス(渾沌)だったりと舞台も様々。
有名なキャラの知られざる活躍や設定、名も無きキャラの物語もここで語られる。
ゲームや書籍、オーディオブック、サプリメントブック等の媒体で展開されている。
種族および軍団(アーミー)紹介
[]
銀河の覇権を狙う種族や勢力は数たくさん存在する。それぞれの勢力は自らの信条や目的を持って戦っている。
同じ勢力下でも組織が違えば特徴や目的も大きく変わる。
本作に登場する種族は大まかに下記の三つの勢力で構成されている。
本作の主役である勢力で人類の帝国。様々な組織が存在する。
人間以外の異星人やエイリアンなどの勢力の総称。異種族同士でもほとんどが対立、独立した勢力となっている。
異次元の世界から来た渾沌の勢力。超常現象を起こす悪魔や帝国の裏切り者などで構成される。
他にも設定上のみの種族や、少数民族など巨大な勢力ではない異種族が数多く存在する。
書籍
[]
ウォーハンマー40000は多くの関連書籍もリリースされている。月間の専門誌から小説、のゲームブックから解説書など様々。
今回は日本語で読めるおすすめの書籍を紹介しよう。
デジタルゲーム
[]
本作はSF作品としても人気が高く、デジタルゲームも多くリリースされている。原作ファンはもちろんのこと、
ミニチュアゲームに手を出すのが難しいライトユーザーでも十分に楽しめるようになっている。
今回はその中でも日本語で遊べるお勧めのデジタルゲームを紹介しよう。
用語
[]
[]
[]
[]
[]
[]
[]
[]
[]
小ネタ
| + | クリックで参照 |
ウォーハンマー40000はイギリスのSFコミック誌「」の人気コミック「」(Rogue Trooper)と「」(NEMESIS THE WARLOCK)の2作品から影響を受けている。
ウォーハンマー40000初版のサブタイトルにはローグトルーパーをもじって「ローグトレーダー」と書かれている。
その他にも「ロボコップ」や「ジャッジ・ドレッド」にそっくりな警察組織などが登場するなど本作はありとあらゆるところからのパkではなくオマージュネタが多い。
制作の「Fateシリーズ」のスマートフォン向けゲーム「」では本作品を思わせるようなセリフが出てくる。(例:スペース海賊軍団、ミニチュア塗りたい等ののセリフ)
後に同作を原作としたミニチュアゲームである「」が発売。ミニチュアゲームの予告としてWH40Kをネタに使ったと思われる。
所属のシナリオライター「」氏(Fate Apocalypse、デモンベインなどのシナリオ担当)も本作のファンで、
twitterにミニチュアや設定に関するツイートを投稿している。
の名作RTS「」シリーズに出てくるキャラ設定の元ネタは
テランマリーン→スペースマリーン、プロトス→アエルダリ、ザーグ→ティラニッドとなっている。
映画「」の当時の制作元である「」から本作の内容に関して訴えられたこともある。
訴えた理由としては、エイリアン2劇中の「植民地海兵隊」とスペースマリーンの兵器のデザインが類似しているのと、
ティラニッドのデザインと設定がエイリアン(ゼノモーフ)と類似しているため。
ゲームズワークショップ側は上記2点はとして裁判所に提出して
|
百万を超える惑星を、億を超える戦乱が包む。安息の地はなく、逃げ込める場所も存在しない。この銀河には、戦争のみが残されたのだ!
追記・修正を行う際は、アーミーを組んでからお願いします。
(C) Copyright Games Workshop Limited 2019. GW, Games Workshop, Citadel, Space Marine, 40K, Warhammer, Warhammer 40,000, the ‘Aquila’ Double-headed Eagle logo, Warhammer Age of Sigmar, Stormcast Eternals, The Horus Heresy and all associated logos, names, races, vehicles, weapons and characters, and the distinctive likenesses thereof, are either ARE (R) or TM, and/or (c) Games Workshop Limited, variably registered around the world, and used under licence. All Rights Reserved